戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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戦姫絶唱シンフォギアG編
特急電車、忍助っ人見参!!


「ウェル博士、早くこちらに」

 

「えぇ」

 

ルナアタックから数ヶ月、あれから俺は二課の所属となっており、一般的には謎のシンフォギアであるジオウの持ち主として登録されている。

 

クウガと同じ存在でもあって、二課の預かりに疑問を持っている声は沢山あったらしいが、ウォズが何やら手を回したらしい。

 

そして今日はフィーネが持っていた聖遺物の一つであるソロモンの杖をとある所へと持ち運ぶ任務だった。

 

響とクリスは今は外にいるノイズと戦っており、俺は今回の任務での責任者でもあるウェル博士を護衛する為に歩いている。

 

「それにしても、僕としては光栄だよ。

君のような英雄と会えるのを」

 

「英雄?

何を馬鹿な事を」

 

「組織配属前から人々を救っていた姿は、海外でも多くの人々が知っていたよ。

かつての未確認生命体4号のような人類の味方の存在を知って、僕は胸が高鳴った」

 

「そうか」

 

それを言われ、俺は少し恥ずかしい。

 

未だにクウガへとたどり着いていない中で、どこまでいけるか。

 

そう疑問に思っていながら走っていると、何か奇妙な気配を感じ、俺は足を止める。

 

「どうしたの?」

 

「この気配、まさかっ!!」

 

俺はすぐにその気配を知るのと同時に、ジクウドライバーを手に持つと、ぐっと首を絞める力と共に壁に叩きつけられる。

 

「ぐっ」

 

「アナザーライダー!!」

 

そこに現れたアナザーライダーの見た目はまるで忍者を思わせる姿でありながら、身体のあらゆる所に髑髏があり、気味が悪かった。

 

アナザーライダーの出現に驚き、一緒にいたあおいさんは叫び銃を取り出すが次の瞬間

 

「うわぁ!!」

 

突然目の前に現れたアナザーライダーが俺を掴むと、そのまま電車の壁に激突させたと思ったが、次の瞬間、俺が見えたのは電車の外だった。

 

「ぐっ!!」

 

電車から投げ出された事と生身である事もあって、危機的状況の中で周りの光景がゆっくりと見える中でノイズの一部が電車の先頭部を襲っているのが見えた。

 

それだけで、何を行っているのか分かった。

 

「もうこれ以上、誰も殺させるかよっ!!」

 

そう言い、俺はライドウォッチを取り出す。

 

地面までの接触がすぐ近い中でも、俺は腰に巻き付けたジクウドライバーとジオウライドウォッチ、そしてもう一つのライドウォッチを取り出す。

 

そして起動させるのと同時に、流れる声に耳を傾ける。

 

『人はいつか死んでしまう』

 

それは、既に電車に乗っていた人々が犠牲になっている事を理解していたから。

 

「誰だって生きたいんだ」

 

『だからこそ、無限の可能性がある』

 

そんな可能性を簡単に奪い取るノイズ、そしてそれを防げる可能性が奪われそうになっている。

 

【ゴースト】

 

ライドウォッチの起動を確認と同時に俺はゴーストライドウォッチをすぐに挿入し、ベルトに手を回す。

 

「その為に、俺は、今はっ、この場で守る為に」

 

「『命、燃やすぜ!!』」

 

「変身!!」

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!

アーマータイム!カイガン!ゴースト】

 

その音声が鳴り響くのと同時に俺はゴーストアーマーの能力を使い、瞬時に電車の中に入り込むのと同時にウェル博士達に迫っていたアナザーライダーの攻撃を止める。

 

「えっ!!」

 

「ソウゴ君!!」

 

「急いで避難を!!

ここは俺がなんとかしますから!!」

 

その言葉と共にアナザーライダーを掴み、上空へと飛んで電車の上に乗り、暗闇の中でアナザーライダーと対峙する。

 

そして

 

「王よ、久しぶりの継承だな」

 

「ウォズ、本当に何時の間にいるんだ?」

 

「なに、これは数少ない私の取り柄だからね。

宣言させてくれたまえ」

 

そう言いながら電車の上とは思えないような安定の姿勢で話すウォズを無視し、俺とアナザーライダーは各々姿を消しながら激突する。

 

「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしらしめす時の王者。

その名も仮面ライダージオウゴーストアーマー。

また一つ、ライダーの力を継承した瞬間である!」

 

「はぁ!!」

 

宣言が終わるのと同時に俺は殴りかかるが、アナザーライダーは再びその姿を消すと、まるで忍者が印を結ぶようなポーズを行い、いきなり炎の渦がこちらに向かって襲いかかってくる。

 

「熱っ!!」

 

俺は思わず、その場から逃げるが、奴は次々と竜巻や水流をこちらに襲わせてくる。

 

「お前、なんでもありだなっ!!

だったら、こっちだって!!」

 

その言葉が合図となり、俺の両肩にある装甲が光ると、そこから武器を持ったパーカーが現れ、そのままアナザーライダーに攻撃を仕掛ける。

 

いきなり現れたパーカーに対して、戸惑って、攻撃に集中できなくなっている所を狙い、俺は瞬時に近づき、攻撃を行う。

 

すぐに対応するようにかぎ爪や刀で対応するが、こちらの方が手数が多く対応は簡単に行えた。

 

「行くぜ!!」

 

押していくのを感じると共に、俺はアナザーライダーを蹴り上げ吹き飛ばすのと同時にジクウドライバーを回す。

 

【ゴースト!フィニッシュタイム!オメガ!タイムブレーク!!】

 

「はああぁ!!」

 

その音声と共に、俺はすぐに走り出し、アナザーライダーに向かって飛び蹴りを繰り出した。吹き飛ばされたアナザーライダーは宙に飛んでいるノイズを巻き込みながら、爆発する。

 

「うわぁ、びっくりしたお兄ちゃんか!!」

 

「よっ」

 

「お前、脅かすなよ!!

ていうか、それ見たことないが」

 

「あぁ、ゴーストアーマーだ」

 

「ごっゴーストっていう事はお化けか!!」

 

「まぁな、どうしたんだ?」

 

「いっいやなんでもないぜ」

 

なんだか変な様子のクリスだが、そんな事を気にする間もなしに、アナザーライダーを倒した事に合わせるように、俺の腕にあったライドウォッチに変化が起きた。

 

「んっ?」

 

だがそのライドウォッチの形はこれまでのライドウォッチとは違っていた。そうこうしている内にまたノイズの群れが襲ってきた。

 

「ちっ、もう他の奴らも来たか」

 

「なんとかしないとな」

 

「だったら、試してみるか」

 

俺はそう言い、新しく手に入れたライドウォッチのボタンを押す。

 

【シノビ!】

 

「なんだか、違う気がするが、大丈夫か?」

 

俺はそのままシノビライドウォッチをジクウドライバーに付けて、回す。

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!

フューチャータイム!誰じゃ?俺じゃ!忍者!フューチャリングシノビ!シノビ!】

 

その音声が鳴ると、俺の目の前にアーマーが現れると思ったが、アーマーが俺の目の前で別の形へと変わる。

 

【誰じゃ!俺じゃ!忍者!シノビ見参!!】

 

その代わりに現れたのは先程倒されたアナザーライダーに似た奴だった。

 

ただその見た目はアナザーライダーとは違い、まさに忍者だと思わせる恰好をしており、髑髏の部分は手裏剣になっており首元には響と似た腰まで伸びているマフラーが巻かれていた。

 

「はぁ!」

 

「これって」

 

「えっ、なっなんだここは!?」

 

突然出てきた事にも驚いたが、どうやら向こうも突然の事で驚いている様子だった。

 

「ウォズ、これは?」

 

「これはライドウォッチではない?

だが、形は確実にライドウォッチだ、まさかライダーを召還するとは」

 

「知っているの?」

 

「彼は仮面ライダーシノビ。

こことは違う時代で活躍する仮面ライダーだ」

 

「君達は一体」

 

「えっと、その呼び出したのは不幸な事故と言いますか、なんといいますか」

 

「んっ?」

 

そう言いながら後ろから迫り来たノイズに気づき、シノビはすぐに手に持っていた手裏剣でノイズを撃ち落とした。

 

「何がどういう状況か分からないが、君達はこの電車をノイズから守りたいんだな」

 

「あぁ」

 

「だったら、協力する!!

さっき、名前は聞いたと思うけど、改めて自己紹介する。

俺の名前は仮面ライダーシノビ、間違った力から、人々を守る為に戦う仮面ライダーだ」

 

「そうか、だったら、頼む!!」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に、シノビは周りを見渡すのと同時に印を結ぶと

 

「はぁ!!」

 

【ストロング忍法!】

 

その音と共に、シノビが宙に手を向けると、先程以上の風が舞い上がり、周囲に飛んでいたノイズ達がその竜巻の中へと集まっていた。

 

「へっどうやら行儀良く戦っていたのが、裏目に出たようだな」

 

「「クリス」ちゃん」

 

「分かっているよ!!」

 

俺と響の意図が分かったのか、クリスはそのままミサイルを作り出すと、俺達はそのままミサイルの上に乗り、ノイズ達よりも高い上空へと飛ぶ。

 

「行くぞ響!!」

 

「うん!!」

 

その言葉と共に、俺達は手を繋ぎ、ベルトを回す。

 

【フィニッシュタイム!タイムブレーク!】

 

「はあぁ!!」

 

その音声と共に、俺の足の下にはキックという文字が待っており、響のマフラーが俺達を包み込むのと同時にまるでドリルが落下するように攻撃を仕掛ける。

 

ノイズを次々と蹴散らしていき、最後の巨大ノイズの目の前に迫り、マフラーは解かれるのと同時に俺達はノイズを貫くように攻撃を仕掛ける。

 

「よしっ!!」

 

「おっとと!!」

 

無事に倒す事ができ、俺は響を受け止めながら電車の上に立つ。

 

「凄い連携だな」

 

「シノビもありがとう!!」

 

「いや、俺の力が人の役に立てたなら良かった。

でも、どうやって家に帰れば」

 

「もしかしてだが、そのライドウォッチを外せば良いのでは?」

 

「そうかな?」

 

俺はその言葉に従うようにシノビライドウォッチを外すと、シノビの姿が徐々に消えていく。

 

「なるほど、ならば今後も俺が役に立つ事があれば、呼んでくれ」

 

「あぁ、ありがとうな!!」

 

その言葉を最後にシノビの姿は完全に消えた。

 

「にしても、なんで他のライドウォッチとは違って、本人が出てきたんだ?」

 

「おそらくだが、これが2022年のライダーのものだからこその反応だろう」

 

「えっ?」

 

「とにかく、これは他のライドウォッチとは違う。

少しの間、私に預からせてくれないか?」

 

「別に良いけど、何に使うんだ?」

 

「今後の為にね」

 

そう言ったウォズの顔は少し不安そうだった。

 

 

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム

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