吸血鬼になったエミヤ   作:炎の剣製

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025話 修学旅行異変《終》 修学旅行の終わり

 

 

詠春はスクナが復活したことを知りながらも向かうことができないでいた。

それは…、

 

「はっ!」

「ふふふ…まだですよ」

 

悪魔が詠春を逃がす隙を与えてくれなかったのだ。

刀を振るい謎の悪魔に切りかかるが未だにまともに一撃を入れることができない。

 

(くっ…! まただ! また剣筋を逸らされた!)

「おやおや…必死そうな顔をしていますね」

「うるさいですよ!」

 

詠春が息を荒げながらまた切りかかろうと構えるが、スクナの叫び声と同時に消失する光景が目に見えた悪魔は、

 

「お節介はここまでのようですね」

「待ちなさい、逃げる気ですか」

「ふふふ…衰えたとはいえサムライマスターの力はかなりのものでした。ですがもう実力は分かったでしょう。

“あなたではこの私を倒すことはできない”…」

「っ!」

「ふっ…ですが足止めという時間は稼げましたので私は早々に退散するとしましょう。我が愛しの吸血姫にもよろしく言っておいてください」

 

では。といって悪魔は魔方陣の中に消えていった。

詠春はそれをただ見届けることしかできず歯がゆい気持ちになっていた。

 

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

 

Side シホ・E・シュバインオーグ

 

 

「アハハハハハハハっ! なにが伝説の鬼神だ! 私たちの前では無力に等しいではないか!」

 

エヴァは意気揚々と楽しんでいるようだがちょっと待ってほしい。

 

「ねぇエヴァ。敵に私の正体を打ち明けるのはさすがにやめてほしかったんだけれど」

「もう遅い。いまさら過ぎたことをグタグタ言うな」

「ひどい…」

 

少し愚痴りながらも私たちは地面に降りていく。

エヴァはネギ先生に語りかける。

 

「どーだぼーや! 私とシホのこの圧倒的な力、しかと目に焼き付けたか?」

「は、はい。すごかったです!」

「すごいじゃんエヴァちゃんにシホ! 特にエヴァちゃんは最強とか自慢していただけあるわね、見直しちゃったよ!」

「そうかそうか、よしよし!」

 

エヴァもご満悦のようで笑みを盛大に浮かべている。

 

「で、でも登校地獄の呪いは…?」

「あ、そーよ。学園の外に出られないんじゃなかったの?」

 

それは私も気になっていたところだ。

 

「それですが…強力な呪いの精霊をだまし続けるため今現在複雑高度な儀式魔法の上に学園長自らが5秒に1回『エヴァンジェリン(マスター)の京都行きは学園の一環である』という書類にハンコを絶えず押し続けています」

「今回の報酬として明日私が京都観光を終えるまでじじいにはハンコ地獄を続けてもらう」

 

エヴァは「こんな機会はもうないからなー」と呟いているので私はふと、

 

「エヴァ…後でいいこと教えてあげようか?」

「なんだシホ?」

 

タマモは私が教えようとしている事に気づいたのか、

 

「よろしいのですかシホ様…?」

「なーに…学園長に相談するから安心しなさい」

「それなら安心ですね」

「なんのことだ」

「それは後のお楽しみで取っておいてね。私を援助してくれるお礼としてエヴァにとってうれしい事教えるから」

「そうか。楽しみにしているぞ」

 

それからエヴァはネギ先生たちに自分の今の反則状態のことを告げて、「久々に全開でやれて気持ちがよかったぞ、ぼーや」と言っていた。

だがそれからエヴァはこれ以降こういった助けはないだろうと言葉にしていた。

確かに私たちが助けに入るのは反則染みているからな…。しみじみと私もそう思っていた。

それにネギ先生は苦しそうに「は、はい…」とだけ答えていた。

でも石化は進行しているのかやばいな…中途半端な石化じゃルールブレイカーも効果を発揮しないからね。

ルールブレイカーはもう出来上がっている術式を破戒するものだからね。

するとそこでネギ先生が、

 

「シホさん! 危ない!!」

「えっ…?」

「シホ様後ろに…!」

 

私が振り向いた先には、白髪の少年がいて、

 

「…遅いよ。障壁突破(ト・テイコス・デイエルクサストー)。“石の槍(ドリユ・ペトラス)”」

 

私は突き出した石の槍に貫かれていた。

 

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

 

ネギ達はその光景に目を見開いた。

貫かれたシホの口から血が零れだし衣服を血に染める。

 

「コホッ…!」

「シホさんッ!」

「シホッ!」

 

ネギとアスナが悲痛な叫びをあげる。

だがエヴァは一瞬驚いていたがすぐに正常に戻りつまらなそうな顔になるが…。

タマモは憤怒に表情を変えていた。

ネギたちに比べてあまり心配などはしていないようだ。

 

「真祖の吸血鬼であるエヴァンジェリン・A・K・マクダゥエルを狙うより君を倒したほうがよかったと踏ませてもらったよ。シホ・E・シュバインオーグ…」

「…そう。でもね…」

 

シホはニヤッと笑みを浮かべる。

 

「…? どうして死なないんだい?」

「どうして? だって、私も…」

 

バキンッ!

 

硬質化させた爪で石の槍を切り裂いて思いっきり引き抜き、

 

「エヴァと同じ真祖の吸血鬼ですから!」

 

瞬間、振り抜いた腕から魔力が迸りフェイト・アーウェルンクスを一瞬にして上下真っ二つに切り裂いた。

次いでタマモが、

 

「ひと時でもシホ様に傷をつけた事は許せません! 燃え尽きろ! 呪相・炎天!!」

 

フェイトはタマモの攻撃に体を燃やしながら、

 

「なるほど…。シホ・E・シュバインオーグ…やはり君は赤き翼のメンバーの一人だったわけだ。

歳をとっていないのに不思議だと思ったけど、エヴァンジェリン・A・K・マクダゥエルと同じ真祖…分が悪いね。退散させてもらうよ」

 

そう言ってフェイトは体を水にしてそのまま消えてしまった。

 

「…幻像か」

「そのようだね、エヴァ」

「今度あったらただではおきません!」

「しかし奴は人形みたいな奴だったな」

「そこら辺は心当たりがあるわ」

「ほう…」

 

三人が話し合っている中、アスナが青い顔をして、

 

「シホ…あんた、さっき聞いたけどエヴァちゃんと同じ…」

「ええ。隠していたけど私もある理由でエヴァと同じ真祖の吸血鬼よ」

「マジかよ…シホの姉さんも真祖だったなんて…だから貫かれた腹も瞬時に再生したのか」

「でも…よかった、シホさん…」

 

ネギは石化での疲労が限界に達したのかその場に倒れてしまった。

 

「ネギ!?」

「どうしたぼーや!?」

「ネギ先生!?」

「石化、か…」

 

そこに詠春に木乃香や刹那、楓達がやってきた。

当然ネギの状態に言葉を無くしてしまっている。

茶々丸が言うにはネギの魔法抵抗力が強すぎて石化の進行速度が遅すぎて喉に達してしまえば呼吸が出来ず窒息死をしてしまうというものらしい。

それで一同がどうにかできないか話し合っていると木乃香がおずおずと言葉を上げて、

 

「あんなアスナ…ウチ、ネギ君にチューしてもええ?」

 

アスナはこんな時にどうしてというがパクティオーしたらネギは助けられるかもしれないという望みがあるからだと説明される。

パクティオーは対象の潜在能力を開花させるものだというから妥当だろう。

 

「このか…ネギ君を救ってやりなさい」

「はいな、お父様」

 

詠春からも言葉をもらい木乃香はネギにキスをした。

瞬間、癒しの光が周辺一体を満たしネギの石化は解除され怪我を負っていた一同の傷も塞いでしまった。

そしてネギが目を覚まし、

 

「このかさん…? よかった、無事だったんですね」

 

それを皮切りに一同はネギの生還に大いに喜んだ。

そしてもう夜だというのに宴会が開かれて大いに盛り上がったことを記載する。

 

 

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

 

翌日、シホとタマモ、エヴァと茶々丸で刹那を見送っていた。

 

「もういくのか? 別れの挨拶くらいしていってもいいんだぞ」

「顔を見れば辛くなりますから、いいんです…」

「掟とか、そんなこと気にすることなんてないのに…」

「そうですよ~。仕えたい人がいるのなら一生懸命尽くし続ければいいのにー」

「シホさん、アヤメさん。ありがとうございます。…でも、すみません」

「そう…」

 

刹那が去ろうとしたがその時、ネギの寝ている部屋の襖が思いっきり開かれネギが飛び出してきた。

 

「刹那さんッ! どこへいっちゃうんですか!? このかさんはどうするつもりなんですか!?」

「一族の掟ですから、あの姿を見られたからには仕方がないのです」

 

刹那はネギにこのかを頼むような発言をしながら走り出してしまっていた。

ネギはそんな刹那に飛びつき必死に説得をしている。

 

「ダメですよ! 僕だってみんなにばれたらオコジョになってしまうんですから! それにそんなこと言ったらエヴァンジェリンさんにシホさんは吸血鬼だしタマモさんは狐だし茶々丸さんはロボットなんですよー!」

 

シホ達はそんな光景を見て、

 

「あらー。あのお子ちゃまはいい感じに刹那を呼び止めていますねー」

「今はネギ先生に任せようかな~」

「茶々丸、お茶をくれないか?」

「わかりましたマスター」

 

四人が暢気に寛いでいる中、未だに続く説得の途中でアスナと木乃香がネギと刹那に飛び掛っていった。

 

「大変よ刹那さん!」

「せっちゃんせっちゃん大変や!」

 

話を聞くに詠春が手配した身代わりの紙型が旅館・嵐山で大暴れをしているらしいとのこと。

それで一同は急遽急いで帰ることになったのだという。

皆が帰り支度をし始めている中、

 

「刹那さん、僕…黙っていますから」

「……………、…仕方が、ないですね。ありがとうございます、ネギ先生。はい、いきましょうお嬢様!」

 

こうして刹那は皆の場所に残る選択をしたのだった。

 

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

 

 

Side シホ・E・シュバインオーグ

 

 

あれから旅館に戻って龍宮と一緒に班のみんなにいなくなった言い訳をした後、朝風呂に入っていた。

私は琳の記憶でしか体験していないが大阪での話しで盛り上がっている中、一緒に話をしていた。

その時、微妙な視線を感じ一緒にお風呂に入っていた龍宮が銃を取り出そうとしていて、同時に私も黒鍵を投影しようとしていたからまだ昨日の戦闘状態が抜けていないと反省していた。

それはともかく正体は朝倉で私たちの裸の写真を取られてしまっていた。

 

「コラー、なにやってんのよ朝倉!」

「いやホラ、記念写真…班別の」

「盗撮やん!」

「…これは高値で売れるかも」

「売るなー!」

 

裕奈達が騒いでいる中、私は龍宮と共に、

 

「危ない…撃つ所だった」

「私も剣を作って投げるところだった…」

「互いにまだ昨日の状態が続いているな」

「奇遇ね。同じ事を考えていたわよ」

 

それから私は先に上がらせてもらいエヴァとタマモと合流していた。

 

「そういえばシホ様、先日詠春とアスナがとある悪魔に会ったそうです」

「悪魔…?」

「はい。なんでもシホ様の偽者の人形を用意してきていたらしく、シホ様自身の事も『我が愛しの吸血姫』と呼んでいたらしいです。忌々しいことに…」

「なっ!?」

「もしかしてそいつはシホを・・・していた悪魔かも知れんな? でなければそんなシホの偽者を用意してくるわけがないからな」

「私はシホ様の偽者とだけ相対しましたが…まったくシホ様に比べたら雑な人形でしたからムカついたので一瞬で燃やし尽くして差し上げましたけど」

 

それで私はその悪魔について考えているとエヴァが違う話を振ってきた。

 

「そういえばシホ。話は変わるが昨日言っていた“いい事”とはなんだ?」

「あー、そのことね。いや、今まで黙っていたから話しづらいこともあるんだけど、話は変わって詠春って一緒に戦っていたけど実は石化されていたのよね」

「なに…? そうなのか?」

「エヴァンジェリン、シホ様はどうやって解いたと思います?」

「どうやってだと…? なにか特殊な宝具か? なっ、まさか…!」

 

するとエヴァは目を見開いて少し気分がハイになってきている。

それで残念がらせるのも嫌だし教えることにした。

 

 

 

―――投影開始(トレース・オン)

 

 

 

私が歪な短剣『破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』を投影すると今すぐに使わせろと言わんばかりに目を輝かせていた。

 

「そ、それは一体なんだ?」

「元の世界では初級魔術から魔法まであらゆる魔術効果を打ち消してしまう、最強の対魔術宝具なのよ」

「なんだと!? そんなものまでお前は作り出せるのか!?」

「ええ。私がもちろんその気になれば…ちょっと聞かれるとまずいんで小声で言うけど…学園結界も落とせる、と思うわ」

「な、な、な…ではそれを使えば私の呪いも解けるというわけか?」

「その通り」

「使わせろ」

「今はダメ」

「なぜだ?」

「色々と準備期間も必要でしょ? エヴァが呪いが解けた後も麻帆良に居続けるのかは分からないけど、解けたとばれない様に見せかけないといけないから…。

それになによりナギがいつか解きに来るって言っているんだからそれを信じてあげなきゃ」

「うぐっ…そうだったな。ではそれは今はお預けといったところか?」

「そういう事。ま、私達は互いにもう永遠の時間があるんだから気長に待っていましょう。それにいつでも執行できるんだからエヴァにとってはお得でしょ?」

「まぁな。ではいざという時には頼むぞ。それにしても…いやー、お前は実にいいな。その気になれば無限に湧き出る宝具の剣群で魔法使い全員を相手取れるから実に悪に近いチート能力だ」

「お褒めに預かり光栄ね」

「シホ様は優しいお方ですからそんなことはしないですけどね」

「ハッハッハッ! 実に気分がいいぞ。そうだ、ちょうどいいから近衛詠春に会う前にぼーや達を連れまわして京都観光にでも繰り出そうとするか!」

 

それで途中で宮崎達図書館組と朝倉も行くそうでエヴァは機嫌がいいのでネギ先生達が休んでいる部屋に襲撃をかけた。

そして京都連れ回しの刑とも言わんばかりにネギ先生達を連れまわしたのだった。

 

「マスター、満足されましたか?」

「うむ、いった」

「やぁ皆さん、休むことは出来ましたか?」

 

エヴァが観光に満足していると目の前から詠春が歩いてきた。

一同が騒いでいる中、私とタマモ、エヴァ、ネギは後ろを歩きながら、

 

「スクナの件ですが、再封印は完了しました」

「うむ、ご苦労。近衛詠春。面倒を押しつけて悪いな」

「…あれ? 私は消滅させるつもりで斬ったんだけど仕留め損ねたか…」

「さらっと怖いことを言わないでください、シホ。私達がやっとのことで封印した鬼神なのですよ?」

「それじゃやっぱりゲイボルグとかで心臓を魂ごと破壊したら消滅したかな?」

「どうだろうな…? しかしさらっとでとんでもない宝具の名を上げるなお前は…」

「シホ様、言葉のネジがうっかり緩んでいますよ?」

「おっと、ごめんなさい…」

「まぁいいでしょう」

「シホさんの話も興味がありますが、小太郎君はどうなるんですか…?」

「彼ですか。まぁそれほど重くはならないでしょうがそれなりに処罰があると思います。天ヶ崎千草については…まぁ私達に任せてください」

「できればものすごい呪いをかけてほしー所ですねー。あの眼鏡の高笑いは癇に障りますので~」

 

タマモが笑顔でそんな事を言っているのでネギ先生が怖がっているではないか。

まぁ、そんな話をしながらも私達はナギの別荘だという場所についた。

そこは三階立ての天文台で草木も生い茂っていて本当に隠れ家と言わんばかりの様子を体現していた。

しかし中は綺麗なもので本がびっしりと棚に敷き詰められていた。

それにネギ先生は感動しているようで夕映やハルカ、のどかなども色々と本棚を漁っていた。

それにいいのか?とエヴァ。

詠春は故人のものなので手荒に扱わないようにと釘をさしていた。

 

それから家の中を散策しているネギ先生に詠春が声をかけた。

 

「どうですか、ネギ君」

「はい。調べたいこととかが色々合って…もっと時間があればいいのですけど…」

「ははは…いつでも来て構いませんよ。鍵は預けておきます」

「よかったですねネギ先生」

「はい、シホさん。ところで長さん…それにシホさんにも、父さんの事を聞いてもいいですか?」

「ッ! ネギ先生、私がナギと知り合いだといつ気づいたんですか…?」

「長さんが僕の身近にお父さんと仲間だった人がいると聞いたときにふと思ったんです。後はエヴァンジェリンさんが言った『魔弾の射手』『剣製の魔法使い』という二つ名…カモ君が気づいてくれたんです」

「そうですか。ばれたなら仕方がない…」

「そうですねー、シホ様」

「ですね、シホ」

 

詠春ももう気兼ねなく私を名前で呼ぶことにしたようだ。

それで詠春はアスナ達を呼んで二枚の写真をネギ先生達に見せる。

そこには赤き翼のメンバーと一緒に映っている私達。

そして、私個人だけの顔写真……。

ナギ……途中でいなくなってしまってごめんね……。

私が感傷に耽っている中で、それにアスナ達は一瞬私とタマモの顔を写真と見比べる。

 

「え? え? 二十年前の写真なのにシホとアヤメさんが一緒に写っている!?」

「やっぱり…」

「こうしてみるとやっぱシホの姉さんは実力者って事だな」

 

詠春はそこで静かに語り始める。

 

「私とシホは神鳴流を学び終えた後、ナギとともに世界に渡り大戦を共に駆け抜けました。

その途中でシホとキャスター…今は玉藻アヤメと名乗っているようですが…の両名は行方不明になってしまったのですが…まぁ、いま会えているのですからいいでしょう。

それでシホとキャスターを欠いた私たちですが、それでも戦い抜けた。…そして20年前に平和が戻った時、彼はすでに数々の活躍から英雄…サウザンドマスターと呼ばれていたのです」

「……………」

 

ネギ先生は静かにその話を聞いていた。

アスナと木乃香は分かっていないような顔だが…。

そして天ヶ崎千草の両親もその戦で命を落としていると聞いた。

 

「以来、彼と私は無二の友であったと思います。しかし…彼は10年前に突然姿を消す…彼の最後の足取り、彼がどうなったかを知る者はいません。ただし公式の記録では1993年に死亡と…それ以上の事は私にも…すいませんネギ君」

「い、いえ、そんなありがとうございます」

 

それからネギ先生は「来た甲斐があった」と言って、それに詠春からとある物を受け取っていた。

と、そこに朝倉が走ってきて記念写真を撮るよと走ってきた。

私とタマモは班は別なので詠春と遠いところに立たせてもらった。

ギリギリ写りこんでいるといった感じだろう。

でも朝倉は惜しいといって二枚目に私たちを入れたのは抜け目のない事実だった。

そして帰りに詠春に呼び止められ、

 

「…シホ。謎の悪魔には注意してください。あれはおそらく今の私では敵わないものでしょう」

「詠春が…?」

「ええ。何合か打ち合いましたが手応えが曖昧でしたから…」

「わかった。注意しておくわ」

「それだけです。多分今のあなたなら敵うと思いますがね…」

「そうだと祈っているわ。それと私の部屋に“とある転移装置”を施しておいたから暇があったら会いに来るわ」

「わかりました。でしたら来る前には何かアクションを起こしてください。歓迎しますので」

「ええ」

 

私は笑顔を浮かべながら詠春と分かれるのだった。

そして帰りの電車に乗り私たちの修学旅行は幕を閉じるのであった。

 

 

 


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