炎の再会
あの戦いから何ヶ月も経った。
二課は管轄が日本政府から国連へと変わって、世界中に対応する組織であるS.O.N.G.として再編成される事となった。
その仕事は前回の戦い以降消えたノイズに変わる様々な脅威に対抗することで、それらに起因する様々な事件に対応していた。
世界中の何処にでも飛んでいけるタイムマジーンを持つ俺は響達と共に、普通では対応できない数々の事件を解決していった。
そうした事件が次々と起こったが、ノイズが発生していた時期よりも、わりと平和な日々を送っていた。
だが、翼とマリアさんのライブが行われる事になったその日のことだった。
「なんで、俺の家に集まったの?」
「だって、お兄ちゃんのご飯が好きなんだから」
「はぁ」
そう言いながら、本日は二人暮らしである我が家には響やクリス達の他にも響のクラスメイトに
「というよりも、あなたもここに住んでいたんだ」
「これは驚きデス!!」
「君達もだがな」
調ちゃんや切歌ちゃんが一緒に遊びに来ていた。
あの戦いから、マリアちゃんも含めて、S.O.N.G.所属になり、よく会うようになった。
「それにしても、今日は珍しいね、家にいるとは」
「えぇ、ミライドウォッチも順調に完成していますが、再変身まではまだまだ時間がかかります」
あの戦いで限界を迎えたウォズの持っているミライドウォッチは壊れてしまい、ウォズミライドウォッチが修理されない限り再び一緒に戦えない。
「まぁでも、ゲイツもどこかで一緒に戦ってくれるし、もしもの時は大丈夫だから」
あの戦いでゲイツは見かけなくなったが、今では当たり前になっているので、心強い仲間には変わりない。
「それにしても、本当にこんなにライドウォッチがあるなんて、驚きデス!!」
「大事な物なのに、こんな放置して、大丈夫なの?」
「安心したまえ、このウォッチダイザーは我が王や私以外が触れても持ち出す事はできず、さらにはウォッチダイザー自体の持ち運びも不可能なのだから」
「・・・そういえば、何時の間にか置いてあって、ずっと置きっぱなしだったから、気にしていなかった」
「それは駄目すぎるデス!!」
思わず俺がつぶやいた言葉に驚いた切歌ちゃんだけど、元々は謎の多いウォズの事だから、別に問題ないだろう。
「それにしても、まさか噂の仮面ライダーが響のお兄ちゃんだとは、驚きだよ」
「まさに兄妹でヒーローとは」
「アニメだとしてもできすぎるでしょ」
「まぁね、私とお兄ちゃんのコンビはまさに無敵だからね」
「まぁな」
そう言われると照れるかもしれないが、確かに納得してしまう。
「んっ?」
そんな話をしていると、携帯から緊急事態を知らせる電話がかかり、二人を見ると頷くのと同時に出ていく。
「ウォズ、皆をお願いね」
「分かりました、我が王」
俺達は、すぐに外へと出ていき、風鳴指令から出てきた話を纏める。
突如立ち上った火柱によって、街はたちまち炎の海と化し、周辺を舐め尽くしたらしい。
火災救助の応援要請の為に、俺達はすぐに飛び出し、タイムマジーンを呼び出し、二人を乗せて、現場へと向かった。
「マジで、こんな事が起きているのか」
「それぞれで救助活動という訳だな」
「うん、それじゃあ」
「あぁまたな!!」
その言葉と共にタイムマジーンから飛び出した二人はそのままシンフォギアを身に纏って現場に向かった。
「さて、俺も!!」
すぐに俺は手にジクウドライバーを取り出し、ジオウライドウォッチを取り出す。
「変身!」
【ライダータイム!仮面ライダージオウ!】
その音声と共にタイムマジーンで走り出し、現場において、火事が起きている場所で崩壊しそうな場所に向かって崩壊を止めながら、S.O.N.Gの職員がそれを確認すると、すぐに救出していった。
「もしかしてアナザーライダー?」
これまでも、こんな事件を起こしたのはアナザーライダーの可能性が高い為、アナザーライダーを探そうとしていたが
「えっ!!」
そう考えている内にタイムマジーンに衝撃が走った。モニターを見てみるとそこには赤いタイムマジーンがおり
「まさかゲイツ!?」
なぜ攻撃を仕掛けたのか分からないが、タイムマジーンから出てきたのは確実にゲイツだった。
すぐにゲイツに話す為に、俺もタイムマジーンから飛び出す。
「ゲイツ!!」
「オーマジオウ!!」
「えっ?」
ゲイツは、昔言っていた未来の俺の名前をこちらに向けて言うと、そのまま襲い掛かってきた。
俺は思わず攻撃を受け止めて、後ろへと下がる。
「なにすんだよ!!」
「貴様を倒す!!」
「何を言ってっ!!」
そう言っている間に、ゲイツは手に持ったジカンザックスで攻撃を仕掛けてくる。
すぐに俺はジカンギレードで攻撃を防ぎながら後ろへと下がるが、その間にゲイツが取り出したのはこれまで見た事のない青いライドウォッチだった。
【ガタック】
それと共に、俺はすぐにあの日になぜか届いたカブトライドウォッチを取り出し、そのままジクウドライバーにセットする。
【ライダータイム!仮面ライダージオウ!
アーマータイム!CHANGEBEETLE!カブト】
【仮面ライダーゲイツ!
アーマータイム!CHANGESTAGBEETLE!ガタック!】
その音声と共に目の前に巨大なカブト虫型のロボットが現れると共にゲイツも同様に巨大な青いクワガタ虫型のロボットがぶつかり合い、俺達がぶつかる時にはアーマーが装着される。
「まさか、既にカブトライドウォッチを手に入れていたのか!!」
「何を言っているんだ!!
これは、俺とお前で手に入れたライドウォッチだろ!!」
「何を言っているんだ?」
そう言うと、ゲイツの肩に装着されていたアーマーはバルカン砲へと変形し、俺に向けて銃弾が放たれる。
「ぐっ」
至近距離から連続で放たれる攻撃に対して無防備な俺は後ろへと吹き飛ばされるが、その手をすぐにライドウォッチに手を伸ばして、スイッチを押す。
【CLOCKUP!】
その音声と共に周りの景色がゆっくりと流れ、地面にたどり着くと同時にゲイツは手にジカンザックスを持って攻撃を仕掛けてくる。
俺もすぐにジカンギレードを持って、攻撃を防ぐも、手数の多さと、肩から放たれる銃弾によって、不利な状況が続く。
「っ!!」
俺はすぐにジカンギレードを銃モードへと変えて、こちらに迫りつつある銃弾を反らす為にアーマー部分に攻撃を仕掛けて、上に反らせている間に、俺はジクウドライバーに手を伸ばす。
【フィニッシュタイム!カブト!クロックアップ!タイムブレーク!】
一瞬で接近すると共に、ゲイツを吹き飛ばすように蹴り上げると、ゲイツのアーマーは解除される。
「ぐっ!!」
だがゲイツはすぐにライドウォッチを取り出した。
【カリス】
そのライドウォッチをすぐにジクウドライバーに装填すると共に、回す。
【ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!
アーマータイム!CHANGE!カリス!】
その音声と共に纏っていたアーマーが一瞬で消え、泡のような光に包まれると、胸には巨大なハートマークの鎧を身に纏い、身体は黒いアーマーを身に纏ったゲイツが現れる。
「くっ」
【ライダータイム!仮面ライダージオウ!
アーマータイム!ターンアップ!ブレイド!】
すぐに対抗するように俺はブレイドライドウォッチをそのままジクウドライバーに装填し、回して変身する。
目の前に青い壁が現れ、ゲイツの攻撃を防ぐのと同時に俺はブレイドアーマーを装着して、ジカンギレードを構える。
「ふっ!!」
【FLOAT】
「うそ~ん」
その声と共に、ゲイツの身体は宙に浮かび上がり、手に持ったジカンザックスを使って、空を縦横無尽に飛びながら攻撃を仕掛ける。
「これと似たアーマーだったら、もしかして!!」
俺はそう言い、肩に装着されているカードの中身を見てみると、カードの絵柄があった。俺はすぐにその1つに触れる
【MAGNET】
その音声と共に、ゲイツに向けると、ゲイツは先程までの余裕のある動きから代わり、俺に向かって引き寄せられ、同時にジカンギレードで切り裂く。
「まさかっ、ここまでっ、力を付けているとはなっ!!」
「ゲイツ、なんでこんな事をっ!!」
「オーマジオウ、戯言もそこまでだ」
「っ!!」
その言葉と共に手に持っているのは、これまでのライドウォッチやミライドウォッチとはまるで違う何かだった。
【ゲイツリバイブ!】
「あれは一体っ!!」
俺が驚く間に、ゲイツはそのまま謎のライドウォッチをジクウドライバーにセットすると同時に背後には巨大な赤い砂時計が現れ、ジクウドライバーを回す。
【ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!リ・バ・イ・ブ剛烈! 剛烈!】
「ぐっ」
ゲイツの変身と同時に巨大な熱風が俺に襲い掛かった。目の前に立っていたのは、これまでのアーマーではあり得ない身体と一体化している赤い鎧を身に着けたゲイツだった。
「ジオウⅡと同じ感じ?」
そう疑問に思っていると、ゲイツの横に、もう一人のウォズが出てくる。
そして不気味な笑みを浮かべながら、手に持ったノートを開いて語り始めた。
「祝え!巨悪を駆逐し、新たな未来へ我等を導くイル・サルバトーレ! その名も仮面ライダーゲイツリバイブ! 真の救世主がこの地に降り立った瞬間である!」
「ゲイツリバイブ?」
疑問に思っている間に、ゲイツはこれまで見た事のない小さな丸鋸のような武器を手に持って、ゆっくりとこちらに近づいてきた。
【パワードのこ!】
「ふっ」
ゲイツはそのまま手に持った武器でこちらに攻撃を仕掛けてくると、俺はすぐに後ろへと下がり、ディケイドライドウォッチを手に持つ。
「本気だったら、絶対に止める!!」
【ディケイド!】
【ライダータイム!仮面ライダージオウ!
アーマータイム!カメンライド!ワーオ!ディケイディケイディケイ!ディケイド!!】
その音声が鳴るのと同時に俺はディケイドアーマーを装着する。
「・・・破壊者の力も持っていたか。
やはり、お前をすぐにでも消す」
その一言と共に手に持った武器でこちらに襲い掛かってくる。
手に持ったライドヘイセイバーで対抗するが、見た目と同等かそれ以上のパワーでこちらに迫っていた。
「だったら、これで」
それと共に、力で対抗する為にアギトライドウォッチを手に持ち、ディケイドライドウォッチに装填する。
【ファイナルフォームタイム!ア・ア・ア・アギト!】
その音声と共に俺の身体には【アギト】と【バーニング】という文字が刻まれ、手足は溶岩を思わせる鎧を身に纏い、ゲイツのパワーに対抗する。
「力が多少互角でも」
そう言うと、ゲイツはジクウドライバーに手を伸ばし、謎のライドウォッチを操作する
【スピードタイム!】
「えっ?」
すると胸の装甲が翼のように両肩へ展開すると同時に、先程までの赤い鎧は、青い鎧へと変わる。
「そんなにすぐにっ!!」
そう思っていると共に目の前にいたゲイツの姿はいなくなり、後ろに一瞬で移動して、手に持っていた武器を爪のように変形させてこちらに向かって振り上げていた。
【スピードクロー!】
「がぁ!!」
装甲による防御でなんとか攻撃のダメージを小さくする事はできるが、それでも対応するは難しい。
「すぐに変えようとしても」
状況が悪くなる一方で、逆転しようにもライドウォッチを入れ替える暇はない。
「ぐっ!!」
そんな圧倒的に有利な状況なはずなのに、突然ゲイツは倒れた。
「ゲイツ!!」
俺はすぐにゲイツに駆け寄ろうとしたが、目の前で突然来た黒い影によって遮られる。
【フューチャータイム!DRIVE!TYPENEXT!ダークドライブ!】
「やはり、未だに不完全だったが」
「お前っ、ゲイツに何をした!!」
「何も、ただ、我が救世主にとって邪魔な記憶を、ライドウォッチに詰め込んだ訳だ」
「まさかっ!!」
「どうやら、我が王、その予想は当たっているようです」
俺の疑問に答えるように、ウォズが現れ、本を開く。
「この本によれば、錬金術師キャロルは、思い出を使って巨大な力を使う事ができると書かれている。
おそらく、もう一人の私は、この時代で訪れたゲイツ君の記憶を使って、あのライドウォッチを作り出したと思われる」
「お前、ゲイツにっ!!」
「これは我が救世主が望んだ力だ。
魔王には関係ない話だ!!」
「魔王魔王って、本当に訳の分からない事ばかりを」
「おや、もしかして、もう一人の私から聞いていないのですか?」
「なに?」
もう一人のウォズは不気味な笑みを浮かべながら、本を開くと、目の前に世紀末を思わせる光景が広がっていた。
その光景の真ん中にはこれまで力を貸してきた仮面ライダーの銅像と
「俺?」
俺だと思われる銅像がそこに立っていた。そして銅像の前には、これまで見た事のない黒と金のジオウが立っていた。
「あいつは一体っ!!」
そう言っている間に、ジオウの周りには、巨大なロボットや多くの人々が迫ってきたが、彼らを一瞬で灰に変えた。
「なんだよ、これは」
「見た通り、未来の君の姿だ、魔王」
「えっ?」
余りの事実に俺は疑問に思うに声を出す事しかできなかった。
「それでは、また」
「しまったっ」
もう一人のウォズはそのまま姿を消すが、俺はそんなことよりも、未来の出来事で頭が一杯だった。
オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは
-
天羽々斬
-
イチイバル
-
シュルシャガナ
-
イガリマ
-
アガートラーム