謎の仮面ライダーとの戦いから一週間、その間に収集した情報から、判明した事としては、最近の事件に関係している仮面ライダー達の正体はパヴァリア光明結社の残党であるノーブルレッドである事。
さらには彼女達は稀血と呼ばれる物を集めている。
そして、変身する時にジクウドライバーは一つしかなく、彼女達はそれを使いまわしている事。
そうした情報の中で、今後の行動について多く検討している中で現在、ソウゴとゲイツは訓練を終えて、休憩スペースにて座り込んでいた。
「はぁはぁ」
「やはり、上手くはいかないか」
「あぁ、やっぱりグランドジオウでも難しいかな」
その言葉を言いながら、手に持ったライドウィッチを並べながら、見つめる。
「我が王、訓練お疲れ様です。
それで、成果は」
「全然駄目」
「なるほどですが」
「分かっているよ、これから何が起きるか分からない以上必要になるのは分かっているからな」
そう言いながらソウゴは立ち上がる。
「俺とジオウ以外のジクウドライバーを使ったライダー。
そいつらの目的は分からないが、これからどんな能力が出てくるか分からない以上は他に戦える手段を増やす必要がある」
「あぁ」
「しかし、ノーブルレッドか」
そう言いながら、ゲイツは手に持った本を見ながら、険しい顔をしていた。
「なんだ、ウォズ。
お前がそんな表情をするとは珍しいな」
「あぁ、これまで出てきた二人のライダー。
もしも、私の予想が正しければ「アルカノイズの反応探知!」っ!!」
「ジオウ!」
「あぁ」
休憩スペースから声と共に飛び出し、外に待機されていたタイムマジーンに乗り込む。
「お待たせ!!」
「あぁ、振り落とすなよ」
タイムマジーンに乗り込むのと同時に待機していた響達も乗り込み、発進させる。
目的地へと飛んでいく。
その先には施設を襲撃しているアルカノイズと共にノーブルレッドの最後の一人が見えた。
姿が見えるのと同時にタイムマジーンから降り立った響、マリア、ウォズの三人はアルカノイズとノーブルレッドの一人と戦闘に入る。
そしてソウゴとゲイツはそのまま2体の巨大アルカノイズに向けて、タイムマジーンで攻撃を仕掛ける。
「ゲイツ、一気に決めるよ」
「あぁ」
【鎧武】【ドライブ】
ソウゴはゲイツに合図を出すのと同時にタイムマジーンに装填されていたライドウォッチはソウゴは鎧武に、ゲイツはドライブへと変わる。
新たに装填された事により、足から車輪が生えたゲイツのタイムマジーンはそのまま走り出し、一体の巨大アルカノイズを蹴り飛ばし、そのまま各部から出てくるタイヤによって、切り裂かれていく。
同時に残されたアルカノイズに一気に近づいたソウゴのタイムマジーンは、両手から現れる二つの剣をを合わせ、一本の巨大な剣へと変え、真っ二つに切り裂く。
「終わった」
「他の奴らは!」
そう言い、地上を見てみると、既に他のアルカノイズは殲滅しており、残るはノーブルレッドの一人だけだった。
「・・・妙だな」
「ゲイツもそう思う」
周りを見渡しても、他にアルカノイズの影が見えない。
施設を襲うとしても、アルカノイズを使用するのは分かるが、その中で図体が大きすぎるアルカノイズの召喚の意味が分からない。
施設の制圧をするとしても、小型のアルカノイズでも十分すぎるはずだが、あまりにも目立ちすぎる。
「目的は分からないが、とにかくノーブルレッドを捕まえれば、問題ない」
「あぁ」
そう言い、響達と戦闘を行っているノーブルレッドの後ろへと立つ。
「あら、どうやらあっさりと倒されたようね。
これは予想外だわ」
「貴様の目的を吐け、ノーブルレッド」
「そう喧嘩腰じゃなくても良いじゃない。
それに、私はヴァネッサという名前があるのだから」
「ふぅん、それでそのヴァネッサの目的は?」
「ふふっ、あなたも立花響と同じ質問をするのね。
さすがは兄弟と言うべきね。
だからあえて同じ事を答えるわ」
「普通の女の子に戻ってみんなと仲良くしたい
けど、人は異質な存在を拒み隔てるものだもの」
そう言い、挑発するように呟いた言葉に対して、動揺を誘うつもりで放った言葉だが
「それって、あんたが人を拒絶しているからじゃないの?」
ソウゴからの返答に余裕の表情から一変し、ソウゴに向けて睨みつける。
「なんですって?」
ヴァネッサはそのまま立ち去ろうとした時、ソウゴはその言葉を言う。
「異物な物って言うけど、分かり合う気もないのに最初から拒絶していたら、例えあんたが人間になったとしても、誰も手に取り合えない」
「お兄「立花」っ」
ヴァネッサの言葉を否定するような冷たい言葉に響は不安になり、止めようとするが、それを遮ったのはゲイツだった。
「でも」
「今は、奴に任せろ」
「っ」
不安な気持ちが止まらないまま、目の前の光景を見つめる。
「ふぅ、情報で見たけど、まだまだま若くて世間知らずの坊やには早かったかしら?
私はこの身になってから、拒絶された事が幾度もあったわ」
「そんなの当たり前じゃないか。
異物だろうとなんだろうと、人と人が手を取り合うのは難しい。
だからこそ、諦めたら、それはできなくなる。
最初から決めつけるあんたには無理かもしれないけど」
その言葉を放ったソウゴの表情はどこまでも冷たく、その雰囲気に対して響とマリアは驚きを隠せなかった。
だが、反対にゲイツとウォズには覚えがあった。
「はぁ、本当に、こんな事をする予定じゃなかったけね。
少し憂さ晴らしをしてから戻りましょうか!」
その言葉と共にヴァネッサが取り出したのはジクウドライバーと見た事のないライドウォッチだった。
「やはり、奴も持っていたか!!」
「ここからは一方的の蹂躙よ。
覚悟しておいた方が良いわ」
【パールクス】
ライドウォッチから響く音と共にヴァネッサは腰にジクウドライバーを巻くと共に、その手に持ったライドウォッチをジクウドライバーに装填し、回す。
「変身」
【ライダータイム!仮面ライダーパールクス!】
その音声と共にヴァネッサの姿は変わり、黒い装甲と黄金の飾りつけをされたライダー、パールクスへと姿を変えた。
「やはり、あいつも変身したか」
「パールクス。
もしも私の予想が正しければ」
【グランドタイム!グランドジオウ!】【ビルド】
ウォズの言葉が終える前にジオウはグランドジオウへと変身し、その手に持ったフルフルバスター共に構える。
「ふっ!」
パールクスとグランドジオウの互いの攻撃はぶつかり合う。
だが、その激突は瞬く間にパールクスが圧勝すると共に、グランドジオウを吹き飛ばす。
「っ!!」
「嘘でしょ!」
マリアはグランドジオウの手に持っているフルフルバスターが瞬く間に破壊されたのを見て、驚きを隠せなかった。
模擬戦で、その身で受けたフルフルバスターの威力は知っている為、簡単に破壊された光景に驚きを隠せなかった。
だが、グランドジオウはすぐに体制を整えるのと同時に、他の武器を次々と召喚し、攻撃を仕掛けるも、その全てが瞬く間に破壊されていく。
「どうなっているの、これは」
「まさか、アルカノイズをさらに超えた能力なのか」
「いや、おそらくだが、それ以上に恐ろしい。
パールクスの能力は」
「知っているのか、ウォズ」
「まぁね。
その能力は単純、平成ライダーの力を無効化させる」
「なっ!!」
「それはつまり、ソウゴの持つライダーの力はほとんどが通じない訳!!」
「そんな」
平成ライダー全ての力を使えるグランドジオウはこれまで最強を誇っていたが、目の前にいるパールクスはその全ての力を無効にする事ができる。
「どうかしら?
その力が使えない以上は、あなたはただの無力な坊や!
生意気な口を黙らせてあげる!!」
「なるほど、確かに厄介だな」
「ウォズ。
あなたの未来のライダーはどうなの?」
「そうだ、話を聞くと平成ライダーは無理だが、それ以降やそれ以前の奴らならば」
「私のは、無理だ。
私の未来のライダー達は平成が続いた世界でのライダー達だ。
昭和ライダー達もおそらくはっ」
「打つ手はなしという事」
そう言いながら、すぐに響が飛び出そうとした時だった。
「なるほど、確かに厄介だな。
平成ライダーの力を封じられるのは」
「あら、まだ余裕なのね!
でも「だけど、それだけだ!」っきゃぁ!」
パールクスがすぐに攻撃を仕掛けようとした時だった。
グランドジオウは新たに召喚した武器を振り上げると、パールクスはその身を吹き飛ばされる。
「何っ!?」
「一体これは」
そう言いながら、グランドジオウの手を見てみると、その手に握られているのは紫色の機械の武器だった。
「あれは、ブレイクガンナー?
まさかっ我が王!」
「見せてやるよ!
異物同士が手を取り合った力をな!!」
「なにっ!」
【ロードバロン】【ハート】
その音声と共に、グランドジオウの横に召喚されたのは赤い戦士だった。
片方はまるで騎士を思わせる野生の怪物、もう片方は醜く歪みながらも誇り高い機械の身体を持つ怪物。
その見た目は、とてもではないがライダーに見えなかった。
「あれは、ライダーなの?」
「違う。
あれはロードバロン、そしてハート。
二体とも仮面ライダーと敵対して、敗れ去った最強の敵だ」
「えっ!?」
その言葉に驚きを隠せなかった響は、グランドジオウと並び立つ二体を見つめる。
「怪物を操るなんてね」
『操る?
くだらん事を言うんだな、貴様は』
「喋るのかっ!?」
「えぇ!?」
「ヴィランウォッチは他のライダーウォッチの使用とは違って、アナザーライドウォッチと同じような仕組みでね、本来ならば使用は難しいが」
「奴の思いが、3体の怪人に共感したようだな」
「だとしてもぉ!!」
その言葉と共にパールクスは手に持った剣で襲い掛かる。
だが同時にロードバロンはその手に持った剣で受け止めると同時にハートは全身の力を込めた拳をパールクスへと叩きつける。
「ぐっ」
「ライダーの力が通じなくても、俺達の力は通じるようだな」
「さっさと決めろ、ジオウ」
「あぁ」
【フィニッシュタイム!オールトゥエンティタイムブレーク!】
その言葉と共にハートとロードバロンは赤い霧となり、グランドジオウの手に持っているブレイクガンナーへと吸い込まれていくと共に赤い稲妻になって、パールクスへと急接近する。
「っ!!」
瞬間、周りの空間が一瞬止まり、パールクスは吹き飛ばされる。
その僅かな停止は鏡が割れるような音と共に消え去り、グランドジオウは手に纏っているエネルギーは空へと放たれる。
「今のは」
「驚いた。
まさか、これをも打ち砕くとはな」
「スウォルツ」
そこに立っていたのは、パールクスを抱えているスウォルツが不敵な笑みでこちらを見ていた。
「やはり、彼女達のバックにはお前が」
「まぁ、そうなるな。
だが、既に目的は果たされた、ではな」
「逃がすとでも」
「逃がすとも。
正義の味方の諸君ならばね」
その言葉と共に、森から現れたのはアルカノイズ大群だった。
「まだ、こんなにっ!」
「ではな」
その言葉と共に、一瞬でスウォルツは今度こそ完全にその姿を消した。
「くっそぉ」
「ジオウ、今は目の前のアルカノイズだ」
「あぁ分かっている!!」
その言葉と共に、再び構えた。
それから一時間後、全てのアルカノイズを倒す事ができたが、スウォルツ達は完全に途絶えてしまう。
「逃げられたな」
「そうだね、はぁ」
そう言って、ソウゴはそのまま座ると共に、目を瞑る。
「お兄ちゃん?」
「訓練の後ですぐに向かったのだ。
しばらくは休んでいただきましょう」
心配そうに近づく響に対して、ウォズはそう言い、響は安心したように息を吐く。
「良かった」
そう言って、響はそのまま、安心したようにソウゴを見つめる。
「ゲイツ」
「なんだ」
そんな二人とは別に、マリアはそのままゲイツに近づく。
「あの時のソウゴはとてもじゃないけど普段とは違いすぎるわ。
何か知っているの?」
「俺にも詳しい事は分からない。
だが」
「だが?」
「もしかしたらオーマジオウに近づいている影響かもしれないな」
「えっ?」
オーマジオウに近づいている。
その言葉を聞き、目を見開く。
「オーマジオウとは、全ライダーの力を持つライダーだ。
その余りにも強すぎる力は、ソウゴの心を変えてしまうかもしれない。
それに、人の心により影響を与えやすいヴィランウォッチを使ったのも影響しているかもしれない」
「それじゃあ、このままじゃ」
「分からない。
正直言って、俺もこの先は謎が多い。
だけど」
そう言って、見た先にはソウゴと響の二人の姿があった。
「俺達では止められなかったオーマジオウの道。
もしかしたら、立花響ならば変えられるかもしれない」
オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは
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天羽々斬
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イチイバル
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シュルシャガナ
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イガリマ
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アガートラーム