戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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時代を超え、受け継いだ力

パヴァリア光明結社の作戦をより詳しく知る為にS.O.N.Gは調査を進めていた。

 

その日はソウゴと切歌が神社を調べていたのだが

 

「意味、分かる?」

 

「さっぱりデス」

 

二人は神社に保管されている資料を睨み合いながら呟く。

 

現在確認されている6ヵ所の神社の調査を行っており、響は学校の宿題をしている為、必然的に人数が分かれる事になった。

 

「それにしても、ライダーアーマーは夢とロマンがあるデス!!

ソウゴさんはどのライダーが好きデスか!」

 

「いやいや、そういうのは良いから。

まぁ実際目の前で本物の戦いを見たディケイドが印象的だったな」

 

既に調査を一段落し、雑談の中で出てきた話。

 

切歌はこれまで戦った数多くのライダー達への興味が尽きず、ソウゴも話し出す。

 

「でも不思議なんだよな」

 

「不思議?」

 

「なんていか、士さんは最初からなんでも知っているように話していたんだ。

それもどこかで」

 

「?」

 

「なんでもない、とりあえずは資料を持ち帰らないとって!!」

 

「どうしたんデースッ!」

 

神社から外へと出ようとした瞬間、上空は気味の悪い時計が記されている光に包まれていた。

 

「ほっホラーデスか!

ホラーゲームの世界に入り込んでしまったデスか!!」

 

「だっだっ大丈夫だよ。

いざとなったら、キバとゴーストがいるから」

 

「なっなるほどデスっ!!

お化けに吸血鬼のライダーだったら、怖いものなしデス!!」

 

対策候補のライダー達の名前を聞き、安心した様子で落ち着きを取り戻す。

 

そんな時だった。

 

「結界だ」

 

「「っ!!」」

 

その言葉を聞くと共に二人は声の主を見つめる。

 

「お前は加古川飛流!」

 

「残っているアナザーライダーの力を使っている」

 

「なに?」

 

その言葉と共に、上を見れば、そこにはアナザーライダーだと思われる顔が浮かんでいた。

 

「まさかっ!!」

 

「そして、ライドウォッチを転送する事もできない。

つまりはお前はジオウの力しか使えない!!」

 

「ちっ」

 

その言葉と共に飛流は余裕な笑みを浮かべていた。

 

「まさか、罠だったんデスか」

 

「だとしても、戦わないといけないようだな」

 

そう言い、ソウゴはジオウライドウォッチを取り出す。

 

「やるしかないデスか」

 

「まったく、狡い事をするなぁ!!」

 

「この声はまさかっギンさん!!」

 

「なにっ!!」

 

その声に聞き覚えがあったので二人は振り向いたが、そこにいたのはギンさんでもなければ人間ですらなかった。黒と黄色の身体に真っ赤な大きな目を持つ、小さなコウモリだったのだ。

 

「キバっていくぜぇ!!」

 

「「なんだか小さくなっている!!」」

 

「失礼な、俺様はキバットバット三世だぁ!!

それよりも、力を貸してやるぜ、お嬢ちゃん!!」

 

「なんだか分からないけど、了解デス!」

 

ジオウはジカンギレードを、切歌は手に持った青、緑、紫の三色に光るイガリマを構える。

 

「常盤ソウゴォ!!」

 

その叫び声と共にショングは雄叫びを上げ、ライドウォッチをジクウドライバーに装填する。

 

【ライダータイム!仮面ライダーショング!

アーマータイム!~!ライダーマン!】

 

その音声と共にショングの片手は巨大なマシンガンになり、襲い掛かる。

 

だが、切歌がその手に持ったイガリマは形を変え、巨大な波を起こし、ショングに襲い掛かる。

 

「目くらましを」

 

「十分なんだよ」

 

その言葉と共に波の中から現れたジオウは、ショングを蹴る。

 

一瞬の事で反応できなかったが、ショングは驚く。

 

「貴様っ!!」

 

「俺のライドウォッチが使えないんだったら、こっちを使えば良い」

 

その言葉と共にジオウが手に取ったのはショングが持っていたライドウォッチの一つであるV3ライドウォッチだった。

 

【V3】

 

その音声と共にV3ライドウォッチをそのままジクウドライバーに装填する。

 

「っ!!」

 

同時にソウゴは横を見ると、そこにはライドウォッチに描かれていたライダーがそこに立っていた。

 

無言であったが、ソウゴを見つめ、頷くと共に消える。

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!

アーマータイム!ダブルタイフーン!命のベルト!V3】

 

その音声が鳴り響くと同時にジオウの目の前に現れたV3アーマーが現れ、ジオウに装着される。

 

V3アーマーが装着されると同時にジオウの首元からマフラーが現れ、【ブイスリー】と描かれた文字が緑色に光り輝く。

 

「なにっ!!」

 

その姿に驚くショングだが、すぐに腕に装着されたマシンガンをジオウに向けて放つ。

 

「まだだ!!」

 

【ストロンガー】

 

【ZX】

 

ショングは次々とアーマーを入れ替え、そのアーマーに備わっている攻撃を次々と放っていく。

 

ストロンガーの雷が、ZXの十字手裏剣がジオウに襲い掛かる。

 

「無駄だ」

 

「なっ」

 

そこに立っているジオウには傷一つ負っていなかった。

 

「V3バリアー、結構便利だな。

それに、お前がライダーの力で攻撃をしているようだが、全然ないぞ、そんなの」

 

「なにっ!?」

 

「俺には伝わっている、ライダー達の思いが、俺の中にっ!!」

 

「そして、私を忘れてもらっては困るデス!!」

 

「しまった!!」

 

何時の間にか背後に回っていた切歌はその手に持っているイガリマを狼の牙のように変え、ショングへ振り下ろす。

 

同時にショングが持っていたライドウォッチが全て落ちる。

 

「駄目だ、それは俺の力だぁ!!」

 

「違う!!」

 

同時にライドウォッチの一つ一つが光り始め、飛んでいく。

 

それらは全てジオウの手元へと集っていく。

 

「ライダーの力は人々を守る為にある」

 

「誰かを傷つける為ではない!!」

 

その言葉と共にジオウの後ろに現れたのは幻となっているが、ショングが持っていた力の大本である、1号をはじめとした昭和ライダーだった。

 

「ジオウ、君に俺達の力を託す」

 

「人々の自由と平和の為に」

 

「頼んだ」

 

その言葉と共に1号達は光となり、空へと飛びあがる。

 

「ライダーキック!!」

 

雄叫びと共に、絶対防御であったはずの結界は仮面ライダー達によって崩壊する。

 

「ぐっ、まだだぁ!!」

 

「ジオウ!!」

 

諦めず、ショングは立ち上がる。

 

その言葉と共にショングの体から溢れ出す黒い煙は背後から巨大な怪物、キングダークを生み出す。

 

同時に駆け付けるゲイツ。

 

「ゲイツ!」

 

「結界が破れて、一番乗りは俺か。

というよりも、そのライドウォッチは」

 

「ゲイツ、これを一緒に使う」

 

「これは、良いだろう」

 

【1号】

 

【2号】

 

ゲイツはそのまま受け取った2号ライドウォッチを起動させ、ジオウも1号ライドウォッチを起動させる。

 

ライドウォッチをジクウドライバーに装填すると同時にジオウは右腕を上に構え、ゲイツは左手を上に上げ、構える。

 

「「変身!」」

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!

アーマータイム!技の1号!1号!】

 

【ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!

アーマータイム!力の2号!2号!】

 

二人のライダーが変身すると同時に、二人のジクウドライバーから溢れ出す風。ショングは驚きを隠せなかった。

 

「なんだ、あれはっ!!」

 

「祝え!」

 

ショングの疑問に答えるように現れたのはウォズだった。

 

「全ライダーの力を受け継ぎ、過去と未来を知らしめる者。

その名も仮面ライダージオウ 1号アーマー!

相棒のゲイツ2号アーマーと共に、今、最強の二人の力を受け継いだ瞬間である!!

そして」

 

それに合わせるようにウォズの手にはこれまでにないミライドウォッチがあった。

 

【3号】

 

「変身」

 

【フューチャータイム!最強最速のライダー!3号!】

 

「この瞬間、最強のトリオの完成である」

 

「あわわぁ、私の影が」

 

「切歌、あいつを頼めるか」

 

「むぅ、まぁ仕方ない、合点の招致デス!」

 

その言葉と共に切歌がイガリマを構えると、そこから出てきた3つの光は人型へと変わる。

 

そこに立っていたのはまるで仮面ライダーのような姿になったガルル、バッシャー、ドッガであった。

 

「ふっ久しぶりに暴れるか」

 

「こういうのはキャッスルドランの方が適任じゃないの?」

 

「シカタナイ」

 

「うわぁ、喋ったデス!!」

 

「むっ、子供か。

まぁあの女よりもマシか、命令は」

 

「ジオウ達の邪魔にならないようにあのデカブツを倒すデス!」

 

「了解だ」

 

命令を聞き入れた3人の怪人は切歌と共にキングダークへと立ち向かう。

 

「はああぁ!!」

 

同時にジオウ達はショングへと立ち向かう。

 

ショングはその手に持ったジカンハンマーを取り出し、振り回す。

 

ジカンハンマーは地面を叩き割りながら迫っていくが、ゲイツは走り出す。

 

「ふっ!!」

 

「なっ」

 

ゲイツはそのままジカンハンマーを掴む。

 

すぐにジェットを噴射させ、勢いを増加させようとするも、ゲイツは決して動かない。

 

「ライダーパンチ!!」

 

その言葉と共にショングは吹き飛ばされる。

 

「なっなんだ、これはっ、俺が使った時にはこれ程の力はなかったぞっ!!」

 

「当たり前だ、君は仮面ライダーから力を受け継いでいない」

 

「何を言っているっ!!

俺は力を確かに持っていた」

 

そう言いながら、目では捕らえられない程の速さで動くウォズは語りながら、攻撃する。

 

「力を十全に使うにはライダーの意思も受け継がなければならない。

力のみに固執した君では、彼らの真の力は受け継げないのは道理だ」

 

「ぐっ」

 

ウォズによって、吹き飛ばされたショングはそのまま地面へと倒れる。

 

「決めるぞ、ゲイツ、ウォズ」

 

「あぁ」

 

「了解した」

 

【【【フィニッシュタイム!(ビヨンドタイム!)ライダー!タイムブレーク(バースト)(エクスプロージョン)】】】

 

「「「とぉ!!」」」

 

三人は風を纏いながら、空へと舞い上がる。

 

「「「ライダーキック!」」」

 

そして、そのまま右足に風のエネルギーを纏うと同時にウォズ、ゲイツ、ジオウの順にショングに向かってライダーキックを浴びせる。

 

「ぐっがぁ」

 

三人のライダーキックを食らい、ショングはそのまま地面に埋め込まれる程の衝撃を受ける。

 

同時にジクウドライバーに装填されていたショングライドウォッチは砕け散り、変身が解除される。

 

「ぐぅ」

 

「こっちも決めるデス!!」

 

「「「あぁ」」」

 

一方切歌達の戦いも終盤に差し掛かっていた。切歌がその手に持ったイガリマの鎌にに3体の力が合わさり、巨大な吸血鬼の牙になり、切り裂く。

 

【キBッ手、井久ゼェ】

 

「ぐっ、くそ」

 

全ての戦いに敗れた加古川は地面を叩く。

 

「加古川、もう戦う手段はない。

だから、大人しくしろ」

 

「うるさい!!

俺から全てを奪ったお前を絶対に許さない!!

両親を奪った全てを憎むっ、貴様を絶対に許さないっ!!」

 

「こいつは一体」

 

「アナザーライダーの力を使い続け、既に精神が危険な状態になっている」

 

「アナザーライダー?

あいつはアナザーライダーになった事があるのか?」

 

「あぁ、2回、それもアナザーライダーの中でも最も厄介な存在にっ!」

 

ウォズの言葉を遮るように、何か巨大な気配を感じ、見てみると、加古川のジクウドライバーが変化していた。

 

その色はこれまでソウゴ達が使っていたジクウドライバーと同じ白から黒に染まり、その姿は変わる。

 

「あれはアナザージオウ!」

 

「っ」

 

一瞬、アナザージオウへと変わるがすぐに形を変化する。

 

「アナザージオウⅡっ、まだ変化するのかっ」

 

そして、そこに現れたのは、これまで倒してきたアナザーライダー達のパーツを無理矢理組み合わせたような姿をした、全身が黄金のアナザージオウだった。

 

「あれは一体」

 

「まさか、アナザーグランドジオウっ!!」

 

「グランドジオウ?」

 

その名に疑問に思ったソウゴは尋ねようとしたが

 

「ガアアァァ!!」

 

アナザーグランドジオウの叫び声に阻まれ、構えようとしたが

 

「さすがにここで暴走しては困る」

 

一瞬でアナザーグランドジオウの動きは止まり、スウォルツが現れる。

 

「そういう事か。

奇妙だと思ったよ、スウォルツ」

 

「なぜ語らないのか、この世界の真実を」

 

「世界の」

 

「真実デス?」

 

突然出てきた世界の真実という言葉。

 

「あの戦い、あの時、わずかでも手に入れた力で記憶を保持していた訳か」

 

「さぁな、ではな」

 

その言葉と共にスウォルツとアナザーグランドジオウは完全にいなくなる。

 

「なぁ、ウォズ、世界の真実って一体なんなんだ!!」

 

ゲイツはすぐにウォズに近寄る。

 

「・・・今、まだアナザーグランドジオウ、そして錬金術師の戦いが残っている。

そんな状況では話せない」

 

それだけ、絞り出すようにウォズは言う。

 

「・・・終わったら、話してくれるか」

 

「勿論、既に時は来たのだから」

 

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム

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