戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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戦姫絶唱シンフォギアXD 編
宇宙刑事、現る


「ギャラルホルンって、確かジクウドライバーが出てきた聖遺物だったよな」

 

「あぁ、あの聖遺物ギャラルホルンは異なる世界同士を繋ぐ完全聖遺物だ」

 

「世界を繋げる、まるでディケイドのようだな」

 

「ディケイドって、確かソウゴさんがよく使っているライドウォッチデスよね」

 

その言葉と共にウォズは本を開く。

 

「この本によれば、仮面ライダーディケイドは様々な世界を渡り歩く仮面ライダー。

その世界を渡り歩く方法はディケイドなど、世界を渡り歩く者が作り出すオーロラを通り抜ける必要がある」

 

「そのディケイドの力なしで渡り歩く事ができます」

 

「並行世界、つまりは」

 

「そう、僕達で分かりやすく言うと、ソウゴさんが良い例です。

オーマジオウとしての道を進んだソウゴさんと、世界の再生を望んだソウゴさん。

このように全く異なる選択を行い、別れた世界だと言えば、分かりやすいと思います」

 

「でも、このまま放っておけば大きな被害が出てしまいます。

ですが、ギャラルホルンのゲートは装者しか渡れません」

 

「・・・」

 

今回の事件を解決するには響を始めとした装者しか動く事ができない。

 

「奏がかつて並行世界を救ったのならば、その役割は私が引き継ぐしかない。

幸い、今は装者だけではなく、ソウゴ達がいる、もしもの事があっても」

 

「何を言っているんだ、俺も行くぞ」

 

「えっお兄ちゃん!?」

 

「我が王」

 

「だが、奏の片翼としての私の責務でもある」

 

「それを言うなら、俺もだ。

俺がこの世界を作ったんなら、俺もその責任がある」

 

「だけど、お兄ちゃんは行けるの?」

 

「いや、可能といえば可能だ」

 

ソウゴの出発に関して疑問の声が出る中でウォズは本を開く。

 

「仮面ライダーディケイドの力が宿ったディケイドライドウォッチの力を使えば、移動は可能になっている。

ただし、我が王よ、行くのならば、覚悟してください。

並行世界では、ライドウォッチの転送は無理です。

グランドジオウライドウォッチを作り出すには、ライドウォッチを全て持っていかなければなりませんが」

 

「移動中に損失したら危険という事だな」

 

「なので、移動の際に使えるのはジオウライドウォッチ、ジオウⅡライドウォッチ、ディケイドライドウォッチ、そしてバイクライドウォッチとファイズフォンXを持っていてください」

 

「ファイズフォンXをか?」

 

「えぇ、それは時空を超えて、通信が可能になっています」

 

「えっえぇ!!

そんな事ができるの!!」

 

「もう、今更驚かないわ」

 

「だが、これで安全に状況把握が行いやすくなった」

 

「分かった、とりあえずは最初はこれだけにするよ」

 

「では、決まりましたね。

今回の出撃メンバーは、響さん、翼さん、マリアさん、そしてソウゴさんです」

 

「では、我が王、そして皆様、準備はよろしいでしょうか」

 

「あぁ出来ている」

 

「問題ないわ」

 

「ばっちりですっ!」

 

「いつでも来い」

 

「では向こうにわたったら、その場所を確認してください。

最初に転送された場所の付近に戻る為のゲートがあり、通信も定期的にお願いします」

 

「ファイズフォンXで撮った画像はすぐに解析するようにつなげております。

何か気になる事がありましたら」

 

「あぁそれじゃあ

行くとするか」

 

その言葉と共にソウゴ達はギャラルホルンの中へと吸い込まれていった。

 

長い光のような道を通り過ぎていく中で、周りにいる仲間の安否を確認しながら、瞬く間に辿り着いた先は

 

「なんというか、あまり変わりないな」

 

「あぁ、普段通りの公園のようだ。あとはゲートの入り口だけど」

 

「わぁ、これはまた、分かりやすい」

 

「あなたたちはこれを知っているの?」

 

マリアは疑問に思っているようだが、その場にいたソウゴ達は知っていた。

 

「ディケイド、門矢士さんが通った時のオーロラと似ている」

 

「世界を超える壁、それを分かりやすくしているのか、そもそも同じ原理なのか、今は探る必要があるな」

 

「とりあえずは、先に片付ける事があるな」

 

「えぇその通りね」

 

その言葉と共に、振り返るとそこにはノイズが出現していた。

 

ノイズはソウゴ達に襲い掛かったが、これまで数多くのノイズ、アルカノイズと戦ってきた彼らからしたら、最早どうという程のものでもない。数秒もかからず倒す事ができた。

 

「とにかく、調査の為に町の様子を見よう。

もしかしたら、何か分かるかもしれない」

 

「あぁ」

 

一同はソウゴの言葉に賛同し歩き出した。

 

町の中はフィーネによって破壊される前と変わらない街並みが広がっているが、西暦や日付などはソウゴ達の世界と変わりなかった。

 

そして、何よりも崩壊する前のリディアン学園が元の状態のままだった。

 

だが、それよりも決定的に並行世界だと理解できたのは、空に浮かぶ月だった。

 

かつて、ルナアタックによって、欠けたはずの月は丸いままの状態だった。

 

「並行世界なのは、間違いないようだが」

 

「別々の方向から聞こえてくるっ!!」

 

「ここは二手に迎撃よ」

 

「分かりました、後で合流します!!」

 

「それじゃあ、行くぞ」

 

同時に、ソウゴと響、翼とマリアの二組に分かれ、悲鳴が聞こえる方向へと向かう。

 

「行くぞ!」

 

「うん!!」

 

【ジオウ】

 

ソウゴは手に持ったジオウライドウォッチを起動させると同時に迫りくるノイズ達と対峙しながらジクウドライバーに手を伸ばす。

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

「変身!」

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!】

 

ソウゴの声と響の歌声が響くと同時に二人は各々の姿に変わる。

 

ジオウはその手に持ったジカンギレードを銃モードに変え、迫りくるノイズに向けて撃つ。

 

「はああぁ!!」

 

それにより目に見える範囲で少なくなったノイズに向けて、響はマフラーを回転させ、ドリルにさせると同時に突っ込む。

 

それにより、沸きあがっていたノイズは瞬く間に倒される。

 

「すぐにマリアさんの元に」

 

「あぁっ!!」

 

すぐに向かおうとした瞬間、ジオウは背後から感じた殺気に気付き、すぐにジカンギレードを構える。

 

同時にジカンギレードに火花が散りながら、ジオウは目の前で襲い掛かっている存在に目を向ける。

 

「こいつは、なんだ」

 

そこに立っていたのは黒と銀色が混じりあった存在であった。

 

その存在には【1982】【GYABAN】と描かれていた。

 

「こいつ、アナザーライダー!?」

 

「まさか、並行世界にも!!」

 

その存在を見て、驚きを隠せないソウゴだったが、すぐに蹴り飛ばすと同時にジオウⅡライドウォッチを取り出し、ジクウドライバーに装填する。

 

【ライダータイム!仮面ライダー!ライダー!ジオウ!ジオウ!ジオウⅡ!】

 

ジオウⅡへと変身すると、同時に予知を発動させ、ジカンギレードを構える。

 

「行くぞ!!」

 

その言葉と共に、アナザーギャバンに向けて走り出す。

 

アナザーギャバンはジオウⅡの攻撃を受け止めると同時に、その手に持った銃をジオウⅡへと向ける。

 

だが、既に予知で先読みをしていたジオウⅡはすぐにサイキョーギレードで、その攻撃を受け、蹴り上げる。

 

「一気にって!?」

 

アナザーギャバンは、すぐにジオウⅡに向くと同時にもう片方の手から光線を放ち、ジオウⅡはダメージを受けてしまう。

 

「まさか、ジオウⅡの予知の先回りをっ!!」

 

「お兄ちゃんっ!!」

 

アナザーギャバンの猛攻は止まらず、すぐにジオウⅡも響と連携を行いながら戦う。

 

だが、まるで機械のように反撃をするアナザーギャバンに死角はなく、瞬く間に追い詰められていく。

 

「ぐっ」

 

「負けて、たまるかぁ!!」

 

だが、それでも諦めない二人は立ち上がり、睨む。

 

その時だった

 

「蒸着」

 

「えっ?」

 

突然聞こえた声と共に、アナザーギャバンの前に突然光が降り立つ。

 

そこに立っているのは、アナザーギャバンと容姿は似ている所は多いが、それでも目の前にいる機械的なアナザーギャバンと比べると、まるで熱い心がソウゴ達にも伝わってくる。

 

「あなたは」

 

「俺は宇宙刑事ギャバン!

君達、怪我は」

 

「特に大丈夫です。

えっと、それであなたはあのアナザーライダーの元になったライダーですか?」

 

「違う、俺は宇宙刑事だ。

仮面ライダーとは別の存在だ」

 

「なに?」

 

その言葉を聞き、驚きを隠せなかった。

 

「奴はアベンチャーギャバン。

邪教団・幻魔空界が謎の技術で作り出した、俺達ギャバンの偽物だ」

 

「謎の技術って、まさかアナザーライドウォッチ」

 

「あぁ、そもそも、なんで仮面ライダーがここにいるんだ。

この世界には仮面ライダーはいないはずだが」

 

「あっあのぉ、それよりも、目の前にいる敵が迫っているんですけど」

 

アベンチャーギャバンがその手に持ったレーザーブレードで襲い掛かる。響の言う通り、今は悠長に話し合っている場合ではない。

 

「そうか、なら、手伝ってくれないか」

 

「あぁ、任せてくれ」

 

「勿論です!」

 

「だったら、行くぜ、レーザーブレードオリジン!」

 

ギャバンは同時にその手に持ったレーザーブレードオリジンを構え、アベンチャーギャバンに立ち向かう。

 

レーザーブレード同士の激しい激突の中、二人の剣による激突は激しく、一瞬の隙もなかった。

 

だが

 

「今度は見えた、響っ!!」

 

「うん、分かった!」

 

ジオウは一瞬で予知を使い、ギャバン達の行動の先を読んだ。

 

同時にジオウはその手に持ったジカンギレードを銃モードに変え、アベンチャーギャバンへと打ち込む。

 

「はああぁ!!」

 

そして、別の方向から走り抜けた響の一撃がアベンチャーギャバンに向けて放たれるが、簡単に避けられてしまい、宙を舞う。

 

しかし

 

「今だっ、ギャバンダイナミック!」

 

一瞬の隙を突いたギャバンは、レーザーブレードから繰り出される一撃をアベンチャーギャバンに叩きつける。

 

瞬く間に吹き飛ばされるアベンチャーギャバンだが、その胸からショートする機械音と共に立ち上がる。

 

「・・・・」

 

「あっ待てっ!!」

 

既に戦闘は不可能だと判断したアベンチャーギャバンは、その胸元から何かが飛び出る。

 

「あっ待てっ、くそぉ」

 

すぐに追うとしたが、既に遅かった。

 

「これって、ロボット?」

 

残ったアベンチャーギャバンだと思われる存在を見ると、そこに倒れていたのは体のあらゆる所が機械になっているアベンチャーギャバンだった。

 

「こいつはギャバンブートレグ、かつて宇宙帝国ザンギャックと宇宙警察の技術が融合したコピーアンドロイドだ。

それを操るのが、さっきの光だったが」

 

「さっきのがもしかしたらアナザーウォッチだとしたら、奴はギャバンブートレグの身体を使って暴れているけど、一体」

 

「さぁな、だが、この星に何か手掛かりがあるようだな」

 

その言葉と共にギャバンの変身は解除される。ギャバンだった男は二人に自己紹介をした。

 

「俺の名前は十文字撃、さっきのアベンチャーギャバンの調査の為に来た宇宙刑事だ」

 

 

 

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム

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