戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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XV完結おめでとう。
だけど、このSSはまだまだ続きます!!
XDの方でもまだまだ続きそうですし、シンフォギアの今後が楽しみです。



変わってしまった友

「立花響の異変の解決の為に向かった異世界において、もう一人の立花響と出会った立花ソウゴは彼女の心を開かせる為に奮闘していた。

 

だが、そんな彼の知らない所で、元の世界において謎の機械軍団ハカイダーが襲い掛かる。

 

そんなハカイダー達を倒したのは、なんと同じハカイダーだった。

 

ハカイダーがこの世界に来た訳とは。

 

そして、そんな事情を知らない立花ソウゴは、今、もう一人の立花響と行動していた」

 

一通り語り終えると共にウォズは本を閉じ、目の前にある光景を見つめる。

 

「・・・」

 

「いやぁ、良かったね、あのお祖母ちゃん渡れて」

 

「・・・」

 

「あっ立花さん!!

あれなんて、どう!!

結構おいしそうだけど」

 

「・・・」

 

「おっこれなんて「本当にうざい」んっ?」

 

あれからソウゴは本当に一日中、響の面倒を見るようについていった。

 

彼女が親切な行動を見ると、喜んで手伝い、何か興味を示すと、すぐに行動に出る。

 

傍から見るとストーカーのような行動だったが、立花響の心境は少し違った。

 

(なんで、私にこんなに構うの)

 

彼女にとっては、誰もが見捨てたはずの自分に対して、いくら罵倒してもついてくるソウゴに対して、怒りを通り越して疑問しかなかった。

 

「さっきからうざいけど。

私が何をしたのか知っているの?」

 

「何って、ノイズを倒したり、困っている人に親切な事をしているんでしょ?」

 

「違うっ!

私は2年前に」

 

そこまで言おうとした時、響は言葉を詰まらせた。

 

あの時の惨劇の原因は自分であると、そう、目の前にいるソウゴに言えば。簡単に解決できるはず。

 

「・・・ちっ、もういい」

 

「立花さん」

 

そんな彼女の様子を見て、ソウゴはより一層に心配そうに見つめる。

 

不貞腐れ、どこまでも一人になりたいと思っている彼女だが、本当の気持ちは別にある。

 

(俺にできるのは、それに気づくまで一緒にいる事だけ。

もしかしたら、それが響を助ける事につながるかもしれないから)

 

その思いと共にソウゴは響についていこうとした時だった。

 

ソウゴは、何か奇妙な殺気に気付き、見つめると、ゆっくりとだが、こちらに近づく何かがいた。

 

「・・・立花さん」

 

「なにって、ちょ!!」

 

響の返答を待つよりも先に響の手を引っ張ると、ポケットからバイクライドウォッチを取り出し、すぐにライドストライカ―を呼び出す。

 

「乗ってっ、早く!!」

 

「ちっ、なんだよ」

 

何が起きているのかさっぱり分からない響だが、なぜかソウゴの言葉に逆らう事ができずにソウゴの後ろに乗り込む。

 

同時にソウゴはアクセルを踏み、走り出す。

 

「一体、いきなりどうしたの!!」

 

「後ろ、つけられている」

 

「えっ?」

 

その言葉に疑問に思い、振り返ると、建物の合間を抜けるように走っている白い何かがこちらを追いかけていた。

 

「ここじゃ、他の人が巻き込まれる。

この先で人が寄らない公園があるから、そこで戦う」

 

「あんた、なんでそんな事を「とりあえず、捕まって」っ!!」

 

響は、なぜそこまでこの地域に詳しいのか疑問に思うよりも先にソウゴはアクセルを踏み、さらにスピードを上げた。

 

やがて、辿り着いた無人の場所で、ソウゴ達を先周りするように現れたのは白い天使のようなロボットだ。

 

そのロボットに対して、ソウゴは睨みつけると、ミカエルはそのまま手を広げながら告げる。

 

「私の名前はミカエル」

 

「ミカエル?

随分と凝った名前だけど、それで何の用だ?」

 

「簡単な話だ、そこにいる彼女の処刑だ」

 

「っ!!」

 

その言葉を聞き、響は構えるが、その前にソウゴが

 

「てめぇ、今、なんて言った」

 

その怒りの声に何よりも驚いたのは響だった。

 

これまで機嫌取りのように行っていた彼からは考えられない程の声であり、なぜここまで自分の為に怒ってくれているのか。

 

「その彼女を殺す事が、私達の目的を達成する事になる」

 

「だったら、俺を倒してからにしろよ」

 

「他に犠牲を出したくないがな」

 

そう言い、ミカエルは指をこちらに向けると、指先がミサイルになって、襲い掛かる。

 

「っ!!」

 

変身しては間に合わないと思い、ソウゴはすぐに響を抱え、自らが盾になろうとした。

 

目の前の光景が見えない二人だが、その後聞こえたのは金属が弾かれる音だった。

 

ソウゴはすぐに確認するように、顔を向けると、そこに立っていたのは青いGジャンを身に纏った青年だった。

 

「えっ、お前は」

 

「久しぶり、ソウゴ」

 

目の前にいる青年は、かつてソウゴがまだ常盤ソウゴの時に出会った仮面ライダーキカイこと、レントだった。

 

「なんで、お前が」

 

「ここは僕に任せてくれ」

 

そう言いながら、背中に受けた傷はまるでなかったように立ち上がり、ミカエルと向き合う。

 

「お前は一体。

生体反応はないが」

 

「機械さ」

 

レントはミカエルに一言だけ返すと睨み

 

「スイッチオン」

 

その言葉と共にレントの体は変化していく。

 

彼の体は徐々に透け、赤と青の左右非対称の機械の戦士へと変わっていく。

 

「えっ?」

 

その姿に驚きを隠せないソウゴだが、レントはそのまま振り向き、ミカエル達を見つめる。

 

「貴様は一体」

 

「ここからは、機械的に行うか」

 

その言葉と共にレントは拳を握りしめて走り出す。

 

ミカエルはそれに対応するように、手刀のように構え、レントと戦う。

 

「キカイじゃない」

 

ソウゴは何が起きているのか、理解できないが、目の前で戦っているレントは確かにソウゴの事を理解していた。

 

かつては夢の中だけの存在であったはずの彼が、目の前で現れ、まったく異なる姿で現れた事に未だに動揺は隠せなかった。

 

「ぐっ」

 

そう考えている内にレントは地面へと叩きつけられ、ミカエルはその手をレントへと向けていた。

 

「ここまでやるようだが、所詮はその程度だったようだな」

 

「立花さん、ここにいてくれ」

 

「あんた、どうするつもり?」

 

「助ける、友達を」

 

「友達を」

 

ソウゴはそのまま真っすぐとミカエルを睨みつけると同時に走り出す。

 

「変身!!」

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!

アーマータイム!サイクロン!ジョーカー!W】

 

ソウゴはすぐに取り出したジクウドライバーを腰に装着すると同時にジオウライドウォッチとWライドウォッチを装填し、変身する。

 

変身したジオウは押さえつけているミカエルを吹き飛ばす。

 

「ぐぅ」

 

「っ!!」

 

「立てるか」

 

ソウゴはそう言い、レントの方へと手を伸ばす。

 

「勿論」

 

その言葉と共にレントは手を掴み、立ち上がり、ミカエルへと向く。

 

「目標は二名。

ならば、排除する」

 

その言葉と共にミカエルは猛スピードで迫りくる。

 

ジオウはその場でWアーマーによって発生する風と共にミカエルの攻撃を避け、レントは左の鋭い爪でミカエルの爪の攻撃を相殺させる。

 

ジオウはそのまま左側から攻撃を仕掛けようとするも、ミカエルは左側に装着されている武器、エンジェルウィングでソウゴを弾き飛ばす。

 

「ぐっ」

 

急な不意打ちだったが、ジオウはその身に纏っている風によって、ダメージを軽減する事ができ、後ろへと下がる。

 

「ぐっ!!」

 

だが、その間にレントに向けて、ミカエルはさらにダメージを与えるように追撃を行う。

 

そして、左手でレントの首元を掴み、締め上げた時だった。

 

ミカエルの左手にまるで狙いを澄ましたように銃弾が次々と同じ場所へと当たる。

 

「ぐっ」

 

「っ!!」

 

予想外のダメージに左手を抑えながら、苦しむミカエルに反撃とばかりにレントは蹴り上げ、その場から離れた。

 

何が起きたのか、確認するようにミカエルはソウゴの方へと向く。

 

【ルナ!トリガー!】

 

そこに向くと、そこには先程まで緑と黒の二色だったWアーマーは黄色と青の二色へと変わっていた。

 

「何が起きたんだっ!?」

 

この現象に疑問に思えたミカエルは知らないが、この姿は仮面ライダーWの基本形態であるサイクロンジョーカーとは別の形態、ルナトリガーであり、ソウゴがグランドジオウの力へと変わった時から使えるようになった能力の一つである。

 

ライドウォッチで使える形態は、そこに記載された形態のみだったが、グランドジオウライドウォッチの影響を受けたライドウォッチは、そのライダーに記録されている形態へ瞬時に変わる事ができる。

 

この事については、ソウゴの中には少し覚えがあった。かつて仮面ライダーオーズのライドウォッチをもらった時に出てきたタジャドルライドウォッチが、オーズライドウォッチの使用後、一体化した事がある。

 

クローズ、ゲンムライドウォッチにおいても同じ現象が起きており、この事から同じ時代に活躍した仮面ライダーは一つに纏まるのではないかと予想している。

 

最も、この世界においてはその現象は少ししか起きておらず、同一人物であるライダー以外には起きていない。

 

そうして、ソウゴはすぐにレントの危機を救う為にWのサイクロンジョーカーからルナトリガーへと変わり、ジカンギレードの銃から変幻自在の銃弾をミカエルに当てた。

 

「ぐっ」

 

さすがに危機的状況だと理解したミカエルはすぐにジオウの方にも警戒を始めた。

 

「決めるぞ、レント」

 

「あぁ」

 

そんなミカエルとは別にジオウはジクウドライバーに装填されているWライドウォッチのスイッチを押す。

 

【サイクロンジョーカー!】

 

その音声と共に再び緑と黒の二色へと変わると、再度ライドウォッチのスイッチを押す。

 

【フィニッシュタイム!W!MAXIMUM!タイムブレーク!】

 

その音声と共にジオウの中心に巨大な竜巻が現れ、ソウゴはその竜巻と共に宙へと舞いながらミカエルへと向けて蹴り上げる。

 

「はあぁ!!」

 

「っ!!」

 

ミカエルは瞬時にジオウから放たれる一撃の脅威を感じると共に後ろへと飛ぶが

 

「しまっ「電磁エンド!!」がはぁ!」

 

ミカエルは背後から迫っていたレントへの警戒を疎かにしていた結果、その腕から放たれた一撃に身体が分かれ、同時に襲ったジオウのライダーキックを食らい、爆散する。

 

「一体何が起きているの?」

 

その光景を最後まで見ていた響はそう言うしかなかった。

 

「それが、俺にも。

なぁレント、一体どういう事なんだ?」

 

「ごめん、ソウゴ。

僕はこの時代においてはレントではないんだ」

 

「レントじゃない?」

 

ソウゴの疑問に答えるように、レントは現代における自らの名を告げる。

 

「僕の今の名前はジロー。

またの名をキカイダー」

 

「キカイダー」

 

 

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム

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