Fate/Go Astray   作:泥江青花

14 / 26
EP6.太陽が如き炎の剣【3/3】

○グレアムホテル 屋上 夜

崩れた茨の破片が散らばっているガーデンテラス。

セオドアを睨むリュカ。息を切らしている。

 

リュカ「……誰が頼んだ?」

セオドア「ん?」

 

リュカの両手に光の弾が形作られる。

ルイスはアーサーに目配せする。アーサーは頷く。

リュカとアーサーはセオドアに向けて駆け出す。

セオドアの右手に金色に光る【魔術回路】が浮かび上がる。右腕を横に振ると、床から石の茨が発生しリュカたちを迎え撃つ。

リュカが茨に手を翳すと紅い光に包まれ爆ぜる。

アーサーは茨を避けつつ剣で断つ。

呻くセオドア。再度腕を振り、石の茨を作り出すがリュカとアーサーは止まらない。

セオドアは右手で胸元の【令呪】に触れる。

アーサーはセオドアに素早く駆け寄り、斬りかかろうとする。

アーサーの瞳に橙色の閃きが映る。

次の瞬間、超高速で飛んできた長剣をアーサーは剣で受け止める。

衝撃波が起こり、身を屈めるルイス、なずな、リュカ、セオドア。

アーサーは剣を持つ手に力を込め、長剣を弾き飛ばす。

 

セオドア「(振り返り)鍛冶師(スミス)!」

 

リュカはセオドアの背中に向かって飛びかかろうとするが、飛んできたヴェルンドの体当たりで弾き飛ばされ体がを舞う。

ルイスは素早く懐から試験管を取り出し栓を外す。

 

ルイス「(ドイツ語で)受け止めろ!」

 

試験管に入っていた液体は白い巨人に変化し、落下してきたリュカを受け止める。

巨人の腕の中で呻くリュカ。

セオドアの前に降り立つヴェルンド。

傍らに長剣が戻ってくる。

光輝く長剣を見つめるなずな。

 

なずな「あれが……」   

ルイス「間に合いませんでしたか……」

 

アーサーは剣を構え直し、ヴェルンドを見据える。

ヴェルンドはアーサーの持つ剣を見て、

 

ヴェルンド「貴様か」

 

ヴェルンドが手を掲げると炎が起こり、ハンマーが現れる。

目を血走らせるヴェルンド。

 

ヴェルンド「叩き潰す!!!」

 

アーサーに襲い掛かるヴェルンド。

アーサーは回避しざまに剣で斬り払う。

ヴェルンドは空中へ飛び斬撃を避ける。

 

○空中 夜

ヴェルンドが空中で体勢を整え、ホテルの屋上を見下ろすとアーサーの姿がない。

とっさに上を見ると、アーサーが宙に身を躍らせている。   

アーサーの剣から放たれる深紅の光が真下に向けて尾を引いている。

 

アーサー「墜ちなさい!」

 

アーサーが剣の切っ先を背面へ向けると光が放たれ、ヴェルンドへ高速で接近する。

斬りかかろうとする寸前、アーサーの眉がぴくりと動き、とっさに横から飛んできた長剣を防御する。

衝撃でホテルの向かいに建つ高層ビルまで吹き飛ぶアーサー。

 

○都内高層ビル 屋上 夜

アーサーはビルの屋上に着地する。

ヴェルンドは翼で飛行し、アーサーの前で止まる。

 

アーサー「流石は勝利の剣と謳われるだけのことはありますわね」

 

アーサーは剣を構え、不敵に笑う。

 

アーサー「ですが、急造の模造品(レプリカ)では私の持つ剣には及びませんわ」

 

ヴェルンドの表情が険しくなる。

 

ヴェルンド「やかましい!」

 

長剣がアーサーへ向け、急降下する。

跳び上がって回避するアーサー。

長剣はそのままビルの上層を貫き、瓦礫を撒き上げる。

 

○空中 夜

アーサーは剣を閃かせ、宙を翔ける。

ヴェルンドはハンマーで殴りかかるが、アーサーは攻撃を避け、ホテルの壁面に着地する。

 

○グレアムホテル 外壁 夜

アーサーはホテルの壁面を駆け上がる。

突撃してきた長剣を剣で受け止めるアーサー。

衝撃で壁面のガラスが一斉に割れ、アーサーはホテルの屋内に転がり込む。

 

○同 二〇階 サロン

高級なインテリアで飾られた空間。

勢いよく転がり込んでくるアーサー。

アーサーは体を起こし、壁の穴の向こう、空中にいるヴェルンドを睨む。

穴へ向かって駆け出すアーサー。外へ飛び出す。

 

○空中 夜

飛びまわるヴェルンドを追うようにアーサーは剣を閃かせて空を翔る。

   

○グレアムホテル 屋上 夜

空中のアーサーとヴェルンドを見上げるルイス、なずな、セオドア。

リュカは巨人に抱えられながら二人を見上げている。

ルイスは視線をセオドアに向ける。

セオドアの目は空中の二人に釘付けになっている。

ルイスはそっとジャケットの下に装着しているホルスターに収めた拳銃に手を伸ばす。

つばを飲み込むルイス。深呼吸する。

なずなはルイスに視線を移す。ルイスの表情を見て、心配そうな顔になる。

 

なずな「(囁き声で)先生……?」

 

屋上に着地するアーサー。滞空するヴェルンドを睨む。

額に汗が浮かんでいる。

 

○空中 夜

ヴェルンドは息切れしながら長剣を横目で見て、アーサーに視線を戻す。

 

○グレアムホテル 屋上 夜

ヴェルンドに向けて跳躍するアーサー。

ルイスは拳銃を抜き、照準をセオドアに合わせる。  

なずなは驚き身を竦ませる。

 

○空中 夜

アーサーに向けて急降下するヴェルンド。

二人が交差する直前、長剣はアーサーの背後へ回り込む。

 

○グレアムホテル 屋上 夜

ルイスは拳銃のトリガーを引く。

SE:バン!(発砲音)

銃弾がセオドアへ向かっていく。

ルイスのほうへと顔を向けるリュカ。

セオドアは音のしたほうへと視線を移そうとする。

 

○インサート

グレアムホテル屋上。時の止まった、色のない風景。

長剣は金色の光を纏っている。

長剣から光の線が伸びており、ヴェルンドの纏う光と繋がっている。

さらにヴェルンドの纏う光からセオドアの纏う光へと線が繋がっている。

 

○空中 夜

長剣はルイスのほうへと向きを変える。

驚き目を丸くするヴェルンド。

アーサーは驚きつつも剣を握る手に力を込めヴェルンドの両腕を斬り飛ばす。

息を呑むヴェルンド。

 

○グレアムホテル 屋上 夜

長剣はルイスの放った銃弾を粉砕し、そのまま床を貫く。

衝撃波で吹き飛ぶルイス。

 

○同 全景 夜

ホテルの上層八階層を長剣が鋭角に貫く。

瓦礫が地上へ落下していく。

 

○空中 夜

絶叫するヴェルンド。翼が消え、地上へ落下していく。

 

○グレアムホテル 屋上 夜

足場が傾き、崩れ落ちていく。

足が竦んで立てないなずな。

リュカは巨人に守られている。

ルイスはなずなを見て、目を見開く。

とっさに駆け出すルイス。

なずなは口を開くが、声が出ない。

なずなのいる足場が崩れていく。

ルイスはなずなへと手を伸ばす。

 

○タイトル

黒み

T「太陽の如き炎の剣」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。