宇宙より黒く染まった場所にかつて存在した文明は跡形もなく消え繁栄していた人類も動物も植物も今は見る影もない。
そこに、存在してしまうもの、愚鈍な破壊者がそこにいる。
暗い……何もない…………どうすればいい?
何をすればいい?
怪物が思考したところで答えは出ない、誰もいないこの場所でただ立ち止まっているだけなら……もういっそのこと絶とうとさえ思った。だがかりそめの希望がそれを拒んだ。
それはいつのことだったか………ある世界での出来事、1000年間に渡る帝国の…建国と崩壊までの物語…………
次元を越えた先にある世界がある、始皇帝が国の安寧の為『超級危険種』と呼ばれる怪獣を狩り『帝具』を作っている。そして今もなお新たな帝具を作るべく危険種を狩る戦士たちの前に顕現した。
戦士
「なんだ!?」
目の前の戦士は腰に下げた剣を引き抜き両手で構え後ろで控えている馬車をかばう形で陣を作る。
???
「待ってくれ!あんたらは一体誰なんだ
よ!」
少年の様子を見て後ろの戦士が剣を担ぐ
戦士
「そりゃこっちのセリフだよ。」
???
「えっ、」
唖然としている少年の後ろで巨大な影が空を舞う。
戦士
「きたぞ!みんな構えろー!」
空を舞う影の主『ドラゴン』に戦士達は身構える。それぞれの得意とする武器で立ち向かおうとした。
刹那…咆哮が轟き風圧が戦士達を襲う、吹き飛ばされないよう踏ん張りドラゴンから目を離さないでいたがドラゴンから発せられる異様なプレッシャーに足をすくめる者も多く一歩後退する
???
「なん……だよ…」
轟く咆哮、地に降り立つその姿に少年は恐怖よりも先にある感情が湧いた。
???
「かっこいいー!」
戦士
「何言ってんだ!死にたいのかお前!」
一人が少年に駆け寄ろうと震える足を進めようとした瞬間、上空のドラゴンが戦士の前に向けてブレスを放った。
巨大が地面につき一瞬の轟音と共にドラゴンが少年へ目を向ける。そのドラゴンの名は『ヘーシュギア』〔危険種『ドラゴンロード』〕の中で最も強く、最も危険とされるモノ、その強さは逸脱しており〔超級〕を超えた〔神級〕と評される唯一の〔危険種〕だ。始皇帝の命令にこの『ヘーシュギア』の討伐は含まれてはいない。今どの戦力をもってしても討伐はできない。であるならば武器の素材を集め戦力を確固たるものにしたのち討伐する方がよいからだ。しかし今戦士達の前に〔神級〕の危険種が立つ。発せられるプレッシャーは尋常ではなく、いくつもの修羅場を切り抜けた者でさえ腰が抜けそうになるのを必死に我慢している。逃げる事はできない。ならせめて素材を乗せた馬車だけでも逃し次に備えるべきとたかをくくり覚悟した。口が開き発せられたのはブレスではなく片言の言葉だった。
ヘーシュギア
「珍しイナ、我ガ姿を見テニゲントワナ」
???
「逃げだすなんてそんな……」
会話する少年の後ろで戦士達はチャンスをうかがう。数々の超級危険種を討伐した彼らにとって無謀とも言える決断を下したのは手柄か正義感か
たがいが武器を構え同じ敵を警戒する、それぞれの役目を果たしていれば勝てると踏んで…だがドラゴンから発せられた言葉は予想もつかない一言だった。
ヘーシュギア
「ハッハッハッハッ!面白イコトヲユ
ウナ、人ヨ。」
???
「すげぇ……あんなの並のドラゴンにできる
わけない…」
ヘーシュギア
「トウゼンダ。ワレ程ノドラゴンロードに
ナレバタヤスキコトヨ」
戦士C
「君、危ないよ!すぐにこっちに…」
ヘーシュギア
「黙れ!」
突如放ったブレスに一人飲み込まれた。だがブレスがかかった戦士に火傷などの外傷はなく、糸の切れた人形のように地面に倒れた。通常種のドラゴンは火を吐いたりし攻撃するに対し『ヘーシュギア』の攻撃に痛みはない。あるのは〔死という生命の終着点〕のみだ。しかし他の戦士達がそれを認識できない。この世界において“一瞬で死ぬ”事は珍しくはない。戦士達が戦ってきた危険種には確かに“一瞬で殺す”ことができるものもいたがあくまでそれは外傷を与え倒すというものだった。だが『ヘーシュギア』の放ったブレスは外傷をつけずまるで人の中から攻撃したかのようだった。
ヘーシュギア
「今ワレは話しているのだ。邪魔をするな
ら……」
片言から徐々に整い、消えていたプレッシャーが再び戦士達を襲う。
ヘーシュギア
「容赦はせんぞ、人間」
戦士
「ひっ!」
ヘーシュギアの言葉に戦士達は構えた武器を手からしたたる水のようにおちる。恐怖にかられ、討伐した危険種の素材が乗った馬車を見捨て逃げだす。
ヘーシュギア
「さて、邪魔者も消えたことだ。お前に聞
きたいことがあるのだが…」
ヘーシュギアが少年の前で体を屈める
???
「?」
ヘーシュギア
「乗れ、場所を変える。」
大空を覆うように漆黒の翼が広がる。羽ばたき飛翔するその姿を表現するのなら空の支配者とも言おうか……
逃げ帰った戦士達は帝国へ戻り始皇帝に助けを求めた。3日後、帝国全土に兵士が配置され国民の多くも徴兵される。
城の上から始皇帝が演説を始める。
始皇帝
「皆、これより我々は『危険種』と決着を
つける!天変地異を起こし続けた『神
級危険種』討伐のため…皆の力を貸し
てほしい!」
演説後、始皇帝も鎧をまとい戦場へ赴く。
クッソ!何のために帝具を作らせたと思っておるのだ!国を盤石とするためのものを作るために国を脅かしては本末転倒、ましてや今回は相手が悪い。
募る不安を抑え兵士達の前へ足を運んだ。
これより起こるわ神と人の戦争、お互いの生存をかけたその名の通り〔命懸け〕の闘い。そこにいる一人の少年の物語の始まりである。