戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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全ての力を使いし者

響達がサンジェルマンとの闘いを行っている現場に向けて一人の人影が降り立つ。

 

「さて、もうそろそろ良いだろう」

 

その人影の正体はアダム、パヴァリア光明結社のボスであった。

 

アダムはそのままゆっくりと山の獣道を歩いている中

 

「悪いけど、ここから先は行かせないよ」

 

「ほぅ」

 

その声と共にアダムは振り向くと、そこにはソウゴが立っていた。

 

「まさか、僕の居場所まで分かっていたとは、君は一体何者なんだい?」

 

「ただの兄だ」

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!

トリニティタイム!三つの力、仮面ライダージオウ!ゲイツ!ウォズ!トーリーニーティー!トリニティ!】

 

ソウゴは自身の言葉を名乗るのと同時にジオウトリニティへと変身し、ゆっくりとサイキョージカンギレードを構える。

 

「それではさっさと行かせてもらうよぉ!!」

 

その言葉と共にアダムは被っていた帽子をジオウトリニティへと投げる。

 

すぐに切り捨てると同時にサイキョージカンギレードで斬りかかる。

 

アダムはすぐに別の帽子を作り出し、狙いを逸らせる。

 

「なんだ、あの帽子は!」

 

「おそらくは錬金術で強化したのだろう。

さすがはトップに立つだけある」

 

「だとしても!!」

 

その言葉と共にサイキョージカンギレードとは別にジカンジャックローを取り出し、攻撃を仕掛ける。

 

「本当に自己主張が激しい武器だねぇ!!」

 

その言葉と共に、もう片方の手から作り出したエネルギーをジオウトリニティに向ける。

 

「しまっ」「下げれ!!」

 

攻撃に気付いたゲイツはすぐに自分の部位に当たるように動き、ジオウとウォズを攻撃から庇う。

 

「ぐっ、ゲイツ!!」「ゲイツ君!」

 

「俺は大丈夫だ」

 

攻撃を直に受けたのか、ゲイツの体は傷だらけになっている。

 

「本当に脆いなぁ、人間は、ではね」

 

「待て!!」

 

アダムはその言葉と共に立ち去る。

 

すぐに追いかけようとするが

 

「行け、ジオウ!」

 

「我が王、私はゲイツ君を届けたらすぐに向かいます」

 

「っ頼んだ」

 

ゲイツの身が心配になったが、それでもアダムを止める為にソウゴは走り出した。

 

走り抜ける森の中で響達が見えた。

 

「っ!!」

 

だが同時に既に計画を進めていたアダムによって、神の器となったティキによって攻撃されそうになっていた。

 

「響っ!!」

 

届かない場所だと分かっていても、ソウゴは手を伸ばす

 

その瞬間

 

「その先は地獄だぞ」

 

「っ!」

 

声が聞こえた。

 

全てが絶望に覆われそうなった時、目の前で起きそうな惨劇の前で、まるで時が全てが

止まったように真っ白になっていた。

 

「何が」

 

「得ようとしている力は、その先に地獄を作る。

それでも、力を得たいか」

 

声が聞こえ、振り向くと、そこには見たことのない老人が立っていた。

 

その老人はまるで王族を思わせる服を着こんでおり、その腰に巻かれているのは黄金に輝くベルトだった。

 

「誰だ」

 

「私はお前だ、立花ソウゴ。

この世界では決して辿り着かない私だ」

 

「俺だって」

 

その意味が分からず、聞き返す。

 

「立花ソウゴ、既にウォズから聞いていると思うが、この世界には真実があると言った。

お前が力を求める時、その真実はお前の前で立ちはだかる」

 

その言葉と共に老人は腰に巻かれていたベルトに手を伸ばした。

 

【祝福の時!最高!最善!最大!最強王! 逢魔時王】

 

その音声が鳴り響くと同時に、ソウゴはあまりの熱風で顔を隠し、視界が見えるようになったその先にいたのは

 

「オーマジオウッ!!」

 

「ようやく理解したか、私がもう一人の私だと」

 

ソウゴは驚きながらも、目を見開きながら言う。

 

「なんで、お前がここに」

 

「全てのライダーの力が集結し、貴様が力を求めた時のほんの僅かな時間に来ただけだ

最も、私に残された時間はもうほんの僅か、だからこそ、最後に見に来たのだ」

 

そう言い、オーマジオウは響を見つめる。

 

「この世界で、家族を得たお前の強さを」

 

「家族を得た俺?」

 

その言葉と共に何もない空間から、声が聞こえ、見渡す。

 

そこにはこれまで共に戦ってきてくれた仮面ライダー達が集っており、彼らがソウゴに向けて攻撃を行うとしていた。

 

「時代を駆け抜けた仮面ライダー達。

全ての力を受け継ぐ覚悟がお前にはあるのか」

 

「・・・ある。

俺は響を、大切な人を守る覚悟はある!!」

 

「ふっどうやら、愚問のようだったな」

 

その言葉と共に、オーマジオウは大きく手を広げる。

 

「祝え、新たな王の誕生を!!」

 

その言葉が鳴り響くと同時に仮面ライダー達の力がソウゴへと注ぎ込まれる。

 

そして、時が動き出した。

 

「なにっ!!」

 

時が動き出した光景。それは目の前でティキによって焼き払われるはずだった町が壊れていない光景だった。

 

だが、光はまるで空間が切り裂かれたように真っ二つに割れ、炎はまるで吸い込まれるように消えていく。

 

驚く事しかできないアダムはすぐに響達がいた場所を見る。

 

そこにはソウゴ達の前に現れた仮面ライダーオーズと仮面ライダーウィザードによって、防がれていた。

 

「えっ仮面ライダー!?」

 

「何時の間に」

 

「一体何が」

 

疑問に思えた彼女達だが、二人の仮面ライダー達は各々のマークを記す光となり、ソウゴへと集う。

 

「まさかとは思ったが」

 

「ウォズさん?」

 

「終わらせるぞ、アダム。

お前のくだらない野望を」

 

「なに?」

 

ソウゴはこれまでにない冷たい声で話しかけると同時に手に持っていたジオウライドウォッチとこれまで見たことのない黄金のライドウォッチを掲げる。

 

「間違いない、あれは」

 

【グランドジオウ!】

 

ウォズはそのライドウォッチの正体を知り、驚きながらも、そのライドウォッチは起動される。

 

そして、ジオウライドウォッチとグランドジオウライドウォッチをジクウドライバーに装填する。

 

それと同時だった。

 

「えっうわぁ」

 

「なっなんなんデスか!?」

 

「あれは」

 

ソウゴの背後から現れたそれは、まるで黄金の王宮のように立ち、ソウゴの横にはこれまで共に戦ってきてくれたクウガからビルド、さらにはソウゴ自身が変身するジオウまでたっていた。

 

【~!~!アドベント!COMPLETE!ターンアップ! ~!CHANGE BEETLE!ソードフォーム!ウェイクアップ!カメンライド!サイクロン!ジョーカー!タカ・トラ・バッタ!3・2・1! シャバドゥビタッチヘンシーン!ソイヤッ!ドライブ! カイガン!レベルアップ!ベストマッチ】

 

ソウゴが構えている間、数多くのライダー達のベルトの音が聞こえ、戸惑う響達、そして

 

「変身ッ!」

 

【グランドタイム!

クウガ・アギト・龍騎・ファイズ・ブレイード! 響鬼・カブト・電王!キバ・ディケイード! ダブル!オーズ!フォーゼ! ウィザード!鎧武・ドラーイーブ! ゴースト!エグゼイド!ビ・ル・ドー!

祝え! 仮面ライダー!!グ・ラ・ン・ド!ジオーウ!】

 

ソウゴがベルトを回すのと同時に周りに立ち並んでいた仮面ライダー達は黄金のフレームに収められ、ジオウに変身したソウゴに装着されていく。

 

全てのフレームがジオウに収められるのと同時に、その姿を現す。

 

「祝え! いや、もはや言葉は不要。ただこの瞬間を味わうがいい!」

 

「何が出てくると思えば、こけおどしかい!」

 

そう言い、アダムが攻撃を仕掛けようとした時だった。

 

【クウガ】

 

ジオウは身体に刻み込まれているクウガに触れると、アダムの近くに黄金のフレームが現れ、アダムに向けてライダーキックをする。

 

「なにっ!!」

 

【ビルド】

 

怯んだアダムにさらに追い詰めるようにビルドに触れると、上空からビルドが現れ、アダムに向けて蹴り上げる。

 

「ぐっ」

 

「アダムをいじめるなぁ!!」

 

既に力を得たティキはジオウに向けて、再び攻撃を仕掛ける。

 

だが

 

【555】

 

ジオウの横に現れた555ブラスターフォームから放たれた一撃はティキの攻撃を飲み込んだ。

 

「ちぃ!!」

 

アダムはすぐに危険を感じ、前に飛び出し、その攻撃を防ぐ。

 

膨大な攻撃はアダムの予想を遥かに超え、服は全て焼け落ちてしまう。

 

「なんなんだ、その力はっ!!」

 

「我が王の力だ」

 

それに応えるように、ウォズは前に出る。

 

「我が王に受け継がれし、仮面ライダー達の力。

その全てが使える、それがグランドジオウ」

 

「それって、つまり」

 

「全乗せのとんでもライダーデスか!」

 

「響、切歌、それにサンジェルマン。

手伝ってくれるか」

 

「えっうん勿論だ」

 

「合点の招致のすけデス」

 

「私もか」

 

「お前がやり遂げたかった夢をあいつに阻まれてままで良いのか」

 

「・・仕方ない」

 

その言葉と共に、武器を構える。

 

同時にジオウはさらに触れる。

 

【アギト】【オーズ】【ゴースト】

 

「えっ、あれなんかこっちに来てる?」

 

「なっこれは一体?」

 

その音声と共に響達の前に黄金のフレームが現れ、通過すると、そこにはオーズアーマーを身に纏った響、ゴーストアーマーを身に纏った切歌、そしてアギトアーマーを身に纏ったサンジェルマンが立っていた。

 

「これって、まさかアーマーシンフォギア!」

 

「変身も可能だった訳デスか!!」

 

「ファウストローブを書き換えるだと、そこまでの力が」

 

「ここまで計算外だとはなっ!!」

 

そう言い、アダムは攻撃を仕掛けようとするも、アギトアーマーの力を得たサンジェルマンはその手に持ったフレイムセーバーを弾丸に変え、打ち出す。

 

炎の弾丸はアダムが作り出そうとした黄金錬成を崩壊させた。

 

「なっ」

 

「デース!」

 

一瞬の隙、その背後に立った切歌はその手に持ったガンガンキャッチャーで攻撃を仕掛ける。

 

「ちぃ、なんだこれは」

 

「おぉ、なんだか沢山出てきたデス!!」

 

同時にアダムを翻弄するように多くのパーカーゴーストが現れ、切歌を支援する。

 

「「はああぁ」」

 

【フォーゼ】

 

その戦いを横に通り過ぎたジオウはフォーゼのロケットを手に、響は背中から生えた赤い翼と共にティキに迫る。

 

「ふっ、確かにライダー達の力は凄まじい。

だが、忘れたのか、あれは神の力、つまりは攻撃は無意味なんだよ!!」

 

「「はぁ!!」」

 

アダムはそう口にした瞬間、ティキに向けて二人は息を合わせるように蹴り上げる。

 

ダメージを受けたティキはダメージを回復させようとするが

 

「きゃああぁ!!」

 

「なにっ!!」

 

「この本によれば」

 

動揺を隠せないアダムの横で笑みを浮かべながら、ウォズは語りだす。

 

「神の力を得たティキ。

神の力を倒すには神殺しの力しかできず、それはガングニールを纏う立花響しかいない。

だが」

 

「そうか、グランドジオウと共に使われたジオウライドウォッチは響さんのガングニールによって再構成した物」

 

ウォズの言葉を聞き、通信室にいたエルフナインは目を見開き驚いた。

 

「つまりはガングニールと、そのガングニールの力が備わっているジオウだけが止められる」

 

「くそっ」

 

既に弱点が分かった以上、止めなくてはいけない。

 

だが

 

「行かせる訳」

 

「ないだろう」

 

左右から襲い掛かる切歌とサンジェルマンを引かせるのは難しかった。

 

周りを取り囲んでいるパーカーゴーストによって行く手は阻まれており

 

「ならば、ここでもう一度行うだけ!!」

 

その言葉と共にアダムは黄金錬成を行うように地面を叩き詰める。

 

それにより、アダムを含めてその場にいた全ては吹き飛ばされる。

 

爆発の光が収まりながら、アダムは黄金錬成に耐えるように体を元の形へと戻していた。

 

「はぁはぁ、これで」

 

「「終わりだぁ!!」」

 

「なっ」

 

【ムゲン魂】【シャイニング】

 

光の中から現れた切歌はその手に持ったガンガンセイバーに光を集めながら、サンジェルマンはシャイニングカリバーを弾丸へと変え、放つ。

 

【無げN・O目がDo雷ブ】

 

「そんな、馬鹿なっ!!」

 

同時に光の中、誰にも目を向けられないまま、アダムは消え去った。

 

「アダムぅ!!」

 

アダムの消滅を確認したようにティキは手を伸ばすが、上空ではジオウと響が構えていた。

 

「行くぜ!!」

 

「うん」

 

【フィニッシュタイム!オールトゥエンティタイムブレーク】

 

その音声が鳴り響くと同時に目の前に7色の円が現れ、黄金に輝くキックという文字と共に二人はライダーキックをティキに食らわせる。

 

【我流・王連飛蝗脚】

 

「きゃああぁ!!」

 

その一撃は瞬く間にティキを消滅させ、神の力と共に崩壊する。

 

「これが、ジオウの力」

 

「やったデス、ソウゴさん」

 

戦いを終え、変身を解除したソウゴ。

 

「だが、まだ終わっていない」

 

「あぁ、確かに、未だに残る問題が一つ」

 

「問題だと」

 

「そうだったデス!

まだ、加古川飛流が」

 

「加古川飛流、誰だそれは」

 

「君で言う所の仮面ライダーショングだ

だが、今は厄介な事にアナザーグランドジオウになっている」

 

その言葉と共に本を閉じる。

 

「今回の戦い、私は彼らが介入すると予想をしていたのだが」

 

「あぁ、おかげで無駄な手間は省けた」

 

「「「「っ!!」」」」

 

突然の声が聞こえ、振り向くと、そこにはアナザーグランドジオウとスウォルツが立っていた。

 

「おかげで計画通り、神の力を手に入れる事ができた」

 

「まさかっ!!」

 

見ると、爆散したティキから溢れ出る神の力がグランドジオウへと注ぎ込まれていた。

 

「さぁ王を決める戦いを始めよう」




この場を借りて、言わせてもらいます。
すいません、アダムとティキをあっさりと終わらせてしまいまして。
そしてAXZ編終了後、そのままXV編に突入するのか、アプリの話であるXD編にしようかのアンケートを行っています。
もしもXD編で行ってほしい話がありましたら、メッセージでお願いします。

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム

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