戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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過去と銀河を超えろ

「痛っ、あぁ本当に酷い目にあった」

 

「無事か、我が王」

 

「まぁ俺の事は大丈夫だ。

それよりも」

 

S.O.N.Gに戻ってきたが、ソウゴの前に待ち受けていたのは思った以上に深刻な知らせの数々だった。

 

クリスの知り合いである少年が足に怪我を負ってしまい、響達の前にパヴァリア光明結社が現れた。

 

その出会いにより響の中に新たな悩みができていた。

 

「錬金術師にショング。

ここまで来ると奇妙な感じだな」

 

「えぇ、本当に」

 

これまでの事件を振り返る。

 

ルナアタックにおいては響達はフィーネ、ソウゴはアナザーライダーを中心にした襲撃。

 

フロンティア浮上においてはマリア達、未来からのアナザーライダーとドクターウェル。

 

そして、魔法少女事変においてはキャロルを中心にしたオートスコアラーと白ウォズ。

 

一緒に戦っているはずが、別々の敵と戦っている。

 

その奇妙な連鎖はソウゴとマリアの脳裏に裏に関わりのあると思われる存在を導き出す。

 

「「スウォルツ」」

 

二人は同時に声を出し、黒幕だと思われる人物の名を言う。

 

「それで、聞きたいのだけど、スウォルツの事を何か?」

 

「残念ながら、何も。

僕も…そしてオーラを捕まえたとしても、おそらく情報は君達の知っているのと変わりないと思うよ」

 

そう、捕虜扱いになっているウールは言う。

 

「そもそもウール、お前は一体何者なんだ?」

 

「さぁね。

どこにでもいた普通の人間が、あいつから力を得て、のぼせ上ったんだよ。

それを自覚させられたんだよ」

 

「ショングにか?」

 

その言葉を聞くとビクッと身体を震えながら、ゆっくりと答える。

 

「スウォルツの奴、いきなりあいつを呼び出して、集めていたライドウォッチをあいつに与えたんだよ」

 

「昭和ライダーだったか?」

 

「あぁ、ただ全部じゃない」

 

「どういう事だ?」

 

「昭和ライダー、それは平成が始まる前に戦っていた仮面ライダーだよ。

その仮面ライダーは全員で15人。

スウォルツの奴はその内10人の仮面ライダーのライドウォッチを既に持っている」

 

「もしも15人の仮面ライダーの力が得たら、どうなるの?」

 

「平成ライダーの力を得ている君は、いずれオーマジオウになる。

あえて、言うなればオーマショングになるだろう」

 

「オーマショング」

 

首を傾げながら、とりあえず今後の戦いの目的は決まっていた。

 

「奴らよりも先に、残った昭和ライダーのライドウォッチを手に入れるだけだな」

 

その目標を決めると同時に

 

「なんでだよ、なんでパフェがないんだよぉ!!」

 

「それは私からも文句を言いたいデス!!

だけど、無理なんデスよ」

 

そう言って仮面ライダーギンガに変身していたギンさんと、それに同調している切歌が入ってきた。

 

「はぁ…切歌、そんなに叫ばなくても良いわ」

 

「・・・・ギンさん、頼みがあるんだ」

 

「頼み?」

 

ソウゴはすぐにギンさんを見つめる。

 

「ギンさん、俺達に力を貸してくれ」

 

「断る」

 

「早っ!!」

 

ソウゴが頼むのと同時に一瞬で断るギンさんを見るや、思わずウールは叫んでしまう。

 

「俺は元々は宇宙で仕事をする為にこのギンガになっているんだ。

ここの星の通貨じゃあ、俺の世界では通用しないからな。

近いうちに、俺はここから離れるだろう」

 

「そうなのか」

 

「だが、手がない訳ではないぜ」

 

そう言い、ギンさんは手に持ったギンガドライバーをこちらに向ける。

 

「俺と戦え。

それで、俺を倒せたら、俺の力、お前にやる。

確かライドウォッチだっけ?」

 

「これか?」

 

そう言い、ソウゴはポケットに収めていたブランクライドウォッチを見せる。

 

「俺の力をこの中に収めれば、少しは戦力が上がるだろ」

 

「・・・分かった、やろう」

 

「ソウゴ」

 

「少しでも可能性があるんだったら、試さない手はないだろう」

 

「良い目だ、行くぞ」

 

そう言い、ギンさんは部屋から、出ていく。

 

「・・・それで、訓練スペースってどこだっけ?」

 

「こっち」

 

呆れた様子で調は先頭に立って歩き始める。

 

この調子で大丈夫なのか不安になるマリア達だが、ソウゴにはこれまでにない緊張感があった。

 

(あの時、俺は加古川に勝てなかった。

少しでも強くなる為にできる事は、俺はギンさんを超える事だけ)

 

そう思いながら、彼らは訓練スペースへと入った。

 

「本当にタイマンで良かったのか?

仲間との連携でも、俺は構わないぜ」

 

「ゲイツもウォズもいざという時に響達の助けにならないといけない。

だったら、俺が戦わなきゃ駄目だろ」

 

「良いねぇ、そういうの、嫌いじゃないぜ」

 

「行くぞ、ギンさん」

 

「来い」

 

その声と共にソウゴは腰にジクウドライバーを、ギンさんは腰にギンガドライバーを装着する。

 

【【ジオウⅡ】】

 

【ギンガドライバー】

 

音声が鳴り響くと共に、ソウゴはジクウドライバーにジオウⅡライドウォッチを装填し、ギンさんの手に収めているギンガスコープを構える。

 

「「変身」」

 

その言葉と同時にソウゴはジクウドライバーを回し、ギンさんはギンガドライバーにギンガスコープを収め、押し込む。

 

【ライダータイム!仮面ライダー!ライダー!ジオウ!ジオウ!ジオウⅡ!】

 

【ギンギンギラギラギャラクシー!宇宙の彼方のファンタジー! 仮面ライダーギンガ!】

その音声と共にソウゴはジオウⅡへと変身し、ギンさんを中心に宇宙が広がる。

 

広がった宇宙はやがてギンさんへと集結し、収まると仮面ライダーギンガへと変身していた。

 

「さぁ、どこからでもかかってこい」

 

「あぁ」

 

その言葉と同時にジオウⅡは、その手に持ったジカンギレードを手に持ち、攻撃を仕掛ける。

 

だがギンガは右手を前に翳した瞬間、ジカンギレードを受け止める。

 

「ふんっ」

 

「ぐっ」

 

ギンガが軽く手を払うだけで、ジオウⅡは大きく吹き飛ばされる。

 

だが、空中で体制を立て直しながら、ジカンギレードを銃モードに変え、ギンガに向かって放っていく。

 

だが、銃弾の軌道を読むように手を動かしながら空間を歪ませ、空中で全ての弾丸を受け止める。

 

「ふっ、その程度か」

 

「まだまだぁ!!」

 

そう言いながら、ジオウⅡはその手にサイキョーギレードを手に収める。

 

そして走りながらジカンギレードから銃弾を放ちながら、接近する。

 

しかしギンガは、全ての銃弾を受け止めながら、ジオウⅡを殴りつける。

 

ジオウⅡがそれに怯んでいる内に、ギンガは攻撃の手を緩める事なく続けていく。

 

その中で、ジオウⅡがその両手に持った武器を受け止め、蹴り上げた瞬間のみ確かなダメージを受けたように苦しんだ。

 

「これで、終わりだ」

 

【ダイナマイトサンシャイン】

 

その音声と同時にジオウⅡは衝撃波を受け止め、そのまま変身が解除される。

 

「っ見えた!!」

 

その言葉と同時にジオウⅡは顔を見上げた。

 

先程まで、ジオウⅡがサイキョーギレードを使った瞬間からはジオウⅡの能力である予知の光景だった。

 

「何が見えたんだぁ?」

 

ジオウⅡの突然の言葉に疑問に思いながら、ギンガは耳糞をほじるような動作をしていた。

 

「いや、あいつ、仮面の上なのに、なんで耳をいじっているだ?」

 

「癖だよ癖ぇ!!

長い間、これで生活していたから、こういうのが出るのぉ!!」

 

「地獄耳デス!?」

 

ギンガの行動に対してマリアが呟いた言葉に対して、叫ぶように突っ込んだギンガ。

 

その言葉に驚きながら切歌が叫ぶが、そんなギンガの隙を突くようにジオウⅡは一気に近づく。

 

「お前の動きなんて、見え見えなんだよ」

 

その言葉と共に、両手で武器を受け止める。

 

それを確認すると同時にジオウⅡはそのままジクウドライバーを回した。

 

【【ライダーフィニッシュタイム!トゥワイズタイムブレーク】】

 

「なっ!?」

 

これまでにない行動に驚きながらも、急いで手に持った武器を離そうするが、間に合わずライダーキックはそのままギンガを吹き飛ばした。

 

「ぐぅ」

 

予想外の攻撃を喰らい、ギンガはそのまま変身が解除されてしまう。

 

「痛ててぇ、まさか負けるとはな。

というよりも、なんで気づいたんだ?」

 

「この姿になると、少し先の未来を見る事ができるんだ。

そこで、ギンさんが3つの攻撃を同時に受けられないって、知ったからね」

 

「なるほど、それに賭けた訳か。

面白いぜ、そういうの」

 

ギンガの呟きと共に同時にジオウⅡの腕に収まっていたライドウォッチの形が変化した。

 

その手に収まっているライドウォッチはこれまでのライドウォッチと比べられない程の大きさを誇っていた。

 

「重っ!?」

 

「あぁ、俺の力って、結構厄介だからな。

もしかして、その影響で?」

 

「というか、これって、ジクウドライバーに収まるの?」

 

「えっできるだろ」

 

そう言いながらジオウは片方のスロットを空けて、新たなライドウォッチを装填したが

 

「重くて、全然動かないんだけど?」

 

「そんな事ないだろ、こうやって、痛ぇ、痛ててぇ!!」

 

「あっ回転したって、ぐぁ!!

 

ジクウドライバーに無理矢理収めて、ライドウォッチを動かそうとする。

 

だが、ジクウドライバーの回転と共にギンさんの手に当たり、回転の勢いは収まらず、ライドウォッチはジオウの腹部に当たり、二人はそのまま地面を転げながら痛みを訴える。

 

「なにこれ!?

結構な鈍器なんですけど!?

皆、ギンガミライドウォッチで遊ぶ時にはジクウドライバーに装填して、回す時は注意してぇ!!

本当に危ないからぁ!?」

 

「しっかり装填しないと吹き飛ぶし、回す時はゆっくりとぉ!!」

 

そう言いながら、転がる姿を見て、その場にいた全員は白い目で見つめていた。

 

「ふむ、どうやらこれは私が使った方が良いな」

 

「あっウォズ」

 

戦いを終えて、出てきたウォズはそのままギンガミライドウォッチを手に取る。

 

「それじゃあ、頼むよ、ウォズ」

 

「我が王からの授かりもの、確かに受け取りました。

それよりも我が王、緊急の指令です」

 

「緊急?」

 

「映像の解析の為、長野県へと向かうらしい」

 

「長野県?」

 

「なに、面倒だなぁ」

 

そう言いながら、ギンさんは鼻をほじくっていると

 

「あれ?」

 

「「ん?」」

 

ギンさんの声が聞こえ、見つめると、その真下には黒い穴が開いていた。

 

「えっ嘘だろぉ!!

限定スイーツがあああぁ!!}

 

その言葉と共にギンさんはそのまま穴の中へと吸い込まれていった。

 

「ぎっギンさあぁぁぁん!!」

 

ソウゴはそのままギンさんに向けて、悲劇の別れを迎えたように手を伸ばしていた。

 

「・・・我が王、それでは失礼します」

 

「ソウゴ、今日はどうしたのかしら?」

 

「ギンガの空気に当てられて、混乱しているデスか?」

 

「そっとしておこう」

 

そのまま何事もなかったようにその場にいたソウゴ以外の全員が立ち去った。

 

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム

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