指揮官には友達がいない   作:狂乱のポテト

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更新が遅すぎてすいません。遅すぎて誰も話の流れを覚えてないまである。

実はなんとか仕事が見つかって2月から働くことになりました。やったね。前職は事務系でしたが今回はIT系の法人営業です。いかにも意識高そう(ロジカルシンキング玉縄





#17 The Enemy of my enemy

 

 

「もしも民間人に危害が及ぶとグリフィンの責任問題にかかわります。最悪の場合ご主人様がすべての罪を被る恐れも…」

 

「代償なしになにかを変えたいと願うのは愚者のすることだ。地上のM4達やスタッフはリスクを負ってでも守らなきゃならない」

 

「……もともと…俺が招いた問題だしな…」

 

【ボス、作戦通り奴らをおびき寄せた!このまま基地へ向かうが早めに救援をよこしてくれよ!】

 

「了解だ、過激派がいるギリギリまで引き付けろ。そのあとは右翼側に回り込んで支援に……ちょっと待て、お前らなにを連れてきて…」

 

「ご主人様、スペードチームの後方から高速で追尾する反応あり。移動速度からして人形型ではないと推測されます」

 

 ふと脳裏に嫌な予感がよぎる。

 

 そしてその予感は今、目の前で現実となった。

 

「映像を切り替えろ、急げ!」

 

 モニターがスペードチームに随伴するドローンの映像に切り替わる。

 

 俺はこの時ほど自身の見通しの甘さを悔いたことはなかった。

 

「これは…マズい…!」

 

 

 

 

 

 30分前……

 

 

 

 

 

【それで?私たちになにをしてほしいんだ?】

 

「お前たちの近くに鉄血の小規模な拠点が複数ある。そこを攻撃してほしい」

 

【はぁ!?こっちはたった4人だぞ?冗談キツいぜ!】

 

「少しちょっかいをだして鉄血を引きつけるだけだ。完全に掃討する必要はない。それにごく少数の反応がいくつかあるだけだしな」

 

「だが引きつける数は多い方がいい。派手にかましておびき出せ」

 

【分かった…それで?基地のどこまで引きつければいいんだ?】

 

「戦力が最も集中している正面ゲートだ。上手くいけば過激派団体の奴らを挟み撃ちにできる。鉄血が近づいてくると知ったら民間人もさっさと逃げるだろ」

 

【そんな調子よくいくかねぇ…了解だ。全員車に乗れ!ずらかるぞ】

 

 スペードチーム、もといトンプソンたちとの通信を終了し、モニターをドローンからの映像に切り替えた。

 

「恐れ入りますがご主人様、どういった作戦をお考えでしょうか?」

 

「G36、”ハイダーのバランス理論”って知ってるか?」

 

「三者間の認知関係のバランスを保とうとする人間の心理状態を表す理論ですね。それがなにか?」

 

「そうだ。最も分かりやすい例だと”敵の敵は味方”ってやつだな」

 

「ここでは民間軍事会社と過激派団体、中身は人間同士が争っているが人類が本来すべきことは潰し合いじゃない」

 

「人類に反旗を翻した”暴走者”を止めることだ」

 

「つまり…”鉄血”」

 

 G36の顔が少し固くなったのがわかった。

 

「…お言葉ですがご主人様、奴らを第三勢力として介入させるのはおすすめできません。民間人を危険に晒してしまいます」

 

「なにも大勢の鉄血を引き連れてこの場でやりあうわけじゃない、ヴェスピドとかを数体近づけて少し混乱を起こす程度だ。近くに鉄血がいると分かれば英雄気取りの民間人たちも逃げるだろうし、過激派の連中もグリフィンだけじゃなく鉄血も相手にしなければならないから戦力を分散させられる」

 

「それに鉄血の規模も監視所程度だしな。地の利はこちらにあるから予想外のことがあっても十分対処できる」

 

「……ご主人様がそうお考えなら…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Q.あなたは敵に囲まれ絶体絶命、逃げ場はありません。ここで新たにお互い共通の敵が現れました。さてどうしますか?

 

 

 

 

 

 

 

 A.すべて叩き潰しましょう。

 

 

 

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「着いたな、一旦この辺で降りるぞ」

 

「ここは……」

 

 スペードチームは指揮官がマークした鉄血の監視拠点付近に到着した。しかし辺りは見渡す限り廃屋しかなく、とても拠点と言えるような建物は見当たらない。

 

「ねえ~トンプソン、本当にここであってんの?」

 

 M2 HBはのそのそと車から降りながら気だるそうに問いかけた。

 

「そのはずなんだが…ちょっとボスに確認してみる」

 

 トンプソンが通信機の回線を切り替える直前、付近を偵察していたCZ-805から通信が入った。

 

【トンプソン、南東の方で鉄血の拠点見つけたんだけど…指揮官が言ってた情報とちょっと違うというか…】

 

「あん?どういうことだ?」

 

【うーん…口で説明するより見たほうが早いと思うからちょっとこっちまで来てくれない?】

 

 一同はCZ-805がいる場所へ集合した。

 

「で、なにがあるんだ?」

 

「ほら、あそこ。情報よりもかなり大きくない?」

 

 CZ-805が指さす先には今はもう使われていない工廠があった。周囲には歩哨と思われる鉄血人形がうろついており、現在は鉄血が廃工場全域を占拠しているものと思われる。おそらくかつての生産ラインを再利用して人形を製造しているのだろう。

 

 指揮官からは監視所があると聞いていたがこれほどの広さを持つ拠点を監視のためだけに用いているとは考えづらい。それに座標が事前の情報と少しズレている場所に位置していた。

 

「どうする…?」

 

「ボスと話してくる、ここで待ってろ」

 

 トンプソンはその場から離れ、指揮官へ通信を繋いだ。

 

「ボス、ちょっといいか?確認したいことがある」

 

【目標地点にはついたのか?】

 

「ああ、だが指定された場所に監視所なんてなかった。すこし歩いた先に鉄血が占拠している大きな工場を見つけたんだがこいつのことを言っているのか?」

 

【んん?……うーん…?】

 

 返ってきたのは否定とも肯定ともとれない相づち。

 

 普段はハッキリと的確な指示を出し、公私共に曖昧な言葉を嫌う指揮官。そんな彼にしては珍しいとトンプソンは内心思いつつも口には出さず、静かに答えを待っていた。

 

 二人の間に沈黙が流れる。

 

【……】

 

「……」

 

 やがてしびれを切らしたトンプソンが返事を求める。

 

「…ボス?」

 

【あー…とにかく時間がない、適当に引き付けてくれ。】

 

「了解だ。スペード1、アウト」

 

「…聞いただろ、行くぞ」

 

 トンプソンは指揮官との通信を終了し、隊員たちに指示を出す。

 

 車へと戻る道すがら、TMPがCZ-805へ話しかけた。

 

「あまり言いたくないんですけど、あれってもしかしなくても鉄血の生産工場ですよね…」

 

「うーんあの大きさだともしかしたらマンティコアとか作ってたりして」

 

「うう…やめて下さいよ…縁起でもない…」

 

 やがて彼女たちが乗り込んだ車両は目の前の鉄血拠点へと進撃していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして時は今に至り……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グリフィン基地 8階司令室

 

 

 

 

「おいトンプソン!なんでマンティコアなんか連れてきたっ!?」

 

【こっちだってまさかケンカ売った場所が装甲人形の製造工場だなんて思わなかったさ!だいたいそっちが送ってきた情報が間違っているのが悪いんだろうが!!】

 

 先ほどのトンプソンとの通信。計画の歯車にズレが生じ始めたのはここからだろう。

 

 衛星によって観測された鉄血拠点、情報と違う位置情報、小規模な監視所ではなく大きな工場。

 

 脳裏によぎった違和感はやがて一つの答えを導きだす。

 

「G36…さっきの衛星写真…日付はいつになっている…?」

 

「少々お待ちください。……これは…」

 

「…2週間…前です……」

 

「あぁー…やっちまった…」

 

 そう、情報が間違っていたのではなく、情報の”鮮度”が落ちていたのだ。

 

 なぜ最新の衛星画像ではないのか。

 

 通常であればグリフィンの諜報部門が用いる偵察機や衛星によって鉄血が観測された場合、即座に全基地・支部へ情報が共有されるようになっている。観測された対象が無力化されるまでは諜報部が常に監視を担い、諜報部から送られた情報を頼りに実働部隊の俺たちが掃討作戦などの計画を立てるようになっている。

 

 だが今回の騒動によって政府および捜査当局は、事態が解明されるまでグリフィンの活動を一部凍結。輸送機以外の兵器使用は禁止となり、武装レベルは自衛のための最低限度のものという厳しい制限を受けていた。

 

「申し訳ございません…ご主人様…。私がもっと早く気づいていれば…」

 

「いやG36は悪くない。情報の管理を怠ったのは俺だし、それにまさか鉄血が2週間で製造拠点を築くなんて予想だにしなかった。これは全部俺の責任だ」

 

「……全部…俺のな…」

 

「っ…しかしご主人様…」

 

 

 

 

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

 

 

 

 

 G36が言葉を紡ごうとした途端、基地に警報が鳴り響いた。

 

「なにが起きた!?」

 

「ゲートが突破されました!デモ隊が施設に侵入しています…!」

 

【指揮官、こちらRO635です!奴らにゲートを破壊されました!このままでは基地に侵入されるのも時間の問題です!救援を!】

 

 通信からは切迫したROの声だけでなく、耳を劈く銃声や誰のものとも知れない悲鳴や叫び声がこだましていた。

 

「トンプソンさんのチームも対応を求めています。どちらにせよ、マンティコアを率いたまま基地に近づけるわけにはいかないかと」

 

「……G36はここで通信管制を。なにかあればすぐに知らせるように」

 

「ご主人様?なにを…」

 

 俺はG36に告げるとプレートキャリアを着用し、シューティンググラス型の指揮システムと自身のヘッドセットに繋げた通信機を起動した。

 

「トンプソン、あとどれくらい持ちそうだ?」

 

【なんとか攻撃を避けつつ距離を保ってる!こっちにはM2 HBがいるが通常弾しか持っていなくてな。完全に撃破することは不可能だ!次から散歩と偵察に行く時にも必ず徹甲弾を装備させるんだな!】

 

「了解だ、こちらが片付き次第すぐに増援を送る。それまで耐えてくれ」

 

 予備のマガジンをポーチにすべて収納すると、ソファーに立て掛けていた”AR-15”を手に取ってチャージングハンドルを引いた。

 

 1発の.300BLK高速弾がチャンバーへ送り込まれる。

 

「オーバーロードより1階の警備チームへ、今から救援に向かう。それまで制圧射撃に留めて弾薬を節約するように」

 

【了解です!……ん?指揮官?いまなんと…】

 

「G36、非戦闘員は地下シェルターへ避難するよう指示、他の指揮官の部隊には武器庫とヘリポートを防衛するよう要請してくれ」

 

「了解しました。ご主人様…ご武運を」

 

「ありがとう、ここは任せた」

 

「FAL、グローザ。4階で合流しよう。M4達のもとへ向かうぞ」

 

 

 

 

 

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 グリフィン基地 1階メインエントランス

 

 

 

「ねえRO!本当に指揮官が救援に来てくれるのかなあ?」

 

「だからなにかの聞き間違いよ!それよりSOP Ⅱ!フルオートで撃っちゃダメ!弾を節約するようにって言われてたでしょ!?」

 

「えぇ〜?でもM4も聞いたよね?今から救援に向かうって」

 

「そうね…確かに聞き間違いでは……」

 

「すまん遅くなった。RO、負傷者は?」

 

「し…指揮官!?なぜここに…救援は?」

 

「俺が救援だ、全員少し下がるぞ」

 

「わー!指揮官カッコいい!やっぱり指揮官も一緒に戦ってくれるの?」

 

「まあ…慣れないことはしたくないんだがな。それで負傷者はどこに?」

 

「あちらです、指揮官」

 

 M4A1が指す部屋を見ると警備チームのデイブが血塗れのまま横たわっており、傍でAR-15が処置を施していた。

 

「FAL、タオルを濡らして持ってきてくれ。AR-15、デイブの容態は?」

 

「指揮官…今は意識を失っています。応急処置も無事に終わりました」

 

 デイブの首へ手を当てると辛うじて脈は動いていた。

 

「弾は首元を貫通していてなんとか出血は止まりましたが…失血した量が多く一刻も早く輸血が必要です」

 

「全部1人でこなしたのか?AR-15って救命講習受けてたっけ?」

 

「あ…いえ…前にM16から教えてもらったんです」

 

「でも早急に医療施設へ運ばないと彼の生命は持たないわよ。ヘリは飛ばせないし…どうするの?」

 

 FALの言うとおり現在輸送ヘリはすべて格納庫に収納されており、パイロットを含む全スタッフは地下シェルターへ避難している。暴徒が基地へ攻め込んでいるなか、今からヘリを用意することはかなりリスキーだ。

 

【ご主人様、戦域内に所属不明のヘリが接近しています。飛行制限空域であることを警告していますが応じず、登録番号の照会にも返答はありません】

 

「なに?」

 

 G36からの連絡を受けて窓から空を見上げると確かにヘリコプターが飛んでいた。だがかなりの高高度を飛行しており、撃墜しようにもこちらには有効な対空火器はない。

 

 俺は屋上にいる狙撃班へ通信を繋げた。

 

「WA、そこからヘリを捕捉できるか?」

 

【確認したわ。ここから直線距離で800m…真正面から近づいてきてるわね。今なら0ひとつ多くてもパイロットに当てられるわよ】

 

「マジかよすげぇな…」

 

【べ…別にライフルの人形ならこれくらい余裕よ】

 

「ああ、まだ撃つなよ。そのまま待機だ」

 

【ご主人様、所属不明機からの通信要請が入りました】

 

「俺の回線に直接繋いでくれ」

 

【かしこまりました。3、2、1…】

 

【グリフィンの指揮官へ、こちらは国家保安局所属のMH-60。コールサインはヴァルチャー2だ】

 

 聞こえたのは男の淡々とした声。

 

「国家保安局がなんの用だ。まさか俺を逮捕しにきたのか?」

 

 俺の問いかけに応えたのは先ほどの男ではなく、どこか聞き覚えのあるあざとい声色だった。

 

【は〜い指揮官〜♪なんだかお困りのようね?】

 

「……45?なんでお前が…」

 

【そっ、会えなくて寂しかった?】

 

【指揮官ー!助けに来たよー!】

 

「その声はナインか、ということは…」

 

【うん!416とG11もいるよー】

 

【ナインがさっき言ったけど指揮官(あなた)を助けに来たの。でもこれは非正規のお仕事だから、グリフィンと私たちだけのヒミツね♪】

 

「はは…ほんと…侮れないな、君たちは」

 

「基地周辺でトンプソン達が乗っている車両がマンティコアに追われている。まずはあいつらを助けてくれ。それまでこちらは俺たちだけで対応する」

 

【りょうかい、また後でね】

 

 通信が終了するとヘリは急激に高度を下げ、トンプソン達がいる方向へ飛び去っていった。

 

 

 

 

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「ねえトンプソン!指揮官からはなんの連絡もないの!?そろそろ弾が残り少ないんだけど!」

 

「ひゃあっ!あのマンティコア、タイヤを狙って撃ってきましたよ!?」

 

 M2 HBが必死に抗おうと掃射するが通常弾薬では思うように効果を発揮できず、戦意を喪失したTMPは後部座席で身を縮めていた。

 

「うだうだ言ってる暇があったら手を動かせ!いいか、脚部を狙うんだ!!」

 

「私とトンプソンさんのホローポイント弾じゃあ豆鉄砲ですよぉ!」

 

「ちっ…ボスの救援はまだか…!」

 

 スペードチームが焼け石に水ともいえる攻撃を続けるなか、運転席でハンドルを握るCZ-805は側面から近づいてくるヘリコプターの存在にいち早く気づいた。

 

「…ん〜?あのヘリなんだろ?」

 

【オーバーロードよりスペードチーム、上空に友軍のヘリが接近中だ。航空支援を有効的に受けられるようマンティコアを引きつけろ】

 

「ボスっ!待ちわびたぞ…よしCZ-805、そのまままっすぐ全速力で走り続けろ!」

 

「おっけー!任せて!」

 

 運転席に座っているCZ-805はアクセルを力強く踏み込んだ。

 

 車が走る先にはヴァルチャー2が側面を向けてホバリングしており、MH-60のキャビンに搭載されたM134の銃身が回転を始めていた。

 

「416、外さないでよ」

 

「それは嫌味のつもりなの、UMP45?あんなデカブツ目を閉じても当てられるわ」

 

 ヴゥゥゥゥゥゥゥゥン

 

 HK416が言い終わるよりも早く、高速で回転する銃身から鉄の雨が降り注がれた。

 

 毎秒100発もの発射速度を誇るその銃から吐き出されるのは通常用いられる7.62mm弾ではなく、16LABにより開発された劣化ウラン徹甲弾。ありとあらゆる装甲を貫き、無骨な銃声も相まってさながら無慈悲な死神のようだった。

 

「ははっ…416のやつ、いい目をしてやがる…」

 

「あっつ!!空から薬莢が…ああ熱いっ!」

 

「M2 HBさん!はやく銃座から降りて扉閉じてください!」

 

 やがて銃声が静まると同時にマンティコア特有の無機質な駆動音は消え去り、辺りにはトンプソン達の車両によるエンジンの重低音と、4枚の漆黒の翼が空を切り裂く音が響き渡った。

 

「指揮官へ、目標を無力化しました。トンプソン達も全員無事です」

 

【ありがとう!ただちにこちらの援護を頼む。悪いがこれ以上は持ちそうにない!】

 

「了解です」

 

「こんなこともあろうかと質のいい徹甲弾を積んでて正解だったわね。後でグリフィンに高く請求しないと」

 

 HK416が指揮官との通信を終えるとUMP45はパイロットへ指示を出した。

 

「中庭に降ろして」

 

「30秒だ」

 

「30秒、了解よ。みんな降りるわ、準備して」

 

「こちらヴァルチャー2、基地西側の中庭へ降下する」

 

「うう…私だけここにいちゃだめ?」

 

「こんな”デカい的”の中で小火器の攻撃を受けたいって言うなら止めないわ。仮に墜落してもし生き延びてても助けには行かないわよ」

 

「うっ…分かったよ…」

 

「ここが踏ん張りどこだから頑張りなさい、G11」

 

「防衛線が突破された。正面入口に大勢押し掛けてるぞ」

 

 副操縦士の報告どおり、正面ゲートを破られたことによって過激派組織や暴徒と化した大勢の民衆が基地へなだれ込んでいた。

 

「すごい数だねぇ…45姉、指揮官は大丈夫かな?」

 

「心配ないわよ。あの人だもの」

 

 装備のチェックを終えたUMP45は立ち上がり、小隊員一人ひとりを見つめる。

 

「相手がテロリストだろうが民間人だろうが武装している者はすべて攻撃対象よ。ただし背中をみせて逃げたり武器を捨てて投降している人間は撃たないように」

 

「了解っ!暴徒鎮圧任務なんて始めてだね!」

 

「……ほんと、人間って愚かね」

 

「指揮官の冷蔵庫にラムレーズンアイスあるかなあ…?」

 

「ヘリの着陸地点をマーク。各員スタンバイ」

 

 メインローターが放つ強烈な風によって砂埃が漂うなか、華麗な4人の美少女たちがゆっくりと機体から降りる。

 

「こちらヴァルチャー2、チーム全員の降下を確認。引き続き上空で監視を始める」

 

「さあ…始めるわよ」

 

 

 

 

 

 

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Prrrrrr…… Prrrrrr……

 

 

 

 

 

 静かで薄暗い部屋に甲高い電子音が響く。

 

 

 

 

 

「なんだ」

 

 

 

 

 男はスマートフォンを耳に当てた。

 

 

【目標の予測進路上にすべて設置完了しました。回収班の手筈も順調に進んいます】

 

「わかった、私も今から向かう。トロストイ議員にも知らせろ」

 

【分かりました。では失礼します…】

 

 

 

 通話終了

 

 

 

「はあ…なぜ私がこのようなことを…」

 

「……」

 

「…私だ、車を用意しろ。急いで向かうぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 #17 The Enemy of my enemy

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





実はこの作品、いろんな映画やゲームの名シーンをオマージュさせて頂いているんですけど、気づいてくれた方はいらっしゃるのかな…。

ちなみに今回は『CoD:MW(2019)』をリスペクトして書いてみました。まあそのMW自体も様々な映画や実話をオマージュして作られてるんですが、それはそれ。
タイトルの『The Enemy of my enemy(敵の敵は)』も、CoD:MW2のとあるストーリーミッションからきています。

次回、ついに指揮官のもとへあの小隊が……!?

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