バルベルデの戦いを終えた連達。
彼らはその後、未だに残るバルベルデの問題を解決する為、3手に別れる事になった。
響達とゲイツはプラント工場の制圧、ウォズとマリア達はオペラハウスにある映像資料を守る為に向かう。
ソウゴは緊急時のバックアップとして、すぐに駆け付けられるように、両方の地点からなるべく近い場所にて、タイムマジーンにて待機という役割になった。
二人に比べ、瞬時にジオウトリニティになる事ができ、切り札になる事も考えての作戦考案の結果、ソウゴは森の中にいたが、彼一人ではなかった。
「まぁ、作戦だから、別に不満はないけど、どうしたものか」
「いつでも行けるように準備だけ、お願いします。
僕もなるべく早くお伝えできるようにしますので」
「あぁ頼むよ、エルフナイン」
ソウゴとエルフナインは会話を行いながら、状況の経過を見守っていた。
それはタイムマジーンの内部で行われている会話だった。
本当ならば、潜水艦にてバックアップを行うべきエルフナインだ。
今回は何が起こるか分からない為、緊急時にタイムマジーンの操縦の為にエルフナインと一緒にいた。
「それにしても、こうやってエルフナインと会話するのって、実は初めてかもな」
「えぇ、僕自身も響さん達と一緒にソウゴさんとお話する事があっても、こうやって二人で会話するのは、なんだか新鮮です」
魔法少女事件において、実はソウゴとエルフナインの接点は少なかった。
別に仲が悪かった訳でもなかったが、戦いの中で時間が許されず、ゆっくりと会話する機会はなかった。
「それにしても、本当に不思議なシステムです。
ライドウォッチは」
「そうなのか?
俺としてはもう結構長い間使っているから、それ程違和感はないけど」
「えぇ、このライドウォッチに秘められている力はシンフォギアシステムに匹敵する程の力で、未だに多くの未知のシステムがあります」
「まぁ、確かにな。
そもそもライドウォッチの中に収められている仮面ライダー自体、俺は知らない事ばかりだからな」
ソウゴはそう言いながら、これまで出会った仮面ライダー達の事を思い出す。
ソウゴが始まりの戦いで出会った桐生戦兎、ジオウと同じく他の仮面ライダーの力を使える門矢士、自身の本当の父親である五代雄介。
そして、数多くのライダーとは、ライドウォッチを手に入れた瞬間、僅かな時にしか会えず、彼らの事を本当の意味で知らない。
「それで、エルフナインは本当の所はなんで、俺の所に?」
「えっ、実はタイムマジーンの中はライドウォッチのシステムと連結しているので、気になる所があったので」
「そうなのか。
にしても、なんでタイムマジーンなんだ?」
「えっ?」
ふと、自分が普段から使っているタイムマジーンの名前について疑問に思えた。
「だって、マジーンはたぶん魔神とマシンを組み合わせたような感じだけど、タイムの部分って、なんだろうと思って」
「確かに、僕もそこが気になります。
ウォズさんは詳しい事を話してくれませんが、もしかしたら、タイムマジーンの本当の使い方を僕達は知らないのかもしれません」
「本当の使い方か」
その事について、奇妙な違和感を感じながら、ソウゴは呟く。
「常盤ソウゴォ!!」
「っ!!」
「えっ!!」
突然聞こえた怒声に、驚きを感じたソウゴはすぐにタイムマジーンのレバーを持ち、エルフナインはすぐにソウゴの腰に捕まる。
同時にタイムマジーンはバク転をしながら、突然来た攻撃を避ける。
すぐにカメラを正面に向けると、そこに立っていたのは色違いのタイムマジーンだった。
「タイムマジーン?
だけど、ゲイツ達の乗っている奴じゃない?」
「あれは一体」
「そこにいるだろ、常盤ソウゴ!!」
「常盤?」
常盤という言葉に疑問に思いながらも、目の前にいる存在は明らかにこちらに向けて敵意を向けていた。
「エルフナイン、もしも時はタイムマジーンで逃げろ」
「ですが」
「奴の目的は俺だ。
もしもの時は考えているから、安心して」
違和感を覚えながらも、エルフナインの身の安全を考え、ソウゴはすぐに戦えるようにジクウドライバーを腰に巻き、外へと出る。
すると、ソウゴが出るのを確認すると、目の前のタイムマジーンからもまた人が出てきた。
そこに立っていたのは赤いジャケットを羽織っている、ソウゴと同世代と思われる青年だった。
「やはり、そこにいたか、常盤ソウゴォ!!」
「誰の事を言っているんだ。
俺は立花ソウゴだ、人違いじゃないのか?」
「いいや、違わない。
お前は常盤ソウゴだ、なぜならば、そのベルト、そして、その手に持っているライドウォッチ。
それが貴様が常盤ソウゴである証拠だからだ!!」
「どういう事だ?」
目の前にいる人物について、本当に知らないソウゴに対して、未だに憎しみを抑えきれない青年はそのまま叫ぶ。
「俺は加古川飛流!!
お前に復讐をする為に、この力を得た!!」
その言葉と共に、加古川が取り出したのは黒いジクウドライバーと見た事のないライドウォッチだった。
「悪いけど、俺にはお前と戦う理由はない」
「そっちにはなくても、こっちにはあるんだよ!!」
「薄々分かっていたけど、戦わなければ、どうにもならないのか」
相手から感じる怒りは、とても説得に応じられないと感じたソウゴはジオウライドウォッチのスイッチを押す。
それに合わせるように加古川もまた、ライドウォッチのスイッチを押す。
【ジオウ】
【ショング】
その音声が鳴り響くと同時に、各々のジクウドライバーに装填すると、ソウゴの後ろにはデジタルの時計、加古川の後ろには古い木製を思わせる時計が現れる。
「「変身!」」
【ライダータイム!仮面ライダージオウ】
【ライダータイム!仮面ライダーショング】
その声と共に変身したソウゴはジオウに変わり、加古川も姿が変わっていた。
その姿はジオウ達と同じような装甲を身に纏いながらも、鎧部分は白く、スーツは黄色になっていた。
その首には緑色のマフラーが巻かれており、顔には【RIDER】と英語で描かれていた。
それこそが、加古川の変身した仮面ライダーショングの姿だった。
その瞬間、ソウゴはジオウに、加古川はショングへと変身を完了すると同時に互いに手を伸ばした。
【ジカンギレード】
【ジカンハンマー】
その音声と共にジオウの手にはジカンギレードが、ショングの手には身の丈ほどの長さはあると思われるハンマーが握られており、そこには【HAMMER】と書かれていた。
「常磐ソウゴォ!!」
「だから、俺は立花ソウゴだぁ!!」
ショングはすぐにその手に持ったジカンハンマーを振り上げると、ハンマーに装着されたスラスターにより、一気に接近してきた。
質量的な差と、剣だけでは対応できないと判断したソウゴはすぐにその場から飛び出して攻撃を避けた。
「逃げるなぁ!!」
【MORNING STAER】
ショングの叫びと同時にジカンハンマーの形は変わり、ハンマーの外側の装甲が鎖へと変わり、ジオウの腹部へと当たる。
「ぐぅ」
衝撃を受け、すぐに地面に叩き落とされてしまう。
その隙を逃さないように、ショングはその手に持っているジカンハンマーにあるスイッチを押すと、再びハンマー形態へと戻り、ジオウに襲いかかる。
「ぐっ」
ジオウはすぐに動こうとするが、腹部に受けたダメージが強く、手に持ったジカンギレードにあるスイッチを押す。
【タイムチャージ!】
その音声と共にジカンギレードにエネルギーが溜まり始める。
【5・4・3・2・1】
カウントダウンが行う5秒の間にショングは一気に届きそうになる距離まで近づく。
だが、ジオウは目の前にジカンハンマーが来た瞬間
「っはぁ!!」
【ギリギリ斬り!】
「ぐっ」
手に持ったジカンギレードをすぐに振り上げる。
同時にジカンギレードに蓄積されたエネルギーが光の刃に変わり、ジカンハンマーを上に弾き飛ばした。
ジカンハンマーの強烈な一撃を狙っていたショングはすぐに態勢を立て直す事ができず、その隙を見逃さなかったジオウはすぐにジクウドライバーに手を伸ばす。
【フィニッシュタイム!ジオウ!タイムブレーク!】
「っ!!」
【フィニッシュタイム!ショング!タイムクラッシュ】
ソウゴの狙いに気づいたショングはすぐにジクウドライバーに手を伸ばし、殴りつけた。
ジオウも既に攻撃へと移り、その蹴りはショングの拳へとぶつかった。
互いの必殺技が激突した事により、衝撃は地面を揺るがし、そのまま互いに一気に離れた。
「やはり、貴様相手に、この力だけでは無理か。
ならば」
そう言い、ショングが取り出したのはライドウォッチだった。
【V3】
ライドウォッチの起動を確認したショングはすぐにジクウドライバーにV3ライドウォッチを装填すると、そのまま回した。
【ライダータイム!仮面ライダーショング!
アーマータイム!~!V3!】
直後、ショングの姿は変わり、緑色の装甲を身に纏い、ショングという文字は赤い文字でV3へと変わった。
「V3?」
聞いたことのない名前に対して、驚きを隠せないソウゴ。
「油断するな、ジオウ!!」
「えっウール!?」
「裏切り者か」
突然後ろから聞こえてきた声に驚き、振り向くと、そこにいたのはかつて戦ったタイムジャッカーの一人であるウールだった。
「どういう事だ?」
「今はそんな事を気にしている場合じゃない。
あいつは、仮面ライダーショングは、お前とは似ているようで、全然違う存在だ」
「その通りだ。
まさか、ここまで予想通り出てくるとはな」
「っ」
ショングの方に声が聞こえ、見てみるとそこにはスウォルツが立っていた。
「どういう事だ?」
「そうだな、ここはウォズの真似でもさせて貰おうか」
そう言うと、スウォルツは不適な笑みを浮かべながら、腕を広げる。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしらしめす時の王者。
その名も仮面ライダーショングV3アーマー。
この時こそ、王の新たな存在の証明である」
「V3?」
「あいつは、君が使っている平成ライダーとは違う、昭和ライダーの力を使っている」
「昭和ライダー?」
その単語について、疑問に思っている間にショングの首に巻かれている白いマフラーがまるで羽のように変わり、近づいてきた。
「嘘だろっ!」
急な接近に、すぐに手を重ねるも、先程のショングの攻撃とは比べものにならないパワーでジオウは吹き飛ばされる。
「まだまだぁ!!」
その言葉と共にショングの頭部から冷凍光線や電撃が放たれ、ジオウの身体は凍り始める。
「ぐっ、がぁあ」
「ジオウ!!」
これまでにない未知の力に対応が遅れ、ソウゴはどんどんダメージを受けていく。
「くぅあはははぁ!!
どうだぁ、この力はぁ!!」
その様子を前に、ショングは笑みを浮かべながら攻撃を加えていく。
「ちっ、あまりしたくなかたったけど」
ウールはそう言うと、手を伸ばした。
その瞬間、ジオウとショングの時は止まり、すぐにジオウへと手を伸ばし、その場から離した。
「小癪な真似を」
「ちっ」
その様子を見ていたスウォルツは手を伸ばし、時を再び動き出した。
「ウール!!」
「ぐぅ」
時が動き出した事により、ソウゴはすぐにウールを見つめる。
その身体は様々な所に怪我を覆っており、傷だらけになっていた。
「がはぁ、ジオゥ…」
「ふっ、無様だな」
必死に意識を保とうとしていたウールは気絶し、ショングは嘲笑った。
「無様だって」
その一言に対して、ソウゴはこれまでにない怒気を放ちながら、ショングを睨んでいた。
「なっ」
その言葉を聞き、ショングは気づくと、一歩、足を下げていた。
「お前が、なんで、俺の事を恨んでいるのか分からない。
だけどな、ライダーの力を使って、誰かを傷つけて、喜んでいるてめぇを、絶対に許さねぇ!!」
同時にソウゴは睨み付ける。
だが、既に戦う力は残っておらず、立つ事しかできなかった。
「なっなんだ、もう、立つ事しかできないようだな、驚かせるなよ」
そう言い、ショングはそう言いながら、近づこうとした時だった。
彼らの間に何かが突然降り注いだ。
「なにっ?」
「これは」
ショング達の前に、謎の存在が上半身丸ごと地面に埋まっているという珍妙な光景が広がっていた。
「なっなんだ奴は」
「まさか、ジオウの叫びが呼び寄せたのか」
謎の存在にその場にいたショング達は驚きで目を見開いていた。その間に謎の存在は上半身を地面から抜いた。
「痛たたぁ、やべぇ、やっぱり医者の言うことを聞くべきだった。
パフェ喰ったぐらいで、まさかこんな事になるとは」
よいしょっと、そう言いながら、現れた謎の存在はため息を吐きながら、座り込む。
「なんだ、お前、邪魔をするのか」
「なんですかぁ、お前は。
こちとら久しぶりにパフェを食べられて」
そう言いながら謎の存在はショングの足下を見た。
「おい、てめぇ、俺のパフェを何踏んでいるんだぁ!!」
「がぁ!!」
謎の存在は、ショングの足下にあったパフェの残骸を見ると同時にアッパーカットを仕掛けた。
その後、謎の存在はそのままショングの足を掴み、ジャイアントスイングをしながら、投げ飛ばす。
「ぐぅ、喰らえ!!」
ショングはすぐに冷凍光線と電撃を放つ。
だが、謎の存在はそのまま手を前に出すと、空間が歪み、攻撃を防いだ。
「お前のせいで、俺のパフェが無茶苦茶になっただろうがぁ!!」
【ギガンティックギンガアアァァー】
同時にベルトから流れ出す音声と共に、謎の存在はショングを吹き飛ばす。
「くっ、まさかこのような奴を呼び出すとはな。
退却するか」
その言葉と共にスウォルツは、その場から消えた。
「お前は一体」
「・・・俺の名は仮面ライダーギンガ、ギンさんとでも呼んでくれ」
オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは
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天羽々斬
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イチイバル
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シュルシャガナ
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イガリマ
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アガートラーム