戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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黒い過去を超える白

「いや、気になる事が一つあるのデス」

 

「気になる事?」

 

その出来事は突然だった。

 

始まりはカリオストロを捕らえ、見張りの交代を行っている時、食事をしている彼女達の中でとある疑問を思い浮かんだ切歌の言葉だった。

 

「ソウゴさんと、マリアって、なんだか妙に息が合っていないデスか?」

 

「はぁ、そりゃあ、仲間だからそうだろう」

 

「いや、でも」

 

そう言い、切歌は目を二人の方向に移す。

 

現在、二人は食堂で渡されたメニューで食べていたのだが、ソウゴが魚の醤油を探している時にマリアがそっと醤油を差し出していた。

 

そして受け取ると、今度はマリアのコップに水が足りなくなっている事に気づき、水を足していた。

 

「なんだか熟練の夫婦のような呼吸デス」

 

「そっそっそんな訳ないだろぉ!?」

 

その事に反応したのはクリスだった。

 

「でもマリアがソウゴさんと結婚したら、私達のお兄さん的ポジション?」

 

「それだったら、私達も姉妹みたいだね」

 

「お前はもうちょっと危機感を持て!!」

 

切歌と調は将来的な姿を見ながら、響は特に気にしていない様子で話していた。

 

クリスはそう言いながら、頭を抱える。

 

(どっどうするんだよぉ!?

こいつらは特に恋愛とか程遠いから特に問題視していなかったけど、まさかマリアかよ!!)

 

そう危機感を募らせながらクリスはマリア達の方を向いていると、ふと疑問に思う。

 

「待てよ、なぁウォズ」

 

「なんだね?

私は今はデザートを楽しんでいる所だが」

 

ウォズはそう言いながら、目の前にあるケーキを楽しんでいた。

 

「いや、その本に何かと未来の事を結構書いていたけど、そこに、そのソウゴの結婚相手とか書いているのか?」

 

「それは難しい質問だね。

この本に記載されているのは、我が王がこれまで歩んできた覇道の道のみだ。

だから、これからの可能性はまったく書かれていない」

 

「お前は変わらず、謎が多すぎるな」

 

そう言いながら、ゲイツは目の前の食事を食べていたが

 

「んっ?」

 

「どうかしたかね?」

 

「タイムマジーンに近づく奴がいる」

 

「なに!?」

 

「タイムマジーンって、えっでもあれってどこにあるの?」

 

「というか、なんで気付いた?」

 

ゲイツの突然の言葉に驚きを隠せない一同だったが、その手に持っているゲイツライドウォッチを見る。

 

「タイムマジーンを操るには登録されたライドウォッチが必要になっている。

誰かが乗り込んだら、ここに知らせが来るようになっている」

 

「なんの騒ぎなの?」

 

そんなゲイツの話が気になり、ソウゴとマリアもすぐに近づく。

 

「タイムマジーンが盗まれそうになっている」

 

「えっ、嘘!?」

 

「とにかく行くぞ、あれが盗まれれば、恐ろしい事になる」

 

「戦力が一つに集まれば、もしもの時が危険だ。

ここは幾つかに分かれないと」

 

「とりあえず、俺がタイムマジーンを見てくる」

 

「たくっ、待ちなさい!!」

 

ソウゴが走り出すと、呆れたように声を出しながらマリアもその後に続く。

 

「だけど、こんな時間に侵入って一体誰が」

 

「気になるのも分かるけど、今は現場によ」

 

「あぁ」

 

そう言い、二人が辿り着いた格納庫にはタイムマジーンが未だに出撃されていない状態で佇んでいた。

 

何も問題ないように見えながら、二人は見渡す。

 

「見た所、特に問題ない気がするけど」

 

「ああっ!?」

 

そう話し合っていると、ソウゴの脳裏に突然風景が見えた。

 

その風景は、二人が進んでいると、突然現れた黒い影に襲われ、ジオウライドウォッチが奪われた場面だった。

 

「まさかっ、これが罠!!」

 

「えっ!?」

 

ソウゴはすぐに手に持ったジオウⅡライドウォッチを取り出す。

 

【【ジオウ】】

 

「変身!」

 

そのまますぐに対応できるようにジクウドライバーに装填し、腰に回して、変身する。

 

【ライダータイム!仮面ライダー!ライダー!ジオウ!ジオウ!ジオウⅡ!】

 

ジオウⅡへと変身すると同時に、さらに詳しい予知が見えたジオウはそのまま蹴り上げると、そこに現れたのはかつてソウゴに力を貸したカブトにそっくりな姿をした存在だった。

 

「黒いカブト!?」

 

『我が王、聞こえるか?』

 

「ウォズ、こいつの事、知っているの?」

 

『彼は仮面ライダーダークカブト。

仮面ライダーカブトのダークライダーだが一体』

 

「悪いが、私の目的の為に、お前達を倒させてもらう」

 

「目的ですって?」

 

ダークカブトの言葉に対して、疑問に思えたマリアはダークカブトを睨みつける。

 

『セレナを助ける。

私はその為にこの世界に来た』

 

「セレナですって!!」

 

ダークカブトの一言はマリアにとって、驚きを隠せなかった。

 

「あなたも知っているはずよ。

タイムマジーンを使えば、過去に行ける。

それでのあの事故の時に行けば」

 

その言葉をそれ以上言う事ができなかった。マリアが遮るように言葉を放ったからだ。

 

「悪いけど、あなたの提案は聞けないわ」

 

「なんですって?」

 

その言葉と共に、マリアの手元にはカブトが変身の時に使用していたアイテム、カブトゼクターが手元に収まる。

 

「私は、あの子の姉として、あなたを止める」

 

「付き合うぜ」

 

その言葉と共に、ジオウもまたライドウォッチを取り出す。

 

【カブト】

 

「「変身!」」

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!

アーマータイム!CHANGEBEETLE!カブト】

 

ジオウはカブトライドウォッチをジクウドライバーに装填し、回す事でカブトアーマーを身に着ける。

 

そしてマリアのアガートラームにも変化が起きていた。

 

アガートラームの上には必要最低限の赤い装甲を身にまとい、彼女の髪を束ねるようにカブトの髪飾りで纏められる。

 

まったく異なる姿をし、カブトと同じ力を持つ者達はその場で動かず、見つめ合いながら、ゆっくりと腰に手を伸ばす。

 

「「「クロックアップ!」」」

 

その一言と共にジオウ達の周りの光景がゆっくりとなり始める。

 

カブト達が使用するクロックアップシステムの影響により、彼らは超高速行動を行えるようになった。

 

現在、S.O.N.Gからは、戦いの結末が分かるのは10秒未満であった。

 

ジオウはその手に持ったジカンギレードを持ちながら攻撃を仕掛けるも、ダークカブトはその手に持っているクナイガンで攻撃を促しながら攻め込む。

 

ジカンギレードの攻撃はクナイガンを遙かに上回る攻撃力を持っていたが、ダークカブトは自身の経験を活かし、攻撃を受け流していた。

 

「だけど、甘いっ!」

 

「ぐっ」

 

そんなダークカブトを横から攻め込んでいくのはマリアだった。

 

カブトアーマーを身につけた事により、アガートラームから作り出される短剣はクナイガンに摸した形となっていた。

 

かつて装着していた鎧武アーマーに比べれば、彼女が普段から行っている短剣による戦闘を行いやすくなっていた。

 

それにより、ソウゴの威力重視の攻撃の合間を縫うように戦うマリアとの連携は、ダークカブトにとっては戦況を厳しくしていた。

 

「だがぁ、負けるものかぁ!!」

 

ダークカブトはその言葉と共に、その手に持ったクナイガンの持ち手を変え、銃へと変え、彼らを向けて放つ。

 

瞬時にジカンギレードを盾にして、攻撃を防ぎ、マリアはそのままジオウの後ろへと隠れる。

 

「あなたは後悔しているはずよ。

セレナが死んだ事を、なのに、なんで会える可能性にすがらない!!」

 

「確かに私はセレナと会いたい。

あなたの言葉を聞けば、その可能性はあるわ」

 

「なら「だけど」っ!」

 

「それでセレナが喜ぶとは思わない。

私は、セレナに誇れる私になる為に戦う!!」

 

その言葉と共にマリアの身体を包んでいるカブトアーマーは赤色から白銀へと変わり、背中には蝶を思わせる羽が現れる。

 

その姿はカブトアーマーの先にある姿、ハイパーカブトアーマーへと変わった。

 

「確かに妹を思うお前の気持ちは分かる。

だけど、妹が本当に思う心を変えてはいけないだろ!!」

 

そして、マリアに重なるように、ジオウのカブトアーマーもかつて使ったハイパーカブトアーマーへと変わる。

 

そしてソウゴはジカンギレードをサイキョージカンギレードへ、マリアはカブト最強の武器であるパーフェクトゼクターを手に持つ。

 

「「はああぁ!!」」

 

【フィニッシュタイム!】

 

その音声と共にジオウとマリアは走り出す。

 

ダークカブトはその手に持ったクナイガンを二人に向けて放つが、二人は一瞬で姿を消す。

 

「っ!!」

 

【ハイパークロック!タイムブレーク!】

 

その音声と共にダークカブトの目の前にジオウが現れ、その手に持ったサイキョージカンギレードで切り裂く。

 

同時に背後から現れたマリアはその手に持ったパーフェクトゼクターによって、ダークカブトを切り裂いた

 

【AVALANCHE † RIPPER】

 

二人の剣を前後から喰らい、ダークカブトは膝から崩れ落ちる。

 

「ぐっ」

 

同時にダークカブトの変身は解除され、その正体が明かされる。

 

「・・・やっぱりね、あなたがダークカブトの正体だったのね」

 

そこにいたのはマリアだった。

 

「確かにあなたの言うとおりよ。

私がやろうとした事はセレナに誇れる事じゃないわ。

でも、それでも私は、セレナに会いたいの、それが何が悪いの!!」

 

その言葉と共にもう一人のマリアは詰め寄る。

 

「それでセレナを悲しませる。

私は、それだけは絶対にしたくない。

それが、今の私の答えだから」

 

「セレナを悲しませる」

 

その言葉を聞き、もう一人のマリアはゆっくりと後ろへと倒れる。

 

「・・・・そうね、確かにその通りね」

 

その言葉と共にもう一人のマリアの身体は徐々にだが、消え始めた。

 

「ならば、覚悟を決める事よ。

セレナへの思いを決して忘れない事を」

 

「えぇ、それだけは決して変えるつもりはないわ」

 

そう言い、二人は対峙しながら、消える瞬間まで見ていた。

 

そして、もう一人のマリアが消えた瞬間に、マリアは涙を流し始める。

 

「マリア」

 

「もしも、私がまだガングニールを持っていた時にタイムマジーンの事を知っていたら、きっともう一人の私と同じ事をしようとした。

だからこそ」

 

「まぁ、俺も気持ちは分かるけどな」

 

そう言いながら、マリアと共にもう一人のマリアが消えた場所を見る。

 

「俺達は互いに命に懸けても守りたい妹がいる」

 

「本当にね、あなたとは、そういう意味では結構気が合うわ」

 

「まったくだ」

 

そう言いながら互いに笑みを浮かべながら、ゆっくりと歩いていくのだった。

 

次に向かう場所は?

  • パックタウン
  • イビルシティ
  • 巨大街
  • 機器妖怪横丁

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