楽笑おじさんと絶望こぞう   作:楽笑

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皆さま、お久しぶりです。

今回のお話は、以前に書きました、[夢なりしB]の世界観と共有しております。

本編のバーカーというキャラが小説として書いた設定であります。

他にも、バーカー作による[Bシリーズ]がいろいろありますので、読んでいただけると嬉しく思います。


今回の話しは、あくまでも私の妄想であり創造的なものです、実在の名称や出来事とは一切の関係はございません。




外伝 夢なりし B Ⅱ ㊤

砂浜で戯れる親子の向こうになにを見るのか?

 

さざ波がここちよい。

 

打ち寄せてはひく波が潮風をはこぶ。

 

一定のリズムをかなで私をいざなう。

 

どこを見るわけでもなく、焦点の定まらないままボンヤリとしている。

 

無情の彼方に繋がるような。

 

途方にくれる私を呼ぶ声がする。

 

「おじさん、だいじょうぶ?」

 

小さな男の子が私を見上げている。

 

「あぁ、大丈夫だよ。……ボウヤは幸せかい?」

 

私は子供にかたりかける。

 

「うん、お母さんがいるからね。」

 

男の子は満面の笑顔で母親の手をにぎりながら答える。

 

それを見て、母親もにっこりと微笑む。

 

「たしかに、これくらいの子供にとっては母親が世界の大半をしめるのかもしれない?」

 

私は、ひとりうなずくのである。

 

 

母親が私の顔を見つめる。

 

「あなたは不思議な顔をされてますね?」

 

母親が私の顔を見ながらたずねる。

 

「不思議とは?何か変ですか?」

 

私はたずねかえす。

 

「いえ、赤い髪に青い肌でゴールドの瞳、アニメのコスプレのようだな?と思いましてね。」

 

母親が笑いながら言う。

 

「あ、そうだった。…私は普通とは違うのでした。」

 

私は、前回とは違い、今回は記憶があることを認識しながら言った。

 

前回の時代の来訪での記憶は、西洋思想と東洋思想が戦争をして、東洋思想が勝利したのだった。

私は、東洋思想がわと最初に出会い、東洋思想がわに思い入れをしていたために、そのあと、東洋思想が西洋思想に袋叩きをくらって負けたことで孤立してしまったことを、この母親から聞いて我を忘れていたのだった。

それは100年以上前の出来事であるのだが、負けたのに幸せという母親に、私はとまどいを感じているようなのだ。

 

 

「普通とは違うとは?………まさか、宇宙人だったりして?……それとも、悪魔かなにか?」

 

母親が探り探り聞く。

 

「うーん、どちらかというと、宇宙人に近いかと思います。」

 

私は真顔でこたえる。

 

「うそ、ほんとに!……タックン、このおじさん、宇宙人なんだって。私、宇宙人、初めて見たわ。」

 

母親はうれしそうに子供に話す。

 

「お母さん、宇宙人ってなぁに?」

 

タックンが聞く。

 

「宇宙人はね、私たちとは違う世界から来た人たちで、不思議な力がつかえるのよね、いないっていう人もいるくらいに、とても珍しい人たちなのよ。もちろん、私はいると信じていたわよ。」

 

母親がこたえる。

 

「ふーん、宇宙人、すごいね。…おじさん、なんかやってよ?」

 

タックンが言う。

 

「坊やはタックンというのか。………タックンには悪いが、おじさんには特別な力なんてないんだよ、何もできないからね。」

 

私は、特殊能力をつかさどるひたいの紋章がなくなっていることを認識し、特別な力がつかえなくなっていることに気づく。

どうやら、この星の監視者としての力は封印されてしまったようだ。

 

今回の時代の来訪では、記憶は残されているが能力は使えないようである。

私は、この星の監視者として、次元の狭間にある場所から定期的にあらゆる時代に派遣される役目なのだ。

この星の、より良い進化をうながす監視者としてである。

 

全体は細部に宿り、細部は全体に宿る。

世界は螺旋に広がり続けることで産みだされる。

この流れをとざさないことが使命。

私は、目であり五感であり、バランスをとる者なのだ。

 

忘れてならないのは、あくまでも私は感覚器かんでしかなく、主体はこの星がおりなす自然(法則)であるということである。

 

そう、この星こそが、宇宙の中心であり、あらゆる世界をソウゾウする根元なのだ。

 

どうやら、私が送り込まれる時空間に重要な情報があるようで、世界線の変換ポイントなのだろう。

 

この星の可能性とは何か?……新たな世界観を産み出す進化とは何か?

 

それこそ、明確な答えなどあるわけないだろうが、森羅万象、自然発生的に芽生える世界がこの星にはあるのだろう。

 

 

 

私は母親に向き合う。

 

「よろしければ、もう少し、くわしくあなたの幸せな生活というものを教えてくれませんか?」

 

私はたりない何かを知ろうと問いかける。

 

「えぇ、いいわよ。……なんだったら、家にこない?……見たほうがはやいと思うわよ。」

 

母親が笑いながら言う。

 

私は母親に連れられて砂浜を後にする。

 

しばらく歩くとバス停に出る。

 

「もうすぐ、バスが来るから待っててね。」

 

母親がタックンに笑いながら言う。

 

「あなたは、マイカーを持たないのですか?」

 

私は母親にたずねる。

 

「私たちにはマイカーは必要ないのよ。……不便はないわよ。ここのバスは15分ごとに通るから、大丈夫なのよ。」

 

母親がこたえる。

 

「急ぎの用事のときはどうするのですか?」

 

私は疑問に思いたずねる。

 

「あせることなんてないわよ。基本的に、誰もがのんびりなのよ。……どうしてもってときは、スマホで呼べば無人の救急車が来てくれるけどね。」

 

母親はこたえる。

 

「お母さん、バスが来たよ!」

 

タックンが、バスを指差して言う。

 

ほとんど音もせずに、私の前に50人ほど乗れそうなバスが停車した。

 

「さぁ、乗りましょうね。」

 

タックンを先頭に私たちがバスに乗ると、すでに10人くらいの人が乗っていた。

 

「お母さん、運転手さんしてもいい?」

 

タックンは空いている運転席に座りながら言う。

 

「良かったわね、空いてて。…いいわよ。」

 

母親は毎度のことのように言う。

 

「あぁ、大丈夫よ!このバスも自動運転だから。…ハンドルとメガネに写る画像で運転ゲームしてるのよ。」

 

母親はタックンにメガネをかけてあげながら話す。

 

「そうなんですか。……のどかですね。」

 

私は楽しそうなタックンを見ながら言う。

 

「宇宙人さん、ここに座りましょう!」

 

母親は運転席の後ろにある二人がけの席に座り、となりの席をたたきながら言う。

 

「あなたの家は、遠いのですか?」

 

私は母親のとなりに座りながら言う。

 

「近いわよ。次の次のバス停だから、8分くらいかな?。」

 

母親が流れる景色を眺めながら言う。

 

道路を進むほどに、道路に横道が増えていき住宅が建っている。

 

どの住宅にも、車はなくて家の周りに畑や果樹がある。

 

「どの家でも、家庭菜園をしているようですね。」

 

私は母親にたずねる。

 

「そうよ、家族分くらいの果物や野菜は自分でつくるのが私たちの文化なの。……主食のお米や大豆は共同体の農作地でほとんど無人でつくられるから心配ないけどね。……それでも、村単位で共有して田んぼをおこしてお米をつくるほど、私たちはお米を食べるのもつくるのも好きなのよね。」

 

道路に平行して歩行路と自転車路があり、まばらに通行している。

 

反対車線をバスが通りすぎたのと、窓のない四角い車と何台かすれちがったくらいだった。

 

「本当にマイカーが走っていないですね。……あの四角い車はなんですか?」

 

私は母親にたずねる。

 

「あぁ、あれは荷物を配達する無人車よ。……注文した商品やお届け物などを配達しているのよ。」

 

母親がバス停から乗り降りする人たちを見ながらこたえる。

 

「あなたたちは、店に行って買い物はしないのですか?」

 

私は公園のような広場のバス停を見ながら母親にたずねる。

 

「たまにはあるわよ!…それぞれのバス停は村の中心にになっていてね、公民館と小さな店がある公園になっているの。大きなお店じたいが少ないし、どちらかというと個人でつくった娯楽品や生活用品とか、農作物や海でとった魚とかの交換所のほうがおおいかな?……個人ではつくれない、家電などの必要な物はネットで注文すれば配達してくれるし、私たちは日常の生活品があれば満足なのよ。」

 

母親がこたえる。

 

「物々交換みたいなことですか?……あなたたちには、お金というものはないのですか?」

 

私は母親にたずねる。

 

「お金は西洋では、今でもまだあるらしいけど、私たちはポイントギフト券のような、毎月もらえる期限つきの交換ポイントがあるのよ。……まぁ、大きなくくりでとらえたら、それもお金と言えなくもないけどね。」

 

母親がこたえる。

 

「そのポイントはどこからもらえるのですか?」

 

私は母親にたずねる。

 

「私たちは、村単位で、それぞれの自自体に属しているのよ。だいたい、バスの周回している範囲だけどね。……それらの自自体が集まったのが州で、その州が集まったのが連邦国なの。……ポイントは大元の連邦国からもらえるのよ。……それぞれの州には特徴があってね。……農業が得意なところもあれば、工業が得意なところもあるのよね。……誰もが自分の得意なことで自分の意志での世の中と、かかわっているの。……だから、私たちの生活は、ほとんど国内の商品でまかなっているのよ。……さぁ、着いたわ、ここで降りるわよ。」

 

母親が、タックンに声かけをしながらこたえる。

 

私たちは、バスを降りた。

 

「私の家は、バス停のまん前なの。…あの家よ!」

 

母親が100メートルほど向こうの家を指差しながら言う。

 

いつものことなのか、タックンはひとりで先に家の玄関へ走っていく。

 

「じいちゃん、ただいま!」

 

タックンが元気に言うと、玄関を開けて大柄の男が出てきた。

 

 

 

 

大柄の男は青い瞳と白い肌をしていた。

 

大柄の男は年齢のわりに岩の塊のような体つきをしていた。

 

「おかえり、タックン。」

 

大柄の男が微笑みながら言う。

 

 

 

私は大柄の男に近よりペコリとお辞儀をする。

 

大柄の男も同時にペコリとお辞儀を返す。

 

はじめて会ったにもかかわらず、二人の間の意識が共有したかのように感じてならない。

 

「あなたは………Bさん!」

 

大柄の男の顔つきがかわり、思いもよらない言葉がもれる。

 

「確かに、私はBだ。……なぜ、あなたが知っている?」

 

私もおどろきを隠せず、顔つきがかわりながら言う。

 

「あなたの写真があるからです。私の祖父から聴いていたのです。あなたが勝利をもたらしたとね。…しかし、何十年も前の話しですよ。」

 

大柄の男が不思議そうに話す。

 

横で私と大柄の男の話しを聴いていた母親が笑いながら言う。

 

「あら、そういうことなのね。……おじいさん、この人は宇宙人なのよ。過去からきたんだって。」

 

私と大柄の男の顔つきが、母親につられたかのようにやわらいだ。

 

「あぁ、そうか!」

 

3人は笑い声を上げてみつめあった。

 

「さぁ、Bさん…中へどうぞ。」

 

私は、おじいさんにまねかれて家に上がった。

 

おじいさんはテーブルをはさんで座ります。

 

 

私が座ると、おじいさんが話しだします。

 

 

「ほんの20年も前くらいまで、この世界にも戦争のようなイザコザがあったのだけれどね。……今は平和なんだよ。……西洋思想は何百年もかけて世界に契約をもたらしたからね。」

 

「テクノロジーの進歩も貢献したが、なによりも、彼らの計画の実行力なんだよ。」

 

「たしかに、一時はこの国も支配されかけたけれどね。…この国には脈々と続く文化があったのだよね。…彼らには真似できないものがね。」

 

「彼らは、それを取り込み、利用したほうが得策と考えたようでね。」

 

「彼ら西洋思想は、管理者なのだよ。人類を維持するためのね。…だけど、根本的なことが抜けていたんだね。」

 

「彼らだけではなし得ないことをさとったようでね。」

 

「彼らは、計画し実行することにはたけていた。……子々孫々と目的に向かって階級をつくり組織を運営することにね。」

 

「お金という価値観も、株式会社という仕組みも、資本主義も組織を運営するためにあるのかな?」

 

「世界中が経済で繋がるほどにお互いは絡み合い、結果的に戦争は不利益しかうまないことも幸いなったようでね。」

 

 

 

「世の中は循環だよ。物の循環、情報の循環、。人々が動くことで産まれる循環があるからね。誰かが流した行為が誰かの生きる糧になればいいよね。」

 

 

 

「今して思えば、彼ら西洋思想の言い分もわからなくないよ。……あのまま無計画に人類が好き放題に増えていけば、いずれは自滅しただろうからね。」

 

「互いに生き残るためには、テクノロジーの発達とお互いの思想の融合の時間が必要だったのかな?」

 

 

「この時代は選択の時代だよ。それぞれがそれぞれの現実を生きていてね。人によって、世界観がさまざまなのです。同じ町に住んでいたとしてもね。……それほどまでに、個人の格差は開き、世界を共有できなくなってしまった社会に、世間というグローバル思想は契約をもとに結ばれました。」

 

「個人の自由は限定的に選択できます。しかし、社会の取り決めは強固であり守らなければなりません。……ですから、自由といっても個人的な思想の範囲内なのだよ」

 

 

「個人は幻想に生きているのかもしれませんね。…この時代の現実とは、世間という計画された情報による社会なのだよ。」

 

 

「私たちは、二重世界に生きているのですね。…ことなる現実を受け入れながらね。」

 

 

「この国にも、都市部と地方の格差はありますが、世界的にみれば少ないほうですがね。」

 

 

「この国には、多用な自然がありました。……それは、人がコントロールできないほどの自然だった。」

 

「大勢の人がなくなりました。…大勢の人が生かされました。」

 

「結局は、わかりません!……善いか悪いかは捉え方しだいです。」

 

 

「だからこそ、私たちはこの町に住んでいるのです。…なるべく、自然を感じながら命を繋いで生きていくためにね。」

 

 

 

「私には、西洋のような神はわかりません。」

 

「私にとって、絶対的なものがあるとするならば、万物を有する流れである自然なのだと思います。」

 

「もちろん、西洋も東洋も私もあなたも、なにもかもだよ。」

 

 

「Bさんが聴きたいことは、こんなことではないかね。」

 

話し終えると、おじいさんは深くため息をつき微笑みながら、わたしを見つめています。

 

 

「ありがとうございます。……この話しを聴くためにこの場所にきたような気がします。」

 

私は微笑み返しながら言う。

 

「あ、Bさん、光ってるよ!」

 

以前のように、私の体を光りが包み込み、私は別の空間に飛ばされるのだった。

 

「またか……」

 

 

 

続く…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






読んでくださりありがとうございます。

後半のおじいさんの話しは、描きたいことを話すだけという一方的な文章になってしまいました。(なんだか、まとめることにつかれたみたいなのです。)

日本の文化のなかに、サトリという思想がありまして、[お互いの差をとる]ことなのです。

サトリとは差取りであり悟り。

古来より続く陰陽道の[間取り]という術だそうです。

それは、人のような生物だけでなく、あらゆる物質、あらるる情報を繋げる技だそうです。

詳しく知りたい方は、[保江邦夫さんの意識の間術を学ぶ]という動画を御覧ください。

それぞれの自然を大切にしましょうね。

それでは、

次回、後編で会いましょう。

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