「まさか、パラレルワールドの住人がこれ程集まるとは」
「まぁ確かに」
アベンチャーギャバンとの闘いを終えた後、ギャバン達と共に翼達と合流する事ができた。
だが、そこで待ち受けていたのは、ソウゴ達の世界においては死亡したはずの奏達との再会だった。
彼らの世界からの情報により、ソウゴ達の世界にはなかった可能性について分かる事ができた。
そして、ソウゴ達の世界とは違う所として大きく二つあった。
一つは仮面ライダーの存在しない事。
この世界ではクウガもジオウも完全に存在していなかった。
(といっても、俺達の世界は元々はオーマジオウの力で再構成されて誕生した世界だから、違うのも当たり前かもしれない)
二つ目はカルマノイズという存在だった。
通常のノイズとは違い、黒い身体を持つノイズは何度も触れる事ができる特性から、その恐ろしさは考えるよりも明らかだった。
そんな状況で一人で戦ってきた事もあったのか、ソウゴが見つめる奏の表情は悲しそうに見えた。
「それにしても仮面ライダーか。
まるでテレビの中にいるようなヒーローがいるとは驚きを隠せないな」
「まっまぁ、そうですね」
そう言いながら、ソウゴは苦笑いを浮かべるが、常磐ソウゴとしての記憶の中で実際に仮面ライダーがテレビの中の存在だったという世界に迷い込んだ事もあり、否定する事はできなかった。
だが、そんなソウゴでも仮面ライダーではない存在には驚きを隠せず、ギャバン達に目を向ける。
「そう言えば、ギャバンさんはなんでここに?」
ソウゴはそう言いながら、ギャバンの方へと向けた。
「ここからは俺が説明する。
ギャバンでは少し雑になるからな」
その言葉と共に入ってきたのは赤いジャケットを羽織った男だった。
どこから入ってきたのか、全員が警戒する中でギャバンは笑みを浮かべながら男に近づく。
「おっシャリバン、悪いな」
「シャリバン?」
「あぁ宇宙刑事としてのコードネームだ。
俺はギャバンで、こっちはシャリバン。
今回はこの宇宙でアベンチャーギャバンを追っているメンバーの一人だ」
「仲間だったのか、だが、ここをどうやって」
「ギャバンから事前に連絡を受けてここに来た。
お前、話さなかったのか」
「あぁ、それを言おうとした時だったんだがな」
「はぁ」
とりあえず、敵ではない事を聞き、警戒を解きシャリバンへと全員が目を向ける。
「それでアベンチャーギャバンとは一体」
「正直、正体は未だに不明だ。
数ヶ月前、ロボット工場にてハッキングし、工場の職員にすら知られずに開発された量産型ギャバンブートレグを連れて現れたのが始まりだった」
同時にシャリバンが持ってきたと思われる端末から、SFで出てくるようなスクリーンと共に映像が映し出されていた。
そこに映し出されているのは、炎の中で無数のギャバンブートレグを引き連れているアベンチャーギャバンだった。
「奴を止める為にこの世界に来た。
そこで君達に出会った訳だ」
「なるほど、ソウゴ君達の世界はギャラルホルンのアラートでここに。
ギャバン達はアベンチャーギャバンを追ってか」
そう言った弦十郎に頷く、一同。
同時にアラートが鳴り響く。
「まさか、この反応は」
「どうやら、出番のようだな」
「あぁ」
その言葉と共にギャバンとシャリバンは飛び出した。
「うわっ、ちょっと!!」
二人を追いかけるようにして、ソウゴも追いかけるように走り出す。
二人が追いついた先には大量のノイズが溢れかえっており、その中央には黒いノイズが立っていた。
「蒸着!」
「赤射!」
その言葉と共に二人は各々の変身した姿であるギャバンとシャリバンへと変わる。
シャリバンの見た目はギャバンとは共通点が多いが、全体の色は赤いという事もあり、見分けは簡単に行える。
「「レーザーブレード!」」
その手に持ったレーザーブレードでノイズ達を切り裂いていく。
「あれ、そう言えばノイズの炭化が無効になっている?」
「こいつらか?」
「似たような奴と戦って以来、既に対策は立てられている」
「そう言えば、確かに」
そもそもノイズが作られたのはフィーネの話からしても古代の地球人である。
宇宙で活動する彼らならば、それと似た技術を持つ宇宙人と戦った可能性があるはず。
その予測と共に納得したソウゴはすぐにジクウドライバーを取り出す。
「だったら、俺も、変身!!」
【ライダータイム!仮面ライダー!ライダー!ジオウ!ジオウ!ジオウⅡ!】
同時にジオウⅡへと変身し、ノイズ達へと突っ込む。
その中でジオウⅡの能力を使い、カルマノイズへの予知を行う。
「見えた!!」
その言葉と共にサイキョージカンギレードを構えると
「2人共、頭を下げて」
「「えっ?」」
【サイキョーフィニッシュタイム!キングギリギリスラッシュ!】
その音声と共に、巨大な光の刃となったジカンギレードを構え、一閃に切り裂き、目の前にいた大量のノイズ達は消滅する。
「とんでもない奴だな」
その光景を見ながら、ギャバンは再びレーザーブレードをカルマノイズに向ける。
だが、そんな彼らよりも先にカルマノイズを切り裂いた存在がいた。
「なっ、奴は」
「アヴェンジャーギャバン!?」
突然の事に驚く中で、アヴェンジャーギャバンはその手に持っている剣にカルマノイズから出ていた煙を吸い上げていた。
「カルマノイズを吸い取った!?」
「っ漲るぞ、力が!!」
その一言と共にアヴァンジャーギャバンはジオウ達に向けて、レーザーブレードによる斬撃を放った。
「「「ぐっ!!」」」
三人は各々の武器を使い、攻撃を防ぐ事に成功したが、再び見つめた先には既にアヴェンジャーギャバンの姿はなかった。
「一体何が」
「・・・分からない、だが、もしもアヴェンジャーギャバンがカルマノイズの力を取り込む事だとしたら、この世界に来た理由も理解できる」
既にいなくなったアヴェンジャーギャバンの目的も分からない状況は未だに続いていた。
オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは
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天羽々斬
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イチイバル
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シュルシャガナ
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イガリマ
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アガートラーム