楽笑おじさんと絶望こぞう   作:楽笑

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お久しぶりでございます。

バーカー編、第四段でございます。

相変わらず、イカれた奴なのでございますが、

いつのひにか、自由を………

それでは、はじまりということで。



外伝 2031奈落のカオス! バーカー編④

何かがのぞいている。

 

産まれたときからつきまとう感覚。

 

背後から見つめる視線。

 

それが夢と言うのなら、まぼろしのはざまでさすらうだけであろう。

 

混沌の殺到のなか、うごめく影のごとく

 

誰も自分の後頭部を目視できない!

 

求めるものは、何処に?

 

葛藤は雑踏となり、ひしめきあう

 

それが、私の黙示録なのか?

 

自意識の連続体は、果てしなく続く

 

漆黒の彼方をただよい、たどり着く世界

 

今だ、三次元すらも理解できない

 

盲点を妄想でおぎなう

 

不完全であり不確かな存在

 

誰にも解りはしない!

 

私は、無記無名なるもの。

 

地の底を、何処までも深く這いずり回り

 

時は牢獄!

 

あまたの天空を駆けずり回る、いつまでも

 

奈落とは?

 

混沌なる未知なのであろうか?

 

それでも、考えることがやめられない。

 

さだめのままに、

 

不安が喜びのごとく、更なる不安を

 

永遠を呼び覚ます。

 

月の裏側にあるものは何か?

 

いったものですら解らないという。

 

宇宙の謎よりも、足もとのとるにたらない小さな虫ですら謎だらけであり、数式などその程度でしかない。

 

自己探求などするものではないのだろうか?

 

相変わらず、世界は、はてしなく、

 

どこまでも………

 

いつまでも………

 

今、この瞬間さえも?

 

私が私であるように………

 

世界は世界であるように………

 

 

………………………………………………2032バーカー書記

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

太陽が昇る国。

 

龍神が守る国。

 

この国を陰から操るものになって、早いもので四年目を迎える。

 

最近になって奇妙な夢を見る。

 

私の夢は基本的に奇妙であるのだが、どうやら夢のなかで妄想を含めた過去の記憶を振り返っているようで、なにかの啓示なのか?

 

思い返せば幼少の頃に愛読していた小説が原因なのかもしれない。

 

私からしてみても、文字を覚えたての子供がラヴクラフト全集を読みあさるのはどうかと思うのだが?

 

ラヴクラフトとは100年程前の作家で、宇宙からの狂気に満ちた善からぬものや謎の邪神が人々を恐怖におとすという[クトゥルフ神話]と呼ばれているもので、今でいうところのダークファンタジーやモダンホラーの先駆けのようなものだ。

 

私は生まれつき病気をわずらっていたため、15歳までほとんど外に出られず独りでいることが多かった。

 

幸いにして、15歳のときに病気の治療法がみつかり治すことができたのだが、自閉的な性格は変わりようもなく妄想好きの私は部屋にこもり小説を書き始めていた。

 

ラブクラフトが愛読書の私なのだから、当然、狂気まみれのオカルト色の強い内容の小説だった。

 

その頃から私の世界は自己完結しており、学習を含めた情報は新たな妄想のきっかけにすぎなかった。

 

私の世界はしだいに増幅していき、まるでダークエネルギーのごとく広がりつづける宇宙のようであった。

 

ちなみにダークエネルギーとは、宇宙が拡張するさいに増幅するエネルギーであり、そのために星ぼしは地球からたえず離れていくのであるが、ダークマターという空間を繋ぎ止める暗黒物質も同時に発生していることで、宇宙は分裂をしないでいるのだ。

 

今だ私たちの宇宙は、5%の星ぼしの原子や素粒子物質などしか解らないし、量子にいたっては仮説のいきをでないでいるのが現状であり、残りのダークマターの27%とダークエネルギーの68%は謎のままであるのだから、世界が謎だらけだという現実を知ったときに私の妄想が強く刺激されたことを覚えている。

 

更にいえば、アインシュタインの相対性理論やホーキングのビックバン理論等の望遠鏡で眺め物理法則の数式で解き明かすことでしかできない宇宙などまやかしでしかなく妄想的仮説はしほうだいだった。

 

なぜ、太陽系は一定の距離のまま保たれているのか?

 

なぜ、地球から遠ざかるほどに宇宙の拡張スピードが速くなるのか?

 

これほど、地球に都合良く宇宙ができているのはなぜなのか?

 

クトゥルフ神話のごとく、なにかしらの邪悪な意識が作用しているか?

 

はたまた、地球の生命エネルギーが反作用して繋ぎ止めているのか?

 

これを題材にして、[意識生命体としての地球]という、いくつかの小説を書いたりしたものだった。

 

私が生命体に興味を持つことには、さほど時間はかからなかった。

 

まずは、水槽に魚を入れ観察することが日課となった。

 

隔離された閉ざされた空間のなかで、弱肉強食の世界。

 

生き残ったペアが繁殖行動をとり命が繋がれていく過程を記録しながら水槽内での食物連鎖を神のごとく手助けしていた。

 

そこには、小さな地球があったのだ。

 

私が新たに強い個体を入れることで、均衡を保っていた世界はいともたやすく壊れた。

 

まさにクトゥルフ神話の邪神さながらだったことだろう!

 

それを題材にモダンホラーを書いたりもした。

 

作家とは、世界を創造する神なのかもしれない。

 

ベストセラーまではいかないまでも食べていけるくらいは稼げるようになった、そんな作家活動をしているある日、24歳の私のもとにブルーバードというIQ200以上の天才が集まる極秘研究機関から誘いがきたのだった。

 

待ち焦がれた魔界への勧誘さながらに、私は作家活動を続けることを条件にブルーバードへ行くことにした。

 

研究テーマは、[オカルトと思想意識]である。

 

これまた、ラブクラフトの影響なのか、ずいぶんなオカルトマニアであり、その好奇心は犯罪心理学までおよんだ。

 

もちろん、ライフワークである作家活動のネタになったのは言うまでもない。

 

そのときに同期として出会ったのが、光り輝く太陽のような印象の絶望光志朗氏と無邪気な天使のような生意気なチェンであった。

 

彼ら二人とはあらゆる研究を通して三年程の時間を共有していた。

 

人間嫌いの私にしては、どうして同じ相手とそれだけ長い付き合いが出来たか不思議ではあったのだが、そのときには特別な意識はなく、ただの年下の私の研究の手伝いくらいにしか認識していなかった。

 

それが、今になってまた出会うことになろうとは?

 

それも、かなり特殊な状況である。

 

運命のいたずらか?

 

それとも、宿命とでもいうのか?

 

自由と孤独と希望のトライアングル。

 

それぞれの使命を背負っているのか?

 

そうそう、奇妙な夢の話しをしなければならないのでしたね。

 

一言で言えば、カオスであろうか?

 

すべてが入り雑じり絡み合う奈落のごとく。

 

あるときの私は夢のなかで蟻となり暗黒の地底を這いずり回っており、種の存続をかけた生存競争の歯車のごとく集合意識の一員となって集団本能に捕らわれたアルゴリズム反応を繰り返していた。

 

孤独を求む私にとっては、これほど狂気な世界はないだろうというほど息苦しい体験であった。

 

あるときの夢のなかでの私は邪神となり、多種多様な種族が爆発的にあらわれ、独創的な生命体が生存競争をしていたカンブリア紀にいた。

 

まるで10代のころに水槽の世界を支配していた神のごとく眺めていたのだった。

 

おどろおどろしい独自進化をしたさまざまな奇妙な姿をした生命体が、フラスコのなかの微生物さながら生き残りをかけたサバイバルをしていた。

 

最終的には、恐竜という戦闘力の高い爬虫類型知的生命体が支配者となるのだが、感情の進化に適応できずに滅びていった。

 

はたまた、あるときの私は多次元宇宙に飛ばされたようで、龍頭人身の異様な姿になり物理法則の違う異世界の地球で失われたオーパーツを見つけ、古代文明の謎を垣間見たりしていた。

 

ほとんどの古代文明には、なんらかの宇宙からの影響をうけているようなのだ!

 

マルチユニバースでは、私たちが知りうる善悪などはなんのやくにもたたない世界があるのだ。

 

私たち人類も恐竜と同じ運命をたどるのか?

 

そして、あるときの私は、チャクラを通して肉体を離れて幽界をさまよい、五感を越える認知機能を得たことにより本来の三次元を認識していた。

 

私の背後につきまとう感覚とは?

 

そこには、私を観る私がいた。

 

いかに片寄った身勝手な認識をしていたのだろうか?

 

世界は実にシンプルであり、感情などは揺れ動く波にすぎないのであるのだが?

 

しかし、

 

現状の私には何かにジャマをされているようで、はっきりと思い出せず上手く伝えられないようだ。

 

どうやら、

 

その波動こそが魅力的であるようなのだ。

 

いかに肉体を持った生命体のままで感情という思想意識を進化できるかが重要なようなのだが?

 

その解決方法を見つけることが私の使命のようなのだ!

 

生命進化の思想意識法則を見つけることが!

 

それこそが、この世界の黄金法則となりうるだろう。

 

この国の謎をしるべく、光志朗氏との穏岐への旅がきっかけだったのか?

 

まるで、地球の秘密を私に伝えようとしているようであり、オカルトマニアの私にとって背筋が凍りつくような混沌は喜びでしかないのだ。

 

 

さぁ、奈落のカオスへいきましょう……

 

眠りの扉を開きましょう……

 

 

あなたが眠りにつくとき、目覚めるなにかがあるのかもしれません。

 

 

 

 

 

終わり

 

 

 

 

 




いやはや、

バーカーは、どこへ向かっているのでしょうか?

自閉的にも程があると、突っ込みをいれられそうなのですが、この国はどうなるのか?

[自由と孤独と希望のトライアングルの中心には責任がともなう]というのは、私が二十三歳の頃に考えていたことなのですが、バーカーはこの国の命運を握るものとしての責任をまっとうできるのか?

それは、今の私にもわからないのであり、この物語を進めていくにつれ、落ち着くところに落ち着くとしかいえません。

私も、無責任ですよね!

楽しみは自分でつくるものですからね!

ちなみに、栗本薫のグインサーガと永井豪の作品は、日本のクトゥルフ神話といってもいいと思います。

手塚治虫の火の鳥や松本零士の999も捨てがたいですね。

だとすると、エヴァやグレンガランや鋼の錬金術師だって、最近でいえばFate/GrandOrderやメイドインアビスかな?

それでは、ゲゲゲの水木さんは?

なんだか、かぞえだしたらきりがないのですが……

そもそも、一神教の世界観だから珍しいのであって、多神教の日本での神とは必ずしも人類にとって善きものではないですからね。

日本の思想意識はもたもとクトゥルフ神話的なのかもしれません?


話しは変わりますが、みなさん[youtubeの天才天界]さんを知っていますか?
私は二年程前からたまに見ていたのですが、最近の天界さん、キレッキレなのです。
天界さんの思想意識を知ると、どこかしらの賛同が必ずあるかと思います。
興味のある方も、ない方も、いっけんの価値がありますので、ぜひ覚えておいてくださいね!



それでは、また会いましょう。




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