戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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XVの放送が始まり、色々とやばい気配をしながら、毎週楽しみですね。
ジオウの方もクライマックスですが、こちらの方もよろしくお願いします。


剣の継承

あれから翼さんが目覚めるまでの間、マリアは資料などを使いキャロルの目的を探っており、その間、俺はとある場所に忍び込む。

 

「お邪魔します」

 

「・・・君は」

 

「いやぁすいません。

こうしてゆっくりと話をしたくて来てしまいました」

 

そう言うと目的の人物である八紘さんと話をする為に来た。

 

「君の目的は」

 

「ただ単にあなたの真意を聞きたくて」

 

「私の真意?」

 

「えぇ、翼さんをあそこまで突き放すのはなんでだろうと思って。

最初は嫌っていると思っていたけど」

 

「けど、なんだね」

 

「あんたからは良い人の感じがした。

だから、どういう人なのか話したいと思いました」

 

「その為に来たのかい?」

 

「はい、それに、俺の親父を助ける手掛かりがあるかもって」

 

「君のかね?」

 

「はい」

 

俺はそれから、親父の事についてを話した。

 

昔の事、あの事件の事について、そして家から出た時の事。

 

「・・・なるほどな。

確かに様々な状況に追い込まれたのだろう」

 

「えぇ、だからこそ、俺はあなたの思いも少しは分かります」

 

「思いかね?」

 

「えぇ、まぁ、勝手な言葉ですけど」

 

「そうか」

 

そう言うと、これまで緊張で碌に笑顔が見えなかったが

 

「翼が、せめて夢を追いかけられたらな」

 

「・・・そうですね」

 

俺達はそう言いながら、ゆっくりとお茶を飲む。

 

「しかし、なぜ私にこのような話を?」

 

「・・・親父が何か悩んでいたので。

だから、放っておけないと思いまして」

 

「そうか」

 

親父は金の為と言っていたけど、それはあの事件から逃れられない恐怖から来ていると思う。

 

「それでは、失礼します」

 

「あぁ、気をつけたまえ」

 

俺は少しだけお茶を飲み、そのまま部屋から出て行く。

 

「・・・」

 

「翼さん」

 

「あっ、いや、そのだな」

 

「まぁ、とりあえず行きましょうか」

 

ドアの前に立っていた翼さんを見て、俺はすぐにそこから出て行く。

 

「・・・私は、お父様の思いを理解していなかった。

風鳴の刀になる事ばかりな」

 

「きっと、そうしたくないと思ったからじゃないですかね、翼さんは、なんで歌手に?」

 

「きっかけは何時かはもう覚えていない。

だが、あえて言うならば、お父様に歌を聞いてもらったから、かもしれない」

 

「そうか」

 

「・・・ソウゴ、君はもしも、君の父親が本当の父ではなかったら」

 

「関係ない」

 

「えっ?」

 

「例え親父が本当に親父じゃなくても、俺は親父の子だ。

血の繋がりなんて関係ない」

 

「だが」

 

「それに、血の繋がりがあるから、大切という訳じゃないだろ」

 

「・・・あぁ、そうだな。

私は、お父様の事を思い、そして自分の夢を、掴みたい」

 

「それで良いんだ」

 

「えっ?」

 

その声が聞こえ、見てみると、そこには仮面ライダーブレイドに変身していた剣崎さんがいた。

 

「剣崎さん」

 

「君は自分を道具と考えていた所がある。

だけど、今の君は、本当に誰かの為に思って、戦える」

 

「それを見極める為に」

 

「俺はかつて友をこの手で殺した。

それは、その友の思いも含めて、背負ったからだ」

 

「友を」

 

「今の君は、様々な人の絆で結ばれている。

だから、この力を持っても、きっと暴走しない」

 

そう言い、剣崎さんはカードを取り出し、翼さんに渡す。

 

同時に翼さんの手元には青いライドウォッチが現れる。

 

「・・・ありがとうございます」

 

「いいさ、でも、ここからが本番だ。

あの戦いで、もしも俺の予測が当たっていたら」

 

「予測、どういう事なんです?」

 

剣崎さんはそのまま顔を曇らせながら、言う。

 

「奴が変身していたアナザーライダーの元になった存在は仮面ライダーグレイヴ。

元々は俺のブレイドを元に作られたライダーだったけど、その使用者の正体はアルビノジョーカーと呼ばれる存在だったんだ」

 

「あの仮面が壊れた時に見えたのって」

 

「あぁ、そして、もしもあの力が暴走したらっ!?」

 

その言葉を言い終える前に、何かが破裂した音が聞こえ、見てみると今回の護衛対象であるはずの要石が壊されていた。

 

そして、その上空には巨大な白い怪物が現れていた。

 

「あれは」

 

「14、奴が最後に手に入れた力だ」

 

「まさか、ここまでとは」

 

そう言い翼さんはそのままシンフォギアを身に纏う。

 

「俺も「君は竜宮へ向かえ」えっ!?」

 

「なぜ、それを」

 

「・・・実は俺ともう一人のライダーがこの世界に来ていたんだけど」

 

「何かあったんですか」

 

「いや、このままでは君の仲間である雪音クリスには力は継承されない」

 

「なるほどな、状況は読めないが、雪音に今必要なのはソウゴのようだな」

 

「俺?」

 

何を言っているのか分からず、思わず聞き返してしまう。

 

「なに、妹ばかり目を向けない方が良いかもしれないという訳だ。

行け、ソウゴ。

ここは私がなんとかしよう」

 

「・・・分かりました」

 

何を言っているのかさっぱり分からないが、とりあえずはクリスがピンチだという事だけ分かった。

 

俺はすぐにタイムマジーンを呼び出し、クリス達がいる竜宮へと向かう。

 

三人称Side

 

 

「ガアアァァ」

 

「悪いが、後輩の為だ。

貴様をここから通す訳にはいかない」

 

ソウゴが乗ったタイムマジーンに追いつこうと、14は向かおうとした。

 

それを止める為に翼は走り出し、手に持ったブレイドライドウォッチを胸に置く。

 

「かつて誤った道のせいで、間違った使い方をした。

だが、今度は、間違えんっ!!」

 

その言葉と共にブレイドライドウォッチを起動させる。

 

同時に翼の目の前に13枚の金色のカードが現れ、翼の身体を覆っていく。

 

覆われていく内に、彼女のシンフォギアにも大きく変化が起きていく。

 

そこには西洋の騎士を思わせる鎧を身に纏いながらも、翼の持つ天羽々斬は黄金に輝く巨大な日本刀へと姿を変えた。

 

その刀には13匹の獣や昆虫などが描かれていた。

 

「あれが翼の」

 

「俺の力を受け継いだ姿」

 

「ガアァア!!」

 

翼が変化した事に気づき、方向を変えて、幾つもの攻撃を仕掛ける。

 

「はあぁ!!」

 

翼はその攻撃に対して、ただ一閃切り裂く。

 

その衝撃により、攻撃は全て吹き飛ばされ、14は近くの海へと吹き飛ばされる。

 

「悪いが、私は未だにこの力を使いこなせていないからな。

早々に決着をつける」

 

その言葉と共に、天羽々斬に埋め込まれている模様の内、5つに触れると、翼の目の前に黄金に輝く5枚のエネルギーが現れる。

 

「はああぁぁ!!」

 

翼はそのままエネルギーを身に纏いながら、14を一閃に切り裂く。

 

「ぐっがぁ」

 

14は翼に向けて攻撃を放とうとするが、その腕は一本切れる。

 

そして、また一本、一本と次々と切り裂かれていき、ついには全ての身体が木っ端微塵になるまで切り裂かれ、そして爆発する。

 

「これが、ブレイドの力」

 

その光景に驚きを隠せないマリア。

 

そして、力を受け継いだ光景を見て、剣崎は、その場からいなくなる。

 

ソウゴSide

 

ブレイドに言われて、俺はタイムマジーンを使い、これまでにない速さで走り抜ける。

 

なんとか海底に入り込み、そのまま目的地に向かって突撃する。

 

「これは、ソウゴ君!?」

 

「悪い、司令。

なんか、ブレイドがこちらに向かってくれって言われて、来たけど」

 

「・・・あぁ、確かにこの状況、君がいなければやばいかもしれない」

 

「よく分からないけど、突撃するぞ!!」

 

そう言い、俺は目的地である竜宮へと激突する。

 

「なんとか、到着って、これは本当に」

 

「えっソウゴ!?」

 

「いきなりびっくりデス!?」

 

「これは、どうすれば」

 

見れば3人共無事な様子で、ゲイツとウォズも特に怪我はないようだ。

 

「なんだ、危機的状況だって、聞いたけど」

 

「いや、それは合っている」

 

「えっ?」

 

「正確には私達ではなく、雪音君一人だけの危機だ」

 

「んっ?」

 

言っている意味が分からない内に何やら足音が聞こえ、見てみると

 

「えっ、仮面ライダー」

 

「・・・あぁ、我が王もご存じだと思うが、彼は仮面ライダー」

 

「555、本名は乾巧だ」

 

そう言い、乾さんはそのまま変身を解除し、俺を見つめる。

 

「どっどういう状況なんだ?」

 

「単純な話だ、俺はそいつを通したくない、ただそれだけだ」

 

「だから、なんで私だけ通さないんだよ!!」

 

「お前みたいな奴が行っても、ただ単に仲間を傷つけるだけだ。

だったら、行かない方がましだ」

 

「てめぇ!!」

 

「せっ先輩、駄目です!!」

 

「相手は仮面ライダーでも、生身相手には」

 

「だけど」

 

そう言いクリスは焦る気持ちが前に出しすぎている。

 

「・・・乾さん、クリスだけなんだよね」

 

「あぁ」

 

「だったら、俺も一緒に残るから、ゲイツ達は先に行ってよ」

 

「・・・まぁそれが賢明な判断だな」

 

「では行くとするか」

 

「えっでも」

 

「先輩」

 

「大丈夫だ、まぁなんとかするから」

 

俺の言葉を聞き、ゲイツとウォズはすぐに行動し、切歌ちゃんと調ちゃんは少し迷っている様子をしながら、行く。

 

「・・・あたしは、結局」

 

「クリス」

 

その場で残されたクリスはただ、下を見つめるしかなかった。

 




今回登場した剣崎さんはミッシングエースの世界から来た剣崎さんです。
一応、補足として、書かせてもらいました。
これからもよろしくお願いします。

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム

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