戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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崩壊した時の中で

敵組織の幹部である二人の監視は強化されていた。

 

何を企んでいるのかわからない事もあり、彼女達に対してシンフォギア奏者が二人または仮面ライダーが見張る形となっていた。

 

「それにしても、これはまた」

 

「むっ?」

 

その日はライブの仕事なども終え、休憩を行っていた翼が目の前にいたのはウォズだった。

 

普段はまるで執事のようにソウゴに付き従っていたウォズにしては珍しく、何やらぶつぶつと呟いていた。

 

「何をしているのだ、ウォズさん?」

 

「んっ、これは翼君ではないか」

 

翼の存在にようやく気付いたのか、手に持っていた本を閉じ、笑みを浮かべた。

 

「どうしたのですか、何か悩みでも?」

 

「いや、何も」

 

そう言いながらも、何やら焦った様子のウォズを見て、気になりだした翼は普段から持ち歩いている本を見つめる。

 

「そう言えば、ウォズさんはいつも持ち歩いてる本にはこの世界の歴史が描かれているんですか?」

 

「それは、少し違う、

この本にはこの世界の基本的な事、そして、仮面ライダーの事だけ」

 

「仮面ライダーの事?

そもそも、仮面ライダーとは」

 

ふと、そこで疑問に思ったのは仮面ライダーという存在に対してだった。

 

ソウゴ達が変身するジオウ、それに力を貸す仮面ライダー達は各々の力の源は全く異なるように見える。

 

なのに、その全員が『仮面ライダー』と名乗っていた。

 

「翼君、それ以上はあまり考えない方が良い」

 

「むっ、何やら少し癪に障りますな。

私達は仲間ではないのか?」

 

「奇妙な事だな。

仲間か」

 

そう言ったウォズは少し悲しそうな表情をした。

 

「今、この場にいないのはツクヨミ君だけか」

 

「月読?」

 

「なに、ただの戯言だよ」

 

そう奇妙な言葉を並べるウォズに疑問に思っていた時だった。

 

「っ!!」

 

「どうしたんですか?」

 

「本から、歴史が消えている!!」

 

「えっ、歴史がっ!!」

 

ウォズの口から更に驚くべき言葉が飛び出した。

 

「だが、これは書き換えているというよりも消滅している!!」

 

「ウォズさん」

 

「させない、させてたまるかっ!!」

 

その言葉と共に、普段では考えられない程に焦った声を出しながらタイムマジーンの元へと向かった。

 

翼も急いで追いかけるも、既にタイムマジーンが出撃した後だった。

 

「あの表情は」

 

その表情には見覚えがあった。

 

それはかつて自身の大切な相棒を無くした時の悲しみの顔だった。

 

「隠し事があるようだが、それでも」

 

そう思った瞬間だった。

 

奇妙な汽笛が聞こえ、翼の目の前に見たことのない新幹線が現れる。

 

「なっ!!」

 

驚いている翼は気が付けばいつの間にか新幹線の中へと入っていた。

 

「ここは一体っ!!」

 

「ここは時の電車デンライナー。

あなたの言う所の、タイムマシンです」

 

「えっ」

 

突然声が聞こえ、見てみると、そこにはスーツを着た男性が立っていた。

 

「本来ならば、チケットまたはパスが無ければ乗車はできませんが、今回はこれを乗車券代わりとしましょう」

 

その言葉を聞き、翼は自分の手の中を見てみると、そこには電王ライドウォッチがあった。

 

「これはっ!!」

 

「そろそろ目的地に到着します。

最後に一つ」

 

「はっはい」

 

何が起きているのか分からず、思わず返事した翼に対して謎の男性は

 

「この世界は一旦巻き戻され、合わさりました。

そこから作り出される時間はまったくもって、未知の未来です」

 

「合わさった?」

 

その言葉の意味が分からず、聞き返した。

 

だが、そうしている間に再び汽笛が鳴るのと同時に、目の前には既に廃墟となりかけている町が映った。

 

「ここはっ!!」

 

疑問に思っていると、目の前では

 

「はぁ!!」

 

「ぐっ」

 

気付くと、廃墟の中では仮面ライダーウォズに変身しているウォズと、謎の銅色の仮面ライダーが戦っていた。

 

「なんだ、お前は、邪魔をして」

 

「君こそ、なぜ時を壊そうとする、仮面ライダーガオウ!!」

 

銅色の仮面ライダーガオウはそのまま大胆不敵に歩きながら

 

「時なんて飽き飽きとしていたからね。

まさかこうして蘇ったんだ、ならば前に果たせなかった事を果たすだけだ」

 

「そのような事、私がさせない!!

この世界は、我が王が「五月蠅いんだよ」っ!!」

 

ウォズの必死な抵抗をあざ笑うようにガオウはそのまま手に持ったガオウガッシャーをウォズに向けて振り下ろす。

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

その言葉を聞く共に、翼は走り出し、アームドギアでその攻撃を防ぐ。

 

「ほぅ」

 

「翼君?」

 

「あなたの事は全く分からない。

だがしかし、ソウゴを信じているあなたの言葉を私は信じたいと思いたい」

 

「茶番は終わったか?」

 

その言葉と共にガオウは翼達を吹き飛ばす。

 

ウォズはすぐに翼を庇いながら、その場から離れた。

 

「ふっ、そうだな。

仲間というのは、何時の間にかなっていたようだな」

 

そうして、ウォズはNEW電王ミライドウォッチを取り出す。

 

「ガオウには電王の力で対応する」

 

「どういう事だ?」

 

「仮面ライダーガオウ。

彼はかつて時の崩壊を目論んだが、仮面ライダー電王の活躍によって、その野望は打ち砕かれた」

 

「なるほど、運命かもしれないな」

 

その言葉と共に翼もまた電王ライドウォッチを取り出す。

 

「「変身」」

 

【フューチャータイム!ストライクフォーム!NEW電王!】

 

その声と共にウォズは仮面ライダーウォズフューチャリングNEW電王へと変わる。

 

そして翼の周りに電車が現れ、赤いアーマーが装着され、その手に持った剣は目の前にいるガオウとは刀身以外は同じデンガッシャーとなっていた。

 

「両方とも電王か。

良いだろう、どっちも食ってやるよ」

 

「行くぞ」

 

「えぇ」

 

その言葉と共に、二人はガオウに向かって走り出した。

 

ウォズと翼はその手に持つ武器を使った、訓練によって身に着けた鋭い一撃をガオウに向けて放っていく。

 

だが、ガオウはその手に持つガオウガッシャーを受け止め、豪快に吹き飛ばす。

 

「ぐっ、やはりパワー不足か」

 

「だが、負ける訳にはいかない」

 

吹き飛ばされた二人だが、その場で一回転しながら受け身を取ると同時に走り出す。

 

「無駄な事ばかりをして、何になる」

 

そう言いながら、攻め込んでくる二人に対して、荒々しい攻撃で対応していくガオウ。

 

3人の攻防が続いていく中で、ガオウはウォズのジカンデスピアーを足で抑える。

 

「ふっ」

 

「ぐっ!!」

 

一瞬動きを止めたウォズに向けて、ガオウは右足に瞬時に集めたエネルギーと共にウォズを蹴り上げる。

 

「隙ありだ」

 

「甘いんだよ」

 

吹き飛ばされるウォズ。攻撃動作で一瞬の隙ができたガオウに翼は攻撃するがデンガッシャーを瞬時に掴む。

 

「てめぇらじゃ、満たされないんだよ」

 

「それはしっかりと見てから言いたまえ」

 

「なに?」

 

疑問に思うガオウ。

 

その疑問に答えるように背中に強烈な衝撃が襲う。

 

「ぐっ、何がっ!!」

 

「悪いが、小細工をさせてもらった」

 

その言葉と共に翼のデンガッシャーの先にある刃が離れていた。

 

「ほぅ、なかなかに面白いじゃないかよ!!」

 

「はああぁ!!」

 

ガオウは再び攻撃を仕掛けてくるが、翼は瞬時に刃を操る。

 

「ちっ面倒だな」

 

普段から様々な大きさの刃を操っている翼と電王のデンガッシャー刃による軌道は、ガオウにとっては対応しづらいものとなっていた。

 

対して、翼はこれまで様々な大きさに変化する刀の戦い方を熟知しており、デンガッシャーの軌道は簡単に操る事ができた。

 

「だが、それもこれまでだ」

 

【FULLCHARGE】

 

「なっ!!」

 

ガオウはその手に持ったマスターパスをベルトにかざす事で、ガオウガッシャーの刀身が離れ、デンガッシャーの刀身を飛ばす。

 

「これで終わりだぁ!!」

 

その言葉と共にガオウガッシャーの刀身が翼に襲い掛かろうとしていた。

 

「まだだ」

 

だが、その戦いを止める声が聞こえる。

 

【ビヨンドタイム!FULLCHARGE!】

 

それはガオウによって吹き飛ばされていたウォズだった。

 

ウォズの手に収まっていたジカンデスピアーのエネルギーが集まり、飛ばされたデンガッシャーの刀身に当てる。

 

「受け取りたまえ!!」

 

「ありがとうございます!!」

 

その言葉と共に、翼の元に戻ってきたデンガッシャーの刃を受け取ると共に、その刀身には緑と青の光が交互に出ていた。

 

そして翼はそのままデンガッシャーを持ったままガオウガッシャーの刀身を砕く。

 

「なっ!!」

 

「はああぁ!!」

 

武器であるガオウガッシャーが破壊された事により、ガオウは一瞬の躊躇が生まれ、翼はその隙を逃さなかった。

 

脚部から現れた刀はそのままジェットととなり飛び、エネルギーを纏ったデンガッシャーでガオウを一閃する。

 

【蒼ノ極限斬】

 

「がっ!!」

 

その一撃を防ぐ事ができず、膝から倒れそうになるガオウ。

 

「ちっどうやら、また俺は時に食われるようだな」

 

「悪いが、君はここで倒させてもらう」

 

「あぁ、だがな、俺にはまだ、あれがあるのを忘れていないかぁ!!」

 

「っしまった!!」

 

ウォズはこの時、ガオウが言った言葉を理解し、振り向く。

 

そこにはガオウと同じ色をしたワニを思わせる電車が走っていた。

 

「あれは」

 

「ガオウライナー。

時を食らう事ができる時の電車だ、もしもあれが暴れれば、この時間だけではなく、未来も消えてしまう」

 

「なっ」

 

「これで終わりだぁ!!」

 

上空ではガオウライナーキバが暴れており、時空の崩壊の危機が訪れていた。

 

「どうすればっ!!」

 

そう言おうとした瞬間、ガオウライナーキバの動きが止まる。

 

「何が」

 

「っ、あれは!!!」

 

翼は何が起きたのか疑問に思っていると、ガオウライナーキバが徐々に崩壊していった。

 

【祝福の刻!】

 

「っ!!」

 

その音が聞こえる

 

【最高!最善!最大!最強王! 逢魔時王】

 

その音が聞こえた瞬間、現れた瞬間、翼にとってはこれまでにない恐怖を感じた。

 

数々の強敵と戦った翼だが、その存在が現れた瞬間、一つの考えが出てしまう。

 

(あれには、絶対に勝てない!!)

 

「お前は一体っ!!」

 

ガオウがそう叫ぼうとした瞬間、その存在は一瞬でガオウに近づき、手を一振り。

 

それだけでガオウは消滅した。

 

「お前は」

 

「俺は、オーマジオウ」

 

その一言を呟くと同時に、存在はまるで幻のように消え去っていった。

 

「一体何が」

 

「時空が崩壊した影響だろ。

その影響で現れたのだろう」

 

ウォズの言葉を聞き、見つめると、そこには涙を流すのを必死に抑えているウォズの姿があった。

 

「ウォズ?」

 

「失礼、気にしないでくれ」

 

翼の疑問に答えることなく、そう言うウォズだった。

 

空に開いた時空の穴が元に戻るまでの間、ウォズは必死に抑えていた。

 

そして、ウォズとは違う、遠い場所において

 

「・・・まさか一時的に奴が蘇るとはな。

時空の崩壊を容易に行わない方が良いな」

 

木の影から現れたスウォルツはそう言いながら、手に持つ3つのブランクライドウォッチを取り出す。

 

「未だに完全ではない。

だが、完全に手に入れた時にこそ、今度こそ」

 

ウォズとスウォルツ、彼らが何を思い、オーマジオウを見たのか、その意味を知る者はこの世界には存在しない。

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム
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