吸血鬼になったエミヤ   作:炎の剣製

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更新します。


020話 修学旅行異変《四》 ラブラブキッス大作戦

 

 

 

それから一同は解散しそれぞれにやることをこなしていた。

だが朝倉とカモだけはある悪巧みを計画していた。

それは昨日騒げなかったことで鬱憤もたまっていた3-Aの生徒たちが騒いで新田先生によって注意されていた後のこと。

まるで見ていましたというタイミングで皆の前に現れてあるゲームの話を持ちかけた。

 

「…と、いうわけで名づけて『くちびる争奪!!修学旅行でネギ先生とラブラブキッス大作戦』!!」

「ええ!?」

「ネギ君と!?」

 

一同が騒ぐ中、ゲームの説明をしていく朝倉。

皆も乗り気で特に委員長はネギの唇という件で「やりましょう。クラス委員長として公認しますわ」と速攻で陥落していた。

「そらども」と朝倉は引きながらも了解し、

 

「それじゃ各班、十時半までに私に選手二名を報告。十一時からゲーム開始だ!」

『おー!!』

 

朝倉は皆が騒いでいる中、胸に隠れていたカモと会話をしていた。

 

「フフフ…ラブラブキッス大作戦とは仮の姿…その実態は『仮契約カード大量ゲット大作戦』だぜ!」

「ほほー、これが豪華商品のカードか。これをたくさん集めればいいんだね」

「おうよ。オリジナルは兄貴が持ってるけどな。こいつは俺の力で作ったパートナー用の複製さ」

 

朝倉に三枚のカード(アスナの仮契約カード、スカカード、このかのスカカード)を見せる。

 

「すでにこの旅館の四方には魔法陣が描いてあるべ。これで旅館内で兄貴とチューしたら即パクティオー成立するってことさ。さらにカード一枚につき5万オコジョ$もうかるから…俺ら百万長者だぜ姉さん!」

「ヒューヒュー!」

「できればシホの姉さんともしてぇが今回は見送りだ!」

 

二人して有頂天のごとく騒いでいてその現場を声だけだが目撃した村上夏美に不思議に思われていたそうな。

 

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

 

シホはタマモとアスナ達とは別口で旅館を回っていた。

 

「それにしても…朝倉さんにばれたのは大丈夫だったのでしょうか」

「さぁ…? でも頼りにできると思うよ。ただあの情熱が変なほうに向かわなければいいことを願うけど」

「もう手遅れじゃないですかね」

「む…それは…、まぁ…」

「それにシホ様。気づきませんか?」

「うん…なんだろうね。この微妙な空気。殺気とも違うし…。まぁ私はアスナ達と合流して相談してみる。タマモはどうする?」

「私は部屋に戻っていますね。班に相談できる真名がいるシホ様と違い、話ができる人がいませんからいないと不審に思われますし」

「わかった。それじゃまた明日ね」

「はいです♪」

 

タマモは分かれた後、部屋に戻った。

そしてなぜか部屋に置かれているテレビを凝視している。

それに部屋に双子がいない。

不思議に思い聞いてみることにしたタマモ。

 

「あれー? 風香に史伽はどこにいったのですか? それになにやらテレビを凝視しているようですが…」

「あ、アヤメさん」

「どこいっていたの?」

「どうやら知らないみたいだね…」

「…?」

 

そこで聞く。

三人の説明によると朝倉が主催で開いた『くちびる争奪!!修学旅行でネギ先生とラブラブキッス大作戦』。

現在、

 

一班…鳴滝風香 &鳴滝史伽

二班…長瀬楓  &古菲

三班…雪広あやか&長谷川千雨

四班…明石裕奈 &佐々木まき絵

五班…宮崎のどか&綾瀬夕映

 

この計十人がネギをめぐって攻防を繰り広げると言う。

若干一名は嫌々参加させられているようだが…。

 

(また変なことを始めましたねぇ~。シホ様に伝えるかどうか迷います)

 

だがタマモは面白そうなので見学している方針で円達とモニターを見ていることになった。

 

ところ変わってネギの寝室ではネギが刹那からもらった『身代わりの紙型』によって生み出した分身に「ここで変わりに寝ていて」という命令を受け指示通りに寝ていたが、書き損じで生まれてしまった「ぬぎ」「みぎ」「ホギ」「やぎ」…計合わせて四体が命令なしに現れてしまい命令を待っていた。

 

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

 

…時間は少し経過し、

 

「二人ともロビーで正座!」

「「びぇーーーん!」」

 

裕奈と千雨が新田先生に捕まり正座の刑を受けていた。

相方のいいんちょとまき絵が班を合併してネギを追った。

そしてネギの寝室近くで五班の夕映がのどかを先にいかせる為に鳴滝姉妹と攻防を繰り広げてのどかは中に入ることができた。

のどかはネギ(偽)の寝ているところまで行き、

 

「先生…キス…させてください…」

 

そう言いつつ近寄ったがそこで命令と認識してしまって現れた偽ネギ軍団の登場にのどかは混乱して気絶。

偽ネギ軍団もそのまま窓から部屋を飛び出して命令を実行しようと出て行ってしまった。

モニター室でカモもその異常に気づいたのか、

 

「ね、姉さん、朝倉の姉さん…」

「ん? 何よ…?」

「何か…俺っちの目の錯覚かなぁ。ネギの兄貴が五人いるように見えるんだが…」

「な゛…」

 

そこからはもう大混乱。

それぞれの偽ネギ達が、

 

「キス…してもいいですか? 夕映さん…」

「えっ…!?」

 

夕映と…、

 

「キ、キ、キキキス…ですか? 私と…?」

「はい…」

 

いいんちょと…、

 

「チューしてもいいですか?」

「え…♪」

 

まき絵と…、

 

「その…お願いがあって…その、キスを…」

「へ?」

 

古菲と楓と…、

 

「今から史伽ちゃんの唇をいただきます」

「「な゛っ」」

 

鳴滝姉妹と…、

 

それぞれ告白タイムに入ってしまい場は混沌と化してしまっていた。

 

 

 

 

 

………その頃、シホ達はというとお風呂に浸かっていた。

 

「なんか旅館内が騒がしいわね」

「そ、そうですね…」

「これは、なにかやらかしたかな? 変な気が満ちているのよね」

「そうですね。ですが悪意は感じられません」

「ちょっと待って。今タマモと会話してみるから…」

 

シホは目を閉じてタマモと念話を開始しようとしたが…。

 

「シホもすごいわね。でも、その、背中の傷、痛くない?」

「え? う、うん大丈夫。でもあまり触れないでね?」

「うん。ごめんね今まで…こんな傷があるっていうのにあまり気遣ってやれなくて」

「はい…」

「気にしないで。私からあまり関わらないようにいったんだからアスナ達は心を痛めないでほしいな」

「うーん。ホント、シホっていい子よねー♪」

「わー! 抱きつかないでー!」

 

この時には慌てていたのか念話をしようとしたことなどもう忘れていたシホであった。

 

 

 

 

 

モニター室ではこの混乱でカモも朝倉もどうしていいか分からず暴れていた。

そして夕映は今現在ライブでピンチに陥っていた。

偽ネギに言い寄られ押し倒されてしまい後少しでキスをしてしまうというところまで迫っていた。

 

「(のどか…私は…、え?)」

 

だがそこでテレビのモニター画面に映し出される計四人のネギの姿を確認し、思いっきり引き剥がして、

 

「だ、誰なのですかアナタは!? な゛…!?」

「どうもネギです」

 

そこには腕を伸ばした偽ネギ。

そこでちょうどよく起きたのどかに襲い掛かったが見事本で撲殺して偽ネギは紙に戻ってしまった。

 

「ゆ、ゆえ…どーいうこと?」

「わかりません。ですがこれも朝倉さんの仕掛けかなにかでしょう(しかし…偽のネギ先生とはいえあそこまで迫られてしまうなんて恥ずかしいです)」

 

それから二人は集合した偽ネギ達を追った。

途中で新田先生も気絶させてしまいもう後戻りもできなくなり次々と後を追うものたち。

だが全部偽者だったので全員爆発した偽ネギのせいで気絶。

そして夕映は本物のネギを外に見つけのどかに行くように指示をした。

 

 

 

 

 

 

Side 綾瀬夕映

 

 

 

私は逸る気持ちでのどかと本物のネギ先生とを会わせることができたので一安心したです。

そして先生の、

 

「あ、あのと、友達から…お友達から始めませんか?」

 

と、いう子供らしい回答を聞いてやっぱりまだ10歳だと再確認できたです。まぁ当然といえば当然ですが。

あのように迫ってくるネギ先生はとてもではないですが嫌ですから。

すると話が済んだのか二人して戻ろうとしていたので私はのどかに足掛けをして、ネギ先生は抱きかかえようとしたようですが間に合わずうまい具合に口でのキスをしていました。

……よかったですね、のどか。

その後、やはり新田先生に捕まってしまいましたが、これはまぁ別にいいでしょう。

 

 

 

Side Out

 

 

 

正座させられている光景を影で見ていたアスナ達はこの事態に何事もなかったことに安堵していた。…シホを除いて。

 

「もう何やってんだかね…?」

「この紙型はもしや…」

「……………」

 

二人はこの騒動に呆れの色を前に出していたがただ一人シホはジッと眺めているだけであった。

その渦中は、

 

「一般人と仮契約させるなんて…フフフ、あのエロオコジョ…どうやら相当肉詰めにされたいらしいわね」

「し、シホさん…?」

「シホ…なんか怖いわよ?」

 

タマモに今回の件を聞いた後、シホはずっとこんな調子である。

ラインで繋がっている間、タマモもあまりの恐怖に体を震わせていたらしい。

 

 

 


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