戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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今回は言葉・紡さんの「仮面ライダーミラージオウ 鏡の王の異世界旅行 」とのコラボ作品を書かせてもらいました。
これからもコラボは募集していますので、皆様、よろしくお願いします。

https://syosetu.org/novel/182459/


コラボ 仮面ライダーミラージオウ 鏡の王の異世界旅行編

その日はいつもの日常のはずだった。

 

ソウゴと響は家族が住んでいる家に向かっていた。

 

「今日は本当に久しぶりだね」

 

「あぁ、まさか親父も帰ってくるからな」

 

魔法少女事変と呼ばれる事件から一週間の時が過ぎていた。

 

その日は、ソウゴ達の父親が退院し、待ち合わせ場所まで向かっていた。

 

「また、こうやって、家族が揃うなんてね」

 

「あぁ」

 

2年前の事件によって引き裂かれた家族。

 

だが、皮肉にも父親と戦う事により、彼らは再び一つに戻った。

 

「っ!!」

 

「えっ?」

 

ソウゴは突然感じた殺気から響を守るように抱き上げると同時にジクウドライバーを取り出し、腰に巻く。

 

「変身!」

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!】

 

その音声と共にジオウに変身したソウゴはそのまま響を抱えながら、電車から飛び降りる。

 

同時にソウゴ達を狙うように次々と黒い影が襲い掛かる。

 

お前は一体」

 

突然現れた影に対して、ソウゴは響を抱えながら避けていき、蹴り上げる。

 

同時に地面をバウンドしながら、その影の正体を見せた。

 

「本当、酷いなぁ、お兄ちゃんは」

 

「えっ!?」

 

そこに現れたのは響だった。

 

纏っているギアは黒くイグナイトとは違う真っ黒なガングニールを纏っている姿だった。

 

「私?」

 

「そうだよ、私は立花響だよ。

でもね、私が本物になる為には、そこにいる私を倒すしかないけどね!!」

 

「何をっ!!」

 

現れた黒い響に対して困惑しながら、ソウゴはすぐに攻撃を受け流す。

 

その戦い方は相手を一切傷つけないような動きを行っているが、黒い響はソウゴが抱えている響の命に躊躇なく襲う。

 

「ぐっ」

 

「お兄ちゃん!!」

 

「どいてよ、お兄ちゃん。

そいつが死なないと、私はこの世界の私になれない」

 

「何を言っているんだ」

 

「だから言っているじゃない。

その響がいなくならなければ、私は私でいられないの!!」

 

その言葉を発すると同時に、これまでにない憎悪を浮かべながら、響を睨み付ける。

 

「ぐっ」

 

目の前にいる響が俺の妹ではない事は分かっているはずだった。

 

だが、どうしても響とそっくりの姿の為、ソウゴは攻撃をする事ができず、必死に響を守り続ける。

 

「お兄ちゃんっ!!」

 

「そんな声で、私のお兄ちゃんを呼ぶな!!」

 

その声と共に、もう一人の響が襲い掛かろうとした瞬間だった。

 

もう一人の響から何かが当たったように後ろへと吹き飛び、見つめる。

 

ソウゴ達は急いで、その方向を見ると

 

「えっ」

 

「もう一人のジオウ?」

 

「まさか、この世界は、いや、俺の知っているあいつとは違うか」

 

そこに現れたのはジオウだった。

 

姿、形はまるで鏡映しのようなジオウが目の前に立っており、ソウゴ達は驚きで見開いた。

 

「とりあえず、奴を倒す」

 

「誰だ、お前はっ!!」

 

「俺は仮面ライダーミラージオウ」

 

「ミラージオウ」

 

その言葉に疑問に思いながらも、ミラージオウは、そのままゆっくりと黒い響へと近づく。

 

「おい、何をする気だ!!」

 

「アナザー響を倒す。

それが、俺の目的だ、邪魔をするな」

 

「だからって、殺す事はないだろ」

 

「甘いな、奴を放っておけば、この世界の響は殺される。

だから、俺は奴を倒すんだよ」

 

そう言い、ライドウォッチを取り出した。

 

【ガタック】

 

そのままミラージオウは取り出したライドウォッチをジクウドライバーに装填する。

 

【アーマータイム!CHANGESTAGBEETLE!ガタック!

ライダータイム!仮面ライダージオウ!】

 

「クロックアップ」

 

【CLOCKAPP】

 

その音声と共に、ミラージオウはガタックアーマーを装着すると共に、動きだし、アナザー響に攻撃を始める。

 

「くっ、きゃぁ!!」

 

「響!!」

 

カブトと同じ能力を持っている能力の為、超高速で動いているので、動きを捕らえる事はできないが、確実に殺す為に戦っている。

 

「お兄ちゃん、私、もう一人の私の気持ちが分かるかもしれない」

 

「響」

 

「私はとっても恵まれていたんだよ。

未来がいて、お兄ちゃんがいて、周りで大切なつながりがあった。

でも、もう一人の私は、それがなかったんだよ。

だから」

 

「あぁ、分かった」

 

響の言葉を聞き、ソウゴも決意を決めると共に、カブトライドウォッチを取り出す。

 

【カブト】

 

「はぁ!!」

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!

アーマータイム!CHANGEBEETLE!カブト!】

 

「クロックアップ」

 

【CLOCKAPP】

 

その音声と共に、ソウゴもまた高速の世界へと入ると、既にジカンギレードを銃モードに変えて、響に向けていた。

 

「終わりだ」

 

【スレスレシューティング!】

 

「させるか」

 

【フィニッシュタイム!カブト!クロックアップ!タイムブレーク!】

 

その音声と共に、アナザー響の前まで迫っていた攻撃を蹴りで弾き飛ばす。

 

「何をしているのか、分かっているのか。

そいつはこの世界を崩壊させる危険があるんだぞ。

それに、多くの人を傷つけた」

 

「確かに、この子は人を傷つけた。

だけどな、お前に分からないかもしれないけど、俺は一つだけ決めている事があるだよ」

 

「なに?」

 

「妹を守るのが兄の使命だ。

例え、別の世界だろうと、妹を守るのに、それ以上の理由は必要ない!!」

 

「馬鹿か!!」

 

そう言い、ミラージオウはすぐにジオウに向かって襲い掛かる。

 

その手に持っているジカンギレードから来る威力は、確かにソウゴよりも強かった。

 

「だけど、負けるつもりはない!!」

 

ソウゴははそのまま、蹴り上げて、ミラージオウを吹き飛ばす。

 

「ちっ」

 

【ネクロム】

 

「っ!!」

 

【ゴースト】

 

同時にミラージオウが取り出したライドウォッチを見て、ソウゴもすぐにカブトライドウォッチの代わりにゴーストライドウォッチを取り出す。

 

【アーマータイム!テンガン!ネクロム

ライダータイム!仮面ライダージオウ!】

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!

アーマータイム!カイガン!ゴースト!】

 

その瞬間、先程まで高速で動いていた空間は元に戻り、ジオウとミラージオウの肩から次々とパーカーゴーストが現れる。

 

互いに戦いは周りを巻き込みながらも続き、戦い続ける。

 

「これは一体」

 

「お兄ちゃんは、あなたの為に戦っているの」

 

「私の為、なんで?

私は、あなたを殺そうとした、それって、お兄ちゃんにとって、今の私は「そんなの関係ないよ!!」っ!!」

 

その瞬間、響がアナザー響の手を掴む。

 

「お兄ちゃんは家族だから守っているの。

例え別の世界だろうと、関係ない。

それは私だって、同じだよ、あなたは、もう一人の私だから」

 

「私を受け入れるの、そんなの馬鹿じゃない」

 

「うん、でも、それが私達だから」

 

「これは」

 

「どうだ、俺の妹は、凄いだろ」

 

「・・はぁ、今回は認めるしかないかもな。

どうやら、ジオウは、他の世界でもジオウらしいからな」

 

「お前は一体」

 

「っ、離れてっ!!」

 

「えっ」

 

突然聞こえた声で見るとアナザー響は響を押し飛ばした。

 

次の瞬間、アナザー響の胸元には巨大な刃が突き刺さっており、その先には

 

「まさか、あいつは仮面ライダーポセイドン!?」

 

そこに現れたのは、これまで見た事のない仮面ライダーであり、特徴としてはオーズに似ているが

 

「役立たずが。

この世界の強者を呼び寄せる事すらできないとはな。

やはり、この程度の奴に力を与えて、餌にする考え自体が間違っていたようだな」

 

「あっあぁ」

 

「消えろ」

 

「響ぃ!!」

 

ソウゴの声は届かず、そのままアナザー響は吹き飛ばされてしまう。

 

ソウゴと響は必至に追いかけ、受け止める。

 

「おい、しっかりしろ!!

すぐに「もう良いんだよ」っ!!」

 

見た瞬間、アナザー響の身体は徐々にだが、亀裂が入っており、既に修復できないまでになっていた。

 

「私っ!!」

 

「あはは、泣かないでよ。

私は、笑っている私が羨ましくて、この世界に来たんだから」

 

そう言いアナザー響は上の空を眺めた。

 

「あの世界で、私の周りは全てが敵だった。

家族も親友の未来も全てが、敵になった。

そんな時に得たこの力は、ずっと血で染まるしかなかった。

だから、あれを見た時、本当に欲しかった」

 

そう言い、アナザー響はゆっくりとソウゴの手を握った。

 

「私を守ってくれるお兄ちゃん。

皆と繋がる手を持つ、私。

全部、私にはなかった物だった」

 

「そんな事ないよ!!」

 

そう言い、アナザー響の手を響は掴む。

 

「私は、こうやってお兄ちゃんとも、私とも手を繋げた。

きっと、もっと多くの人と繋がる事ができるよ!!」

 

「あははっ、本当にお人よしだなぁ、私。

でも、そっか、私でも、繋がる手はあるんだなぁ、それが知れただけでも」

 

その言葉を最後にアナザー響は完全に消滅した。

 

同時に、響は溢れそうな涙と共に叫んだ。

 

「・・・今度は行けるな」

 

「あぁ、ミラージオウ。

こんな状況だけど、一緒に戦ってくれるか」

 

「あぁ、問題ない。

元々は、あいつを倒す為に俺はこの世界に来たのだから」

 

そう言い、俺達はジカンギレードを構えた。

 

「「お前だけは絶対に許さねぇ!!」」

 

「ほぅ、同じ仮面ライダー、いや鏡映しの仮面ライダーか。

これはなかなか、歯応えがありそうだなぁ!!」

 

その言葉と共にポセイドンの姿は崩れ去ると共に

 

【サメ・クジラ・オオカミウオ!】

 

その音声と共に、巨大な魚の怪物になると同時に、ジオウ達に向かって襲い掛かる。

 

「オーズのような姿だったら」

 

「これだ」

 

【オーズ】

 

【バース】

 

同時にジオウ達はライドウォッチを取り出し、こちらに向かって噛みついて来るポセイドンを避けて、ジクウドライバーに装填する。

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!

アーマータイム!タカ・トラ・バッタ!オーズ!】

 

【アーマータイム!~!バース!

ライダータイム!仮面ライダージオウ!】

 

同時にジオウに向かって走ってきたオーズアーマーを装着すると、バッタの跳躍力で飛び上がる。

 

ミラージオウの方はバースアーマーを装着すると、背中から出てきた翼と共に跳びあがる。

 

「セイヤッー!」

 

「はぁ!!」

 

ジオウはそのままポセイドンの身体に向けて爪で切り裂き、ミラージオウは両手にそれぞれドリルとシャベルを装着し、同様に攻撃を仕掛ける。

 

怯んだ隙にすぐに慈雨は身体を回転さえながら、ポセイドンを突き破り、ミラージオウはクレーンをドリルと合体させて、同じく突き破る。

 

「ぐぅ、貴様ら!!」

 

大きくダメージを受けたポセイドンの叫び声と共に、ジオウ達は吹き飛ばされ、ライドウォッチが外れ、変身は解除される。

 

だが、それでも構わず、ジオウ達はそのままジクウドライバーを回した。

 

【【フィニッシュタイム!ジオウ!タイムブレーク!】】

 

その音声と共に、ポセイドンの周りにキックという文字が囲み、そのままジオウはポセイドンに向かってライダーキックを行う。

 

「ぐっがぁあ!!」

 

左右対称のジオウとミラージオウのライダーキックは同時にポセイドンの身体の一点を捕らえ、そのまま身体を割けながら突き進む。

 

そして、地面へとたどり着くのと同時に、背後にいたポセイドンは爆発した。

 

「倒せたか」

 

「あぁ」

 

その言葉は悲しみを帯びながら、ゆっくりと響に近づく。

 

「・・・お兄ちゃん、私」

 

そう言いながら、眼に涙を溜めながら、尋ねる。

 

「泣いても良いんだよ」

 

「お兄ちゃん」

 

そのまま響はソウゴの胸の中で泣き始めた。

 

その光景を見ながら、ミラージオウは変身を解除し、その光景を見る。

 

「アナザーアニメはもしもの物語。

俺がこれまで戦ってきた奴らももしかしたら、こうして手を取り合える可能性があったかもしれないな」

 

そう言いながら、ミラージオウの変身者である鏡ソウゴは呟きながら、その場から離れる。

 

また別の世界へと向かう為に。

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム

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