8月20日、第七学区の公園にて。上条とリムルは学校の帰り道。
「今日も暑いなー、というかリムル汗ひとつ描いてないけど暑くないのか?」
「ああ、オレは色々耐性があるからな、痛みだって感じないぞ」
「それって無敵じゃん」
「いいやそうでもないよ、オレより強い奴なんか前の世界にたくさんいるから。それより暑いならそこの自販機で飲み物買ったら?」
「ナイスタイミング」
喉がカラカラで仕方なかった。財布を取り出すと2000円札しか入っていなかった。
「・・・ええい、ままよ!」
「ちょっ、待て!2000円札なんか入れたら」
ウィーン 暑さに負けてお金を入れてしまった。
リムルがなんか言った気がするがどうでもいい。これでやっと喉を潤せる。俺は何とかサイダーのボタンを押した。
ぴっ ・・・・反応なし
ぴっ・・・ぴっびっ・・・ぴっぴっぴっぴっぴっぴっぴっぴっぴっ
何度ボタンを押してもジュースが出ない。
ガタガダガダガタ
返金のレバーを引いてもお金は戻ってこない。
「不幸だ」
「あーあー言わんこっちゃない。2000円札なんか入れるから」
ジュースを飲みたかったのに逆にお金を飲まれた。
ショックで自販機の前で固まってしまった。
「ちょろっと、買わないならどいてくれる?」
返事も待たずに肩を押されて自販機の横に移動させらた。
「おい上条あの子常盤台中学の制服着てるぞ、いやー青髪たちが可愛いって言うのも分かるなー」
リムルがこっそり耳打ちしてくる。
見ると、容姿端麗で茶髪ショートカットのピンク色を基調とした夏用の制服を着た少女がいた。
「で、何なのコイツ」
「わ・た・し・に・は!!御坂美琴って名前があんのよ!!!いい加減覚えろど馬鹿!!!」
突然少女の周りに電気が発生しその集合体が一直線に俺の元へと放たれる。
「ひっ」
俺はとっさに右手を構えて電撃を打ち消した。
「ハアハア、その右手本当に憎ったらしいわね」
御坂美琴と名乗る少女はどうやら俺の事を知っているらしい。
「おいおい、御坂美琴って第3位の能力者だろ?どんな関係だったんだよ?元カノとか?」
「知らねーよ!記憶失ってんだから」
俺とリムルは小声で話した。
学園都市第3位の能力者から攻撃を受けるって前の上条当麻は何したんだ?
「何コソコソ喋ってんのよ?」
「何でもないです!それよりその自販機お金飲み込むっぽいぞ」
「知ってるわよ。裏技があんのよ、お金入れなくてもジュースが出る裏技が」
美琴はそう言うと準備運動をするかのように上下に小さくジャンプをする。
裏技?と思った瞬間、美琴は思い切り回転して自販機に回し蹴りをした。
一瞬スカートの中が見えたが、短パンを履いていた。
「チェイサー!!!」
バコン!、ガタン。
衝撃音の後にジュースが出てきた。
「ここの自販機バネ緩んでんのよねー。何が出るかは決めれないのが難点だけど。ってアンタの隣にいる銀髪の子誰なの?」
「え、オレはリムル。上条の親戚で夏休みの間こっちに来てるんだ!よろしくな!」
「よろしく。でも何で親戚なのに苗字で呼んでんのよ?」
ギクゥ!
「そ、それより常盤台ってお嬢様学校だろ。みんなそんなことしてんのか?」
何とか俺は別の話題に逸らした。
「女子校なんてそんなもんよ。大して夢見んな」
美琴はそう言うとジュースを飲んだ。
「ばあ〜、生き返る〜。アンタ達買わないの?」
「・・・」
「もしかして飲まれた?」
「・・・」
「いくら飲まれたの?」
美琴は目をキラキラさせて聞いてくる。
「2000円」
「あははは!2000円って二千円札の事?あんなのまだ使ってたの?そんなの入れたら自販機バグるに決まってるじゃない!ははははは」
「ドンマイ、中学生に馬鹿にされてるな」
「うわー、何も言うなー」
美琴は大笑いしリムルは哀れみの目を俺に向け俺は悶える。
「じゃー取り返してあげる」
「え、どうやって?」
「こうやって」
美琴は自販機に手を当てて電気を流した。
すると自販機から次々とジュースが出るではないか。
「あれーいっぱい出てきたー。お金は取り戻せなかったけど、間違えなく2000円以上出てきたからこれでOK」
美琴が笑顔でなんか言ってる隙に俺とリムルは逃げ出した。
「何思い切り逃げてんのよ!」
ビービーと後方から警報音が鳴っているのが聞こえた。
☆☆☆☆☆
俺とリムルは何とか逃げ切り俺は疲れてベンチに座った。
「ハアハアなんだったんだアイツ」
「あはは面白い奴だったな!」
「面白くねーよ!いきなりビリビリするか普通!?」
「当麻ッチは何も分かってねーなー」
「あん?何のことだよ?」
「いやこれは言わないでおこう」
何やらリムルはニヤニヤしているが俺には何のことかさっぱりだった。
「ちょっと運ぶの手伝いなさいよ」
いつの間にか美琴は俺たちに追いついた。学生カバンをお盆がわりにして大量のジュースを持っている。
もう追いついてきやがった。
「ほら」
美琴が俺に向かってジュースを投げてきた。
「おっと、黒豆サイダー?」
まったく美味しそうではない。
「愉快に現実逃避してないで、アンタの取り分なんだから持ち帰りなさいよ」
そう言いながら美琴はどんどんジュースをパスしてくる。
これを受け取ったら自販機破壊の共犯者になるのではないか?
「なー当麻ッチ、一本頂戴」
「あ、私もヤシの実サイダーいらないなら貰うわよ」
2人とも俺が良いとも言ってないのにジュースを取った。
コイツら。と呆れて空を見上げると飛行船が見えた。
学園都市では液晶画面がついた飛行船が飛んでいてニュースが映し出されている。なにやら筋ジストロフィーについてだが内容は分からなかった。
「何で美琴ッチは当麻ッチにそんなにツンツンしてるの?」
「こいつが本当は強いくせに、いつも私にビクビクしてるからイラつくのよ。このレベル5の御坂美琴様を打ち負かしたっていうのにね。本当だったら責任くらい取ってもらわないと困るのよね」
「なるほどー」
美琴とリムルが俺のことを話す。
え、コイツを打ち負かしたって、何で?ゲーム、スポーツ?女の子が責任を取ってもらわないと困るって言うと何だか別の意味を想像してしまうというか・・・。
「うーん」
「何頭抱えんてんのよ」
はっ。いかんいかん。
「それよりジュースお飲み、美琴先生直々のプレゼントなんかうちの後輩だったら卒倒してるのよ」
「それは少女漫画の読みすぎだろ」
「・・・少女漫画程度で済むなら良いのにね」
「どうした美琴ッチ急に暗くなって??」
「私が常盤台の中で何て言われているか知ってる?」
「お姉様?」
現れたのは美琴と同じ制服を着たツインテールの少女だった。
「黒子!?」
「まあお姉様。まあまあお姉様。最近補習なんか似合わないことをされていると思いましたけど、この為の口実でしたの?」
「一応聞くけど、この為ってどの為?」
「決まっています。そこの殿方との密会するためですわ」
密会?何を言ってんだ?リムルもいるのに。
「ってあれ?リムルがいない?」
「はじめまして。わたくしお姉さまの露払いをしている白井黒子と申します。もしお姉様にちょっかいをかけるおつもりならまずわたくしを通してくださいな」
「あーんーたーはー、このヘンテコが私の彼氏に見えんのかーーーーー!!!!」
ビリビリビリ
俺はビクッと一瞬目を閉じて開けたとには白井はいなかった。
「いない?」
「ですわよねー!わたくしのお姉様に限って」
声の方を向くと離れた電灯の上に白井は立っていた。
「それではくれぐれも過ちは犯さぬようにして下さいな、お姉様」
「黒子ー!!」
美琴が白石の方に電撃を放つが白井は突然消えた。
「テレポート」
「お姉様」
「またか!」
声の方を向くと御坂美琴と瓜二つの少女がいた。
「増えてる?御坂二号?」
「妹です、とミサカは間髪入れずに申し上げます」
「妹?」
「アンタ!!何でこんな所いんのよ!?」
何で一人称ミサカなの?と思っていると美琴が突如血相を変えて言った。
「研修中です、とミサカは簡潔に申し上げます」
「あー研修?そうねー、そうだったわ。よし妹、こっちに来なさい」
「でも今は、ミサカは」
「いいから!・・・来なさい」
そう言って2人は行ってしまった。
「複雑な家庭なんだな」
「リムル!今までどこに?」
「ちょっとこのジュース不味くて吐いてた」
見るとイチゴおでんと書いてあった。
☆☆☆☆☆
沢山のジュースを抱えて俺とリムルが帰宅する途中。
「御坂?」
「ゴーグル持ってるし妹の方だろ?」
「はい、とミサカは答えます」
御坂妹と再び出会った。
「妹ちゃん、美琴ッチと一緒じゃないのか?」
「ミサカはあちらから来ただけです、と答えます」
俺たちが来た道とは違う方向を指す。
「何で軍用ゴーグルなんか持ってるんだ?」
「ミサカはお姉さまと違い電磁波が肉眼で見えないので専用のゴーグルを装着します、とミサカは答えます。それより運ぶのを手伝いましょうか、とミサカは尋ねます」
「いいよいいよってうわ!」
急に足元に転がってきたボールで転んでしまった。
「気をつけて歩けよ当麻ッチ」
「イテテ、ん!?」
転んだ時にちょうど下から御坂妹のスカートの中が見えた。縞パン。
「手伝いますか?とミサカは再度尋ねます」
と言いながら御坂妹はジュースを拾いながら屈む。でもしゃがんだら今度は隙間から再びパンツが見えた。
「!?」
「手伝ってもらったら?当麻ッチまた転んだらジュースもったいないぜ」
「いやその」
「早くしなさい」
「お願いします」
こうして三人で寮まで帰った。
寮に帰ると土御門の義妹、土御門舞香に家出少女を匿ってると誤解されて、部屋の前に行くとシスターさんと巫女さんが猫のノミ取りに奇想天外な方法をしようとしていたところを御坂妹が助けてくれた。
☆☆☆☆☆
8月21日、夕方。見晴らしのいい公園にて。
俺たちは再び御坂美琴に出会った。
「おーい美琴ッチ!」
「・・・あ、あんた達か」
風景からゆっくりと俺たちの方に顔を向けて言った。
「反応薄!」
リムルは軽くショックを受けていた。
「私、あの飛行船って嫌いなのよね」
「何でだよ?」
「機械が決めた政策に人間が従っているからよ」
「
「
「?イテッ」
突然美琴からチョップされた。
「なんてね、あはは詩人か私は。もうすぐ門限だから帰るわね」
行ってしまった。
「何だったんだ、あいつ」
「・・・」
「どうした?リムル」
「彼女、なんか昨日と雰囲気違うような」
「気のせいだよ。どうせ腹減ってるだけだろ。それよりインデックスの飯作らないといけないし帰ろうぜ」
「あ、ああ」
帰ろうとすると御坂妹を見つけた。
「何やってんだお前?って捨て猫か」
「そのパンあげないの?」
御坂妹は段ボールに入った黒猫に千切ったパンをあげようとしていた
「ミサカはお姉さまと同様に体から微弱な電磁波が発生しているので小動物に近づくことは出来ません、とミサカは答えます」
「ふーん」
「このままだと保健所に回収される恐れがあります」
「まあそうだな」
「回収された後どうなるか分かりますか?とミサカは問い詰めます」
「・・・」
☆☆☆☆☆
結局黒猫は俺が持ち三人で今日も寮に帰る。途中で猫の名前会議が開かれたがいろいろあってこの黒猫の名前はまだない。
「そうだ当麻ッチ買いたい本あるからここ寄ってきたい」
「おう、俺もちょうど来たかったんだ」
「猫の飼育に関する書籍の購入ですかと、ミサカは確認をとります」
「昨日のシスターと巫女さん見ただろ」
「一応言いますが動物愛護法で動物の虐待は罪になります、とミサカは警告します」
「怒ってる?」
「怒っていません。ただ自分は関わっていないから罪はないと言うわけではないとミサカは再度警告します。
「分かってるよ、というかリムル先行くな!おっと、そう言えば猫を連れて店に入ってもだいしょうぶなのかなー?」
「そんな見え見えの言い方で猫をミサカに預けることはご遠慮願いますとミサカはあっ」
「磁場の影響で近づけないって。ならそれを乗り越えて真の友情は芽生える」
俺は御坂妹に向かって黒猫を投げた。
しっかり友情育めよ
☆☆☆☆☆
御坂妹は投げられた黒猫を抱きながら生き物の命の尊さを感じていた。
まったくあの少年は命をなんだと思っているか。と呟いた途端、後方から殺気を感じた。
白い悪魔のような人間が不気味な笑みで立っている。
御坂妹は黒猫を置いてそちらに歩いて行った。