アカメが斬る!帝都の繁栄と腐敗   作:色々し隊

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第2話 友を斬る

 

ヘーシュギア

「はは、成る程お前は別世界から来た異端者なのか。通りで他のものと格好が違ったわけだ。」

 

???

「疑わないんだな。どこへ行っても最初は[何言ってんだこいつ]って目で見られるのに…」

 

ヘーシュギア

「そこら辺のと一緒にするな。こういうのには慣れている。

…………一つ聞く、貴様の元いた世界はどうした?」

 

 

問われた質問は少年の心の傷を抉る。少しの沈黙の後、ヘーシュギアは「すまなかった」と詮索し過ぎたことを謝罪する。

 

 

???

「いーや、元々俺の不甲斐なさが招いた結果だ…仕方ない………そうだ…仕方ないんだ……

どれだけ後悔して嘆いたところで帰っては来ない…それだけだ…」

 

 

少しの静寂の後、ヘーシュギアは怒りのこもった声を発した。

 

 

ヘーシュギア

「愚か者め、消したのならそれ以上救って見せれば良いだけのことだ。『しょうがない』などと自分を納得させるな。なに、いずれその機会はやってくる。ん?」

 

???

「どうした?」

 

ヘーシュギア

「……潮時か、」

 

 

視線の先、はるか先から有象無象の雑兵達が足並みをそろえこちらに向かってくる様子を確認する。自分にもとうとう白羽の矢が立ってしまったと心の中で思った。やがて雑兵の足は止まり全員が弓を構え発射するがそれらをたった一回の咆哮で全ての矢が空中で静止する。 

 

 

ヘーシュギア

「ここで待っていろ。」

 

 

逃げる猶予もあと僅か、軍隊は津波のように押し寄せる。少し考えヘーシュギアの心は決まった。ゆっくりと足を進める。

 

 

???

「どこ行くんだよ!?オイ!」

 

ヘーシュギア

「またいつか会えたらいいな。」

 

 

ヘーシュギアの目に映ったのは、今にも泣きそうな少年の顔だけが焼きついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兵士

「前方より『神級危険種』を確認!帝具を構えろ!」

 

 

兵士たちはそれぞれの武器を構える。奇妙な形をした武器が多数見受けられるがヘーシュギアは構わない。圧倒的速度で兵士のど真ん中に着地する。雄叫びを上げ奇妙な武器を持った兵士を倒す為ブレスを放つ。

時間を止め永遠の死へと誘うその吐息は目前の全てを地へと倒れるはずだった。

 

数多もの人間が倒れる中に一人、眼前の死を物ともせず地に足をつける鎧を纏った戦士がいた。

 

『インクルシオ』超級危険種タイラントを素材とし、あらゆる環境に対応できる能力を持つ帝具。槍型の武装『ノインテーター』を複武装としている。

 

 

ヘーシュギア

「タイラント……我が一部、よもやこんな形でめぐり合うとは、」

 

 

帝具とは人智を超えた力を発揮する。例え自然界の頂点にいちするヘーシュギアさえも複数の帝具、複数の人間に敵うことなく地に伏した。持てる力を全て使い満身創痍になりながらも自分のすべきことを最後まで考えた結果なら後悔はない。

 

 

ヘーシュギア

「………ん?なんだ。世界で始めての皇帝になるという夢は叶ったようだな。キング」

 

始皇帝

「……おかげさまでな。帝国を率いるまでになったさ。今は始皇帝と呼ばれている。お前を野放しにしておけば新たな『超級危険種』が生まれてしまう。許せヘーシュギア」

 

 

久しい再会を喜ぶ余裕もなく瀕死の体に鞭打ち最後の頼みごとを皇帝に託しヘーシュギアは静かに眠りについた。

 

 

少年は茂みに隠れヘーシュギアの帰りを待っていた。

 

あの強さで負けるはずはない。

 

ガサガサっと茂みが揺れる。帰ってきた。顔を出した先にあったのは馬に乗り豪華な装飾が施された王冠をつけた見ず知らずの人だった。

 

 

始皇帝

「其方がヘーシュギアの言っていた者だな。我々と共に来い。“奴の最後の頼み”だ。」

 

 

帝国の都市の中心にいちする城へ招かれる。使用人たちが高級な食事を提供する。

長いテーブルを挟み始皇帝と少年は対峙する。

 

 

始皇帝

「やつからの頼みと言うのはそなたに居場所を与えてやってほしいとのことだった。。だが無償でというのは部下の不満を増幅させかねん。そこでだ。帝国と余を守ってもらいたい。そのための装備もある。」

 

 

使用人から授与されたのは特殊な形状をした二振りのショートソード、装飾が施され刀身にはヘーシュギアの姿が描かれている。

少年はそれを手に取り友の死を察する。

 

また失った。

 

後悔だらけの人生に嫌になっていたが、ヘーシュギアの「消したのならそれ以上救って見せれば良いだけのことだ。」と言う言葉を思い出し始皇帝を、帝国を守る『帝御国防騎士 タナトス・ドラグノフ』となる決意を少年は固めた。

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