戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

28 / 92
フロンティア超決戦! 前編

ジオウⅡになった影響は凄いのか、俺には疲労が溜まり続けていた。

 

ここに来る道中で調ちゃんは探していた友達である暁ちゃんを止める為に戦闘。

 

ウォズは足止めとして呼び出されたノイズから俺達を守る為に道中分かれた。

 

そして、目の前でウェル博士を殺そうとしていたマリアに対し響はその手でガングニールの槍を止め、そして

 

「ガングニールが戻ってきた」

 

目の前の光景にただ、ただ驚く事ばかりの俺は成長した妹の姿を見ながら、ゆっくりと近づく。

 

「あっお兄ちゃん、大丈夫なの?疲れていたようだけど」

 

「妹が無茶をしている時に休んでいる兄がどこにいるんだよ。

まったく、お前は本当に」

 

「だって、私は誰の背中を育ったと思うの?」

 

「そうか」

 

そう言われ、俺は成長した響を見て、あらためて、無事にここまで育って良かったと思う。

 

「お兄ちゃん、お願いがあるの」

 

「なんだ?」

 

「マリアさんを守って欲しいの」

 

「なんでまた?」

 

ここまでの道のりの中で何かを感じたのか、響は俺にそんなお願いをするのか。

 

「このままでは、フロンティアが危険なのはお前も知っているだろ。

だったら「だけど」んっ?」

 

「だけど、それと同じぐらいにマリアさんを救いたいから」

 

そう言った、響の目は本気だった。

 

「分かった、だったらさっさと止めてこい。

ここは俺がなんとかするから」

 

「ありがとう、それじゃあ、マリアさん。

ちょっと待っていてね!!」

 

その言葉を最後に、響はその場から飛んでいった。

 

「彼女は一体」

 

「俺の自慢の妹だよ」

 

響が嵐のように立ち去り、ウェル博士はいつの間にか消えており、この場に残ったのは俺とマリアだけだった。

 

今回の事件の首謀者であり、もう一つのガングニールの持ち主だった彼女。

 

だが、この事件において、俺と彼女は直接会った事はなく、話をするのもここが初めてだった。

 

「奇妙な事だな。

事件の終盤になって、一番重要なはずの人物と、こうやって初めて話すのは」

 

「私としても、最も厄介な相手と初めて会うのが、何もできなくなった、この時なんて」

 

そう言った彼女は、これまで映像の向こうで見ていた凜とした雰囲気ではなく、どこまでも弱々しい女の子だった。

 

「まぁ、俺としては聞きたい事が沢山あるけど、まぁ今はこれだけだ」

 

「なにかしら?」

 

「俺の妹、凄いだろ?」

 

「そんな事?」

 

俺が聞いた内容に対して、呆れるように笑みを浮かべながら、響を飛び去った方向を見た。

 

「私にも、妹がいた。

だからこそ、あなたが、立花響を大切にする気持ちは、痛い程に分かるわ」

 

「その妹は?」

 

「死んだわ、私の目の前で」

 

「・・・そうか」

 

実際に何が起きたのか、俺はそれ以上の詮索はできず、彼女の話を聞き続けた。

 

妹との生活、施設で出会った暁と調ちゃんの事、マムと呼ばれる人物、そして何よりもこの計画を行う時に固めた決意を。

 

「でも結局は全ては、無駄だった」

 

「・・・さぁ、それは分からねぇ。

俺は神じゃないからな、でも」

 

「でも?」

 

「その妹さんが、マリアに対して願ったのはなんなのか分かれば、以外と簡単じゃないかな?」

 

「セレナが、私に願った事?」

 

そう言い、おそらくは妹だと思われる人物の名前を呟くのと同時にゆっくりと手の中に収まっている、壊れかけのネックレスを見つめる。

 

「そんなの、全てが無意味に決まっているじゃないですか」

 

「あぁ?」

 

なにやら不愉快な声が聞こえ、見てみると先程逃げたはずのウェル博士がそこにいた。

 

「てめぇ逃げたんじゃないのか?」

 

「えぇ、慌てましたよ。

これを取りに行く為に大急ぎでねぇ!!」

 

そう言い取り出したのはアナザーライドウォッチ、それも

 

【クウガ】

 

「てめぇっ!!」

 

「仮面ライダーはジオウも、ゲイツもウォズなどもいらない!!

英雄はただ一人、僕がなるクウガだけで良いんだ!!」

 

その一言と共にアナザーライドウォッチを胸に押し込むと、ウェル博士の姿は変わり、赤い昆虫の鎧を身に纏い、口を大きく開いた怪物のようなクウガが現れる。

 

「てめぇなんかに、クウガを名乗らせるかよ」

 

そう言い、俺はジオウライドウォッチⅡを取り出し、分離させると共に銀色の方のジオウライドウォッチのスイッチだけ押す。

 

【ジオウ】

 

「やっぱり、ちょっと無理があるな」

 

もう片方を押そうとしても、体力が保てないので、先程のジオウⅡにはなれない。

 

でも

 

「ジオウならば、変身できる。

いくぜ、変身!」

 

その一言共にジクウドライバーにジオウライドウォッチを差し込むのと同時に腰に巻き付け、走りながら、ジクウドライバーを回す。

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!】

 

その音声が鳴り響くと同時に俺はジカンギレードを取り出し、ウェル博士に向けて、剣を振り下ろす。

 

「おっと、危ないですねぇ」

 

「なに?」

 

ウェル博士はその凶悪な見た目とは裏腹に、まるで動きを見通すように流れる動きでジカンギレードの攻撃を受け流し、俺の腹部を殴る。

 

「ぐっ」

 

「君達のデータは既に収集済みです。

本来ならば対応は難しいですが、さすがはクウガ、素晴らしい!」

 

「まさかっクウガの身体能力と、ウェル博士の知識が合わさって」

 

「その通り!!

さらにはネフィリムの力も取り込んでおり、今の私は、まさに本家以上の力を持ったクウガだ!!」

 

「がぁ!!」

 

その言葉と共にウェル博士は俺に向けて蹴り上げる。俺が建物の外へと吹き飛ばされると、それを追うように背中から翼を生やし、こちらに向けて連続攻撃を行っていく。

 

「ほらほらほらぁ!!

どうしましたぁ!!!」

 

「ぐっ」

 

これまでのアナザーライダーとは違い、本人の明確な意思も含まれている為、これまで戦ってきたどのアナザーライダーよりも強い。

 

そう思っている内に俺は地面に埋め込まれそうになった時

 

「っ!!」

 

ウェル博士は突然攻撃を止め、後ろへと下がった。

 

何が起きたのか、確認すると、そこにはゲイツとウォズが各々の武器を使って、こちらに迫っていたウェル博士に牽制を行っていた。

 

「ゲイツ、ウォズ!」

 

「お待たせしました、我が王」

 

「何をしている、さっさと決めるぞ」

 

「あぁ」

 

その言葉を受け取ると共に、俺は目の前にいるウェル博士をみつめる。

 

「あんたがクウガになろうとしているんだったら、俺はクウガで止めてやる」

 

「なに?」

 

俺はそう言うと、クウガライドウォッチを取り出す。

 

【クウガ】

 

クウガを起動させると共にジクウドライバーにクウガライドウォッチを入れ、同時に回す。

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!

アーマータイム!~♪!クウガ!】

 

音声が鳴り響くと同時に俺の前に赤いアーマーが現れ、まるで炎を身に纏うように俺はクウガアーマーを身に纏った。

 

「クウガアーマーを身に纏ったぐらいで、何ができるっ!!」

 

その言葉と共にウェル博士は背中から巨大な羽を生やし、こちらに向けて飛んでくる。

 

それに対して、すぐにゲイツは手に持ったジカンザックスにライドウォッチを挿入する。

 

【バース!ギワギワシュート!】

 

「ふっ」

 

その音声と共に、ゲイツのジカンザックスから放たれた黄色いコインのエネルギーがウェル博士にぶつかる。

 

「ならば、私も」

 

【アート】

 

その言葉と共に取り出したのは、先程ジオウⅡによって倒したアナザーライダーから出てきたミライドウォッチであり、ミライドウォッチをセットする。

 

【フューチャータイム!ドロー!ペイント!クリエイト!フューチャリングアート!アート】

 

その音声と共に、ウォズの姿は変わり、顔はアートという文字が描かれ、肩には筆や鉛筆が装着され、ボディには様々なチューブによってできたアーマーを身に纏う。

 

変身を完了すると共にウォズは手に持ったジカンデスピアを取り出し、杖モードに変える。

 

【フィニッシュタイム!不可思議マジック!】

 

その音声と共に、杖には様々な液体が集まりだし、ウォズはそのまま地面に叩き落とすと、ウェル博士はそのまま液体に押しつぶされ、身動きが取れなくなる。

 

「なっ」

 

「今です!!」

 

「決めろ!!」

 

「あぁ!!」

 

その言葉に応えるように、俺はジクウドライバーに手を伸ばす。

 

【フィニッシュタイム!マイティ!タイムブレーク!】

 

その音声と共に俺はかつての映像で見たクウガと同じような構えを取ると共に走り出し、ウェル博士に向かってライダーキックを食らわせる。

 

「舐めるなっ!!」

 

ウェル博士は既にこちらの動きを読んでいたように、残った手で俺の足を掴む。

 

「甘い!!」

 

「なっ」

 

その足とはもう片方の足でさらに踏みつけると、俺を掴んでいた腕は取れ、そのまま踏みつけるように連続でウェル博士に向けて蹴りを放っていく。

 

炎を身に纏った攻撃に後ろへと下がりながら、最後に両足で行ったライダーキックによって、遠くへと吹き飛ばされると同時に爆発が起きる。

 

「ふぅ、なんとかなったか」

 

「急ぐぞ、まだフロンティアは止まっていないぞ」

 

「あぁそうだな」

 

そう言い、俺達はその場から離れようとしたが

 

「本当に情けない、あれだけの事を言っておいて」

 

「お前はっ!!」

 

そこに現れたのは、今回の件で後ろから手を引いていたウールと同じタイムジャッカーだった。

 

「正直、これ以上計画が狂うのも嫌だし、使うしかないわね」

 

そう言い取り出したのは、ウールが使ったヴィランウォッチ、それも複数だった。

 

【ルナドーパント】【ガラ】【サジタリウス・ゾディアーツ】【未来型ロイミュード・コブラ】

 

「さっさと蘇りなさい」

 

その言葉と共に複数のヴィランウォッチを投げると、遠くへと吹き飛ばされたウェル博士に吸い込まれ、同時にその姿が大きく変わった。

 

先程まで人の大きさだったはずが、今では既に人を遙かに超えた大きさになっており、全身が赤かった鎧は黒い鎧となっており、その姿は既に怪物へと変わっていた。

 

「まさか、アナザークウガがここまでっ」

 

「あの姿はアルティメット。

まさか究極の力になったとでも言うのかっ!!」

 

「があぁあ!!」

 

「うわぁ!!」

 

何が起きているのか分からない間に、こちらに向けて巨大な闇とも言える煙を放ち、俺達は吹き飛ばされてしまう。

 

先程までの戦いに続いてか、俺達の変身は解けてしまう。

 

「ぐっ、ここまでなのかっ!!」

 

「そうね、ここで終わらせて、さっさと目障りなシンフォギア達も始末しないとね」

 

「響達をっさせるかっ!!」

 

次の標的が響だと聞くと、俺はすぐに立ち上がろうとするも身体は限界だった。

 

もう駄目だと思った時だった。

 

「これは、歌?」

 

こんな状況で聞こえてくる不思議な歌に俺達は何が起きているのか、分からず周りを見渡すと、遠くで光に包まれている響達がいた。

 

「まさか、あれは、彼女達が束ねているというのか」

 

「これは彼女達だけじゃない。

地球から、世界からエネルギーが送られているのか」

 

「やっぱり凄いじゃないか、皆」

 

俺達が苦戦をしている間にも、響達は手を取り合っており、そんな姿を見ていると、力尽きそうになっていた身体に元気が戻っていく。

 

「これはっ!!」

 

「どうしたんだ、ウォズ」

 

「我が王、どうやら彼女達のエネルギーがミライドウォッチにも影響を」

 

「ミライドウォッチに?」

 

「・・・なんだか分からないが、ウォズ!!」

 

「えぇ」

 

俺の言葉を聞き、こちらに向かってミライドウォッチを投げた。

 

それを受け止めると同時に、俺達は同時にミライドウォッチのボタンを押す。

 

【シノビ】【クイズ】【キカイ】【シャーマン】【バイト】【アート】【イーター】

 

その音声と共に、手に持っていたミライドウォッチは俺達の手元から離れていき、そこには7人の人影が出てきた。

 

「うわっなんだ、ここはっ!?」

 

「なんだか、よく分からない所に来たけど」

 

「あれ、お前って!!

 

「シノビ、クイズ、シャーマン!!」

 

そこに出てきたのは、俺をこれまで助けてくれた未来の仮面ライダー達だった。

 

予想していたとはいえ、こうして実際に出てきてくると、嬉しい。

 

「えっ嘘っ!!

綺麗な歌が聞こえて、来てみたらここどこなのっ!!

もうバイトの時間なのにぃ!!」

 

「おっすげぇ!!

なんだよ、ここ隕石なのか?

こんな所を見るなんて、ラッキーって、スケッチブックに鉛筆がねぇ!!」

 

「それよりも、腹が減った」

 

「本当に大丈夫なのか?」

 

「さ、さぁ?」

 

予想していたのとは別の意味で個性が溢れるメンツに対して、ゲイツは文句を言っており、ウォズも思わず苦笑いをしている。

 

そんな中で、一人だけ、こちらに近づいてくる。

 

「んっ?」

 

「こうやって、君に会えたのは嬉しいよ、ソウゴ」

 

「君は?」

 

「俺はレイト」

 

「レイトか、あぁよろしくな!!」

 

突然現れたが、全員は何が起きたのかすぐに理解したのか、目の前で雄叫びをあげるウェル博士を見つめる。

 

「状況はすぐには分からないけど、あいつがなんか悪い事をしようとしている事だけは分かったわ」

 

「こんなに美しい景色を壊させてたまるか」

 

各々は既に戦闘態勢を取っており、覚悟をできているのを確認すると共に、俺は叫ぶ。

 

「皆、行くぞ!!」

 

「あぁ!!」

 

その言葉を合図に、各々の変身アイテムを取り出し、腰にあるベルトに変身アイテムをセットする。

 

「変身!」

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ】

 

【ライダータイム!仮面ライダーゲイツ】

 

【アクション!投影!フューチャータイム!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!】

 

【誰じゃ?俺じゃ?忍者! シノービ、見参! 】

 

【ファッション!パッション!クエスチョン! クイズ!】

 

【シャーマン!シャーマン?シャーマン!?スターシャーマン!キラキラキラキラァ!】

 

俺達、そしてこれまで一緒に戦ってきてくれた仮面ライダーの変身が完了すると、それと遅れるように残りの4人も変化する。

 

【デカイ!ハカイ!ゴーカイ!仮面ライダーキカイ!】

 

その音声と共に変身したのは全身に金色のアーマーを付け、顔にはスパナのような仮面をつけた未来が変身していたアナザーライダーの元になっていただろうキカイがそこに現れた。

 

【WELCOME!BUYTIME!GO-TIME!バイト】

 

続いて出てきたのはもう一人のウォズが使っていたミライドウォッチの元となったバイトという仮面ライダーであり、この場でただ一人の女性が変身を終えるとその身体には近未来を予想させる、幾つものディスプレイが付いていた。

 

【ドロー!ペイント!クリエイト!仮面ライダーアート!】

 

その次に変身したのはアナザーライダーとして現れたアートであり、その仮面ライダーは様々な場所に筆や鉛筆が装着されており、絵を描くための仮面ライダーだと思わせるライダーだった。

 

【ガブリッ!イーター!】

 

最後に出てきたイーターは全身はシンプルに黒かったが、身体の各部に恐竜の骨だと思わせる装甲を身に着けていた。

 

そうして、全ての仮面ライダーの変身を終えると共に、俺は前に出て、ウェルに対して睨みつける。

 

「さぁ決着をつけようぜ、ウェル博士!!」

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。