響が無事に病院のリハビリを終えて、俺達の生活は元通りになると思っていた。
だけど、響があのライブでただ一人の生き残りという事が世間に知れわたって、ライブで死んだ人達の遺族や友人達による響への迫害が始まった。
あの時、アナザーライダーゲンムに変身していた人と同様の人達もいれば、それに合わせるようにいたずら半分で行う人物もいた。
「怖いよ、なんでこんな事に」
「大丈夫だ、大丈夫だから」
俺はそう言いながら、泣いている響を受け止める事しかできなかった。
仮面ライダーという巨大な力を持っているが、それでも響の悲しみすら消せないという虚しさに、俺はやるせなさを感じていた。
「っ!!
響、離れろ!!」
「えっ」
何かを感じ、俺は響を吹き飛ばすと、先程まで俺達がいた所には巨大な風穴ができており、家具などにも細かい穴が開いていた。
「今のは!!」
何が起きたのか、見つめると、そこには人とは思えない異形がおり、その異形の正体がアナザーライダーと分かった瞬間、俺は手にライドウォッチとジクウドライバーを手に取る。
「響はここにいろ!!」
「お兄ちゃん!!」
俺はすぐに窓から飛び出し、先程まで影に隠れていたアナザーライダーを追って、森の中へと走るとすぐに追いついた。そこに立っていたのは青い蜥蜴のようなアナザーライダーであり、その手には巨大なマシンガンがあった。
「これ以上、響を傷つけさせるかよ!!」
その一言と共に、手に持っていたライドウォッチを起動させる。
【ジオウ】
俺はそのままジクウドライバーにジオウライドウォッチを差し込み、同時に構える。
「変身!」
その声と共にジクウドライバーを回す。
【ライダータイム!仮面ライダージオウ!】
変身が完了すると同時に、目の前にいるアナザーライダーはその腕に生えているマシンガンを巨大な刃へと変えて、襲い掛かってくる。
俺はすぐに刃を受け止めず、奴の足の間に通り過ぎると同時に足払いを行うが、まるで予想していたように、もう片方の手で地面に手を付け、こちらを蹴り上げる。
「ちぃ、見た目通り野性的な奴かよ」
そう言いながら、俺は刃の攻撃をかわしながら、後ろにあった木を蹴った反動で跳ぶとアナザーライダーの頭を蹴る。
それにより一時的に怯んだ隙をつくように俺は殴りつけるが、アナザーライダーの腕は刃からフックのような形に代わり、近くの木へと向けると、その場から飛び上がる。
「なっ!!」
そのままアナザーライダーは木を中心に回り込み、俺を蹴る。
思わず意識が遠くなりそうになるが、俺は立ち上がり、アナザーライダーへと睨み付けると
「ようやく見つけたぞ」
「えっ?」
後ろから聞こえた声に振り向き、見てみると、そこには黒いジャケットやライダースーツといった怪しい恰好をしている男がいた。
「あなたは」
「オーマジオウ、お前はここで倒す!!」
「えっ」
突然オーマジオウと呼ばれ、何の事か分からず疑問に思っている間にアナザーライダーは標的を俺から、突然出てきた男の方へと向かっていった。
「危ないっ!!」
「邪魔をするな」
そう言うと共に男は俺が持っているのとは別のライドウォッチを取り出し、ボタンを押した。
【ゲイツ】
そのまま腰には俺が装着しているベルトと同じ物が現れ、そのままベルトにライドウォッチを装着させると、ベルトを両手で持ち構えた。
「変身」
同時に男の後ろにはデジタル時計を思わせる物が背後から現れる。
男がベルトを回すと、背後のエネルギーが男の身に纏っていく。
【ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!】
その音と共に、顔に【らいだー】と平仮名で書かれていた赤と黒の戦士が現れた。
「アナザーライダー、いや、俺と同じ仮面ライダー?」
「ふっ」
疑問を他所にアナザーライダーが新しく出てきた仮面ライダーに向かって襲い掛かってきたが、仮面ライダーは手には斧のような武器を持ち、アナザーライダーを上に持ち上げた。
「凄い力だ!!」
そのまま仮面ライダーはアナザーライダーを持ち上げると共に、上に持ち上げたアナザーライダーに対して、手に持った武器を弓のような形へと変形した。
変形した武器をそのままアナザーライダーに向けて放ち、火花を散らしながら俺の方へと吹き飛ばした。
「うわぁ!!」
俺は思わず受け止めきれずに倒れてしまい、その際に手に装着されていたライドウォッチの一つが仮面ライダーの元へと飛んでいく。
「ライドウォッチか、丁度良い」
それと同時にライドウォッチのスイッチを押す。
【ゲンム】
その音声が流れると共に、ゲンムのライドウォッチをジクウドライバーにセットし、そのままジクウドライバーを回す。
【ライダータイム!仮面ライダーゲイツ
アーマータイム!レベルアップ!ゲ~ン~ム】
その音が鳴り響くと同時に仮面ライダーの目の前には紫色のアーマーが現れ、仮面ライダーがそれを蹴り飛ばすと、紫色のアーマーは仮面ライダーに装着される。
「行くぞ」
その一言と共に目の前にいる仮面ライダーは後ろから出てきた土管へと跳ぶ。
すぐに俺はもう一つのライドウォッチを取り出そうとしたが、それを邪魔するように後ろから手が伸びる。
「えっ」
「言ったはずだ、
俺がお前を倒すとな」
「そんな事を言っている場合か、アナザーライダーを放っておいたら、大変な事になる」
「それがお前を見逃す理由にはならない。
お前を見逃せば、世界が滅びるからな」
「何をいっているんだ」
その言葉と共に、目の前にいる仮面ライダーは俺と一緒にアナザーライダーを吹き飛ばすと、そのまま手にジクウドライバーに手を伸ばす。
「もしかして、やばい!!」
俺もすぐにジクウドライバーに手を伸ばし、回した。
【フィニッシュタイム!】
音声が鳴り響くと、俺はそのままジクウドライバーを回す。
【タイムブレーク!!】
そして、それに合わせるように上にいた仮面ライダーからも音が流れる。
【フィニッシュタイム!ゲンム!クリティカル!タイムバースト!】
その音が聞こえ、上を見ると、こちらに向かって紫色のエネルギーを纏ったライダーが迫っており、俺は拳に集めたエネルギーを仮面ライダーに向かって殴る。
俺と仮面ライダーの力がぶつかり合い、俺は余りの力に後ろへと吹き飛び、紫色のエネルギーはそのままアナザーライダーにぶつかり、爆散する。
「なっ」
「ちっ邪魔だったか」
そう言いながら、アナザーライダーがいた場所を見ると、そこにはアナザーライドウォッチだけが残り、エネルギーは目の前にいた仮面ライダーへと注がれる。
「これで邪魔者はいなくなった」
「お前は一体」
「まぁ良いだろ、名前ぐらいだったら教えてやる。
俺の名前はゲイツ、貴様をここで倒す男だ!!」
「ゲイツ!!」
その言葉と共に、俺に殴りかかってくるが
「お兄ちゃん!!」
「っ!!」
「ちっ、ここで立花響との接触はまずい」
後ろから聞こえてきた響の声に驚き、ゲイツは少し戸惑った様子だったが、俺は急いで響の方へ顔を向けると
「なっ」
響の後ろには先程倒したのとは別に赤い龍を思わせるアナザーライダーが近くの水たまりから現れていた。
「響ぃ!!」
「えっ?」
その言葉を聞き、驚いている響に向かって、アナザーライダーの手が迫った。
前後編としてKGrxのアナザーライダーアマゾンネオと言葉・紡のアナザー龍騎の登場です。
龍騎に関しては次回に続きますので、楽しみにしていください。
オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは
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天羽々斬
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イチイバル
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シュルシャガナ
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イガリマ
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アガートラーム