戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

81 / 92
脅威の対決!ジオウVS魔王

『ライブ会場で起きたノイズによる被害は、その場に現れた謎の存在によって被害は大きく抑えられました。

この謎の存在については巷で噂になっている仮面ライダーと言う声が聞こえ、現在でも調査は続いております』

 

それは、先日起きたライブ会場でのニュースの映像であった。

 

その映像を見つめながら、ソウゴはゆっくりと考えていた。

 

「おい、どうしたんだよ、そんな所で」

 

「あっクリス」

 

テレビを見ていたソウゴに声をかけたクリスは手に持っていたコーヒーをソウゴに手渡しながら、訪ねた。

 

「いや、予知のおかげでこのライブの被害が抑えられていたけど、もしも防げなかったらどうなっていたんだろうかって」

 

「それはあたしに聞くなよ。

第一、それを喜ばないのか?」

 

「嬉しいよ。

でもなぁ、見えないんだよなぁ」

 

「見えないって何が?」

 

「敵の目的」

 

「あぁ、確かに」

 

今回のライブの襲撃において、ノイズの他に現れたノイズを引き連れていた仮面ライダー。

 

その仮面ライダーについて知っているソウゴだったが、それとは別に仮面ライダーがあの場で行った目的が未だに分からない。

 

「翼とマリアの暗殺?

それにしても派手すぎるよな」

 

「派手で、見せつけか?」

 

「そうかなぁ?

でも、それだったら、俺を積極的に狙わず、むしろ翼達を襲うはずなのに?」

 

「邪魔な存在だったからじゃないのか?」

 

「そうなんだけど」

 

そう言って、ソウゴは頭を悩ませる。

 

「はぁ」

 

そう言ったクリスは立ち上がると

 

「ソウゴ」

 

「んっ?

これは」

 

そう悩んでいると、クリスはポケットの中に入れていた物を取り出し、ソウゴに押し付ける。

 

「お前、クリスマスの昼は暇か」

 

「まぁ、暇と言ったら暇だけど」

 

「そうか、だったら、その映画、一緒に見ないか」

 

そう言われ、見てみると、そこに描かれていたのは『お笑い芸人社長とロボットな秘書』という映画だった。

 

「なんだか、クリスが興味があるのか、分からない映画だな」

 

「いっ良いだろう、別に。

それで、どうなんだ!!」

 

「まぁ良いよ。

うん、確かに良いかも」

 

「そっそうか、それで」

 

そう言った、クリスは顔を赤くさせていると

 

「大変だよ、お兄ちゃん、クリスちゃん!

すぐに出撃だよ!」

 

休憩室に入ってきた響はクリスの顔を見ると、苦笑いして

 

「えっと「とっと行くぞ馬鹿!!」はいぃ!」

 

「んっ?」

 

クリスは何かを言いかけたが、響によって遮られてしまった。

 

「ごっごめんね、クリスちゃん。

なんだか悪い事をして」

 

「別に良いよ、用事は終わっていたし」

 

そう言っている間に基地は浮上し、同時にタイムマジーンが来る。

 

「それで、一体何が起きたんだ?」

 

「湾岸埠頭付近にアルカ・ノイズの反応を検知、急いで向かってください」

 

「分かっている!!」

 

その言葉と共に、向かった先には既にアルカノイズによって不良達が狙われていた。

 

同時にタイムマジーンから飛び出たゲイツとウォズは不良達に迫っていたアルカノイズを切り裂く。

 

「なっなんだぁ!!」

 

「お前達、さっさと逃げろ」

 

「あれって、噂の仮面ライダーじゃ!?」

 

「良いから行たまえ」

 

「「「あっありがとうございまぁす!!」」」

 

ゲイツとウォズの言葉を聞き、不良達はその場をすぐに離れる。

 

「ちぃ、逃がすかよ」

 

そう言って、不良達を追っていたと思われる人物はアルカノイズに指示を出すが、クリスが放った弾丸によって、撃ち落とされた。

 

「なっ」

 

「良い所を邪魔した礼、たっぷりとさせてもらうぜぇ!!」

 

そう言ったクリスは怒りの表情と共にミサイルを次々と放っていく。

 

「なんだか、怒っているけど、どうしたんだ?」

 

「あはははぁ、とにかく私達も行こう」

 

「あぁ」

 

ソウゴ達もすぐに合流したが

 

「これは好都合であります」

 

その一言と共に、もう一人の仲間だと思われる人物が取り出したのはライドウォッチだった。

 

「あれはライドウォッチ!!」

 

「まさか、奴も」

 

その驚きの暇を逃さないように、その人物はライドウォッチのスイッチを押す。

 

「ぐっ」

 

「なんだ、これは!?」

 

目の前でライドウォッチを起動させるのと同時に、ライドウォッチから溢れ出す黒い霧が辺り一面を覆い、同時に現れたのは気味の悪い化け物だった。

 

その見た目は全身が黒で覆いつくされている飛蝗であり、羽織っているマントはまるで自身が王と言わんばかりの迫力を出してた。

 

「なっなんですか、これは」

 

「我は魔王。

ほぅ、まさか我以外に魔王がいるとはな」

 

「奴はっ!!」

 

魔王と名乗ったその存在の正体を知っているウォズは眼を見開きながら、構える。

 

「ウォズ、知っているのか?」

 

「・・・奴は、魔王。

別の世界の仮面ライダーBLACKで戦った未来の仮面ライダーBLACKそのものと言われる存在です」

 

「つまり、俺でいう所のオーマジオウという事か」

 

その言葉に納得したようにソウゴはゆっくりと歩きながら、魔王を睨む。

 

「ほぅ、貴様か、我と同じ気配をさせる存在は」

 

「かもな、だけど、俺はあのオーマジオウになるつもりなんてないけど」

 

「ふっ、魔王になるというのは、その程度では変わらない。

貴様では、それが変えられないを知っているはずだが?」

 

そう言い、魔王はソウゴをまるでおもちゃを見るように見つめるが

 

「違うね。

あんたは一つ勘違いしている。

お前がBLACKの可能性だって言うなら、俺はこれで証明するよ。

未来は自分で決められるって」

 

【BLACKRX】

 

「なに?」

 

「おぉ」

 

魔王は一体何をするつもりなのか疑問に思うと、ウォズは歓喜に喜ぶように本を広げる。

 

その周りからの反応を無視するように、ソウゴは腰に巻いたジクウドライバーにジオウライドウォッチ、そしてBLACKRXライドウォッチを装填する。

 

「変身」

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!

アーマータイム!太陽の王子!BLACKRX!】

 

その音声と共にソウゴはジオウへと変身するのと同時に、周りに展開したアーマーはそのままソウゴへと装着されると、全身が黒く緑色の胸当て、そして【アールエックス】という文字が顔に刻まれる。

 

その姿に変わるのと同時に、ウォズは本を広げる。

 

「祝え!全ライダーの力を手にし、過去と未来を知ら示す王者!

その名も仮面ライダージオウ BLACKRXアーマー!

今、魔王と魔王の戦いが始まる」

 

「RX、なるほど。

だが、その程度の力で敵うとでも」

 

「試してみる?」

 

その言葉と共にジオウはその手にジカンギレードを取り出すと、ジカンギレードに青い光を纏いながら、魔王へと攻撃を仕掛ける。

 

魔王はその攻撃を紙一重で避けると同時にジオウの顔面に向けて殴る。

 

ジオウはその一撃が当たるが、同時にジオウは魔王を蹴り飛ばした。

 

「ぐっ」

 

「ちぃ」

 

互いにダメージを喰らいながらも、魔王はすぐに手を前にかざし、周りにある瓦礫をジオウに向けて放っていく。

 

瞬時にジオウはその手に持ったジカンギレードでその瓦礫を次々と切り裂き、攻撃を受け流していく。

 

「ふっ」

 

「っ!」

 

その一瞬の隙を狙うように、ジオウへと手を伸ばすと、ジオウは空の彼方まで吹き飛ばされる。

 

「ちっ」

 

「所詮はこの程度、貴様の力では我には敵わない」

 

「だったら、どうしたぁ!!」

 

その言葉と共に、ジオウはすぐに蹴り上げて、魔王へと攻撃を仕掛ける。

 

だが、魔王はその攻撃を簡単に受け止める。

 

「無駄な事を「してないさ」なにっ!」

 

ジオウの攻撃を受け止めた魔王だが、背中から襲われる衝撃に目を見開く。

 

今度はその隙を逃さなかったジオウはすぐに魔王を殴り、地面へと叩きつける。

 

「何が」

 

「俺だけでは確かにお前には勝てない。

だけど、俺達だったら、勝てる」

 

「まったく、無茶な事を」「こんな事を頼むとはね」

 

そう言い、魔王は見つめると

 

「なんだと!?」

 

【アーマータイム!炎の王子!ロボライダー!】

 

【アーマータイム!怒りの王子!バイオライダー!】

 

「ほぅ」

 

その場にいたのは黄色と黒いロボットを思わせるアーマーを身に纏っているゲイツと、比較的に軽装の青い装甲を身に纏ったウォズが立っていた。

 

「異なる我の可能性か。

これは面白くなってきたぁ!!」

 

その言葉と共に再び周りの瓦礫をジオウ達に向けて放っていくが、ゲイツはその手に持ったボルティックシューターを構えると、次々に襲い掛かる瓦礫を打ち砕いていく。

 

その間に瓦礫の中に隠れていた魔王は一気にジオウへと攻撃を仕掛けるが

 

「二度も我が王に手を触れさせないよ」

 

「ほぅ」

 

魔王の攻撃を無理矢理止めたのは、液体となっていたウォズだった。

 

ウォズはそのまま地面へと魔王を叩きつけると同時にジオウはそのままジカンギレードで吹き飛ばす。

 

「ぐぅ」

 

「一気に行くよ」

 

「あぁ」「勿論」

 

【フィニッシュタイム!BLACKRX!ブラック!タイムブレーク!】

 

【フィニッシュタイム!ロボライダー!ブラック!タイムバースト】

 

【フィニッシュタイム!バイオライダー!ブラック!エクスプロ―ション!】

 

「来るが良いっ!!」

 

その音声と共に3人は一気に魔王へと接近すると、ジオウは両足で、ゲイツとウォズはそれに合わせるように片足で合わせたライダーキックを魔王に向けた。

 

その攻撃に合わせて、魔王も自身でライダーキックをジオウ達へとぶつける。

 

だが、その攻撃は意図も容易く砕かれ、ジオウ達は魔王の背後へと立っていた。

 

「まさか、この我が倒されるとはな。

それも、我の知らない力で」

 

「未来は変えられる。

あんただって、変えれたはずだ」

 

「さぁな、そんな事、とっくに忘れてしまったからな」

 

その言葉と共に、魔王の体内にあったライドウォッチは砕け散ると同時に、魔王はそのまま消え去っていった。

 

「・・・」

 

魔王のその姿は、もしかしたら自分でもあり得たかもしれない姿という事もあり、最後まで目が離せなかった。

 

「変身であります」

 

「っ!」

 

【ライダータイム!仮面ライダーザナモス!】

 

「なっ」

 

「ソウゴ!」

 

背後から聞こえた声に気付き、振り向くと、響とクリスが戦っていた相手の内の一人が仮面ライダーザナモスへと変身し、こちらに接近していた。

 

「予想していたが、やはり変身者が違ったか」

 

そのまま攻撃されると予想し、ジオウ達は構わるが、ザナモスはそのままソウゴ達を通り過ぎ、魔王がいた場所を通り過ぎる。

 

「制御が難しくて、困っていた所でした。

倒してもらい、感謝するであります」

 

「なっ」

 

その手に持っていたのは魔王とよく似たライドウォッチだが、そのままライドウォッチを回収すると、そのまま走り出す

 

「なるほど、魔王を倒して、その魔王になる前のBLACKのライドウォッチが目的だったか」

 

「逃がすか」

 

その言葉と共にゲイツは装填されていたロボライダーライドウォッチを手に取ったが、ロボライダーライドウォッチはブランクライドウォッチへと変わってしまう。

 

「なっ!」

 

「我が王!」

 

それはウォズも同じく、既に通常のウォズへと変わっていた。

 

「ごめん、少し無茶した」

 

「お兄ちゃん!!」

 

「おい、大丈夫かよ!」

 

「あぁ、けどやっぱり無理矢理すぎたか」

 

そう言いながら、周りを見ると既に退却した後なのか錬金術師も、ザナモスも姿を消していた。

 

同時にBLACKRXのライドウォッチも灰色へと変わっていた。

 

「本来ならば不可能に近いライドウォッチの力を3つに分けるという策をあの場で無理に行ったからですよ」

 

「あはは」

 

そう、あの場で起きた現象はソウゴがBLACKRXの力を使い、二人のブランクライドウォッチに無理矢理ロボライダーとバイオライダーの力を付加させた結果である。

 

勿論、それは意図的に行った訳ではない。

 

あえて言うとすれば≪その時、不思議な事が起きた≫が答えである。

 

「とにかく、今回の事で分かった事もある」

 

「あぁ、錬金術師が、下手をしたらクォーツァーのライダーの力を持っている可能性がある」

 

その恐ろしさを何より知っているウォズは本を開きながら言う。

 

「うぅ~ん」

 

「どうしたんだ、立花?」

 

「いや、なんというか、なんか疑問というか、引っかかるような感じがあるんだ」

 

「引っかかる?」

 

「うん、私自身もよく分からないけど」

 

そう言った響の疑問が解けるのは、まだ少し先の話である。

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。