戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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新たな姿!驚愕の三位一体

「ぐっ!!」

 

アナザージオウへと変身したもう一人のウォズとの戦闘はソウゴにとってはこれまでにない程に苦しい戦いだった。

 

その力量が分かり、様々な状況で使い分ける事ができるディケイドアーマーよりも、単純なパワーや未来予知などができるジオウⅡの方が有利に戦えると判断したソウゴはすぐにディケイドアーマーからジオウⅡへと変身する。

 

だが

 

「まさか、未来予知まで」

 

目の前にいるアナザージオウは、現在までのジオウの能力が使えるのでソウゴは苦戦している。

 

「はあぁぁ!!」

 

「ぐるっ」

 

そんなソウゴがなんとか戦えているのは、一緒に戦ってくれている響のおかげだった。

 

自分の実力以上に守りたい存在が一緒に戦ってくれている事もあり、互いに大きな力を発揮しながら、なんとかアナザージオウと戦える。

 

「だが、その程度!!」

 

「響っ!!」

 

「お兄ちゃんっ!!

 

アナザージオウと共に手を組んでいるキャロルの錬金術の、遠距離からの援護によって苦戦していた。

 

ジオウⅡと響の戦闘スタイルは基本的に接近攻撃を主にしている為、遠距離の攻撃は苦手だった。

 

アーマータイムによって、それに合わせた戦い方を行いたかったが、アナザージオウ相手には、それは難しかった。

 

「既に準備は終えている。

これで」

 

「だけど、まだ負けた訳じゃない」

 

「うん、私達には皆がいる!!」

 

「無駄な事を、ここからでは間に合わないだろうが」

 

「さぁな、それはどうかな!!」

 

「なっ!!」

 

突然聞こえてきた声に、驚きで目を見開いたキャロルは後ろを見てみると、そこにはミサイルの上に乗りながら向かってきたクリス達。

 

そして、二つのタイムマジーンは、なんとそのままキャロルが出現させた城をそのまま破壊した。

 

「馬鹿なっ、私のっ!!」

 

「えっ、あんなにあっさりと破壊できるのっ!!」

 

その一連の行動に対して、思わず声を出してしまうソウゴだが、そんな彼の横にゲイツとウォズ。

 

響の横には翼やクリス達が集結した。

 

「勿論、タイムマジーンにシンフォギアのエネルギー、そしてライダーのエネルギーを集結させた事で破壊できた」

 

「結構無茶な賭けだったけどな」

 

「まったく、無茶な事をする」

 

「お前に影響されたんだよ」

 

「っ貴様らあぁぁ!!」

 

仲間達の合流に嬉しさを感じているソウゴ達とは違い、計画の要であった城の崩壊によって、キャロルは血涙を流しながら叫ぶ。

 

既に最終決戦の火ぶたが開かれていた。

 

「しかし、このまま勝てるかどうか」

 

「さぁね、だけど、予定調和で決まる戦いなんてないからな」

 

そう言い、ソウゴは前に出る。

 

すると、突然ソウゴ達の身体が光りだした。

 

「「「んっ?」」」

 

突然の出来事でその場にいた全員が驚きに目を見開いていると、光の中心点であるソウゴの手には新たなライドウォッチが現れた。

 

「これは一体」

 

「そうか。

そう言えば、これまでの間、我が王、ゲイツ君、そして私が揃った所はなかった。

まさか、その共鳴現象?」

 

様々な考察を話し始めるウォズだが

 

「だけど、使わない手はない!!」

 

その言葉と共にソウゴは新しく誕生したライドウォッチをそのままジクウドライバーに装填する。

 

【ジオウトリニティ】

 

「あれは!!」

 

その瞬間、これまで暗雲によって包み込まれた空に突然光が現れる。

 

「これは一体」

 

「あのライドウォッチの力なのか」

 

そのままソウゴは手に持ったライドウォッチをそのままベルトに挿入する。

 

そこからライドウォッチの横に付いているレバーを回す。

 

【ジオウ!ゲイツ!】

 

「なにっ!?」

 

ジオウの動きに合わせるように空から黄金の光がゲイツを包み込んだ。

 

その光景に、ライドウォッチを動かしているソウゴ以外は驚愕に染まっていた。

 

「これは一体」

 

【ウォズ】

 

そして、次に回すと、今度は青い光がウォズを包み込む。

 

「まさか、私達を導いている?」

 

ここまでの一連の現象の考察を言うウォズだが、ソウゴの動きは止まらなかった。

 

「はぁ!!」

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!トリニティタイム!】

 

「うわぁ」

 

「えっっぐぅ!!」

 

「んっ?」

 

ソウゴがジクウドライバーを回すのと合わせるように、ゲイツとウォズに大きな変化が起きた。

 

その身体は顔だけがゲイツとウォズとなった巨大な腕時計を模した姿になって、ソウゴに向かって飛んでいった。

 

変化に気づいたソウゴが後ろを振り向いた時には驚きの声しか出せず、何が起きているのか分からず、その場で走り回っていた。

 

「えっ何が起きているのっ!?」

 

「いや、それが、さっぱり」

 

「うわぁあ!!

俺の顔がぁ、あれ?」

 

そうしている間にも、ソウゴの肩にはそれぞれゲイツとウォズが憑りつき、ジオウの仮面がそのまま胸元まで移動する。

 

そうして新たな姿へと変わると、新しく【ライダー】という文字が刻まれる。

 

【三つの力、仮面ライダージオウ!ゲイツ!ウォズ!トーリーニーティー!トリニティ!】

 

「うそだろ」

 

「まさか、三人が合体するなんて」

 

「私と切ちゃん以上に驚き」

 

「色々と複雑デス」

 

新しく見せたジオウトリニティの姿に対して、先程までの緊張感が一気に無くなってしまう。

 

「まさか、こんな事になるなんて」

 

「一体どうなっているんだっ!?」

 

「まさか、新たな力がこうなるとは」

 

そうソウゴ達が喋ると、彼らの脳内だけだが、そこにはソウゴ達が立っており、彼らの真ん中には巨大な時計が置かれていた。

 

「これって、一体」

 

「とにかく、祝わなければ!!」

 

その言葉と同時に時計は大きく動き出し、針の方向はウォズの方へと向いた。

 

「祝え!どうやら三人のライダーの力が集結し、多分、未来を創造する時の王者。

その名も仮面ライダージオウトリニティ!

きっと、新たな歴史が創生された瞬間である」

 

「・・・ねぇそれって、本当に祝っている?」

 

どこか曖昧な今回のウォズの言葉を聞き、これまでの祝いの言葉と比べると、ソウゴはどうも奇妙な気分になってしまった。

 

「ガアアアァ!!」

 

だが、そんなジオウトリニティの困惑する気持ちとは裏腹にアナザージオウはジオウトリニティへと襲い掛かる。

 

すぐに構えたジオウトリニティが手を伸ばすと、そこから出てきたのはソウゴが愛用しているジカンギレードとゲイツが使用しているジカンザックスだった。

 

それを掴みとると、ジカンザックスを使い、アナザージオウの攻撃を受け止める。

 

細い針のような一撃を軽々と受け止めたジカンザックスを軸に、まるで時計の針ように回り込み、ジカンギレードで斬り上げる。

 

「ガァ!?」

 

「これって」

 

「ソウゴ、変われ」

 

「あぁ」

 

その瞬間、ジオウトリニティの脳内で、ソウゴの方へと向いていた針はゲイツへと変わる。

 

同時に手に持っていたジカンギレードとジカンザックスを投げ捨て、手に取ったのはジカンジャックローだった。

 

手に取ったジカンジャックローは爪モードに変え、アナザージオウを固定させるように肩を切り裂き、もう片方の手に出現させたジカンデスピアーを鎌モードにして斬り上げる。

 

「おいおい、もしかして」

 

「ソウゴ、ゲイツ、ウォズ。

三人の仮面ライダーの能力を変幻自在に使う事ができるという事か」

 

「アナザージオウはソウゴ達に任せて、私達は」

 

「うん、キャロルちゃんを止めよう」

 

その言葉と共に、既に暴走が始まろうとしているキャロルの方へと向く。

 

「お兄ちゃん」

 

「任せろ!!」

 

響の言葉に応えるように、サムズアップすると、響も笑顔を浮かべながらサムズアップし、キャロルの元へと向かった。

 

同時にアナザージオウはそのまま雄叫びをあげると、その身体からあふれ出す煙から出てきたのはこれまで倒したアナザーライダー達だった。

 

「まさか、ここでアナザーライダーが出てくるなんて」

 

「関係ない、なぜならば今の我らならば、この程度の敵など軽く倒せる」

 

「あぁ、そうだなぁ!!」

 

その言葉を聞くのと同時に手元に戻したジカンギレードを銃モードへと変形させる。

 

変形させたジカンギレードにアートミライドウォッチを装填する。

 

【フィニッシュタイム!アート!スレスレシューティング!】

 

その音声と共にジカンギレードの先端から溢れ出てくるインクを地面へと撃ち込むと、こちらに向かってくる多くのアナザーライダーを拘束する。

 

それを確認すると同時にジカンザックスを取り出し、バイトミライドウォッチを装填し、拘束されているアナザーライダーに狙いを定める。

 

【フィニッシュタイム!バイト!ギワギワシューティング!】

 

その音声と共に、ジオウトリニティの背後から何十という武器が現れ、ジカンザックスの引き金を引く。

 

同時にアナザーライダー達はその砲撃の前に多くが爆散する。

 

だが、残っていたアナザーライダー達は一斉にジオウトリニティへと襲い掛かる。

 

接近してきたアナザーライダーに対して、瞬時にジカンジャックローをのこモードに切り替え、アナザーライダーを吹き飛ばす。

 

吹き飛ばされたアナザーライダーを、ジカンジャックローから出てきたエネルギーが丸鋸の形へと変わり、切り裂いて倒す。

 

同時に手に持ったジカンデスピアを、丸鋸へと向けると、ジカンデスピアから出てきたエネルギーの紐が合わさる。

 

それを確認すると、ジオウトリニティは足に力を籠め、周りにいたアナザージオウを含めたアナザーライダーに向けて攻撃する。

 

変幻自在に動く丸鋸により、アナザーライダー達は吹き飛ばされ、消滅する。

 

「ぐっぐぅ」

 

アナザージオウはその攻撃に立ち上がるのがやっとの状態でジオウトリニティを睨み付ける。

 

「ゲイツ、ウォズ、決めるよ」

 

「あぁ」

 

「了解した」

 

その言葉と共にソウゴはそのままジクウドライバーに手を伸ばす。

 

【フィニッシュタイム!ジオウ!ゲイツ!ウォズ!】

 

その音声と共にジオウトリニティの後ろにはジオウ、ゲイツ、ウォズの三人の仮面ライダーの幻影が現れる。

 

アナザージオウの前に二つの【キック】と【きっく】という文字が現れ、その後ろに緑色の箱が現れる。

 

そしてジオウトリニティは走り出し、アナザージオウに向かってライダーキックを放つ。

 

「がっがぁあぁ!!」

 

アナザージオウはそのままライダーキックを喰らい、緑の箱の中へと閉じ込められる。

 

同時にこれまでにない爆発音と共にアナザージオウは倒れ、ジオウトリニティは戦いに勝利した。

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム

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