『ソウゴ達がこの世界へ来る以前の出来事だった。
普段は元気なはずの響が最近眠れないという事を聞き、周りは心配していた。
そんな中でソウゴは特に心配しており、不眠不休の日々が続いていた。
「我が王よ、少し報告が」
「ウッ、ウォズ、なに?」
既に結構な隈ができている中で、ウォズの方を向くと
「今回の妹君の悪夢はあまりにも可笑しすぎる。
もしかしたら、並行世界で何かあった可能性があります」
「そういえば、確か、アラートがあったな。
もしかしたら」
既に判断能力を失いかけていたソウゴはウォズの言葉を聞くと、大急ぎで準備を行い、クリス達と共に並行世界へと向かった。
並行世界へとたどり着くと、同時にノイズの警報が鳴り響いていた。
「この世界でもかっ」
「それも二つの地点から!!」
「俺は向こうに行く、三人はあっちへ」
既にふらふらな状態になっているソウゴだが、その後ろから出ている気配に声をかける事ができずに怯んでしまう二人。
「あいつ、大丈夫なのか?」
「響があの状態だから、無理はないけど」
「とにかく、我々は向こうのノイズを片付けよう」
そうして、クリス達はその場から離れ、並行世界での翼と出会う。
彼女との合流後、もう一つの地点である介護施設へと向かった。』
「以上がこれまでの出来事です」
「おい、お前、どこに話しかけているんだ?」
「失礼、少しこれまでの事を整理を。
それで、そちらの方では話を聞けたかい?」
「まぁな。けど、並行世界だから、まさかとは思ったけどな」
そうクリスは言いながら、この世界での出来事についてを話した。
この世界では奏の世界と同様にルナアタック、フロンティア事変、魔法少女事変などは起きずにいた。
その決定的な違いは響だった。
この世界の響の傍には、響と一緒にいた未来も、守っていたソウゴもおらず、彼女は孤独な日々を送っていた。
「でも、こんな事をあいつに言えるのかよ」
「だけど、言わなくては、何も始まらないわよ」
クリスとマリアはそう言い合いながら、今は医務室で休んでいるソウゴにこの事を話すべきかどうかを悩んでいた。
そんな時だった。
「あぁ、だいたいは理解している」
そう言いながらも、ソウゴは手を握りしめながら、答える。
「ソウゴ」
普段は響と同様に明るい雰囲気を出しているソウゴからは考えられない程に冷静な声を出しており、その言葉にクリスは不安に感じている。
「とりあえず、俺は今、やれる事だけでもやってみる。
まずは響を探してくる」
「あっ」
ソウゴはそのままドアから出て行くが、その場にいた誰もが止める事ができなかった。
「なぜだか、普段のソウゴからは考えられない雰囲気ね」
「あぁ、もしも、このまま続けば、最悪」
普段とは違い余りにも冷静すぎる言葉に同じく不安を感じるマリア。
だが、その中で一際焦っているのは、他でもないウォズだった。
「どうしたんだ、いつものお前らしくない」
そんなウォズの様子に何かあると感じたクリスはすぐに質問を行うと
「私は、あのようになった我が王の結末を知っている」
「それって、どういう事なの?」
「君達にも話した事があるだろ。
我が魔王の最後の戦いを」
我が魔王、普段はソウゴに対して王と呼んでいるウォズがあえて言った言葉にクリスとマリアはその意味をすぐに察した。
「おい、それって」
「我が王は元々、人への依存が大きくある。
魔王の時にはゲイツとツクヨミ君。
そして、今の我が王は妹君に対してだ。
その先にある結末は」
「オーマジオウ」
マリアはそう答えると共にウォズは頷く。
世界を作り替える程の力を持ち、絶対的な存在の誕生は、世界の終わりを示している。
「ソウゴ」
「とにかく、ここは私に任せてくれ。
クリス君達は、このデータを元の世界に」
「あぁっ、分かった」
二人はそのままウォズの言葉に従うように、その場を去っていった。
「果たして、これから、どうなるか」
そう言いながら、ウォズは去っていた彼らの姿を心配そうに見た。
そして、その頃、ソウゴは
「えっと、立花さん」
「なに、またあんたなの?」
クリス達がソウゴの事を心配している中で、ソウゴは必死の探索の末にようやく響を探し出す事ができた。
「私に構わないでくれる?
正直、迷惑なんだけど」
「うん、そうかもしれない。
けど、俺は君を一人にしたくないから」
「なに、偽善者のつもり?」
「まぁそうなるかな?」
その言葉を聞き、響は顔を歪めながら、睨み付ける。
「だったら、さっさとどっか行け!!
馴れ合いをするつもりはないんだよっ!!」
「まぁまぁ、そう言わずにな」
「ちっ、勝手にしろ」
そう言いながら、ソウゴが退かない事に呆れ、歩き始める。
ソウゴも、そんな響の後を追って、走り出す。
そんなソウゴとは別に一旦、元の世界へと戻る事になったクリスとマリアは先程までいた世界についての報告をしていた。
「なるほど、別の世界ではそのような事が」
「たくっよぉ、あっちは元気で、こっちは病気みたいな状態なんてな」
そう言いながら、クリスは響の様子を確認しながら言う。
「それがですね。
少し言葉が増えたというか」
「言葉が増えた?」
「なんでも『付きまとうな』『なんで私に構うんだ』と」
「んっ?」
エルフナインから聞く言葉にどこか疑問に思えたのか、クリスは首を傾げる。
「なぁ、これって」
「えぇ間違いないわ」
「何か知っているのか?」
「あぁ、向こうの響がソウゴに向かって言った言葉の数々だ」
「だとしたら、向こうの響さんと何か関連が」
エルフナインが、そう考察をしていると
「これはっ!!」
アラームが鳴ると同時にエルフナインはすぐにパソコンを操作する。
「どうしたんだっ!!」
「基地内で侵入者が、複数を感知!?
だけど、どの扉も封鎖されています!!」
「なに?」
「画面、出ます!!」
その言葉と共に映し出された画面に映し出されていたのは、人型のロボットが3体歩いている様子だった。
「なっなんだ、こいつらは!」
「とにかく、急いで向かわなきゃ!!」
そう言い、すぐに司令室から出ようとするも、ドアは閉じたまま、開こうとしない。
「どうなっているの!?」
「完全にハッキングされています!!
今、こうやって画面に映し出せているだけでも、精一杯です」
そう言いながら、藤尭と友里にエルフナイン達が必死にネットワークの奪還を行うも、監視カメラの映像だけを映す事しかできない。
「こいつら、一体っ!?」
「おい、ここって!?」
ロボット達がやがて辿り着いたのは現在は響が休んでいる医務室だった。
そこで可能性として出てくる目的を察すると
「こうなったら、扉を破壊して行くしか!!」
「それしか、方法はない!!」
すぐにロボット達の目的を阻止する為に切歌と調はシンフォギアを身に纏うとした瞬間だった。
「っ待ってくださいっ!!」
「なんだっ!?」
エルフナインの言葉に疑問に思い、画面を見てみると、そこでは驚くべき映像があった。
先程まで侵入しようとしていたロボット達の一体が吹き飛ばされており、扉から何かがゆっくりと出てきていた。
いったい何が起きたのか。それを語る為に、少し時間を巻き戻そう。
病室で、未だに危険な状態が続く響に未来が寄り添っていた時だった。
「ここか、立花響がいる場所は」
聞き覚えのない声に未来は振り向くと、そこには全身黒く、青いBが特徴的な謎のロボットが立っていた。
「あなた達は一体!?」
「俺はブルーハカイダー、立花響を殺す為にここに来た。
大人しくすれば、命だけは助けてやる」
「っ!!」
その言葉を聞くと、未来はすぐに響の前に立ちはだかる。
「ほぅ、逆らうのか。
ならば死ぬが良い」
その言葉と共にブルーハカイダーはその手に持った鞭を未来に向けて振るい伸ばした。
未来は目を閉じながらも、ブルーハカイダーの攻撃から響を守る為にその場を動かなかった。
鞭の攻撃に備えていた未来だが、衝撃は何時まで経っても訪れず、ゆっくりと目を開けると、目の前では見たことのない青年がブルーハカイダーの鞭を受け止めていた。
「貴様は一体!?」
「・・・スイッチ・オン」
その言葉と共に青年の姿は徐々に変わっていき、そこに現れたのはブルーハカイダーとは見た目は酷似しているが、他の機械的に見えるハカイダーに比べて、人間に近い見た目をしていた。
「貴様は一体!?」
「俺は、ハカイダーだ」
その言葉と共にハカイダーはその拳でブルーハカイダーを殴り飛ばす。
「ぎゃぁ!」
ブルーハカイダーはその衝撃と共に吹き飛ばされ、続々と現れる他のハカイダーに受け止められる。
「何が起きた!!」
「奴がっ!!」
その言葉と共にハカイダー達は、その視線の先を見つめると、ハカイダーは頭部にある頭脳を赤く発光させながら、ゆっくりと近づく。
「ここでは不利だ、確か、この先にシミュレーションルームがあったはずだ」
「そこに行くぞ!!」
そのまま戦っては勝ち目がないと判断したのか、ハカイダー達はその場を離れていった。
それを見ながら、逃げる獲物をゆっくりと追うようにハカイダーも動き出す。
やがてシミュレーションルームに辿り着くと、瞬く間に周りの景色は変わり、ハカイダーは周りを見渡す。
「貴様は我々と同じハカイダーなのに、なぜ邪魔をする!!」
「貴様らが気に入らないからだ」
「何を言っている!!
我々には崇高な目的があるというのに!?」
「崇高だろうと、なんだろうと関係ない。
お前らを破壊するだけだ」
「ならば覚悟はできているなっ!!」
そう言うと、その場にいたハカイダー達は各々の武器を持ちながら、構える。
互いに殺気を出しながらも、最初に仕掛けてきたのはブルーハカイダーと一緒にやってきた銀色の装甲を身に纏ったシルバーハカイダーだった。
「ハアァ!」
シルバーハカイダーはその手に持った電子棒を振り上げながら、襲い掛かる。
だが、ハカイダーはその手に持った武器、ハカイダーショットを空中に投げ、持ち手を変え、そのまま殴りつける。
「があぁ!!」
銃での攻撃か素手での攻撃を想定していたシルバーハカイダーは弱点である脳を直接殴られた事で、その場で倒れてしまう。
だが、他のハカイダー達はそれによりできた隙を狙うように各々の武器で攻撃する。
「ふんっ」
だが、ハカイダーは手に持ったハカイダーショットで、迫りくる矢を殴り落とし、迫りくる鞭を掴み、そのまま振り回す。
「ぐわぁ!?」「ぎゃぁ!?」
二人のハカイダーはそのまま互いにぶつかり、そのまま武器を手放す。
その隙を逃さないように、ハカイダーは再び銃口を二人のハカイダーに向けると共に引き金を引く。
放たれた弾丸はハカイダー達を貫き、そのまま爆発する。
「なっ何が起きたのっ!?」
「分からん、だが、油断はできない」
シミュレーションルームに辿り着いた翼とマリアは各々の武器を構えるが
「お前は一体」
「・・・俺はハカイダー。
ここは、どこだ」
「はぁ?」
ハカイダーの言葉に思わず呆けた声を出しながら、クリスは呆れたようにハカイダーを見つめる。
■
ギャラルホルンの警報と共に、ソウゴ、響、翼、調の4人が調査に向かった。
だが、到着し、ノイズを撃退後、謎の集団に攫われてしまう。
そんな彼らを助けたのは、並行世界であるフィーネとウィル博士だった。
突然の事で戸惑いを隠せないまま、彼らは二課から脱出する事ができた。
「まさか、こんなタイミングばっちりに!?」
「えぇ、本当にね。
だけど、どうやらこっちもタイミングはばっちりのようね」
「えっ?」
疑問に思えたソウゴ達。
そんな彼らは振り返ると、まるで時が止まったような現象が起きる。
「まったく、いきなり通信が来たから何かと思ったら、一般人を連れて、何をしているの!!」
「えっ?」
その怒声に聞き覚えのあるソウゴは、振り返る。
「あら、そんなつれない事を言わないで頂戴」
「とにかく、ここは私が食い止めるから、早く逃げて」
その場に現れた少女は白いローブを身に纏いながら、その腰に巻いたジクウドライバーと共にライドウォッチを作動させる。
【ツクヨミ】
「嘘だろっ!!」
その声に聞き覚えがあったソウゴは、その姿を見る。
「変身!」
【ライダータイム!仮面ライダーツクヨミ!ツクヨミ!】
少女の後ろから現れた時計から白いライダースーツを身に纏い、仮面ライダーへと変身していた。
「まさか、この世界の仮面ライダー!?」
「名前がツクヨミだが、月読と関係者か」
「お兄ちゃん?」
そう驚いている間にこちらに迫ってくる車に気付き、振り向くと、ソウゴ達の前に車が止まる。
「フィーネさん、指示通り来たけど、ここで合っているのかい!?」
車の窓から現れたのは眼鏡をかけ、急いで来たのか慌てた様子の男性がいた。
「えぇ、ありがとう、ほら乗って」
「感謝します」
「ほら、お兄ちゃんも?」
未だに驚きを隠せないソウゴは目の前にいる人物を知っていた。
その場で動けずにいたソウゴを心配して、男性は
「ほら、君も早くって!!」
「ちっ、アナザーライダー!!」
「危ない!!」
そんな男性とソウゴを狙うように鏡から現れたアナザーファムがソウゴを襲い掛かろうとする。
「っ!!」
【ライダータイム!仮面ライダージオウ!
アーマータイム!カメンライド!ワーオ!ディケイディケイディケイ!ディケイド!!】
ソウゴはほとんどの予備動作なく、その手に持ったジオウライドウォッチとディケイドライドウォッチをジクウドライバーに装填し、アナザーファムを殴る。
「えっ仮面ライダー!?」
「まさかとは思っていたけど」
アナザーファムは突然の攻撃で怯んでいた。
「今の内に逃げるわよ」
「でも、アナザーライダーをここで倒さないと」
「無駄よ、アナザーライダーはアナザーライドウォッチを破壊しない限り不死身よ。
そのアナザーライドウォッチも破壊は不可能だから、奴らからは逃げるしかないわ」
「えっでも」
「はああぁ!!」
【フィニッシュタイム!ディケイド!アタック!タイムブレーク!】
そんなアナザーファムに対して、ソウゴはアナザーファムを蹴り上げ、瞬く間に倒した。
同時にアナザーライドウォッチは破壊され、代わりにファムライドウォッチが現れる。
「嘘でしょ!?」
「なんだか、凄い子が来たね」
「お兄ちゃん」
「・・・一体、どうなっているな。
なんで、ツクヨミとおじさんが」
ソウゴはそう言いながら、かつての世界において、一緒に戦ってくれたツクヨミと自分を育ててくれたおじさんを見つめながら呟く。
先覚の覚醒者 ツクヨミ
オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは
-
天羽々斬
-
イチイバル
-
シュルシャガナ
-
イガリマ
-
アガートラーム