アカメが斬る!帝都の繁栄と腐敗   作:色々し隊

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アカ斬るの最強格のキャラのエスデス将軍自分は大好きです。死んで欲しくはなかったけど、まぁ戦闘狂は平和な世界では生きることはできないと思うと…なんか、あれですね。
キャラがバッタバッタと死んでいく都合上、好きなキャラも死んでしまうのは心苦しかったです。
しかし!この世界では好きなキャラは死なせはせんッ!(ドズル・ザビ)

おまたせしました。第5話でーす。


第5話 氷の女帝

 昔、とんでもない誤ちを犯した。栄えた文明は消え去り、嘆く人々の声は虚構に消えるだけでどこにも届きはしない。あるものは家族と最後を共にした。孤独に終わることを選んだ戦士もいた。それぞれがそれぞれの終わりを迎えただ一人取り残された俺はどうするべきか苦悩する。何年も何年も考え諦めかけた時、俺に一筋の光がさしたんだ。

 

 飛ばされた場所は見覚えのない森の中、新しい出会いもあった。だが、結局その友達とすら死に別れ、今に至る。

 

オネスト

「おや?

 伯爵ではありませんか。」

 

 このようなところで何を、と邪悪な笑みを浮かべながら聞いてくる。

 

 チッ、と舌打ちをしながらも聞かれたことに返答する。

 

タナトス

「ただ少し昔のことを思い出していただけだ。貴様には関係ない。」

 

 そうですかとオネストは興味なさそうに言うとそそくさとその場から消え失せた。

 

 タナトスは今後の事に頭を抱える。対エスデス軍、ナイトレイド、考えなければならないことが山積みな現状で、嫌な顔を見たら不機嫌にもなる。事実ヘルムの下で隠れていたが、今の彼は相当に苛立っている。

 

ムカつく。

イラつく。

どうにかしてやりたい。

 

抑え込んでいた気持ちが溢れ出て、今この場で暴れてやろうかとも考えたが、大臣に皇帝を人質に取られているに等しい現状でそんなことをすれば危険が及ぶことは明白。

必死に感情を抑え込み平静を装う。

 

しばらくして、パタパタと鳥の危険種が一匹、腕に乗っかり口に加えた紙を差し出した。鳥の頭を撫で礼を言うと、紙を広げる。そこに書いてある事に目を疑い、真偽を確かめるために皇帝の玉座へ足を運んだ。

王室のドアを壊す勢いで乱暴に開け、自分を見下ろすオネストに怒声を発する。

 

タナトス

「貴様、昨日村を一つ焼き払ったと知らせを受けた。一体どういう事だ?

事と次第によっては…

 

貴様を処すぞ。」

オネスト

「おやおや、お耳がお早い。流石は伯爵。

して、不思議ですな〜此度の任務は極秘に行われておりましたが…もしや内通者が!?

早急に見つけ出し処刑せねば」

 

オネストの発言に、頭がプッツンしてしまう。

タナトスには帝国の様々な部隊に知り合いが沢山いる。今回の実行部隊の焼却部隊にも彼の友人が一名、《ボルス》と言う。料理がうまく知り合って数年、タナトスは月一のペースで彼の家にお邪魔してボルスお手製の手料理を堪能させてもらっている。千年間生きて来た中で五本の指に入るほど美味であり、さらには奥さんと娘がいるという、彼女らから見たタナトスは『よく遊びに来る近所の兄ちゃん』と言ったところ。

 

 見た目は怖いが優しい人物であり今の帝国にはもったいないぐらいの人物だ。

 そんな人を利用し人を焼き殺させるなど許せるはずもない。

 

タナトス

「やってみろ。その瞬間、瞬きの間に貴様の首をはねてやる。」

 

 周りを圧倒する殺気を放ち、帝国内で広く普及している小刀をオネスト向かって投擲するが、氷の壁に阻まれる。

 

 コツ、コツと靴音が部屋に響き周りの空気が冷たくいてつき氷の女王が姿を表す。

 彼女こそ、現在帝国の最強と評される女将軍《エスデス》

 オネスト大臣が北の領土から呼び寄せた最も厄介な相手。その戦闘力は常軌を逸している。本気のタナトスと互角レベル、帝国側にも反乱軍にも彼女を倒せるものは今はまだタナトス以外存在しない。

 

エスデス

「大臣から急ぎと聞いて来てみれば、くだらん」

 

 エスデスという女は『何かを狩る』為に生きている。富、名声、権力にはこれっぽっちも興味がない。

 『強者と戦う』か『弱者を蹂躙』するかのどちらかだけ、そこには命の賭け合いがある。一度失えば戻らない唯一無二の命を何百何千と狩り尽くしてもなお、その闘争本能は収まることを知らない。

 

オネスト

「まぁまぁ、」

 

 なだめる大臣を無視しエスデスはタナトスを睨む。その鋭い眼差しは歴戦の猛者ですら腰を抜かすほどの恐ろしさを持っていたが、タナトスは屈しない。

 

 エスデスを睨み返す。タナトスは心の中で思っていた。大臣がこれ程までやりたい放題出来ているのには理由があると、皇帝を手中に収め実権を握り、好き放題、逆らう奴らの罪状などいくらでもでっちあげて処刑できる。

 

戦う力のないものはそれで良い、だが帝具使いの反乱は現行兵器では太刀打ちできない。帝具には帝具を持って対抗する他ないがブドーは宮殿防衛しかせず、タナトスは大臣の命令に従う気など毛頭なかった。故に大臣の自由に動かせる強力な《私兵》が必要となり武力で逆らうものはエスデスに始末させることでこの二つを完了させたオネスト大臣は独裁政治を完璧なものとしていた。

 

 二人の眼力による鍔迫り合いに待ったをかけた皇帝はエスデスをとく下がらせる。

 

皇帝

「タナトスよ理解してほしい。余の国に歯向かう者共は迅速に排除しなければならなかったのだ。野放しにしておけば後々面倒なことになってしまう。」

 

タナトス

「……それはお前の意思か?

自分で決めずに大臣の言葉を信用し行った事じゃないのか!」

 

タナトスは姑息な手を使う人物が昔から大嫌いだった。人は正直に生きてこそが信条ではあったが、他者を必要以上に陥れる行為は決して許される行いではないと考えている。

大臣はもとより私利私欲に走る文官たちに対しても『ゴミ』としか思っておらず、対応もそれにふさわしく冷酷極まりないものだった。

 

 皇帝に対して昔は温厚な口調で接して来たが最近は説教口調が強く出ていると自分でも自覚している。が、今は違う。悲しみを孕んだ言葉の数々、過ちを正せずにいる自分への無念。愚劣さに気付かぬ皇帝へのいきどおり。

 

 舌打ちをするタナトスに「おや」とエスデスが呟く。タナトスへの侮辱を込めて

 

エスデス

「大臣を殺すと思っていたのだがな。よもや貴様、怖気付いたとは言わせんぞ?」

 

周りにいる文官達の顔色が変わる。文官だけではない。エスデス以外の全員、大臣と皇帝も異様な気配に腰を抜かす。それは人ではない、空気がどんよりとし、今まで味わったことのない恐怖が押し寄せる。

 

エスデス

「ほう、そのような顔もできるじゃないか?今のお前となら楽しく殺し合えそうだ。」

 

獲物を前にした獣のように、その獣性はとどまることを知らない。腰に下げたレイピアを抜き切っ先を突き付ける。が、そこには何もなかった。エスデスが後ろを振り返ると硬質化した尻尾が脳天を捉えていた。

 

タナトス

「あんまりバカにするな。今の俺は機嫌が悪いんだ。」

 

エスデス

「それは好都合だ。一度本気の貴様と存分に殺し合いたいと思っていた。それに……ミャウとダイダラの仇ぐらい、とってやらなければ気が済まん」

 

タナトス

「上等だ。表へ出ろ。」

 

 ピリピリと張り詰めた空気の中、二人は宮殿の庭に足を踏み締める。エスデスは剣を取り、タナトスは尾をしならせお互いに構え敵を見据える。

 先に動いたのはエスデス、一瞬のうちに肉薄しレイピアによる刺突を行う。顔面をとらえた切っ先は命を狩る。一騎当千の実力を持つ者の攻撃は並大抵のものでは対処はできない。千年間生き、戦争で極限を超えた彼にとってエスデスの刺突程度どうということもない。自分なら余裕でかわせる。そう思い込んでいた。刺突はタナトスの予想を反して迫る。予想の上を言った攻撃はヘルムを削り、タナトスの自信にも傷が入る。

 舐めていた。エスデスという存在を、これは認識を改める必要があるようだと今の自分に言い聞かせる。手加減して勝てる相手ではない。もしもの時は『奥の手』の使用も考慮し脊椎部と一体化している尻尾を外し剣状のものへと姿を固める。

《変幻自在:スラッシュギア》それは神級危険種ヘーシュギアの尾を加工して作られた第二の帝具、その尾はどのような物体より硬く、どのような物質よりも柔らかい、変幻自在攻防一体の兵装、ヘーシュギアを神級たらしめている要因の一つ

 

 そして、タナトスと同じく、エスデスは内心己の敵に感心していた。彼女は先の一撃で決着をつけるつもりだった。それができると思っていた。帝御防国騎士タナトス、彼の実力を彼女は実際に見たことがなかった。語りたがれる伝説だけ、所詮は過去の遺物。恐るるに足りないと彼女自身は思っていた。だが実際は違っていた。もしかすると自分より上なのかも知れない。いつも皇帝の前で突っ立っているだけだったが故に実力を測る機会が無く帝具の情報もあらゆる伝を辿っても掴めず、明確な強さはますますの謎に包まれていたが、その全容が今わかった。

 今まで戦ってきたどの戦士よりも強く恐ろしい存在を前にエスデスの闘争本能は限界を超える。

 口が釣り上がりタナトスへ手を掲げる。それは彼女の攻撃の合図、無から氷を作り出す帝具『デモンズエキス』その恐ろしさをタナトスはよく知っている。

 エスデスの狂気が解き放たれようとしたその時、二人の間に雷撃が降り注ぐ。その雷撃はタナトスとエスデス、その場にいた全員が察した。2m以上の巨体をマントで覆い両手に籠手型の帝具を装着した大男『ブドー大将軍』

 

タナトス

「何のつもりだブドー」

 

ブドー

「いくら御身といえど限度というものがあります。この城を守る事こそ貴方の役目である筈」

 

 タナトスに対し慎重に言葉を選び宥めようとする。首を垂れ膝をつき、必死に懇願する。過去に帝国上層部の愚者がタナトスの逆鱗に触れ粛清された事があった。当時の大将軍であった父はその日の事をトラウマのように覚えブドーに対して「タナトス様だけは、逆鱗に触れることは許されない。国どころかこの星が壊れかねない」

 そして大将軍になった私に待ち受けていた騎士はあまりにも父の話とはかけ離れた明るい人物だった。

 「子供の頃につけた稽古では足りない」となりたての私をビシバシ鍛えてくださった。

 しかし、前皇帝が大臣に殺されてから人が変わってしまった。明るかった面影はなくなりどこか闇を感じるようになった。感情を押し殺し、宮殿に立て籠もるその姿は、過去の栄光を感じさせない程に堕落した。

 

タナトス

「んーお前がそこまで言うなら仕方ない。今回の件は無しだ。」

 

ブドー

「はっ!感謝!」

 

剣をしまい戻ろうと足を進めた。

 

エスデス

「腰抜けめ、」

 

後ろでエスデスが侮蔑の意を込めた罵倒を放つが聞かないふりをした。平常心を保ち、冷静にこの先のことを考える。

 

先の伝書鳩からのもう一つの情報、三獣士最後の生き残りリヴァの任務。恐らくこの任務は特攻まがいの作戦、ナイトレイドが守るであろう大臣に反感を持つ者たちの集会への襲撃。遊撃隊はリヴァ一人、余りにも無謀だ。が、了承したと言うことは『切り札』を隠している可能性が十二分にある。ナイトレイドのメンバーを倒されると言うことは、大臣側に利益を生む。それだけはさせまいと後ろからついてくるブドーに隠れてどう動くか思考するタナトスであった。

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