戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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目覚める意味は

「響は受験先はどこにするつもりなんだ?」

 

「どこにしようか、今は迷っている」

 

俺達は昼飯を食べながら、雑談を続けていた。

 

衝撃的な誕生日プレゼントから数ヶ月、いよいよ響の受験について考えなくてはいけなくなった。

 

最近は俺も仮面ライダーとしての活動もあってか、石を投げられた程度では撃ち返したり、変な行動をしようとした奴を止める事ができるようになり、家に直接何かしようとする奴らは減ってきた。

 

だけど、俺がいない間に何かするか分からない以上、両親も含めて、この土地から離れる事を決めた。

 

そこで問題になったのが響であり、本人も親友の未来とは離れたくないと言っているので、二人の気持ちを尊重したい所である。

 

「・・・私ね、やっぱり確かめたいんだ、あのライブで起こった事が真実なのか」

 

「という事は」

 

「うん、でも私頭が悪いから、通れるかどうか」

 

「ふっ任せろ!!

俺も既に受験勉強しているが、響と一緒に勉強すれば合格に繋がるから一緒に勉強しよう」

 

「本当!!

やっぱりお兄ちゃんは頼りになる!!」

 

「あぁ任せろ」

 

そう言いながら、俺は笑顔で答えるが

 

「我が王、少しよろしいでしょうか」

 

「うわっびっくりした、なんだウォズ」

 

「えぇこんにちは響さん。

すみませんが、少しお借りしますね」

 

「うん、良いよ、それにしてもウォズさんとお兄ちゃんって仲が良いよね。

私と未来みたいかな?」

 

「そう言って貰えると嬉しいなぁ」

 

そう言っているが、俺としてはどう判断して良いのか分からない。

 

ウォズは確かに様々な事で助けてくれる頼りになる存在だが、同時に俺を王にする為だったらあらゆる手を使う冷酷な一面もある。

 

なぜそこまで王に執着するのか、未だに謎が多い以上、響が言うような友人関係とは言えないだろう。

 

「悪いな、ちょっと出かけてくる。

何か怖い事があったら、電話しろよ。すぐに駆け付けるから」

 

「うん、いってらっしゃい!!」

 

そう言い、俺は響に見送られながら、走る。

 

「それで、もしかしてアナザーライダーか?」

 

「あぁその通りだ、それも何か他のアナザーライダーとは異なる存在だ。

十分に気を付けてくれ」

 

「分かったよ」

 

そうう言われながらも、同時に気になるのはアナザーライダー達の出現についてだ。

 

これまで集めた情報では誰かがアナザーライドウォッチを入れて、暴走させたらしいが、その影は未だに見えてこない。

 

今の所、怪しいのはウォズ、次にゲイツだが、そもそもその目的も分からない。

 

ゲイツの性格からしてあり得ないし、ウォズは行動は謎だが、アナザーライドウォッチを使う理由も見当たらない。

 

そんな疑問を他所に戦う場所へとたどり着き、周りを見てみるが

 

「本当にどうなっているんだ?」

 

周りの木は何かに切り倒されており、その切り口からして切れ味は鋭かった。

 

そうして奥へと進んでいくと、徐々に何かが聞こえてくる。俺は急いでその場へと走ると、そこには緑色の獣のような奴が手から生えている爪で周りを切りまわっていた。

 

「あれは、アナザーライダー!?」

 

この森の中で、なぜ現れたのか分からないが、まるで暴走しているようで周りの木々を破壊するように、手から生えた爪を振り回していた。

 

そして木を破壊する度に、その口から開いた獣のような雄叫びはこちらまで届いていた。

 

「とりあえず、ここはアナザーライダーを倒さないと」

 

そう言い、俺はジオウライドウォッチを取り出し、ライドウォッチをジクウドライバーにセットする。

 

「変身!」

 

俺は同時にベルトを回す。

 

ライダータイム!仮面ライダージオウ!

 

その音と共に俺は目の前にいるアナザーライダーへと近づくと、その腕から生えている爪を鋭い鞭に変えて、こちらに向けてきた。

 

「はぁ!!」

 

俺はすぐにジカンギレードを取り出し、こちらに迫っていた鞭を切り落としながら、近づくも、瞬時に鞭を爪に変えて応戦する。

 

「破壊力はかなりあるな」

 

「グルルゥ」

 

そう言いながらも、攻め込むのを忘れず、かつて戦ったアナザーライダーアマゾンネオを沸騰させる戦い方をする。

 

「けど、あの時とは違う」

 

そう言い、俺はジカンギレードのスイッチを押すと、ジカンギレードの形は変形し文字はじゅうとなる。俺は引き金を引くと、そこからエネルギー弾が撃ちだされ、アナザーライダーを吹き飛ばす。

 

「悪いが、速攻で決めさせてもらう」

俺はそう言い、ビルドライドウォッチを取り出し、ジクウドライバーに差し込んで回した。

 

ライダータイム!仮面ライダージオウ!

アーマータイム!ベストマッチ!ビルド!

 

ビルドアーマーを身に着けると同時に、アナザーライダーに向けてドリルクラッシャークラッシャーを叩きつけ押さえつけると共にジクウドライバーを回す。

 

フィニッシュタイム!ビルド!ボルテック!タイムブレーク!!

 

「うおぉぉ!!!」

 

「ぐぅがあぁ!!」

 

同時にドリルクラッシャークラッシャーが光り輝きながらアナザーライダーのベルトへと当たり、遠くへと吹き飛ばす事ができた。

 

「はぁはぁ、これでなんとかなったか?」

 

そう思い、見てみると、アナザーライダーは確かにダメージを受けていたが、ベルトに徐々に亀裂ができると共に、全身が光り輝く。

 

「うわぁ!!」

 

俺は思わず手を前に出して、光を防いだが、俺が目を開き見てみると、そこには先程まで戦っていたアナザーライダーとは別の存在が立っていた。

 

そいつは金色の鎧を身に纏い、先程までは獣を思わせる顔から人間に近い顔へと変わっていた。

 

「これは」

 

「あのアナザーライダーはもしかしてアギト?」

 

「知っているのか?」

 

「あぁ、私が知る仮面ライダーの一人だ。

彼は光に選ばれ、神と戦った存在だが、そうか、だからこの変化が起きたのか」

 

「どういう事だ?」

 

「アギトは奇妙な存在でね、持ち主によって姿が変わる。

先程の姿は不完全なアギトというべき存在ギルスだ」

 

「その不完全な存在が、なぜ完全な存在に?」

 

「あなたの力を吸収したからでしょうね」

 

「誰?」

 

俺がそう疑問に思っていると、横から誰かが現れ、見てみると、そこには黒いコートを身に纏っており、帽子で顔は見えないが腰まで伸びている金髪が特徴的な人だった。

 

「私はそうね、あの子の現保護者よ」

 

「保護者、あのアナザーライダーが誰なのか知っているのかい?」

 

「名前は教えられないわね。

そこにいる仮面の坊やが名前を教えてくれるならば良いけど、従者さんは嫌そうね」

 

「貴様のような存在に我が王の名前を教える必要はない」

 

「あら、残念。

だったら餞別だから教えてあげるわ。

おそらくは貴方達の言うアナザーギルスは不安定な力で制御が効かない状況だったの。

けど、あなたの先程の一撃で多くのエネルギーがライドウォッチに流れ込んでいた為、ダメージよりもまず最初にエネルギーを吸収したのでしょう」

 

「そうか、アナザーライドウォッチは吸収したエネルギーにより不完全な状態から完全な状態へと再生された。

それにより不安定な状態のギルスから完全な状態のアギトへと変わった。

我が王の戦い方がこんな結末をもたらすとはな」

 

「つまり、もう一度当てれば、倒せるんだな」

 

「えぇそうね、先程は不完全な状態だから起きたいわばバグのような状態。

今の状態ならば倒せるだろう」

 

「そういう事ね、ここまで教えたのだから、名前は教えてくれないのかしら?」

 

「その必要はないし、教える必要もない。

それよりも我が王には重要な知らせがあります」

 

「知らせ?」

 

俺はそう言い、俺の耳元まで来たウォズは

 

「我が王よ、あのアナザーライダーが変身しているのは雪音クリス、君の大嫌いなノイズを使う人物だ」

 

「ノイズを」

 

俺はその言葉を聞き、眼を見開き、ウォズを見る。

 

「あぁ、そうだとも。

ここで彼女を殺せば、ノイズによる被害者は減るだろう。

妹君を守る事に繋がる」

 

「響を」

 

俺はそう言われ、記憶に残っている響が震える姿を思い出す。

 

あの姿をこれ以上見せない為に、この場でノイズを操る元凶を倒せば

 

「あなた、なかなかえぐい手を使うわね」

 

「私は嘘は言わない主義だ。

これに関して反論はあるかな?」

 

「いいえ、残念ながら反論はないわ。

ノイズを使うのも事実よ」

 

「ならば、そこにいたまえ。

時期に我が王が「ただし」なに?」

 

「あの子はクリスを殺さないわよ」

 

「なぜ断言できる?

貴様は我が王の名前もその正体も知らないはずだが?」

 

「貴様のように人の心を知らない奴には分からないが、私は良い男を見分けする力には長けているわ。

そういう意味では、あの子は私が最も厄介だと思っている男とは性格が似ているわよ」

 

「なに?」

 

「・・・おい、雪音と言ったか?

お前は、なんでノイズを操ろうとしているんだ?」

 

「・・・争いを消す」

 

「争いを?」

 

「消す、消す、消す。

パパをママを消した奴らを消す。

皆を消す、誰かを傷つけるのは消す。

何もかも消す、武器を消す、兵士を消す、戦争を消す!」

 

そこから出てくる声には狂気的な思いも感じ、その言葉が続いていき

 

「そしてアタシも消す。

アタシも人を傷つける、だから全てを消した後にはアタシも消す」

 

「そうか、だったら止めてやるよ!!」

 

そう言い、俺はドリルクラッシャークラッシャーを雪音に向けて放つが、雪音は今度は

こちらの動きを完全に読んでいるかのように、手で払いのけ、そのまま俺を蹴る。

 

「ぐっ!!」

 

「完全となったアギトは他のアナザーライダーよりも高い身体能力を持っており、しかも観察力に長けている」

 

「このままではあの坊や、殺されるわね」

 

「お前にとってはそちらの方が喜ばしいのではないか?」

 

「制御が難しい子は無理よ。

あのままでは計画に支障がでるわ、だからここは坊やの応援をさせて貰うわ」

 

「・・・観察力、だったら別の戦い方をすれば良いだけだ」

 

俺はそう言い、手に装着されている別のライドウォッチを取り出し、ビルドライドウォッチを外す。

 

ブレイド

 

「雪音、さっきお前自身も消すと言ったよな?

でも、それは違うよ」

 

「何?」

 

「お前が何のために死にたいのか分からないけど。

生きる事から逃げちゃいけないんだ」

 

『生きるという事を難しく考えなくても良い』

 

「俺は大事な家族がいて、一緒に過ごしたいから戦っている」

 

『野菜を食べたり、空気を吸ったり、生きるというのはそういう事でも幸せを感じられるんだ』

 

「だから、俺はお前を止める。

俺の幸せの為、そしてお前自身が幸せになる為の考えを持ってもらう為に」

 

「ふざけるな」

 

「あいにく、俺は語彙力は低いからな。

今はお前をその不幸から救い出す事しか考えていないよ」

 

『あぁ、生きる事は素晴らしい事だ、それを彼女にも伝えてくれ』

 

ライダータイム!仮面ライダージオウ!

アーマータイム!ターンアップ!ブレイド!

 

変身を完了すると共にウォズが後ろへと構えながら、本を広げる。

 

「ふっ祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしらしめす時の王者。

その名も仮面ライダージオウブレイドアーマー。

また一つ、ライダーの力が継承した瞬間である!」

 

「ほぅ、なかなかに面白い力だ」

 

後ろからこちらに対する声が聞こえてくるが、俺はこの瞬間は目の前の戦いにしか向いていない。

 

俺はジカンギレードを構え、雪音もこちらに向けて構えながら、睨み付ける。

 

互いに動けず、油断できない状況で、一瞬風が吹くのと同時に走り出した。

 

ジカンギレードによる斬撃を雪音は避けて、俺の腕に雪音の拳が当たる。

 

だが、このアーマーの能力なのか、ダメージは少なく済み、俺はジカンギレードを横に切り上げる。

 

俺の攻撃は掠りもしない現状では、危険は続く。

 

その攻撃の中で雪音がこちらに向けて殴りに来た時に、手に持っていたジカンギレードを地面に突き刺し、ジカンギレードを踏み台にして飛び上がる。

 

「っ!!」

 

空へと飛びあがると同時に俺はジクウドライバーを回す。

 

フィニッシュタイム!ブレイド!ライトニング!タイムブレーク!

 

「はあぁ!!」

 

その音声が流れると共に、地面に突き刺していたジカンギレードから電気が流れ、雪音は身体を一瞬止めると同時に、今度は俺は雷となり雪音を蹴り上げる。

 

同時に雪音は反応する事ができず、膝から崩れ、今度こそ倒す事ができた。

 

「なんとかなったか」

 

『あぁ、本当によくやった』

 

そう言って出てきたのは、金髪で不良なイメージを持たせる青年と

 

『あの子を助けてくれて、ありがとう』

 

反対に明るいイメージを持つほんわかな青年が出てきた。

 

正反対に見える二人だが、そこから出ている雰囲気はとても仲が良さそうで、少なくとも悪い人ではないのは分かる。

 

「俺は、結局は無理矢理止めるしかできませんでした」

 

今回の戦いを振り返っても、言葉での説得はできず、力づくで彼女のアナザーライダーとしての力を奪い取った。

 

結果的には救えたかもしれないが、それは彼女の心を未だに救えていない事にもつながる。

 

『確かに力でしか止められない事もある。

これから先、力なしでは止められない事が多くあるだろう』

 

『その度に、お前は多くの選択肢が出される。

けど、だからと言って迷うな』

 

『まぁ俺達も色々と悩んで、色々な人に助けられたからな。

君だって、悩んで、戦って、その先で答えを見つければ良い』

 

『それがいずれ本当にあの子を救う事に繋がるだろ』

 

その言葉と共に、俺の二つのライドウォッチは光り輝き、片方はアギトと同じ金色のライドウォッチ、もう片方は緑色のギルスのライドウォッチとなった。

 

『もうここまでしかできないけど、また会える日に』

 

『あぁもう自己紹介まだ終わっていないですよ。

俺は津上翔一、こっちの人は葦原涼。

また会ったら、よろしくな』

 

その言葉と共に二人の影は消えた。

 

「アタシは…」

 

「あっ」

 

その言葉と共に、雪音さんが目を覚まし、一瞬だが、見つめ合った。

 

仮面で顔が隠れており、俺がどんな表情をしているのか彼女からは分からないが、俺から見た彼女の表情は少し暗くなっていた。

 

「アタシは間違っていたのか」

 

「分からない、そんなのは分からない。

けどさ、どうか生きるのだけは諦めないでくれ」

 

「生きるのを」

 

「あぁ、俺はなんも知らないけど、でも」

 

俺はそう言い、手を伸ばし、彼女もまた震えながら手を伸ばそうとしたが

 

「ここまでよ、クリス、あなたには聞きたい事があるわ」

 

「フィーネ」

 

「そうです王よ、これ以上の干渉はお控えを」

 

「ウォズ!!」

 

いきなり俺の間に入ってきたウォズ。フィーネと呼ばれる女性は雪音を抱える。

 

「それじゃあ、またいずれ」

 

その言葉と共にフィーネ達は消えてしまう。

 

「ウォズ、どういうつもりだ」

 

「すみません、ですがこれも全ては我が王の為」

 

そう言い遮られている間に二人の姿は無くなってしまう。

 

「はぁ、もうお前から事情を聴くつもりはない。

お前が俺に何かをさせようとしてるのは分かっているからな」

 

「えぇ、確かに今は理解できないかもしれません。

ですが、信じてください、私は常にあなたを正しい道へと導く為に動いているのを」

 

「そうか、じゃあ聞く、ウォズは、俺にどんな王になって欲しいんだ?」

 

「私がですか?

ふむ、そうですね、我が王よ、あなたに目指してもらいたい姿は今は秘密にさせてもらいます」

 

「そうかよ」

 

それだけ言うと俺はウォズから離れていく。

 

「我が王、今は強くなってください。

そしてその先、あなたはいずれ最強の存在になります」

 

俺はそんなウォズの言葉を聞かずに、家へと帰っていった。

 

様々な思惑が重なり、出会い、そして

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!

アーマータイム!■さ■じ■■士ク■■■ル■■メ■■■】

俺が俺でなくなる日も近かった。

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム
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