思い付きネタです。多分、続きません。

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男主人公と女主人公両方健在です。
男主人公の名前がかぶってるのは見逃してください。


有人神機兵が既に実用化されていたようです。

 ゴッドイーター――突如出現したアラガミに対して、人類が持つたった一つの切り札。それは旧世代と新世代に分かれつつあった。旧世代と呼ばれるのは神機を操り生身の体を以てアラガミと対峙するゴッドイーター達。

 大地をその足で踏みしめ、神機を握り、神々を屠る者達だ。

 そして新世代と呼ばれるゴッドイーター達はこう呼ばれる。――神機兵と。

 レア・クラウディウスが開発した神機兵。生身の人間の倍近くあるそれに搭乗し、両手両背部に装備した武器でアラガミと交戦、これを撃破する神機使い達である。無論彼らも生身での交戦が可能ではあるが、多くは神機兵に搭乗したまま戦闘を終える事が多い。

 水上および空中での交戦も可能となり、人類にとっては非常に大きな進撃となった。旧世代と呼ばれるゴッドイーター達も無用の長物となった訳ではない。神機兵とは言えども、食われれば終わりであるし、最悪の場合アラガミに奪われるケースとて在り得る。つまり彼らの価値は下がってはいないのだ。

 そして神機兵に搭乗し、生身の戦闘も可能であると言う人外の戦闘能力を持つ者達によって構成されたゴッドイーター達の部隊。それはブラッドと呼ばれる特殊部隊であり、現在は極東支部が持つ最高戦力であり最大戦力の部隊でもあった。

 

 

 

『ミッションを確認します。場所は黎明の亡都。討伐目標はコンゴウとガルムの二体。別の支部の遊撃隊が出ていますが、ガルムの乱入により危機に陥っています。

 ブラッドは遊撃隊の支援に回り、協働しつつこれらを撃破してください』

 

 オペレーター、フランの声を聞きながらブラッド隊長を務めている青年、ユウはこれから戦う事になるであろうアラガミを脳裏に作り出す。

 出撃人員は二名。隊長であるユウと副隊長を務めるセリア。二人とも同期ではあるが、その非凡な才能と戦闘能力故にブラッド最高の地位にまで上り詰めた者達である。

 元々彼らはフライアの直轄であったが、ブラッドにてある事件が起きたため現在は極東支部の下に落ち着いているのだ。その事件とは誰とて思い出したくも無いような内容だ。

 彼らは現在、任地に向かっている最中である。彼らを戦場へと送り込む二機のヘリ。それぞれの下にはパイロットを搭乗させた神機兵が吊るされていた。

 

『ねぇ、ユウ。聞こえる?』

「あぁ、良好だ。どうしたセリア?」

 

 インカムから聞こえる少女の声――ブラッド副隊長ことセリアの声が彼を現実へ引き戻す。

 システムの状態を再確認し、ユウはコクピットの座席に深く腰掛ける。彼の右手には神機がある。それが神機兵の稼働力となっており、コントローラーでもある。戦闘の際、彼らは神機を介して、動作を行う。そして神機兵が破壊されたもしくはその状態での戦闘が不利益と判断された場合は、神機を引き抜きシステムを強制停止させ神機兵は戦いの役目を終える。そしてそれと同時に外部へのハッチが開き、引き抜いた神機を手に生身での戦闘を繰り広げる事が可能となっているのだ。

 

『私達、いつになったらフライアに戻れるんだろう……。あの頃はそんな事考えてもいなかった。ずっと、ずっとあの日々が続けばよかったのに』

「……あぁ、その通りだ。けど生きていればいつか帰れるさ。あの場所に、あの庭園に、彼らの下に。いつか、必ず」

『ミッションエリアに侵入。降下準備、いつでも可能です』

 

 フランの声にユウはコクピットから見える光景を目にする。そこは一体の神機兵がコンゴウの砲撃とガルムの踏み付けに蹂躙されている所であった。

 無線システムがその神機兵に搭乗しているであろう兵士の声を拾い取る。

 

『た、助けてくれブラッド!』

 

 狂乱と暴走に満ちた声。戦場では死を招くあるいはそれを寸前にした者だけが響かせる言葉。

 それを聞いた時、ユウは既に動いていた。

 

「こちらブラッド1! 降下しろ! 後は引き受ける!」

 

 瞬間、浮遊感が襲う。

 だが既にユウの搭乗していた神機兵はメインシステムを起動させており、オラクル細胞の反応を利用したブーストを吹かして、戦場へと躍り込んでいた。

 

『あぁ、もう! 本当に考え無しなんだから! こちらブラッド2! 降下させて!』

 

 先に飛び込んだ彼を追うように、セリアもまた戦場へと飛び込んでいった。

 

 

 

 

 

「……で、本当に反省してる?」

「……してます」

 

 極東支部の一室では隊長と副隊長と言う関係が覆される光景だった。

 要するにセリアがユウに説教しているのだ。早い話先ほどの任務での猛進が原因である。

 神機兵は元々、神機とは違い両腕、両背部の武器を好きなように組み合わせる事も出来る。例えユウならば右手にブレード、左手にアサルト、両背部にはスナイパー二門と言った機体構成(アセンブル)だ。

 故に彼の戦闘距離は完全に近接である。連射と制圧に優れたアサルトで牽制しつつブレードで一気に斬り込むと言うのが彼の戦法だ。背中のスナイパーは徐々に形骸化しつつある。

 ちなみにセリアの構成は右手にショットガン、左手にブラスト、右背にアサルト、左背にスナイパーと言う射撃特化だ。

 

「お願いだから勝手に突っ込まないでよ……お願いだから」

「……うん、分かった。次から気を付ける」

 

 余談であるが、ユウのあだ名は『たらし』でもあり、命名者はハルオミである。ユウ本人は何故そう呼ばれているのかは分からないが、周りの者は一目瞭然だろう。もげろ。

 

『緊急連絡! 無人神機兵(ユーナック)が暴走し極東支部へ向けて進行中! 待機中のゴッドイーターは速やかに出撃してください!』

「……!」

「ユーナックが、暴走!?」

 

 無人神機兵(ユーナック)。レア・クラウディウスとラケル・クラウディウスが作り上げた搭乗者を必要としない神機兵。AI制御されたそれは、何度か原因不明の事態を引き起こしている。

 それが暴走し、壁の中へ入ってくれば何千人の死者が出るか分からない。

 二人は顔を見合わせて頷くとすぐさま出撃ゲートへと向かっていった。

 

 

 

 

 砂漠のような荒野だった。遮蔽物も何もない。ただ単純にアラガミに食い尽くされたからである。

 そこに数十機の神機兵が鎮座していた。暴走する無人神機兵に対する現在の対抗策である。

 

『状況は知ってのとおりです。各地の無人神機兵(ユーナック)が制御不能に陥っています。極東支部のゴッドイーターの大半が前線にて戦闘中。そこを潜り抜けて来た無人神機兵を私達が迎撃します』

 

 神機兵に乗らないゴッドイーターは前線で戦闘を繰り広げている。無人神機兵の目的は極東支部であり彼らの撃破ではない。つまり必ずこちら側には突破してくるだろう。

 そこを最大戦力であるブラッドと遊撃部隊が総出で叩く。疲弊した敵ならば確実に仕留めておくという事だろう。

 遊撃部隊は各地から神機兵に乗れるゴッドイーターが参加している。ブラッドを含めて総勢十名。六名は外部からの救援だ。

 

「……人と神じゃなくて人と機械の戦いか。皮肉だね」

 

 神機兵のメインシステムを起動させ、ユウは間もなく現れるであろう無人神機兵《ユーナック》との戦闘に意識を集中させる。

 

『なんだぁ、ビビってやがるのかよ。ブラッドの隊長さん』

 

 通信を介して声が届く。ゴッドイーターの一人――エイリーク。かなりの実力を持つが故に各地の支部を自由に回る事が許されている者の一人。まるで傭兵である。

 名声こそ確かだがその強さを信頼し切れるかどうかは、また別の問題だ。

 

「……怯えてなんていないよ。どう生き残るかを考えていただけさ」

『勝ちゃいいんだよ、んなのは。壊される前に壊せば俺達の勝ちだ』

 

 胴間声の笑いを挙げるエイリークに思わず苦笑する。

 確かにその通りだ。結局この場で戦う事に変わりはない。

 

『敵を補足しました! 無人神機兵、来ます!』

 

 視界の奥、そこから迫る無数の神機兵の群れ。所々が負傷しており、かなりの痛手を与えられたのだろう。

 果たして前線にいるゴッドイーター達が無事かどうか。気がかりではあるが、それもいずれ思考の奥隅に追いやられる。耳へと鳴り響く戦場の輪唱が彼の体を作り替えていく。

 

「行こう!」

 

 ブラッドと遊撃隊に号令をかけ、ユウは戦闘モードへと機体を切り替えた。

 

 

 

 

 戦場は凄まじい激戦であった。無人神機兵の数は余りにも多すぎる。既に数十体近くは倒されているが未だに尽きる様子が見えない。

 ユウが左手に持つアサルトから弾丸が放たれる。それは次々と無人神機兵を撃ち抜き、着弾と共に爆発した。

 

『隊長、すまん! そっちに厄介なのが行った!』

 

 ギルバートから聞こえた通信。敵影を探すよりも先に本能が動く。

こちらへと大剣を構え迫って来る無人神機兵に対して背後へ下がるようにして跳躍を繰り返し、背中のスナイパーを乱射する。引き撃ちと呼ばれるテクニックであり、ユウがセリアの動きを真似て自分の物にした技術の一つだ。

 右手のブレードが唸る。オラクル細胞を充満させた刀身。無人神機兵が大きく跳躍し跳びかかる。その動きは中々に曲者であり、既にそれだけで何機かがやられていた。

 しかし――そこにいるのはブラッドの隊長である。最強の中の最強。生きる事、そして抗う事に特化した存在。

 振り下ろされた大剣を掠るように避けて、ブレードを振り抜く。カウンターのように繰り出された斬撃は無人神機兵を真っ二つに斬り裂いた。

 

『ユウ、聞こえる?』

 

 通信の声はフランでもなければブラッド隊員のではない。この戦場にいる者の声でもなかった。

 だがすぐに名が浮かび上がる。ある任務中に、ブラッドが救出した科学者。

 

「レア博士? どうして……」

『フランに頼んだの。私も参加させてもらうわ。神機兵ならあの子に次に詳しいから』

「……分かりました。ところで他の隊員には」

『えぇ、貴方だけよ。私がいるって分かったら、多分邪魔になると思うから』

 

 そんなことは無い、そう言おうとしてユウが口を開いた時――突如、怒声が響いた。

 聞き覚えのある胴間声に、思わず視線を移す。

 そこはエイリークの操る神機兵が、集中砲火を受けて機体から火花を散らしているところだった。

 

『ぶっ壊れた人形が! 俺が、貴様らごときにィ!』

 

 左手の銃身が吹き飛ばされる。よろけていた背後へ、もう一機の無人神機兵がゴミを払うかのように蹴り飛ばした。それと共にエイリークの機体が爆発する。

 

「……クソッ!」

 

 既に六機がやられている。残っているのはブラッドメンバーのみ。

 これ以上、死なせるわけにはいかない。だと言うのに――。

 

『――よく持ちこたえた。後は引き受けよう』

 

 上空から投下された一機の神機兵。それを載せていたヘリはフェンリルのモノ。

 通信を介して聞こえた声には覚えがあった。所々にノイズが入っており、まるで人工音声であるかのようだった。それは――

 

「……ジュリウス?」

『言葉は不要だ』

 

 そうして唐突に現れた一機の神機兵は、それまでいたはずの無人神機兵を次々と撃破していく。

 言葉が出なかった。何と声を掛けるべきか、それをずっと考えていたと言うのに。声が出ない。

 気が付けば、無人神機兵(ユーナック)は一機残らず撃破されていた。

 

『ミッション完了。帰投する』

『お疲れ様でした、ジュリウス』

 

 続いて響いた声にも聞き覚えがある。少女の声。まるで生きているような、死んでいるかのような。そんな狭間の声。

 

「……ラケル博士」

『やはり貴方も生き残っていましたか。親として誇りに思います』

「僕は貴方の子じゃない」

 

 ラケル・クラウディウス。レアの妹であり、最高峰の知能を持つと言われている少女。

 だがどうにもユウは彼女が苦手であった。別段、嫌いではないのだ。だが何かが合わない。何かがすれ違う。

 

『いいのですよ。子の我が儘を受け入れるのも母の務めですから』

「……」

 

 何と言うべきか。それすら思い浮かばない。だが強いて言うならば既にユウの意識は別のところに移っている。

 

「ジュリウス……」

『ユウか。立派になったモノだ』

 

 再度、ノイズの掛かった声。それだけ。たったそれだけでユウはジュリウスがどうなったのかを悟った。

 

「――人間を辞めたんだね。君は」

『あぁ、出なければ戦えない。黒蛛病から逃れ、戦いに出るためには肉体を捨てるしか無かった』

『貴方、何て無茶を……! もう二度と元の体に戻れないのよ!』

『戦えるならば構わない。戦うには力が必要なんだ。だから俺は人間を辞めた』

 

 レアの言葉に対してもジュリウスは揺るがない。

 彼の強靭な意志は知っている。仲間を大切に思うからこそ、大事な人達に生きていてほしいからこそ、二度と家族同然の人達を失いたくはないからこそ――その答えを選んだのだろう。

 

「残念だ。もう、君とは一緒にやれない」

『……』

「だけどそれが君の答えなら、それでいい」

『……』

 

 ユウの言葉に対し、ジュリウスは何も言わない。

 彼の神機兵を運ぶヘリの音だけが虚しく響いた。

 

 

 




ジュリウス=J、ラケル=財団、無人神機兵=ユーナック、フラン=フラン。そしてインスピレーションはパイロットスーツと「ノブレス・オブリージュ」からです。
何故かめっちゃしっくりと来ました。ちなみにラストはユウの機体がブラッドアーツこと「グラインドブレード」を使用して相打ちと言う結末ですハイ。セリアのブラッドアーツはアサルトアーマーです。

無人神機兵との協働ミッションが欲しかったです。
後はフランが任務終了後に「貴方は恐ろしい人ね。何もかも焼き尽くす、真っ黒に」と言ってくれたらもっと早く思いついていたと思います。多分焼き尽くすとはメテオの事でしょう。

……何言ってるんですかね、自分。

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