戦姫絶唱シンフォギア 時の王である兄   作:ボルメテウスさん

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「私の名前はウォズ。
この本によれば、かつて仮面ライダー達は過去にとある戦いを繰り広げられた事があった。
そこで行われた戦いでは戦う力を奪われながらも、仮面ライダー達と同じく誰かの為に戦う戦士達、ウルトラマンとガンダムと共に融合した世界を2度救った。
ここから語られるのは、そんな彼らとは別の物語」

その言葉と共にウォズは次のページへと読み進める。

「我が王こと、立花ソウゴはある日、ギャラルホルンの反応に導かれ、とある世界に導かれる。
そこでは予想しなかった出来事に巻き込まれてしまう。
だが、そんな我が王の前に現れたのは極限の力を持つ機械と、かつて出会った怪獣の王だった。
おっと、ここから先はまだ、皆様にとっては未来のお話でしたね」

その言葉と共に、ウォズは本を閉じる。

「祝え!失われし力を求める物語の始まりをっ!!」



奪われたウォッチ

アナザーオーマジオウ達との闘いから数日の時が経った。

 

あれからスウォルツ達の行方を探っているが、見つける事ができずにいた。

 

そんな時だった。

 

「ギャラルホルンからのアラートだと?」

 

「しかも、これまで見た、どの反応よりも強いです!」

 

その言葉を聞き、見てみると、これまでに見た事のない虹色の光を発しているギャラルホルンを見て、その場にいた全員が息を呑む。

 

「なんだよ、これはっ」

 

「分かりません。

ですが、この先で待ち構えているのは、おそらくはこれまで以上に危険な世界でしょう。

もしも、このまま放っておけば、最悪」

 

「世界が滅びるだろう」

 

エルフナインが続けようとした言葉を変わりに代弁するようにウォズが言う。

 

「しかし、ここから感じる現象。

なるほど、このままでは危険だな」

 

「お前、なんか知っているのか?」

 

「あぁ、私はこれに似た現象を二つ知っている」

 

「なっ、どういう事なんだ?」

 

その言葉に驚きを隠せなかった一同とは別にソウゴとゲイツだけは思い当たる事があった。

 

「一つ目は仮面ライダーディケイドの物語。

彼は世界の融合を防ぐ為に旅を続け、その結果、世界を一度破壊し、もう一度再生させた。

そしてもう一つの物語は、我が王、仮面ライダージオウの物語だ」

 

「えっ、それってつまり」

 

「世界が融合しようとしているって事かよっ!!」

 

ウォズの言葉を聞き、その危険性を理解した一同は眼を見開いていた。

 

「だったら、俺だけ行くしかないよな」

 

「お兄ちゃんっ!!」

 

その言葉に驚きを隠せなかった響はすぐにソウゴに詰め寄る。

 

「それが一番だろ。

ソウゴはこの中で一番強いし、何があったらすぐに引き返せる。

適任と言えば適任だな」

 

「だったら、他にも一緒に行けば良いだろ」

 

「この先にある世界の影響で、こちらの世界にも何が起きるか分からない。

そして忘れてはいけない、我々にはまだスウォルツ達がいる。

それに対抗できるのは、今の所、我が王と妹君だけだ」

 

「それはっ」

 

そう言い、心配そうに顔を俯く響に対して

 

「大丈夫。

すぐに行って、すぐに帰ってくるから。

そしたら未来ちゃんも助けて、また皆でご飯を食べよう!」

 

「はぁ、相変わらずだな、お前は」

 

そんな言葉に一同はほっとしたように、その場の雰囲気は少し和らいだ。

 

「それでは、ソウゴ君。

頼んだぞ」

 

「あぁ行ってきます!」

 

その言葉と共にソウゴはギャラルホルンの中へと入っていった。

 

しばらく続く光の道を通り過ぎ、世界へとたどり着いた瞬間

 

「っ!!」

 

ソウゴは世界へと降り立つのと同時だった。

 

まるでその場にソウゴが降り立ったのを知っていたように、次々と黒い影がソウゴを襲い掛かる。

 

「なっ!?」

 

突然の襲撃に、ソウゴはすぐにジオウライドウォッチを手に取り、ジクウドライバーを腰に巻く。

 

【ジオウ】

 

ジオウライドウォッチから鳴り響く音と共に、襲い掛かる黒い影に対して、ソウゴは蹴りあがりながら対抗し、そのままジクウドライバーにジオウライドウォッチを装填する。

 

その瞬間、ソウゴの背中に現れたのは巨大なアナログ時計を思わせる幻影が現れる。

 

「変身っ!!」

 

【ライダータイム!仮面ライダージオウ!】

 

その掛け声と共に、腰に巻かれたジクウドライバーをそのまま回転させると同時だった。

 

背後にあったアナログ時計はソウゴを囲むよう光ながら、その姿を、仮面ライダージオウへと変えた。

 

「ちっ、どうやらジオウライドウォッチは取れなかったが。

だが、他のライドウォッチは奪う事ができた」

 

ソウゴがジオウへと変身したのを確認すると、黒い影はそのままソウゴから逃げるようにその場から逃げていった。

 

「お前っ、ウォッチを返せ!!」

 

ソウゴもすぐに追いかけるように走り出したが、そんなソウゴの前に再び別の影が現れる。

 

「んっ?」

 

目の前に壁ができたのか疑問に思っていたソウゴだったが、その壁はすぐに動きながらソウゴに向かって襲い掛かってきた。

 

「やばっ!!」

 

ソウゴはすぐにその場から離れ、攻撃を避けると共に、その全体の姿を見る事ができた。

 

ソウゴを遥かに超える大きさを誇る黒い獣は身体の各部から鋭い刃を生やしながら、凶悪な目で睨んでいた。

 

「でかっ!!

こんな奴、今の状態でどうやってっ!!」

 

対抗しようにも、ソウゴの手元には今、変身で使う為に必要なジオウライドウォッチしか存在せず、決定的なダメージを与えられない。

 

それでも諦めず、ソウゴはすぐにジカンギレードを召喚し、銃モードに変え、怪獣に向けて攻撃を行う。

 

「ガアアァァ!!」

 

火花を散らしながら、怪獣は怯むが、すぐにその身体に纏った刃を黒く光らせると共に、ソウゴに向けて次々と放っていく。

 

「まだまだぁ!!」

 

すぐにジカンギレードを剣モードへと変え、攻撃を受け流しながら、ソウゴは走り出す。

 

足元へと走り、その巨体を捩り上りながら、怪獣へと攻撃を仕掛ける。

 

だが、そんなソウゴに対して、怪獣は瞬く間にソウゴを捕らえ、握りしめる。

 

「ぐっ!!」

 

身動きが取れず、絶体絶命。

 

その時だった。

 

「ゴガアァァァァァァァァァァァァ!!」

 

「っ!!」

 

聞こえてきたもう一つの声に驚きながら、ソウゴを捕らえていた腕は何かに吹き飛ばされ、同時に受け止めた巨大な手にソウゴは驚きを隠せなかった。

 

「何がって、お前はっ!!」

 

「ガアァア!!」

 

「ガウ君!!」

 

ソウゴを受け止めたのは、かつて共に戦った仲間の一人であるゴジラだった。

 

ゴジラの出現に驚きを隠せなかったが、すぐにソウゴは先程まで戦っていた怪獣を見つめる。

 

「正直、さっきから混乱しそうだけど、ガウ君がいるならば、この状況、なんとかできそうだ」

 

そう言いながら、怪獣を見つめていると、怪獣に向けて次々と放っていった。

 

「なんだなんだぁ!!」

 

混乱している中で見てみると、大きさはゴジラよりも少し小さなロボットはその手に持った銃から次々とレーザーを放ちながら、近づく。

 

「なんだ、この世界はっ!!

というか、えっジオウにゴジラっ!!

なに、この組み合わせっ!!」

 

「俺達の事を知っている?」

 

「ガウゥ?」

 

ロボットはソウゴとゴジラの二人の姿を見た瞬間、大きな声を出しながら、見つめていた。

 

どういう事なのか分からないが、疑問に思い、ソウゴとゴジラは首を傾げるが

 

「えっと、君はその、味方で良いのか?」

 

「あっあぁ、俺は伊月 大和。

そして、俺が乗っているこの機体はエクストリームガンダム!

俺の相棒だ」

 

「やっぱりロボットか。

だけど、これだったら」

 

そう言いながら、ソウゴはゴジラとエクストリームガンダムを見つめながら、頷くと

 

「なんだか、いける気がする!!」

 

「ガアアアァ!!!」

 

「すげぇ、やっぱりジオウだ!!

俺もできそうな気がするぜ!!」

 

その言葉と同時に二人を見つめ、頷くと怪獣は起き上がり、咆哮する。

 

「げっあいつはヘルべロスっ!?」

 

「知っているの?」

 

「えぇ、あいつは厄介です。

全身の刃から次々と攻撃を放っていきますし、油断できない相手です」

 

「確かに。

だから、一気に決める」

 

「一気にって、どうやって」

 

そう言っている間にヘルべロスは再び攻撃を仕掛けるように次々と刃を放っていく。

 

「あぁもう、こうなったらやるしかない!!」

 

そう言いながら、エクストリームガンダムは二人の前に飛び出し、手に持っていた銃を投げ捨て、変わりにビームサーベルを手に次々と襲い掛かる攻撃を切り裂いていく。

 

「ありがとう!!

ガウ君、頼むよ!!」

 

「ガアァア!!」

 

ゴジラはソウゴの言葉を受け止めると共に口の中に蒼白い炎を口の中へとため込む。

 

同時にソウゴはジクウドライバーのスイッチを押すと共に一気に回転させる。

 

【フィニッシュタイム!ジオウ!タイムブレーク!】

 

同時にソウゴ達の目の前にキックの文字が現れ、ソウゴはそのまま走り、ヘルべロスに向けて、ライダーキックを放つ。

 

それに合わせるようにゴジラはその炎をソウゴに放つと、その炎を身に纏いながら、ヘルべロスに向かっていく。

 

「ハァ!!」

 

そして、キックの文字がピンクではなく、黒く光りながら、ヘルべロスを貫く。

 

二人の合体技を喰らったヘルべロスはそのままゆっくりと倒れ、爆散する。

 

「すげぇ!!

ゴジラ版のドラゴンライダーキックって、ロマンがありすぎるだろ!!」

 

その光景を見ていたエクストリームガンダムは驚きで目を見開いていた。

 

「これって」

 

そんな中、ソウゴが手に持ったのは奪われたはずの一部のライドウォッチだった。

 

そのままライドウォッチを手に取ると同時だった。

 

ライドウォッチから眩く程の光を放ち、包み込んだ。

 

「なっなんだ?」

 

疑問に思いながらも、周りを見渡すと特に大きな変化はなかった。

 

「一体何が」

 

そう疑問に思っている間に、先程まで一緒に共闘してくれたエクストリームガンダムからは少年が、ゴジラはそのまま子供の姿へと戻った。

 

「あのっ常盤ソウゴさんですよねっ!!」

 

戦いを終えると共に、大和はすぐにソウゴに詰め寄ると共に、その姿を見て大きく目を見開きながら訪ねてきた。

 

「えっなんで俺の前の名前を?

一応は前はそうだけど、今は立花ソウゴだよ」

 

「えっ立花?

どういう事だ?」

 

「がうがう?」

 

ソウゴの名前を聞き、疑問に思ったように首を傾げている間に久しぶりに会ったガウ君が話しかけた。

 

「おぉガウ君も久しぶり。

という事はもしかして、ガウ君の世界なのここは?」

 

「ガウガウガウゥ」

 

「怪獣島でいつも通り過ごしていたら、いきなり黒い穴に吸い込まれただって。

もしかして、俺を襲ったのと同じ奴ら?」

 

「えっ、どういう事?

というよりも、なんで今の言葉が分かったんだ?」

 

二人の会話についてこれず、大和は混乱していた。

 

「そうだね、とりあえずは一旦状況を見て見よう。

ここは結構やばい所だと思うから」

 

「がうぅ」

 

「それは、確かに」

 

そう言いながら、3人が見つめた先。

 

そこは先程まで倒したヘルべロスによって見えなかったが、そこに広がっているのはまるで光の球で包み込まれたように無数の街が存在していた。

 

 




今回登場したキャラクターはダラケーさんの作品の【戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G ACT2】からゴジラ、オルガ・黎斗さんの作品から【戦姫絶唱シンフォギア〜極限の名を持つ者〜】の伊月 大和が登場しました。
アンケートでは、今回の募集で集まった作品達の作者個人のイメージにあったステージにそれぞれコラボ先のキャラクター達がおります。
活動報告にいる作品から予想しながら、ぜひアンケートをお願いします。
また、今回のような合体必殺技もどんどん出す予定ですので、お楽しみに

オーマフォームに使用するシンフォギアウォッチは

  • 天羽々斬
  • イチイバル
  • シュルシャガナ
  • イガリマ
  • アガートラーム

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