戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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果てなき炎の中で

アヴェンジャーギャバンの脅威とカルマノイズの脅威に対抗する為、元の世界に戻っていたソウゴ。

 

「それは本当かね、我が王」

 

「あぁ、ギャバンについて知っているか?」

 

元の世界に戻っていたソウゴは何か知らないのかウォズに確かめる。

 

「・・・宇宙刑事ギャバン、確かに彼らはかつて仮面ライダーウィザードや多くの仮面ライダー達と戦った存在だ。

だが、君も知っていると思うが、スウォルツの融合によって、世界から弾かれた存在だ」

 

「そうなんだよな、だけど、あのライドウォッチについては本当に分からない事ばかりだ」

 

「・・・ならば今度は私も同行しよう」

 

「おぉ、悪いな」

 

そうして、ウォズと共にソウゴは再び響達が待つ世界へと向かった。

 

ソウゴ達が辿り着き、二課へと訪れると

 

「ソウゴ君、戻ってきたか」

 

「すいません、もしかして今は」

 

「あぁ、ノイズが出現した。

同時に二ヵ所現れ、響君達とギャバン君達に分かれている」

 

「それじゃあ、俺は響達の元にウォズは」

 

「ギャバン達の元にですね」

 

そのやりとりの後にソウゴ達は各々の目的地に向かっていった。

 

ソウゴはそのまま目的地である工場へと辿り着く。

 

そこでは響達がノイズに囲まれており、地上には通常のノイズに加え、空中に飛ぶノイズ、そして巨大なノイズなどこれまでにない規模のノイズが集まっている。

 

そんな中でソウゴはライドストライカーを走らせながら、近づき

 

「待たせたな」

 

「お兄ちゃん!!」

 

同時にソウゴは懐から取り出したライドウォッチを響達に向けて投げる。

 

「あれは」

 

奏が突然投げられた物に疑問に思っている間に響達はライドウォッチを受け取ると同時にそのスイッチを押す。

 

【響鬼】【シノビ】【フォーゼ】

 

その音声と共に響達の周りに様々な色の鎧が現れ、迫ってきたノイズを消滅させながら、響達に装着されていく。

 

【アーマータイム!】

 

その音声と共に響の身に纏っていたアーマーはパージされ、紫色のボディスーツと鬼の顔を思わせる胸当てだけが装備される。

 

「なっなんだ、これは」

 

「はぁ!!」

 

同時に響はその拳を地面に叩くと、地面に巨大なマークが現れ、連続で叩きこんでいく。

 

叩きこまれた地面の振動から、地上にいたノイズは身動きを取る事ができず、響は最後に地面に蹴りを叩きこむ。

 

同時にノイズ達に向けて紫色の襲波が襲う。

 

【我流・戦姫式鬼蹴】

 

地上のノイズ達が一瞬でいなくなった事で呆けている間に奏は突然起きた突風に驚く。

 

「はあああぁ」

 

空にいた無数のノイズに対して、次々と煙と共に姿を消しては現れるを繰り返し、その手にナイフと同じぐらいの形になっている刀を持ちながら、切り裂いている翼の姿があった。

 

その姿は剣士とは違い、忍者を思わせるアーマーを身に纏っており、足まで伸びているマフラーが特徴的な姿になっていた。

 

そして、工場よりも巨大なノイズに対して向かっているマリアの手はその手に持った巨大なロケットと共に宇宙服を思わせる装甲を纏ったマリアが次々と貫いていく。

 

「何が起きているんだ」

 

同じシンフォギアとは思えない力を発揮しながら、戦う彼女達の姿を見て、奏が睨んだのは先程ライドウォッチを投げたソウゴの姿だった。

 

「なぁ、お前があの力を渡したのか!!」

 

「うわっ、びっくりした、いきなりなんなんだ天羽さん!?」

 

突然の事で驚きながら、ソウゴは奏を見つめながら、訪ねる。

 

「質問に答えろ!!」

 

「まぁ渡したとは違うな。

ライドウォッチは俺が渡したというよりも、ライドウォッチ自体が認めないと、力は使えない」

 

まるで奏の考えている事が分かるように、ソウゴは答えると、その手にあるライドウォッチを渡す。

 

言葉の意味が分からず、奏はすぐに力を使おうとスイッチを押すが

 

「なっなんでだ」

 

発動する事すらできずに混乱する奏

 

『なぁ』

 

混乱する奏に問いかけるように、どこか声が聞こえる。

 

周りを見渡すと、まるで時が止まったように真っ白になっており、何が起きているのか分からずに見渡す。

 

『お前が手に入れたかったのは力だけなのか』

 

その声に聞き覚えがあった。

 

ゆっくりと、振り返ると、そこには

 

「私」

 

そこにいたのは奏自身だった。

 

その身に纏っているのは確かにガングニールであり、今も自分が身に纏っているのは変わりないはずだった。

 

『力が欲しいのか』

 

「あぁ、欲しいよ!!

例えこの身がどうなったって構わない!!」

 

『けどさぁ、それで翼が喜ぶのか?』

 

「翼はっ、もういない。

あそこにいるのは、私が知っている翼じゃない」

 

奏はそう言いながらも、空で今でも戦い続ける翼を見つめる。

 

無くしたはずの大切な片翼、だけど、それは別の世界から来た、まったくの別人。

 

『確かに、この世界での翼はもういない。

けど、それはあの翼だって同じだ』

 

「それは」

 

その中で、訪れたばかりの頃に翼が語ってくれたもう一人の自身の結末。

 

そして、その自身によって救われた響の話。

 

今なお、憎しみに囚われている自分とは違い、誰かの為に犠牲になった自分が輝いて見えた。

 

『お前が、力が欲しかったのは何の為だ。

復讐以前にさ』

 

「それは、私は」

 

その言葉と共に蘇るのは家族との思い出、共に過ごしてきた翼との思い出。

 

「私が復讐をしたかったのは、それだけ大切な物が無くなったから」

 

『それをまた無くしたいのか』

 

「無くす、そんな事」

 

再び問われる言葉に、断言する事ができずに奏は

 

「そんな事、会った時から分かっているよ」

 

「・・・だったら、それで良いんじゃないか?」

 

「えっ?」

 

同時に奏の姿はなくなっていた。

 

変わりに、見覚えのない青年がそこに立っていた。

 

「君は親友と再会できた。

きっと、彼女だって、それを喜んでいる」

 

そう言いながら、青年はゆっくりと近づき、その手に持ったカードを奏に渡す。

 

「俺は馬鹿だから、どう言葉で伝えたら良いか分からないけどさ、大切な奴を守りたいと思うんだったら、それで良いと思う。

だって、その為にその力を得たんだろ」

 

その一言がきっかけだったのか、ゆっくりと奏は深呼吸をしながら、目を開く。

 

「確かに私もあんまり考えるのは得意じゃない。

だけど、翼は翼、私は、再会できて嬉しかった、また一緒に歌いたい」

 

「それで良いと思う」

 

その言葉と共に、目の前にいる青年の姿は変わっていた。

 

その青年の姿に見覚えのない奏は疑問に思いながらも

 

「君が守りたい物の為に戦え。

俺も少しは力を貸すから」

 

同時にまるで鏡が割れるような音と共に、周りの光景が再び戻る。

 

「なっまさかカルマノイズ!!」

 

「奏っ!!」

 

戦いの最中、突然現れたタコ型カルマノイズは、奏に向かって襲い掛かる。

 

だが、奏は慌てる事なく、その手に持ったライドウォッチのスイッチを押す。

 

【龍騎】

 

音声が鳴り響くと同時に海から咆哮が聞こえ、襲い掛かろうとしたカルマノイズは吹き飛ばされた。

 

そこに現れたのは機械のような赤いドラゴンだ。奏の周りを囲みながら、その姿を変えていく。

 

銀色と赤色の装甲を身に纏い、まるで騎士を思わせる姿、さらにはその手に持った槍はまるで龍を思わせる形へと変わった。

 

「まさか、こんなに早くアーマーを纏えるなんて」

 

「やっぱり凄いよ、奏さん!!」

 

「奏」

 

その姿を見て、嬉しそうに声を出していながら、奏もまたカルマノイズを見つめる。

 

「悪かった、勝手に使って」

 

「別に構わない、だけどいけるか?」

 

「まぁな、翼は少し忙しそうだし、今は一緒にいってくれるか」

 

「勿論」

 

その言葉と共にソウゴもその手にジオウⅡライドウォッチを取り出し、ジクウドライバーに装填する。

 

「変身!!」

 

【ライダータイム!仮面ライダー!ライダー!ジオウ!ジオウ!ジオウⅡ!】

 

そのままジクウドライバーを回したソウゴは仮面ライダージオウⅡへと変わり、その手にサイキョージカンギレードを構える。

 

その姿の変化を見たカルマノイズは、無数の触手で襲い掛かる。

 

奏は手に持った槍を変形させ、槍先を龍の頭へと変形させ、構える。

 

槍は咆哮と共に、巨大な炎を吐き出し、カルマノイズの触手を次々と燃やしていった。

 

ジオウⅡはそのまま炎の中を走りながら、カルマノイズへと接近すると、大振りでカルマノイズを切り裂く。

 

身体の大きさもあり、カルマノイズはそのまま大きな傷跡を作り出すが、瞬時に再生される。

 

だが、再生される瞬間にできた隙を逃さないように奏はすぐに変形させた槍でカルマノイズを切り裂く。

 

青龍刀を思わせる槍先は次々とカルマノイズを切り裂いていく。

 

「次で決める」

 

「あぁ」

 

【サイキョーフィニッシュタイム!キングギリギリスラッシュ!】

 

その音声と共にサイキョージカンギレードから巨大な刃が現れ、それに合わせるように槍先をカルマノイズへと構える。

 

【FAINAL∞VENT】

 

「「はああぁ!!」」

 

奏が槍先から人の大きさを遥かに超えた炎弾を放ち、燃え上がったカルマノイズへと切り刻むようにジオウⅡはそのまま切り裂く。

 

二人の攻撃を受けたカルマノイズはそのまま塵すら残さず、消えり去る。

 

「お兄ちゃん!!」

 

「奏!」

 

戦いを終え、二人の元に響と翼がすぐに寄り添い、安堵していた。

 

「あっあぁ、その…悪かったな翼」

 

「奏」

 

これまで聞いてきた拒絶するような言葉ではない事に嬉しく感じた翼はそのまま涙を流しながら、互いに抱き合った。

 

「良かった、翼さん」

 

「あぁ」

 

そう言いながらも、ソウゴと響もその光景を見つめながら、ゆっくりと笑みを浮かべた。

 




その世界は彼女の傍に誰もいなかった世界

「お前なんて、知るか」

「がはぁ」

「ソウゴォ!!」

立花ソウゴは二度死ぬ

「こいつらは、一体」

「倒してもキリがない!!」

世界を侵略する機械軍団

立ち向かうのは

「さぁ、ここからは機械的に行う」

「貴様が正義なら、俺は悪だ」

相反する、二人の戦士

戦姫絶唱シンフォギアXD  翳り裂く閃光編

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム

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