楽笑おじさんと絶望こぞう   作:楽笑

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意味づけするものよ。

意味があるから世界が生まれるのか?

世界があるから意味が生まれたのか?

それ以前より、ただ漂うものたち。

意味以前の存在。

種なる存在。

すべては、流れのままに。

限界を超えた世界の先へ。

芽生えの世界。




外伝 夢なりし B Ⅱ ㊦

 

……

 

………

 

 

 

そこは、岩石と金属に囲まれた世界だった。

 

無機質な殺風景な世界だった。

 

 

私は、B!

 

名前以外は自分の存在がわからない。

 

なぜ、此処にいるのか?

 

とりあえず、うろつくことにした。

 

 

静寂、変わらない世界。

 

何億年も前から、ずっとそこに有ったかのような世界。

 

生物の息吹の気配が感じられない、まるで、死んだような世界だった。

 

それでも、うろつくしかない。

 

 

この世界で動いているのは私だけなのか?

 

体は疲れはて、鈍くなっていく。

 

目的もないままに、さまよいまわる。

 

変わらない世界は、うぱっていく。

 

なにもかもだ。

 

私の意識すら、うばっていく。

 

私も、岩石となり固まるのだろうか。

 

それとも、砕けてチリとかすのか。

 

とぎれる意識の合間にかいまみるものは、現実か幻想か?

 

「…コッチヘコイ…」となにかが潜り込んでくる。

 

私を呼ぶものは誰だ。

 

呼ぶ気配の方へ進んでいくと、異形の岩石がチラホラとあらわれだす。

 

なにかの生き物のような姿をもした岩石の間をすり抜けていく。

 

しだいに岩石は見慣れた形のものがふえていき、今にも動き始めそうな錯覚さえ感じる。

 

人形の岩石の前にたちどまる。

 

「コッチジャ、生き物の息吹を感じるのはいつ時いらいか。」

 

どうやら、この岩石から聴こえているようだ。

 

「あなたは何者だ!」

 

私は、とまどいながら話す。

 

「それは、こちらも同じじゃよ。……おまえはだれじゃ。」

 

「私はB!…名前以外はわからない。」

 

「ほう、さまよい人か。…こまりもんじゃな。」

 

「ここは、どこなのか?…教えてください。」

 

「どこってな……元じゃよ。」

 

「元って!……なんです?」

 

 

「だからな、元はもとでな。…わからんかな。」

 

「………なにかのもとがある場所なのですか?」

 

「そうそう、だから元じゃろ。形の元じゃ。」

 

「あの岩石のことですか?」

 

「おぉ、さっしがいいな。……おまえさんも、そのままさまよっていたら、そのうちに元になるじゃろうな。」

 

「で、あなたは何者なのですか?」

 

「ワシ…ワシは管理人じゃよ。」

 

「管理人って、人形の岩石にしか見えませんが?」

 

「そのとおり、おまえさんが見ているのは人形の岩石じゃけどな。……たまたま、この岩石ごしに話しているだけで、ワシは形なき存在じゃ。」

 

「それでは、どこにいるのですか?」

 

「ワシにもわからん。……どこにでもいるし、どこにでもいないし、おまえさんに似た岩石をえらんだだけじゃ。……そっちのほうが、話しやすいじょろ。」

 

「そうなんですか?」

 

「どうじゃろ?……そんなものじゃろ、きっと?」

 

「適当なんですね。」

 

「テキトウって?……ずっと独りじゃし、なんとなくじゃしな?」

 

「結局、お互いによくわからないということですね。」

 

「わかる、わからないは、そんなに重要なのか?」

 

「うーん、……そう言われると困るのですがね。」

 

「おまえさんが、決めとくれ。……とにかく、ワシはずっとこんな感じじゃよ。」

 

「それでは、私が思うに、ここはあらゆる形という器の元が保管される場所であり、永遠に変化のない時が止まった場所であり、あなたは、この場所で唯一の気配だけの意識ある存在ということでいいですね。」

 

「あぁ、それでいいよ。……なんだか、他人に決めてもらうというのはスッキリするものじゃな。」

 

「そうですか?……それでは、私はどうなりますか?」

 

「おまえさんは、どうじゃろ?……さしずめ、ひたいに模様がある者でいいじゃろ。」

 

「そんな適当な、模様って!……紋章の間違いじゃないですか?……あぁ、!」

 

私は紋章に意識を集中した。

 

「思い出した!」

 

「なんじゃ」

 

「ありがとうございます……他人がいるって大切ですね。…それでは、失礼します。」

 

私は、[帰ろう]と念じた。

 

私を光りが包み込んだ。

 

………

 

……

 

 

 

 

暗闇に星が輝いている。

 

かたわらには、マスターが寝ている。

 

 

永遠に変わらない世界とは、なんなのだろうか!

 

形をとどめることは、生きているのか、死んでいるのか?

 

私は、何者によって産み出され、どこへ向かっているのだろう。

 

結局、わからないままにうろつくだけなのだろうか?

 

なぞはなぞのままに、底なしであり、ただ存在があるだけなのかもしれない。

 

ひろがりつづける世界をうろついても、自身を掘り下げても。

 

 

私なんてものは、

 

 

大きな仕組みのなかに、生まれては消える無数のものたちのひと粒なのだろう。

 

記憶と体験による感情の変化を時間軸にとじこめた、とてもちっぽけな存在なのだろう。

 

 

自身の分身でもある、かたわらのマスターをながめる。

 

「さぁ、次はどこへいくんだい。…マスターよ。」

 

 

私の体を光りが包み込む。

 

 

 

…………

 

………

 

……

 

まっ平らな世界。

 

どこまでいっても、地平線が続く。

 

360度、どこを向いても変わりぱえのしない世界。

 

いったい、ここはどこなのか?

 

どこへ、行こうとしているのか?

 

先が見えるのは、ありがたいのか?ありがたくないのか?わからなくなる。

 

私は歩いていた。………ひたすらに。

 

3日目までは覚えているが、その後は何日たったのだろうか?……今は思考が回らないようだ。

 

気がつけば、飲まず食わずで、よく無事だったかと思う。

 

白い天井が見える。

 

私は、ベットに寝ているようだ。

 

ハッキリしない、まどろむ意識は続いているが、どうやら助かったらしいことがわかる。

 

いったい、ここはどこなのか?

 

ひと安心していると、誰に助けられたのか?という疑問がわいてきて、不安感が押し寄せてくる。

 

必ずしも、善いものとは限らないという不安だ。

 

 

しばらくして、扉が開き、一人の男が入ってくる。

 

「お、気がつきましたか?」

 

男は微笑みながら話す。

 

「ありがとう。]

 

私の口から自然と、この言葉がでていた。

 

「大丈夫ですよ。……後で食べ物を持ってきますから、ゆっくり休んでくださいね。」

 

そう言うと、男は部屋から出ていった。

 

 

どうやら、心配しても仕方ないようで、とりあえずは感謝しかないのだろう。

 

 

ひとり、取り残された私は物思いにふける。

 

あれから何日たったのだろうか?

 

意識のない私の時間と意識のある私の時間に違いはあるのかないのか?

 

どちらにしても、私の外で世界は動いているのだろう。

 

あくまでも、私は感じるだけしかないのだろう。

 

私と私の外側の世界で現実は成り立っているということなのか?

 

そう思うと、なんだか、すべてがしっくりくる気がしてくる。

 

あくまでも、気がする程度で確かめようのないことばかりだけど、[気がする]ということに[気づく]ことが大切なのだと思う。

 

それにしても、何度もなんども、あらゆる時代のあらゆる可能性の世界に飛ばされることに、どんな意味があるのだろうか?

 

もしかすると、有るとか無いとかではなくて、私にとって、その行為じたいが意味なのかもしれない。

 

きっと、そうなのだろう。

 

私の感じることすべてが世界と繋り世界の一部となるのだろう。

 

 

 

私の体が光りに包まれる。

 

………………

 

…………

 

……

 

 

 

 

[ただいま、マスター]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星ぼしの世界は無限ともいえるだろう。

 

その中のひと粒でしかない太陽系。

 

太陽系の中の地球ですら45億年ほどである。

 

何億年単位の世界からみれば、人類の時代など一瞬にもみたない。

 

ましてや、人の一生など、測定不能なほどでしかないだろう。

 

時間など、あってないようなものでしかないのかもしれない?

 

しかし、人は、その短い人生に価値を見いだす存在。

 

幻想と現実の狭間に生きる無限の存在なのだろう。

 

 

 

 

 

終り…

 

 

 

 

 






皆さま、読んでいただき、ありがとうございます。

私は、私の生きたあかしとして、このような文章を形として残しているのかな?

この回を描いている間、そんなことを思いながらの時間をすごしていました。

同時に、皆さまにも皆さまなりの、より良い人生になりますようにと思っております。


それでは、又、会いましょう。



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