戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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分かり合う為に

「さて、探すとは言ったが、そう簡単に見つかるのかな?」

 

俺は響との約束を守る為に雪音さんを探しているのだが、ただの素人が探し人を、しかも逃げている人間を簡単に見つける事ができるのか?

 

「さて、どうしたもんか」

 

そう言いながら、俺は街の中で歩いていると、後ろから何か気になる気配を感じたので、振り向く。

 

「あっウォズか!!

丁度良かった、雪音さんの居場所知っているか?」

 

「はぁ、我が王よ。

確かに私は知っているが、その前にこちらの質問に答えて欲しい」

 

「なんだ?」

 

「二課と協力するのですか?」

 

「まぁな」

 

俺はその事についてはすぐに答える。

 

「これまではお前に言われた通り、正体がバレないようにしていた。

けど、フィーネによってバラされた以上、同じ相手と戦うんだったら、協力する人がいた方が良いだろう」

 

「利害の一致は十分に理解できます。

ですが、正体を明かす程ですか?」

 

「ある、信用するにはまずはこちらから打ち明けないといけないからな」

 

「・・・分かりました。

私如きでは想像できない考えがあると、信じ、教えます」

 

そう言い、ウォズは本を取り出す。

 

「雪音クリスは現在はノイズから逃れる為に路地裏で逃げています。

すぐ近くです」

 

「ありがとうな!!」

 

ノイズという事はすぐに戦闘になると考え、俺は手に持ったジクウドライバーを腰に巻き付け、ジオウライドウォッチをセットする。

 

「変身!」

 

ライダータイム!仮面ライダージオウ

 

その音声と共に、俺はジオウへと変身した後、バイクに乗り、ウォズが言っていた場所へと走る。

 

そこには確かに雪音さんがおり、周りには多くのノイズが襲い掛かろうとしていた。

 

俺はすぐにジカンギレードを銃へと変えて、ノイズを打ち落としてく。

 

「なっお前っ!!」

 

「無事だったようだな。

少し下がって」

 

そう言い、俺はファイズライドウォッチをジカンギレードにセットし、構える。

 

ファイズ!スレスレシューティング!

 

その音声と共に、俺は引き金を引くと、ジカンギレードから幾つもの光線が放たれ、ノイズを瞬く間に貫いていく。

 

「大丈夫か?」

 

「何の用だ?

アタシを倒しに来たのか?」「いや、お前を助けに来た」

 

「あの馬鹿と同様にお花畑のようだな。

さすがは兄妹だけあるな!!」

 

「まぁそうかもしれない。

けど、俺はお前とあの話の続きをしたいと思っていた。」

 

「あの話だと?」

 

「あぁ平和の事だよ」

 

「だから、どうしたって言うんだよ!!

アタシはな」

 

「雪音さん」

 

そう言いながら、俺はゆっくりと近づこうとするが、後ろから気配を感じすぐにジカンギレードを上に翳して、防御した。

 

「なっ、アナザーライダー!!」

 

「しかもかなりやばそうだな」

 

そう言いながら、見てみると、そこには枯れ木を思わせる鎧を身に纏ったアナザーライダーがおり、その手に持っているのは人と同じぐらいの大きさの剣だった。

 

「ちぃ、邪魔だ!!」

 

そう言い、雪音さんは手に持ったボウガンでアナザーライダーに当てていくが、狙いを俺から雪音さんへと変える。

 

「てめぇの相手は俺だ!!」

 

そう言い、俺はアナザーライダーへと斬り込むが、すぐに横へと避けると、そのまま俺に剣を押し当てる。

 

「なかなか厄介だな。」

 

「どけ!!

お前がいると、邪魔でしょうがない」

 

「それは無理だ。

俺は雪音さんと話すまで帰るつもりはない!!」

 

「だったら言わせてもらう!

アタシから言わせれば、てめぇのやっている事は偽善だ!!

パパもママも歌で世界を平和にするとかくだらない事を言っていた」

 

そう言いながらボウガンをアナザーライダーに当てていく。

 

「だからアタシは全ての戦う力を消すつもりだ!!

例え、鎧なんてなくても!!」

 

「それは違うよ!!」

 

俺はそう言い、こちらにへと向かって刀を振り下ろした攻撃を雪音さんを抱えて、その場から後ろへと跳ぶ。

 

「雪音さん、さっきの答えを言っておく」

 

「答えだとっ!?」

 

「世界平和はな、誰かが一人で叶えようとしても、他の人が平和を崩す事がある。

だからこそ、世界中の人々が共に願ってこそ叶えられる」

 

「そんなのっ、ママやパパが言っていた戯言と一緒じゃないかよ」

 

「そうかもな。

けどな、急ぎすぎた平和は崩れやすい。

だから、雪音さんの両親は色々な人に、その願いを届けたいと思ったんだと思う」

 

そう言い、俺は目の前にいるアナザーライダーを見つめる。

 

「幸福な記憶を、人々が分かち合う事ができれば世界を平和にできる。

だから、俺は少しでもその手助けになるんだったら、戦わせてもらう」

 

その言葉と共に、俺は手に持ったライドウォッチのスイッチを押す。

 

【電王】

 

電王ライドウォッチを取り出し、ジクウドライバーにセットして、そのまま回す。

 

「変身!!」

 

ライダータイム!仮面ライダージオウ!

アーマータイム!ソードフォーム!電王!

 

その音声と共に、俺の周りに小さな電車が走り出し、俺を中心に電車は赤いアーマーとなって装着される。

 

「ふふっ、やはり我が王だ!!

相手の考えを覆すだけある」

 

「お前は!!」

 

「おっと、観客は少し静かに」

 

そう言いながら、ウォズは現れると同時に本を広げる。

 

「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしらしめす時の王者。

その名も仮面ライダージオウ電王アーマー。

また一つ、ライダーの力が継承した瞬間である!」

 

「俺、参上!!」

 

アーマーが装着が完了するのと同時に、なぜか叫びたくなった言葉と共にポーズを取る。

 

「なっなんだよ、こいつらは」

 

「ウォズに関しては平常運転だから、気にするな。

でも、このアーマーを着ているとなんていうか、今は最高潮に戦えるような気がするからな」

 

そう言いながら俺はジカンギレードを肩に乗せた後、目の前に迫ってくるアナザーライダーの剣とぶつけ合った。

 

アナザーライダーの持っている巨大な剣は先程までだったら押されて、圧倒的に不利な状況だったが、このアーマーへと変身してからは、力が上がったような気がする。

 

「おらぁ!!」

 

俺はそのままアナザーライダーを蹴り上げるとのと同時に、剣を振り上げながら戦う。

 

「ぐうぅ!!」

 

アナザーライダーは腕を上に出すと、空中でジッパーが開くのと同時にアナザーライダーとは別に何かの昆虫を模した化け物が現れる。

 

「まさかアナザーライダーが他の生物を呼び出すとはな。

まぁ別に関係ねぇ!!」

 

「なんか、お前、言葉使いも変わったな。

まぁ、そっちの方もなかなかだけどな」

 

「なんだ、協力する気にでもなったのか?」

 

そう言い、雪音は手に持った銃を化け物の方へと向ける。

 

「あいつらはアタシがなんとかする。

お前はアナザーライダーをさっさと倒せ」

 

「頼りにしているぞ、雪音さん!!」

 

「クリスだ」

 

「んっ?」

 

「クリスって呼べ、ジオウ」

 

「ジオウじゃない、ソウゴって呼べ」

 

少しは繋がる事ができたと感じると共に、俺はジカンギレードを持って、再び進む。

 

ジッパーから次々と現れる化け物に対して、クリスは手に持っているシンフォギアによるガトリング砲で次々と打ち抜いていく。

 

その間、俺はアナザーライダーに向かっていき、手に持ったジカンギレードで怒涛の連撃を行っていく。

 

アナザーライダーも手に持った剣で攻撃を防いでいくが、俺はそのまま蹴り上げて、同時にジクウドライバーを一気に回す。

 

電王!フィニッシュタイム!俺の!タイムブレーク!

 

「俺の必殺技!ジオウバージョン!」

 

その音声と共にジカンギレードに赤いエネルギーが溜まり、ジカンギレードを次々と振り回していくと、ジカンギレードから伸びたエネルギー刃がアナザーライダーに当たっていく。

 

そして、最後に大きく振り下ろし、巨大な刃がアナザーライダーを真っ二つに切り裂く。

 

「決まったぜ」

 

「なんか、派手すぎないか?」

 

そう突っ込まれるが、なぜここまで高いテンションで戦えたのか、今更疑問に思えた。

 

『どうやら、上手くいったようだな』

 

その言葉と共に、俺は振り向くと、そこには青いジャンバーを着た青年が座っていた。

 

「まぁ、なんとか」

 

『誰とだって、分かり合える訳じゃない。

けど、君の守りたいという思い、見捨てないという誓い』

 

「あぁ、俺はそれを貫きたい。

それを目指したい」

 

その言葉と共に、笑みを浮かべた。

 

『受け取れ』

 

その言葉と共に、俺のライドウォッチが光ると、ライドウォッチは新たなライドウォッチへと変わる。

 

同時に空中で一つのライドウォッチが徐々に形を変えると、他のライドウォッチよりも少し大きめのライドウォッチが出てくる。

 

「これは?」

 

『君の大きな決意と共に、とあるライダーが繋がる。

その先で力を手に入れるかは、君次第だ』

 

その言葉と共に、青年は立つと、その恰好は先程までのジャンバーから白い鎧に、髪の色は金色へと変わる。

 

『俺は葛葉紘汰、仮面ライダー鎧武。

お前の戦いの行く先、見させてもらう』

 

その言葉と共に、今度こそ、元の景色へと変わる。

 

「今、なにが起きたんだ!?」

 

「気にするな、少し会っただけだから」

 

「会った?」

 

「まぁ気にするな。

それでクリスはこれからどうするんだ?」

 

「・・・まだ答えは分からねぇよ。

けど」

 

「そうか」

 

そう言い、クリスはそのまま立ち去ろうとしたが

 

「そう言えば、クリス、お前、家は?」

 

「適当な所で野宿している」

 

「はぁ」

 

その言葉を聞き、俺はクリスの手を繋ぐ、

 

「なっなにをしやがる!!」

 

「俺の家に来い!」

 

「はぁ!!

何を言っていやがるんだ、てめぇ!!」

 

「俺はお前を救うと決めたからな。

そんな事をして、不健康になったら、元もこうもないからな」

 

「お前な、なっなっ何を言っていやがるんだ!?」

 

「いいから来い!!」

 

「あっあぁ」

 

俺はそのままクリスを説得するように強く言うと、先程まで強気な様子とは裏腹に大人しくなり、そのまま俺はクリスを連れて、家に帰った。

 

 

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム

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