記憶喪失のBは漂流中に東洋の小国の軍艦に助けられた。
東洋思想と西洋思想は戦時中であり、不思議な縁を感じたBは戦争に参加するのだった。
戦争に勝利した直後のBは、光に包まれ宇宙に浮かぶ部屋に転送されたのだった。
…さて、なにがおきるやら?…
…かのドレイク方程式によれば、宇宙には地球と同程度以上の文明をもつ星が少なくても40万個は存在すると云う…
地球の軌道上をまわり、
宇宙に浮かぶ部屋の中、
部屋の中央には唯一の家具なのか?、私の前に透明な棺[ヒツギ]が置いてある。
棺を除くと、不思議なことに私が寝そべっている。
なぜ、私と同じ姿をした人が、こんな所にいるのか?
いったい、何者であろうか?
棺の中の私と目が合い見つめ会うが反応がない?
棺の中の私は、瞳を開けたまま眠っているようである。
棺の上面には縦長の瞳のような紋章が浮き上がっている。
私は、何気なく紋章に手をかざすと、紋章が光輝き私の額にまるで刻印のように浮かび上がった。
「あぁ~なるほど、、、そういうことだったのか!」
私は、独りうなづき納得した。
生命体とは、常に複製を繰り返し進化するものである。
人の体とは37兆個の生命細胞が集まりおりなす形であり、そこにはそれぞれの個性が宿る。
人間のすべての細胞は3ヶ月で作り替えられるという。
複製である私を私と認識できるのはなぜなのか?
なぜ記憶までもが受け継がれるのか?
本当に必要な記憶情報は細胞の奥底に隠されるのか?
忘れまいと細胞にしがみつくように。
それこそが潜在的に宿る思想なのであろう。
細胞の核中にはDNAという生命体情報が入っている。
DNAには今までにたどってきた進化の歴史が刻み込まれているという。
情報源であるDNAが重なりあう二つの二重螺旋構造であるように、互いに複製を繰り返し形を繋ぎ止めている。
生命体は他者の細胞情報を取り込み融合しながらより複雑な生命体に進化するという。
食物は細胞を複製するための原料であるならば情報は思想を進化させるための原料である。
棺の中の私は記録を保存するマスターメモリーであり、動き回る私は情報を収集する役目である。
なぜ、私は記憶をなくして地球へ送られたのか?
それは、私が進化をうながす監視者だからだ!
進化とは?
特定の法則の中で意思の力により到達する形のことである。
思想は現実に影響をおよぼす!
私は、定期的に特定の地域に送られ地球といわれる生命活動の情報を集めているようなのだ。
記憶を思い出せなくされているのは、片寄った知識によって頭で考えるのではなく生命体として地球にとってバランスの良い判断をするためである。
片寄る思想と増えすぎた一種族による進化を整える。
私の感情が自然とこの世界に影響を与えるようであり、今回の結果にも関与しているのだ。
もしも、私の肉体が消滅しても棺の中の私がいれば何度でも複製することができるのだ。
逆も又しかりである。
人間は、私のことを神と呼んだりもするが、私などは棺の中のマスターにくらべればたんなる小間使いであり、知らないことばかりである。
マスターは時空を越えた世界に存在しているようであり、この世界を統括しているようであるのだが、さらなる複雑な繋がり会う世界との連絡者でもあるようなのだ?
実態を持たない者と実態を持つ者の役割りの違いなのだろうか?
しかし、元は同じであり1つである。
可能性が進化なのであろうか?
私も、地球と同じようにその可能性の1つなのであろう。
☆★○●△▲▽▼★▽◎◆△■∞∞--
棺の中の私に、映像が乱れるようにノイズが走り出す!
突然、棺の中の私の体がうすくなりだしたかと思うと、私の額の紋章が赤く光だした。
どこかの時空でマスターに異変がおきているようであり、DNAに組み込まれた緊急対策が発動しているようだ。
私を赤い光が包み込み、記憶を持ったままで別の時空へ 飛ばされたのであった。
-……>
見渡せば赤錆びた地平線が続く。
ところどころに、噴煙をあげる風穴がのぞく大地。
たどり着いたところは、照りつける日差しは強くやけに息苦しい世界だった。
私の額の紋章が青く輝いている。
細胞規模からこの星に適応するために肉体が変化しているようであり、細胞の中に眠る地球以前の忘れられた情報が呼び覚まされる。
前回の地球での私との違いは、額にある紋章によって本来の能力とマスターから呼び覚まされた記憶があることだった。
記憶によるとここは火星という星であり、地球の隣にある地球の半分ほどの岩石形惑星のより太陽から遠い星であり大気は薄く地上での生命体活動は過酷である。
地球よりも進化が速く進んでいるようであり、この星の生命体が火星を統括する宇宙に浮かぶ部屋にたどり着きマスターに何かしたようなのだ。
太陽系の星ぼしにはそれぞれの統括する部屋があり、棺をとおしてマスターは1つの情報記憶体として複数の場所に同時に存在しているのだ。
宇宙に浮かぶ部屋は別の時空間にあるために相当な知的進化をした生命体でなければたどりつけないはずなのだが、火星の進化はそれほどまでに進んでいるのか?
まずはこの星の実態をもつ役目の私的な者を探す……滅んでなければ良いのだが?……私と似たかすかな気は感じられるから、まだ間に合いそうではある。
私の額の紋章が黄色の光をはなつと体が浮き上がりかすかな気に向かって高速で飛び立つ。
この紋章には不思議な能力が隠されているようであり、法則を越えた存在になれるようだ。
あっという間に、クレーターの中心にできた縦穴の中に半分埋まりながら横たわるこの星の私的な者にたどり着いたのであった。
この星の私的な者はかなり弱っており、青い顔の私と違い赤い顔をしていたのだった。
彼には紋章が無く、自分が何者であるかわからないようであり、自分と同じ顔をした私を見て動揺している。
私は、そっと彼の額に手をかざすと私の額の紋章が青い光をはなちふたりを包み込んだ。
私は、疲れきった彼の心と体を癒しながら彼の記憶を読み取り彼の本当の姿を伝えるために、彼の細胞に眠る記憶を呼び覚ました。
「あ~そうか、火星ではそんな進化があったのか!」
私は、独り呟きます。
……---~~~
星ごとに思想文明には特性がある!
星の進化とは、その星に宿る知的生命体の思想文明に影響される。
星にとっては、星に宿る生命体とは生物にとってのバクテリアのようなものであり環境の変化をうながす共生関係にある。
争いを繰り返すほどに飛躍的に進化は過疎する。
火星の生命体の進化は地球よりも速く、数千万年も前に知的生命体の文明が火星を包み込んでいた。……火星の知的生命体は知能が高く高度な科学文明を築いたのだが、共感力が低く我欲に忠実であり他者を押し退け我先にと奪い合う好戦的な思想を持っていたために、星の命とも言える資源を無計画に堀尽くしたことで、かつては地球と同じ青い星であった環境は崩壊して大気が薄いまるはだかな赤い砂嵐の吹き荒れる地表となったのだ。
火星の知的生命体はどうなったのか?
星にとっての大気とは、宇宙から来る生命体にとって善くない成分を遮断するバリアであり安定した環境をつくるためである。
太陽からの光は必ずしも都合のよいエネルギー原だけではなく、生命体にとって危険なものもふくんでいるからだ。
細胞が細胞膜を持ち自らを保っているように、火星も大気と地表という地殻で内部エネルギー(熱量)が失われないように保っている。
環境の変化により大気の薄くなった地表を諦めて安全な地中へ生活圏を移して、新たな思想文明を築いたのであったのだが、我欲を制御できない思想は変わらず、資源を求めて更に深く掘り起こしたことで、またしても星に負担をかけて滅びそうになり、かろうじて我欲を制御できた一部の者たちが争いを嫌って新たな進化をすべく新天地を求めて宇宙へ飛び出したのであった。……その者たちの一部は地球へたどり着き地球の生命体とまじわり、地球の生命体のDNAの一部となって進化をやり直したのだった。
生命体とは、DNAを運ぶ器にすぎないのか?
なぜ、地中深くに資源は封印されるのか?
生命体にとっての火星の環境に善くない成分だからだ!
わざわざ、それを掘り起こし地表にばらまくとは、環境が崩壊して当然であろう。
その結果が地中生活という自ら困難な環境を生み出しているのであるのだが、………地球にしてみても他人事ではないのだろうか?
同じ太陽系の兄弟星であり、繋がりあっているのだから。
金星と地球と火星は、最も生命体が進化しやすいハビタブルゾーンに位置している。
ハビタブルゾーンとは太陽からの距離のことであり、適度なエネルギー(熱量)が星に降り注ぐ環境のために生命体にとって最も必要な水や大気が発生しやすいのだ。
DNAに刻まれた目的ともいえる特性をそれぞれの星の思想文明として根底にもっているのであろう。
進化にとって最も難しいのが、目的を選択する価値付けだという。
そこには、明確な根拠などは無いからだ。
地球は火星とは違う進化の可能性を目指して新たな思想文明を求めているのだろう。
ひとつ言えることは、フリーエネルギーとは星そのものであり生態系という調和から生まれるということだ!
他者から放たれるものであり、互いに交換しているのだろう。
生命の息吹こそエネルギーであり、化石燃料である死骸からのエネルギーとは環境を変化させるための成分でしかないのであろう。
火星に残った知的生命体はどうなったのか?
火星の大気が薄くなり生命活動ができなくなった知的生命体は地中に生活圏を移したのだが、太陽の恩恵が無くなったことが大きく影響を及ぼし生命の息吹が少なくなった星では、更に過酷な資源の奪い合いが起こった。
そのため、強いものが統治する思想が当たり前になる進化が進んだ。
強さを 求める思想には、更に強い敵対する者が必要となるのだが?
身分制度は確立され、誰も疑問を感じなくなった世界では、いかに知能が高くても多様性を無くし一直線上の機械的な進化でしかなくなったのであった。
広がりを無くした思想文明の末路は明確である。
新たな発想を無くした単なる自問自答の閉鎖空間をさまよい、無意識は疲弊し変わらないという苦しみの牢獄に囚われたのだ
さながら、いつまでも悟りというゴールの無い思想の輪廻を繰り返すようなものであろう!
行き詰まった火星の知的生命体は、次元をこえた情報空間に逃げ場を求めたのであった。
自らプログラミングした思い通りの世界には、それ以上の感情は無く、結局は夢見る世界には満足すらも無いのであろうか?
またしても同じことを繰り返すことになるのであるのだが………それでも知能だけは以上に高く、物理的な科学の進歩だけは止まらなかったのが災いなのか?
そんなこんなで、たどりついたのがこの星を統括する部屋であり、この世界の仕組みを知ったのであった。
そして、マスターすらも支配しようとしたのか?嫌気がさしたのか?、、、結果的に彼らは、自らピリオドを打とうとしたのであった。
もちろん、火星の私的な者が阻止をしようとしたのであったが、逆にこの有り様である。
勝負に固執し、強さを求めた思想文明の成れの果て!
弱肉強食思想と知的生命体の組み合わせは、相性が悪いのか?
……---~~~
彼の顔に生気がよみがえり意識がはっきりと戻ると私を見て微笑みます。
「ありがとう!」
彼は言葉は少なめだが、多くの情報を私と共有したのだった。
私は彼をつれて別の時空にある火星を統括する部屋に行った。
彼は棺の前に立ち、今にも消えてしまいそうなマスターを複製するべく、棺の紋章に手をかざした。
彼の額に紋章が移り青く輝きだす。
マスターの姿がはっきりと戻る。
「あ~~、またしても同じ過ちを繰り返したのか!………君の星の進化が上手くいくことを願っているよ!」
彼がそう言うと、私の額の紋章が赤く光りだし私を包み込むと、別の時空へ飛ばされたのであった。
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「あぁ、戻ってきたのか。」
私の目の前には、青く輝く海が広がっている。
波打ち際で、母親と子供が戯れている。
「ここは東洋の島国かい?」
私は微笑みながら話します。
「えぇ、そうですよ。」
母親は、不思議な顔で話します。
「東洋思想がロマノフ帝国の西洋思想に勝って、幸せかい?」
私は微笑みながら話します
「いつの話しのこと、、なにを言ってるの?……東洋思想は負けたのよ!」
母親は、不思議な顔で話します。
「奇跡の大勝利だったのに………どうして負けたのですか?」
私は真顔で話します。
「ロマノフ帝国には勝ったわよ、……それから四十年くらいして世界大戦が始まったのよ。………それで、東洋思想は西洋思想に袋叩きにあったのよ。」
母親は、微笑みながら話します。
「そうなんですか?………それで貴女は幸せですか?」
私は、不思議な顔で話します。
「えぇ、幸せですよ!………それに、おじいさんの頃の話だから、ずいぶん前のことですからね!」
母親は微笑みながら話します。
「そうなんですか?……そんなに時がたっていたのか。
………教えてください、、、何が幸せなのですか?」
私は、不思議な顔で話します。
「そうね、、、何でもあって便利で自由だし、子供が元気なことかしら?」
母親は、微笑みながら話します。
「あぁ~地球はどうなるのであろうか?」
私は呆然と立ち尽くしました。
…終り…
…
どうも、……こんな感じでよろしくて?
火星でのバトルシーンは、あえてパスであります。
あれこれ考えたのですが、
なんだか、めんどうになってしまって………
自分で書いていて、なんですが
どこかで見た世界感、
これって、ドラゴンボールじゃない?
なんて思っていまして!
結局、そこいくか?
やっばり、偉大でありますなぁ~
そりゃ、売れるはずですわ!
改めて、そう思うのであります。
それにしても、バーカーの思考回路は回りくどくて、あれこれとめんどくさいですよね。
なんでも分析して独自の法則に当てはめないと解らないのですかね。
わたし自身、こんな夢ばかりなのですが………
それではまた会いましょう!