楽笑おじさんと絶望こぞう   作:楽笑

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いや~、久しぶりの本編です。

絶望光志朗、30歳のお話です。






22話 2030 明暗? それでも明日があるのなら

絶望光志朗は、日本にいます。

 

「やっぱり、日本が一番落ちつくね、ルンバちゃん!」

 

あいかわらず、世界中を飛び回っており、半年ぶりに帰ってきたところです。

 

光志朗とルンバは、片付けもそこそこに、久しぶりの日本の空気を楽しんでいます。

 

「それにしても、光志朗君の知り合いは、王族や世界的な資産家とか、すごい人ばかりになってきたわね!……それで、私も付き添いで無料で付いていけるのだけど……なんだか、いいのかしら?」

 

ルンバが間の抜けた感じで話します。

 

「いいんじゃないの?向こうが、僕の意見を聞きたいと、わざわざ来てくれと言うんだからさ……全然、住む世界が違うのにね、庶民の代表とでも思っているのかな?」

 

ルンバには秘密ですが、4年前のベッチ所長との未来会議の一件以来、噂が広まり世界的な特権階級の方々から信頼を得たようで、一般人でありながら意見をのべる立場になっていたのです。

国際関係の影響力では、アメリカの大統領よりもあるほどの有名人のようです。

 

「なんだかわからないけど、よく当たる占い師とでも思われているみたいだよ!」

 

光志朗は、適当にはぐらかします。

 

 

 

光志朗の意識の中にダイレクトに語りかけてくる思念があります。

 

『光志朗君、君は希望だよ!……私にも迎えがきたようだ……ありがとう……さようなら………』

 

光志朗は思念に語り返します。

 

『こちらこそ、ありがとうございます。……未来は任してください!……次なる世界へ……又、会いましょう…さようなら………』

 

光志朗のほほに涙がこぼれ落ちます。

 

「何かあったの……光志朗君?」

 

ルンバがたずねます。

 

「あぁ~……………今、陀来僧侶が亡くなったよ……」

 

光志朗はポツリと答えます。

 

「お疲れ様です。……陀来さん……」

 

ルンバも、かみしめるように呟きます。

 

 

光志朗のスマホにメッセージが入ります。

 

「ポタラさんからだ………明後日に陀来僧侶の葬儀があるからチベットまで来れないかだって?………………僕は今から行くけど、ルンバちゃんはどうする?」

 

「私も行くに決まっているじゃない……さぁ、準備しなくっちゃ!」

 

二人は、簡単に荷造りをしてチベットへ向かいました。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

光志朗とルンバは、6年ぶりにチベットのラサに降り立ちます。

 

「お姉さま、会いたかった!」

 

少し大人になったリサが、ルンバに抱きついてきます。

 

「久しぶり、リサちゃん、大きくなったわね!……迎えにきてくれたの?」

 

「うん、リサ、免許取ったから!」

 

「リサちゃんが、ガンデン寺まで送ってくれるなんて……ありがとう」

 

「ポタラのおじさんは、葬儀の準備で忙しいから……光志朗さんも遅れるといけないから……さぁ、急ぎましょう!」

 

光志朗とルンバは、リサの運転するアルトでガンデン寺へ向かいました。

 

ガンデン寺では、忙しいなか、ポタラが迎えてくれました。

 

「いゃ~懐かしいですね……陀来様といつも光志朗さんのことを話していたのですよ。………まさか来ていただけるとは思いませんでしたが、なにせ、あなたは陀来僧侶が託した希望ですから、いの一番に連絡を差し上げたしだいで……本当に良かった!………なによりの供養になりますよ!…………ありがとうございます。」

 

「ポタラさん、当たり前じゃないですか。………僕たちは、地獄をくぐり抜けた戦友じゃないですか………それにしても、中国が崩壊して最後に母国に帰ってこれたのが、せめてもの救いでしたね。」

 

「そうですね………陀来様も帰ってくることは、半ばあきらめておられましたからね……さぞや嬉しかったのでしょう…………どうぞ、亡きがらを見てあげてください………最後のお別れですから。」

 

「わぁ、本当に安らかな顔をしていらっしやいますね。」

 

光志朗は手を合わせ深々とお辞儀をしました。

 

 

そこに、ベッチ所長とチェンがやって来ました。

 

「ふー、間に合いましたよ………ベッチ所長!」

 

「あぁ、チェンじゃないか……よくこれたな?」

 

光志朗は、ベッチ所長にお辞儀をしながらチェンに話しかけます。

 

「昨日、連絡があって、プライベートジェットで不眠不休で飛ばしてきたからな、……もう、おかげでくたくただぜ、………まぁ、ベッチ所長は、グウグウ寝てたけどね!」

 

「それはお疲れ様でした。……カインドオブブルーの皆様には、全員、連絡を入れさせていただきました。………あと一時間ほどで葬儀が始まりますので、それまで皆様、休んでいてください。」

 

ポタラは、にこやかに話しました。

 

光志朗たちは、休憩室に案内されました。

 

休憩室にはマドンナママと太郎さんがいました。

 

「わぁ、光志朗君、…久しぶり………ベッチ所長にチェン君まで、なんだか同窓会みたいね、………陀来僧侶の最後のプレゼントかしら?」

 

マドンナママは、相変わらずの美しさで喜んでいます。

 

「お二人とも、忙しいのによくこれましたね?」

 

光志朗も、嬉しそうに二人と話します。

 

「二人とも、丁度イベントでインドにいた時に連絡がはいったのだよ、……同じ同期じゃからな、何はさておき駆けつけた所でな!」

 

太郎さんは、相変わらずのガラガラ声で話します。

 

「それも神のおぼし召しなのかもね?」

 

マドンナママと太郎さんは、互いに顔を見合せ微笑みます。

 

「神といえば、我が祖国、日本の自然崇拝文化の象徴でもある天皇が、世界中から崇められるようになったな、やっと、縄文思想を世界が認めてくれたことが、鷲は嬉しくてたまらんのじゃよ!」

 

太郎さんは、笑いながら涙ぐんでいます。

 

ベッチ所長とチェンは、顔を見合せて微笑みます。

 

光志朗の意識にベッチ所長が入ってきます。

 

『光志朗君も、ずいぶん、世界中の特権階級の方々に話しを持ちかけて、世界平和の安定の為に活動しているようだね?……どうせなら、同じ目的なのだから、私と一緒にウイズバードに参加してくれればいいのにな、……チェンも頑張ってくれてるよ!』

 

『おかげさまで、今のところ、上手く進んでいます。……僕は独りで活動するほうがあっていると思います。……ウイズバードのフォローをしているようなものなので、お互い、愛と平和の為に頑張りましょう!』

 

ベッチ所長と光志朗は互いに微笑みます。

 

 

ポタラの案内の元、密教式の葬儀が始まります。

 

 

…………………………………………………………………

 

 

陀来僧侶の葬儀も無事に終わり、光志朗たちは、懐かしいメンバーと夕食をとっています。

 

「いやぁ、本当に今日は良い日になりました。……陀来様の為に、大勢の参列者が次々とこられて、まともな相手も出来ませんでしたが、本当にありがとうございます。……チベット密教も新たな時代を迎えることになるでしょう。……これからも、皆様にも助けていただくこともあろうかと思います。新しい陀来ともども今後のチベットをよろしくお願いいたします。」

 

ポタラは、あらたまってお礼を述べました。

 

「そんなことは、当たり前のことですよ、ポタラさん!……陀来といったら、チベットの王様と同じなのですから、私たちなど、後回しにして当然のことです。……そんな中で、連絡をいただいただけで感謝しているのですよ。」

 

ベッチ所長が、代表して答えます。

 

 

「それにしても、チベットが独立出来て良かったですね!……我が日本とチベットは、数少ない伝統文化を受け継ぐアジアの秘境じゃからね。」

 

太郎さんが話します。

 

「そうですね!……だけど、ここ二年ぐらいで日本の仕組みが大きく変わってきているようですね?……それまでは、口伝による秘密だった大和民族の歴史が公表されたのも驚きなのだが、世界中がそれに乗っかって天皇を平和のシンボルと認め、新たなストーリーが広まったのだからね。……いったい、何があったのでしょうか?」

 

ポタラは嬉しそうに話します。

 

光志朗とベッチ所長は、互いに微笑みます。

 

『なぁ、光志朗、……俺の調べた所、古来より呪術によって、日本を裏から支えている組織の頭が変わったようなんだが、お前、何か知らないか?』

 

チェンが思念で話してきます。

 

『あぁ、その通りだよ!………その新しい頭首が誰か知ったら、チェンも驚くよ!』

 

『やっぱり、光志朗は知っていたか、……なぁ、教えろよ、………誰なんだ!』

 

『それは、まだ、言えない………本人も知られたくないようだからね。』

 

『そこをなんとか、俺たちのなかだろ、………ヒントぐらいなら、いいだろ!』

 

『そうだな!……………僕たち二人の共通の知り合いで縁のある人ってとこかな。……これ以上は言えないよ。』

 

光志朗は、思案しているチェンに微笑みかけます。

 

「ねぇ、光志朗君、……そんなに、素晴らしい国なのに、日本の若者が夢を持てないというのは、本当なの?」

 

マドンナママが質問します。

 

「確かに、悟りから始まった世代、全ての未来が想定でき、ゲームに慣れしたしんだ若者からしてみれば、現在での四十代以降の人生に希望が持てないといえば、その通りです。………しかし、それは金融経済という給料をもらい仕事を与えられるという仕組みでのことであり、自分の理想とする世界を生み出すという意味合いであれば、想像力豊かな希望溢れる夢を持っているのだと思います。」

 

「つまりは、現在の大人の社会の仕組みに夢がないということ?」

 

マドンナママは、聞き返します。

 

「はい、そうです。………途方もない馬鹿げた仕組みだとしか思えません!………必要以上にお金を増やして、実体のない価値を見出だし、無駄な生産をして押し売りをする。………その上に格差は広がり、何のために溜め込むのか?…どうしてひもじいのか?…誰も満足を得られない行き詰まりの社会にしかみえません。……無意識では大人も、おかしいと感じているのです。……抑圧は弱者に向かいます。……そんな歪んだ社会に純粋な心はたえられるでしょうか!……片目をつぶって生きているようなものだと思います。」

 

光志朗は、思っていることを素直に話します。

 

「それが、光志朗君の今のテーマってことかな?」

 

マドンナママは、そっと言います。

 

「そうですね、……たしかに、愛と平和はという思想は、今でもあるのですけど、………その前に、世界に希望を取り戻したいのですよ、お金でなく人間ひとりひとりに価値があるはずです。……互いに繋がり高め会う縁をブロックチェーンのように承認することで価値化できたなら……本当に必要なことの為に時間を使いたいのです。……だから、僕自身、もっとワクワクしなければいけないのですよ!………僕は、無意味な金の奪い合いの仕組みを変えたい!……それがテーマですね。」

 

光志朗は、眼を輝かせています。

 

「そうか、そういうことだったのですか!……お互い、未来に向かって頑張りましょう!」

 

ベッチ所長が、笑いながら話します。

 

他の皆も笑いだします。

 

「さぁ、それぞれの未来に向けて希望ある明日になりますように!……そろそろ時間となりますので、本日は本当にありがとうございます。」

 

ポタラが締の挨拶をしました。

 

それぞれの明日へ向かって帰っていきました。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

光志朗とルンバは、日本に帰ってきました。

 

「う~ん、やっぱり、日本が一番落ち着くね!」

 

「そうね!………しばらく、日本にいたいわね?」

 

 

 

 




どうも、お疲れさま、ってな感じです。

私が生まれたころ、

70年代前後に愛と平和というムーブメントが世界中で起こり、世界はひとつにまとまるかと思われました。

宇宙から見れば世界はひとつ、ジョンレノンですね。

みんな、イマジンしていたようです。

しかし、私の時代はこの有り様です。

子供たちに押し付けるわけではありませんが、もう一度

やってみないか!

今度は、テクノロジーが見方につくかも?

本人よりも自分をしるAiによって

人間よりも、遥かに賢いものが。

そんなところです。

又、会いましょう。



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