戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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宇宙刑事の絆

「えっ別行動!?」

 

「そう、少し気になる事があってな」

 

工場の戦いが終わった後、ソウゴは響達とは別行動を行う事を話していた。

 

「この世界の本来の目的であるカルマノイズの事は勿論忘れていないが、それよりも気になる事ができたのでね」

 

「気になる事って、もしかしてアヴェンジャーギャバンの事か?」

 

「あぁ奴を止めなきゃ、危険な状況は変わらない。

そこで、俺とウォズは一文字さんと一緒に本格的な捜査を行う事にした」

 

「だったら、私達も「君達にはカルマノイズの件がある。二つの事件を同時に追うのはあまりにも危険すぎる」それは」

 

「安心しろ、アヴェンジャーギャバンなんて、すぐに倒して合流するから」

 

心配をかけないようにソウゴは笑みを浮かべながら、響にそう言った。

 

「・・・うん、分かった。

私も早くなんとかして、お兄ちゃん達に協力するから」

 

「あぁ」

 

そう言い、響と握手すると、十文字に合流する二人。

 

「仲の良い兄妹だな」

 

「あぁ、勿論、最高の妹ですよ」

 

「それは良かった。

だったら、早くアヴェンジャーギャバンを倒さないと」

 

「でも、どこに」

 

「それだったら、検討はついている」

 

「えっ?」

 

そう言うと、十文字さんが取り出したのは、何やらマップのようだが

 

「あれから俺とシャリバンはアヴェンジャーギャバンの出現地と目撃情報を元にある程度は検討をつけた。

その中でも一番怪しいのは既に潰れた廃工場だ」

 

「廃工場、いかにも悪人がいそうな雰囲気がするな」

 

「だが、奴も計画は進めているはずだ。

既に現場の周りはシャリバンと協力してくれている二課の職員が封鎖してくれている」

 

「だったら、あとは突入だな」

 

その言葉を受け取ると共に、俺達はすぐに現場に向かった。

 

廃工場は既に潰れている雰囲気を出しており、人気はしていなかった。

 

「この先らしいが」

 

「なるほど、ここだな」

 

ウォズは周りを探りながら、壁に手を当てると、その部分だけが透けていた。

 

その光景を見た十文字とソウゴは顔を合わせて頷くと共に突入する。

 

そこには

 

「なっ」

 

「とんでもない数だ!!」

 

そこに広がっていたのは次々と製造されていくギャバンブートレグだった。

 

今は起動していないが、もしも全て起動すれば

 

「すぐに破壊だ」

 

「まぁ、そう判断するな」

 

「「「っ!!」」」

 

突然聞こえた声に振り向くと、そこにはアヴェンジャーギャバンがこちらを睨んでいた。

 

「アヴェンジャーギャバン!!」

 

「悪いが、お前達はここで死んでもらう」

 

「そうなるか!!

変身!」

 

「変身!」

 

「蒸着!」

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!】

 

【投影! フューチャータイム!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!】

 

変身が終えるのを確認すると、アヴェンジャーギャバンの眼光は光ると同時にレーザーブレードで襲い掛かる。

 

「レーザーブレード!」

 

ギャバンもその手に持ったレーザーブレードで対抗し、三人はその場で連携を行いながら、アヴェンジャーギャバンとの闘いを繰り広げる。

 

だが、アヴェンジャーギャバンはまるで全てを予知しているかのように正確な動きを行いながら、進めていく。

 

「だったら「させるか」ちっ!!」

 

ジオウはすぐにジオウⅡへと変身しようとするが、その動きは封じられ、容易に行えなかった。

 

「はあぁ!!」

 

そして、アヴェンジャーギャバンはそのまま自身の身体を光の玉へと変え、3人に襲い掛かる。

 

「ぐっ、とんでもない強敵だ」

 

「あぁ、だが、ここまで戦って、ようやくあいつの正体が分かったぜ」

 

「何か気付いたのか?」

 

「薄々は予感していたがな」

 

ギャバンの言葉に疑問に思いながら、目の前にいるアヴェンジャーギャバンに目を向ける。

 

「お前、ラースだな」

 

「ラース?」

 

聞き覚えのない名前に疑問に思うと、アヴェンジャーギャバンは大声で笑いながら見つめる。

 

「あぁ正解だよ」

 

「ラースって一体」

 

「かつて、俺が戦ったマッドギャランに変身した奴だ」

 

「どういう事なんだ?」

 

「あいつの戦い方には見覚えがあったんだ。

最初はギャバンブートレグだから、それをトレースしているのかと思ったが、それだけじゃなかった。

不気味な雰囲気はまさに俺が戦ったマッドギャランそのものだった。

そして、ギャバンブートレグの中に埋め込まれているあのライドウォッチこそ、お前だったんだな」

 

「正解だよ、ギャバン。

死ぬ前の褒美として教えてあげよう」

 

そう言うと、アヴェンジャーギャバンは埋め込まれているライドウォッチを取り出し、こちらに見せつけながら、スイッチを押す。

 

【マッドギャラン】

 

「あの時、俺はサタンゴースに叩き潰され、死んだ。

だが、俺がかつてマッドギャランの残留思念をマスカーブレイドに宿したように、私自身をこのライドウォッチに宿す事で生き返る事ができた。

そして、新たな器としてかつてザンギャックが作り出したギャバンブートレグを元に私は蘇ったのだ!!」

 

「つまりは、あいつは」

 

「かつてギャバンが倒した奴らの集合体」

 

「そういう事だ、そして、この体は破壊衝動が高ければ高い程、その力はより強固となる!!」

 

その言葉と共にアヴェンジャーギャバンは再び自身にライドウォッチを宿し、襲い掛かる。

 

黄色い閃光の剣と共に、ジオウとギャバンに襲い掛かり、手に持った武器で防いでいくが、僅かしか持たず、吹き飛ばされる。

 

「ぐぅ」

 

「がぁ!!」

 

吹き飛ばされた二人はそのまま変身を解除される。

 

「これで、終わりだ」

 

そのままアヴェンジャーギャバンは手に持ったレーザーブレードで近づいていく。

 

既にボロボロになり、僅かに動くことしかできない十文字は逆転の手はないか、探っていると

 

「これは、まさかっ!」

 

その手にはソウゴから零れ落ちたと思われるブランクライドウォッチだった。

 

だが、そのブランクライドウォッチは次第に銀色の輝きと共に、形が変わった。

 

何が起きたのか分からなかったが、十文字は宇宙刑事としての感を信じ、ソウゴに向かって叫ぶ。

 

「受け取れ、ソウゴ!!」

 

その言葉と共に十文字はその手に収まったライドウォッチをソウゴに向けて、投げた。

 

「これは、やるしかないか!!」

 

その言葉と共にソウゴはその手に持ったライドウォッチを起動させる。

 

【ギャバン】

 

「なに!?」

 

その音声を聞き、驚きを隠せないアヴェンジャーギャバンだが、ソウゴはそのままギャバンライドウォッチをジクウドライバーに装填し、回す。

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!

アーマータイム!蒸着!ギャバン!】

 

ジクウドライバーを回した瞬間、ジオウの体は瞬時に銀色の鎧を身に纏い、顔には【ギャバン】という文字が刻み込まれる。

 

それを見た瞬間、ウォズはジオウの横に立つ。

 

「祝え、全ライダーの力を引継ぎ、新たな力をも受け継いだ瞬間を!

その装着時間は約0.05秒に過ぎない、宇宙刑事の力を受け継ぎし、時の王者!

その名も仮面ライダージオウ ギャバンアーマー!

さぁ、王の判決を受けるが良い」

 

ウォズはまるで満足したように笑みを浮かべながら、後ろへと下がる。

 

「アヴェンジャーギャバン、数多の人々を傷つけたお前を倒す!!」

 

「やれるものならば、やってみろ!!」

 

その言葉と共にアヴェンジャーギャバンはその手に持ったレーザーブレードで襲い掛かる。

 

「ジカンギレード!!」

 

ジオウはその手に持ったジカンギレードを構えると、ジカンギレードを構え、ジカンギレードの刀身を触れ、すっと滑らせる。

 

同時にジカンギレードの刀身は青色の光が灯り、アヴェンジャーギャバンの剣と激突する。

 

光の刃同士がぶつかり合い、火花を散らしながら、一歩も引かない戦いが繰り広げられていた。

 

当初はアベンチャーギャバンの方が優勢に見えた攻撃。

 

だが

 

「なっ!!」

 

力も速さも、機械のような正確な動きと破壊衝動によって、倍増されているはずの戦闘力を持つアベンチャーギャバンが押され始めている。

 

「何がどうなっているんだ!!」

 

「俺は、アーマーを身に纏っている時には一人で戦っているんじゃない」

 

その言葉と共にジオウは剣を横に切り払う。

 

同時に、アヴェンジャーギャバンの目には歴戦の戦士だと思わせる男が立っていた。

 

その人物こそ、初代ギャバンこと、一文字烈だった。

 

「俺は受け継いだ思いと共に戦っている」

 

その言葉と共に、蹴り上げると、そこには十文字が共に蹴り上げる。

 

「俺は一人で戦っている訳じゃない」

 

「ふざけるなぁ!!」

 

その言葉と共にアヴェンジャーギャバンはその手に持っているレーザーブレードを構える。

 

「これで終わらせる」

 

同時にギャバンライドウォッチを取り出し、ジカンギレードに装填する。

 

【フィニッシュタイム!ギャバン!ギリギリスラッシュ!】

 

「マッド・ギャラクティック!」

 

「「「ギャバン・トリプルダイナミック!!」」」

 

アヴェンジャーギャバンの叫び声と共に、巨大な斬撃がジオウに向かって襲い掛かる。

 

だが、ジオウの動きに合わせて、二人のギャバンは手に持ったレーザーブレードと共に放たれたギャバン・トリプルダイナミックが激突する。

 

互いの攻撃がぶつかり合い、火花を散らしていくが、ギャバン・トリプルダイナミックはそのままマッド・ギャラクティックを打ち消し、アヴェンジャーギャバンに直撃する。

 

そして、3つの攻撃はアヴェンジャーギャバンの装甲を貫き、その奥に隠されていたマッドギャランライドウォッチを完全に飲み込み、消し去った。

 

「そんなっ、馬鹿な!!」

 

その言葉と共にアヴェンジャーギャバンは倒れ、爆発する。

 

「ふぅ」

 

「やったな」

 

「えぇ」

 

ピンチを乗り越え、ソウゴはそのまま十文字の手を握り、勝利の喜びを分け合った。

 

そして

 

「どうやら、我々の役目はここまでらしい。

どうやら、響君達の方でもカルマノイズを倒す事に成功したらしい」

 

「もうなのか、だとしたら」

 

もうこの世界から去る事になってしまう。

 

ソウゴにとっては響の命の恩人とも言える奏とは話したかったし、十文字とも交流を深めたかった。

 

「なに、そう落ち込むな。

俺達もしばらく捜査拠点として、この地球に残るつもりだ。

奴らはこの地球で何かを探っている可能性があるからな」

 

「そうですか、でしたら、よろしく頼みます」

 

「任せろ」

 

異世界という事で心配な事もあったが、この世界で多くの心強い仲間を得る事ができ、笑みを浮かべる。

 

「かくして、我が王は仮面ライダーではない新たな力を得る事ができた。

だが、しかし、これはまだ序章に過ぎなかった。

我が王の前に次に現れるのは果たして」




「死によって、別れた二人の姉妹。
だが、それはギャラルホルンによって、皮肉にも再開する事になる。
しかし同時にそれは世界を滅ぼす厄災へのカウントダウンでもあった。
滅亡を防ぐ為に、姉妹とジオウ、そしてこの世界を守る英雄達が立ち向かう。
戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄 イノセント・シスター編。
んっ、俺様が誰かって?もう察しているだろ?」

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム

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