「ねぇ、お兄ちゃん、本当に行くの」
俺達はとある目的地の為に向かっている時、一緒に歩いている響は少し不安な声で訪ねる。
「どうせ、このまま何もしないのは無理だろ。
それに、一度話し合えば、なんか変わるかもしれないだろ」
「でも、お父さんは」
そう、これから俺達は親父と会いに行く。
響にとっては、自分達を見捨てた親父と会うのは戸惑いがあるようだった。
だが、響とは違い、俺にとっては、響の為に親父を見捨てたような物だった。
家族が傷ついている中で、俺は響だけを守るように行動していた。
母さんや婆ちゃんはそれで納得してくれたが、外の関係も含めて多くに苦しめられていた親父に対して、俺は何もできなかった。
そういう事も含めて、俺は親父と向き合わないといけない。
「おぉ待っていたぞ、響、それにソウゴ!!」
「・・・お父さん」
「親父」
そのまま、俺達は親父の席に座るが、親父から話される内容はどうやって響達の事を知ったのか、俺達で母さんとの間をなんとかしてくれという相談だったが
「無理だよ、一番いてほしい時に一緒にいなくなったのは、お父さんじゃない。
私にとっての家族は、もうお母さんとお婆ちゃん、そしてずっと守ってくれたお兄ちゃんだけだったから!!」
その言葉と共に響はそのまま叫んで、店から出ていった。
「やっぱ無理か、なんとかなると思ったんだけどなぁ。
いい加減時間も経ってるし」
「時間でなんとか解決できる程、心の傷は治せないから。
それは、親父も知っているはずだろ、あの時から、全然変わっていないし」
「そうか。
まったく、お前は昔から、本当に初めて会った時から」
「初めて会った時?」
その言葉にどういう意味なのか、分からない。
「まぁ響の事はあとで話すとして、悪いがソウゴ、一緒に来てくれないか?」
「ここじゃあ、駄目なのか?」
「あぁ、少しな」
そう言った親父の顔は少し曇っており、何を考えているのか分からない。
それでも、俺は親父と話をする為に一緒に歩き始めた。
歩き始めてしばらくは、無言だったが、誰もいない公園につくと同時にため息をつきながら、こちらに顔を向けた。
「なぁ、ソウゴ、悪いけどお前の持っている物を俺にくれないか」
「物なんの事だ?」
親父が急にそれと言われても疑問にしかなく、親父はそのまま頭を掻きながら、ため息をつく。
「あぁなんだっけ、そのジクウドライバーとライドウォッチを全部」
「親父、なんで、それを」
「なんか変な奴から頼まれたんだよ。
それを渡せば、金をくれるって」
「そんなの、無理に決まっているだろ!!」
いきなり言われて、俺は思わず大声で叫んでしまう。
そんな俺に対してため息をつき
「だったら、やるしかないか」
その疑問と共に、親父が取り出したのは
「アナザーライドウォッチ!?」
「変身」
【電王】
同時に、俺の目の前で親父の姿は変わり、アナザーライダーとなった。
「行くぜ行くぜ行くぜぇ!!」
「っ変身!!」
【ライダータイム!仮面ライダージオウ!】
俺はすぐに取り出したジオウライドウォッチとジクウドライバーを腰に差し、そのまま変身し、俺は手に持ったジカンギレードを手に取り、目の前にいるアナザーライダーは手に持った2本の短剣を使い、襲いかかった。
「親父っ、なんで、こんな事をっ!!」
「言っただろ、金が必要だって!!
それに、死ななくても、お前が持っているそれをあいつらに渡せば、金は手には入って、俺達の家族はまた元通りになれる!!」
「そんな簡単な話な訳ないだろ!!」
俺はそう言い、二刀流の武器に対応する為に、すぐに鎧武ライドウォッチを取り出しジクウドライバーに挿入する。
【ライダータイム!仮面ライダージオウ!
アーマータイム!ソイヤッ!鎧武!】
その音声と共に、俺は鎧武アームズを装着すると同時に両手に大橙丸Zを両手に持ち、こちらに迫り来る攻撃を受け流しながら、切り裂いていく。
「なるほどなぁ、そうやって攻め込む姿勢は変わりないな!!」
そう言い、親父は腰に装着していた短剣を手に取り、投げるとまるで意思があるように動き出し、次々と俺に向かって襲いかかる。
空中に飛んでいる短剣と目の前に迫り来る親父の攻撃に対して、俺は決定的な一撃を当てられなかった。
【フューチャータイム!ガオウフォーム!ガオウ】
その音声が後ろから聞こえると共に、俺に向かって襲いかかってきたのはもう一人のウォズだった。
「ぐっ」
「やはり、魔王の家族に目を向けたのは良かったみたいだな。
これまでのアナザーライダーに比べて、相性も良く、そして、お前も油断がしやすい」
「てめぇが、親父をっ!!」
「ソウゴ、まだ終わっていないぜ!!」
「ぐっ」
必然的に1VS2という状況の中で、俺は追い込まれていた。
「我が王!!」
そう追いつめられた状況の中で後ろからウォズの声が聞こえた。
「そこで大人しく見ていろ。
君の魔王が倒される瞬間を!!」
「くっ」
この状況の中で逆転できる手は
「やるしかないようだな」
俺はそのまま後ろへと下がり、同時にジクウドライバーに手を伸ばし、両手で大橙丸Zを構える。
【フィニッシュタイム!鎧武!スカッシュ!タイムブレーク!】
その音声と共に俺は目の前にいるアナザーライダーに向かって走り出し、そのまま両手を広げるように攻撃するが、アナザーライダーは攻撃を防ぎ
【ビヨンドザタイム!タイラントクラッシュ!】
その音が聞こえると共に、背中から来る衝撃が襲いかかる。
「ぐっ」
「これで、魔王の終わりだ!!」
「さぁな、でも、お前もな!!」
「なに?」
その言葉に疑問に思っている間に俺はそのまま親父に向けて大橙丸Zを投げ、もう一人のウォズの腰に装着されているビヨンドライバーを手に取り、蹴り上げる。
それにより、ビヨンドライバーに装着されたミライドウォッチが取れるが、俺はそのまま掴む。
それを察すると同時にウォズは巻いていたマフラーをこちらに向けて放ち、俺はそのままウォズの隣に移動される。
「悪いな、ウォズ。
これぐらいしかできそうにない」
「そんな事はありません。
我が王、あなたのおかげで、私は」
その言葉を聞きながら、俺はビヨンドライバーをウォズに手渡すと、そのままウォズは跪くように受け取り、そのままもう一人のウォズと親父に目を向ける。
「我が王がくれたチャンス。
無駄にする訳にはいかない」
「ちっ、さっさと取り戻せ」
「あぁ、分かっているよ!!」
そう言い親父はこちらに迫り来るが、ウォズは慌てる事なくビヨンドライバーを腰に装着し、手に持ったウォズミライドウォッチのスイッチを押す。
同時にこれまで黒かった部分が白くなり、ウォズはそのままビヨンドライバーに装填する。
「変身!!」
【アクション!投影!フューチャータイム!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!】
その瞬間、変身したウォズは、一瞬だけ黒かったプロトウォズになるが、次の瞬間、黒い部分はまるで弾け飛ぶように変わり、これまで俺を苦しめていたウォズへとなった。
「祝え!過去と未来を読み解き、正しき歴史を記す預言者。その名も「おらぁ!!」」
ウォズの言葉の途中で親父を仕掛けようとしたが、ウォズはそのまま手に持った本を使い、親父の攻撃を受け止めると同時に、回し蹴りを喰らわす。
「なっ」
「仮面ライダーウォズ!ここに新たな歴史の1ページが刻まれる」
「それ、やりながらするんだ」
「さて、我が王の父上、つまりは先代に対して無礼な行動だとは思いますが、我が王の期待に応えないといけないので」
そう言い取り出したのはNEW電王ライドウォッチだったが、そのライドウォッチはたちまちミライドウォッチに変わり、そのままビヨンドライバーに装填する。
【フューチャータイム!ストライクフォーム!NEW電王!】
その音声と共にウォズの身体には青い鎧が装着され、目の前に現れたジカンデスピアーを片手に回しながら、ゆっくりと進みながら、迫ってくる攻撃を防いでいく。
「悪いのだが、先代が我が王をよく知っているように、私も先代の事も知っている。
ならば」
「ちぃ!!」
そう言いながら、ウォズに対して親父は攻撃を仕掛けていくが、
【フィニッシュタイム!爆裂DEランス 】
その音声と共に、ジカンデスピアに青いエネルギーが纏うと同時に、まるで踊りを舞うように親父の攻撃する短剣を防ぎ、そのまま親父を切り裂く。
「ぐっがぁ!!」
そのまま親父は吹き飛ばされ、ウォズの足下にはアナザーライドウォッチが転がるも、ウォズはそのまま踏みつぶす。
「くっそっ」
「ちっ、このままでは終わらないぞ」
そう言い、もう一人のウォズは手に持ったテレポートジェムを使い、親父と一緒にその場から離脱する。
「ふぅ、なんとかなったか、うぐぅ」
「我が王、すぐに医務室へ」
「あぁ悪いな、にしてもやるじゃないか」
「それも、これも我が王のおかげです。
まさか、我が王がビヨンドライバーを奪うとは」
「なはは、まぁこれでなんとかなりそうだな」
そう言いながら、俺はウォズに連れられて、その場から離れる。
オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは
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天羽々斬
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イチイバル
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シュルシャガナ
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イガリマ
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アガートラーム