響の受験が無事に成功し、俺達はこの町から引っ越しの準備を行っていた。
数多くの思い出があり、ここから離れるのは多少の心残りがあったが、これ以上苦しい思いを響にさせない為に俺も母さんも婆ちゃんも決心した。
本当ならば、もっと早く離れたかったが、引っ越しを行う為の金が少なかった為に、響の受験が決まるまで、この家に住んでいた。
「それで、お前にも聞きたい事があったんだよな」
そう言いながら、俺は町から少し離れた場所で後ろを振り返ると、そこにはゲイツがいた。
「俺から聞きたい事だと?
お前を倒そうとしている俺からか?」
「まぁな。
ほら、ウォズってさ、なんか隠している事があるからさぁ」
「ふっ、それでなんで俺がそんな事を」
「そりゃあ、色々と。
お前が俺を殺したい理由もそうだけど、それよりも響を助けてくれた理由だな」
「・・・ただ単に一般人を巻き込みたくなかっただけだ」
嘘だな。
あの時に見た目は、確かに響を庇っており、俺と同じような感じがした。
「まぁ、俺を殺すかどうかは置いておいて。
もしも俺を殺したとして、一つだけ約束して欲しい事があるんだ」
「なんだと、お前との約束をなぜ守る必要がある?」
「良いじゃないか。
まぁ死ぬ気はないけどな。
俺から約束して欲しい事はただ一つ、響を守って欲しい」
「なに?」
「あいつ、俺が死んだって知ったら絶対悲しむからな。
だから、守って欲しい」
「なにっ!?」
俺の一言に驚いたのか、ゲイツはこちらを見て、放心していた。
「っ!
ゲイツ、後ろへと跳べ」
「っ!!」
その言葉に合わせるように俺達はその場から飛び、後ろを見つめると、そこにいたのは似た特徴を持た黄色と白い二人のアナザーライダーがいた。
「アナザーライダーが二体とはな、結構厄介な事になっているな」
「まさか、こんな所で現れるとはな」
「本当に毎回、図ったように出てくるな」
しかし二体とは、これまで一人ずつ相手してきたけど、二体同時はきつそうだ。
「さて、この状況だ、一緒に戦うぞ、ゲイツ」
「何を言っているんだ!?」
「お前が俺を倒したいのは知っている。
けどな、俺よりもあいつらを放っておけば危険だろ」
「今はな、だが「戦っているのを迷っていたら、人が死ぬかもしれない」っ!!」
「誰かが死ぬのを見ない為に戦う。
俺がお前に対して、どんな事をしたのか分からないけど、今はその罪を背負って、戦ってやる!!」
「ちっ共闘はする。
だが勘違いするな、これはお前の為じゃない」
「分かっているよ」
そう言い、俺達は各々のライドウォッチを取り出し、起動させる。
【ジオウ】
【ゲイツ】
そして起動したライドウォッチをそのままベルトに差し込み、構えると共に
「「変身!!」」
同時にベルトを回した。
【ライダータイム!仮面ライダージオウ!】
【ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!】
変身を完了すると共に、俺達は各々の武器であるジカンギレードと、ゲイツは手に持っている斧を構えながら、二体のアナザーライダーへ向かい、俺は黄色のアナザーライダーを、ゲイツは白いアナザーライダーと戦う。
黄色のアナザーライダーは手に持っている黄色の光を放つ武器でこちらに詰め寄るように戦っており、俺はジカンギレードで攻撃を受け流してから、蹴るといった戦いを行う。
対して、ゲイツの方は白いアナザーライダーは手に持っている銃でゲイツに向けており、ゲイツも同じく斧型の武器を弓へと変形させ、互いに牽制しながら戦う。
「だったら、こっちも」
「これを使わせてもらう」
その言葉と共に俺達は互いに新たなライドウォッチを取り出す。
【アギト】
【G3-X】
取り出したライドウォッチをそのままジクウドライバーにセットすると、俺達は互いに背中合わせになるのと同時に、ジクウドライバーを同時に回した。
【ライダータイム!仮面ライダージオウ!
アーマータイム!アギト!】
【ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!
アーマータイム!G3‐X】
それと同時に俺の目の前には黄色いアーマーが現れ、ゲイツの目の前には青いアーマーが現れ、各々に装着される。
「まさかこんな所でゲイツ君と共闘するとは。
奇妙な事だが、まぁ良いでしょう」
その言葉と共にウォズが現れ、本を開きながら大きな声で叫ぶ。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしらしめす時の王者。
その名も仮面ライダージオウアギトアーマー。
また一つ、ライダーの力が継承した瞬間である!」
「ウォズ、貴様っ!!」
「ゲイツ、危ないっ!!」
ゲイツがウォズに対して何かを言いそうになるが、俺はゲイツの肩を持ち、その場を避けると、二体のアナザーライダーが俺達を狙って、次々とエネルギー弾を放っていく。
光が飛び交う中で、俺とゲイツは各々の武器で撃ち返していくが、距離を詰めるには何か良い手はないのか?
「我が王よ、そのアーマーを身に纏っているならば、これを使いたまえ」
そう言いウォズが投げたのはライドウォッチだが、表面には仮面ライダーの顔は書いておらず、バイクという文字だけだった。
「これって、なんだ?」
「奴はあくまでもお前の味方だ。
この状況で不利になる物は使わないだろ」
「そうだな、とにかく」
そう言い、俺はライドウォッチのボタンを押すと同時にライドウォッチは俺の手元から急に離れて、巨大化し、目の前でなんとバイクになった。
「バイクって、文字のままかよ」
「だがこれで、どうすると」
そう言っていると、バイクの目の部分が光だすと、その形は変形し、バイクの前後の車輪が伸び、車輪の部分から風が吹き、宙を浮かんでいた。
「なんだ、これは、こんなのは見た事ないぞ」
「ゲイツも知らないのか?」
「俺も持っているが、こんな力は、まさかそのアーマーの力か?」
「まぁ、よく分からないけど、これならば。
ゲイツ、後ろに乗れ」
そう言い、俺はバイクの上に乗ると、それに合わせるようにゲイツも後ろに着地し、同時に飛び始める。
バイクは俺が乗り込むのと同時に、なんと俺の意思通りに動き始め、こちらに迫っていた攻撃を軽々と避けていた。
「これならば、攻撃に当たる心配はないな」
「でも攻撃手段は」
「それは俺に任せろ。
お前は操縦だけを集中しろ」
「任せた!」
その一言と共に、俺はバイクを操縦していると、ゲイツはどこからか取り出した巨大なマシンガンのようなパーツをそのまま弓に装着させる。
それと共に、俺がバイクを使い、奴らの攻撃を避けると共に、ゲイツが引き金を引くと凄まじい音と共に二人のアナザーライダーに銃弾が襲い掛かってくる。
銃弾から逃げるようにアナザーライダーは走り出すが、バイクの速さにより追い付き、攻撃を続ける。
そして二体の動きが止まるのと同時に俺はジクウドライバーを回し、ゲイツはライドウォッチを弓にセットする。
【フィニッシュタイム!アギト!グランド!タイムブレーク!】
【フィニッシュタイム!ギワギワシュート!】
音声が鳴り響くと同時に、俺はバイクの上で構え、ゲイツはその上で弓の引き金を引くと、弓矢から透明な赤い弾が発射され、アナザーライダー二体を壁際まで押し付けた。
「はああぁ!!」
それに合わせるように俺は飛び上がると、目の前に金色のマークが現れ、俺はそれに覆われると共に、二体のアナザーライダーを蹴り上げる。
どうじに二体は雄叫びを上げながら、その場で巨大な爆発を起こす。
「なんとか、倒せたな」
「言っただろ、勘違いするなと」
そう言いながら、俺達は同時に何かを感じ取ったように後ろを振り向くと、そこには先程まで戦っていたアナザーライダーと重ねられる二人の人物とは別にもう一人、合計三人の人物がいた。
『それで良いんじゃないのか、気に入らない相手は潰しちゃって』
『おい、草加、そういう事を言うなよ』
『別に良いじゃないか。
僕としては、そっちの君には深い共感を得られるけどな』
「なんだ、これは」
「えっゲイツは知らなかったのか?
なんだかライドウォッチを手に入れる時にいつもあるんだけど」
『まぁ俺達としても、託したいと思えた相手と話すからね。
あれ、巧は?』
『俺は別に良い。
ただ単にどういう奴かを見に来ただけだから』
そう言いながら、こちらを目を向ける。
『お前も馬鹿だな。
お前を倒そうとした奴にも手を伸ばすのは』
「まぁ、ゲイツは悪い奴じゃないと思ったから、そうしただけだから」
『・・・そうか』
それだけ言うと、その人はそっと俺に手を伸ばしてきた。
「えっと」
『握手』
「あっはい!!」
そう言い俺は思わず、手を伸ばす。
『乾巧だ、俺の力、お前に託す』
『乾がそっちに行くなら、俺はこっちだな・
彼にはまだ力が足りないし、三原はどちらでも良いんだろ?』
『はぁまったく。
別に良いけどな』
そう言うと残りの二人はゲイツの元へと行く。
『草加雅人だ。
君のこれから、楽しみにさせてもらうよ』
『三原修二だ』
「まぁ良い」
それだけ言うと、俺の手には赤い光が、ゲイツの手には黄色と白の光が溢れ、俺の手元には先程まで戦っていたアナザーライダーとは別のライドウォッチが。
ゲイツの手元には先程まで戦っていた二人のライダーのライドウォッチがあった。
「ライドウォッチに意思があったのか」
「知らなかったのか?」
「そうか」
そう言うと、ゲイツは後ろへと向く。
「お前に聞く。
お前はこれまで手に入れたライドウォッチからどんな事を誓った」
「多すぎるぐらいだ。
愛と平和、人の命、俺はそれらを受け入れて、これからも戦っていきたいと思っている」
「愛と平和、オーマジオウからそんな言葉を聞くとはな」
そう言い、ゲイツはその場から離れようとする。
「最後に聞きたい。
お前は立花響を守りたいと思っているか」
「当たり前だろ、俺の大事な家族で妹だからな」
「妹っ!?」
そう言うと、ゲイツは驚いた顔で見開いた。
「どうしたんだ?」
「・・・なるほど。
おい、オーマジオウ、お前に一つ警告する」
「なんだ?」
「一ヶ月後、お前の妹に大きな変化が起きる」
「へっ?」
それだけ言うとゲイツはその場から消えた。
「変化って、一体何を言っているんだ?」
今回は蝙蝠男さんのリクエストのアナザーカイザとアナザーデルタの二体でした。
次回からシンフォギア本編に突入していきます。
今後も、この作品をよろしくお願いします。
あと、まだまだ活動報告で募集していますので、そちらもお願いします。
オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは
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天羽々斬
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イチイバル
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シュルシャガナ
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イガリマ
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アガートラーム