ダンガンロンパ~Excute~ 希望と絶望のラビリンス 作:MOGIぴー
モノクマとやらが発した言葉に、愕然とした。
「ちょっと、どういう意味よ」
外国人らしき女子が、ぬいぐるみを睨みつける。
モノクマは動揺することなく、
「どういう意味って…コロシアイはコロシアイだよぉ、コ・ロ・シ・ア・イ」
「オラにもちゃんと分かるように説明してほしいねぇ」
水晶玉を持った男子が困った表情をする。
コロシアイってどういうことなんだろう。
「オマエラの理解能力はミジンコ、いや、ボルボックス以下だね。その名の通り、オマエラに殺しあってもらうんだよ」
モノクマは演台の上でくるくる回りながら言った。
「んー、このぬいぐるみさん、頭がお花畑なのかなーっ?」
着物をまとった女子が、きょとんとした顔でモノクマを見つめる。
「ぬいぐるみでもないし、お花畑でもない!」
「殺し合うって、文字通り人を殺すってことなのか?」
メガネの男子が強い口調で問う。
「もちろんだよ」
相変わらずの能天気ボイス。俺はあまり好きではない。
「こ、殺すなんてことあるわけないじゃん」
チャイナ服の女子がモノクマを指さす。
「あははははは、そうなればみんなここで一生暮らすことになっちゃうよ…?」
「ど、どういうこと…?」
俺の口が久しぶりに動いた。
「オマエラはこの学園で一生過ごすってことだよ」
この場の空気が凍りついた。
衝撃のあまり、体が固まってしまっていた。
自分の意識に反して、体が思うように動いてくれない。
「それでね、人を殺したらなんとこの学園から卒業できちゃうのです!」
「ごちゃごちゃ抜かしおって!覚悟しろ!!」
体の大きい男子がステージ上を駆け上がって、モノクマに掴みかかろうとした。
モノクマは華麗にジャンプし、回避した。
「あぁ、この僕学園長ことモノクマにもし逆らうようなことをしたら、きっついきっついお仕置きが待ってるからねぇ???」
「ぐぬぬぬぬ」
何がなんだか…。未だに状況が把握できていない。
「てことで、その他の詳しい校則はそれぞれに配ってある電子生徒手帳で確認してね、てことで、楽しみにしてるよ!」
そう言って、モノクマは演台から姿を消した。
「な、なんなんだこれは…」
「一体どうしてこんなことに…」
ここにいる全員が動揺していた。
ここで一生生活していかないといけない。ここから出る方法は一つ。
誰かを殺すこと。
突然、学園での生活を強いられ、かなり戸惑っている。
「みんな、落ち着こう。これは学園側が仕込んだ試練か何かだろう」
メガネの男子は全員に言い聞かせる。
「とりあえず、自己紹介でもしておこうじゃないか?互いの素性を知ることは大切だと思うが」
「うん、賛成だね」
「我輩の中の魂も、共感している」
そしてメガネの男子は、一つ、咳をして口を動かし始めた。
「俺は入江鋼太郎。超高校級の生徒会長として学園からスカウトをいただいた」
【超高校級の生徒会長】 入江鋼太郎。
たしか、学園掲示板にはこう書かれていた。
「彼の在学していた学校は、彼のおかげで超エリート校合格率80%にアップした」
彼の行動や取り組みによって、その学校は優等生の集うエリート校となり、そこから超エリート校に合格する者が大幅に増えたという。
「まぁ、普通に入江って呼んでくれや。相談があったら、俺が乗ってやるよ」
頼りになりそうだ。かなりのポジティブ思考なのではないか。
「てことで、次どうぞ」
「じゃあ私が。えーっと、桜谷小麦と言います。まぁパティシエしてます」
【超高校級のパティシエ】 桜谷小麦。
たしか、学園掲示板にはこう書かれていた。
「パティシエ界の魔女と称され、彼女の作るケーキは魔法のように甘いという」
そのケーキを、政府も大絶賛したらしい。それから彼女の作るケーキは注文が殺到したそうだ。
「よろしくね~」
魔女という呼称とは違って、かなり高い声で、優しい口調である。しかし、一つ一つの言動にかすかな自信というものを感じる。
「じゃあ、私も早めに自己紹介しておくわ」
前に一歩踏み出る。
「私の名前は天宿歌子。みんなからは超高校級の歌手って呼ばれてるわ」
【超高校級の歌手】 天宿歌子。
たしか、学園掲示板にはこう書かれていた。
「ライブツアーで日本中を駆け回っていて、ファンの数は計り知れない」
今流行っている、超人気歌手なのである。とても透き通った歌声で、胸の中にまで染み渡るような声だという。
「表ではあんなで裏ではこんな感じだけど、よろしく」
かなり裏表の激しい人のようだ。一言一言に強気な感じが感じ取れる。
「順番的に僕かな?」
俺が目を覚ました時、そばにいた男子だ。
「時幽一って言うんだ。超高校級のハッカーとは僕のことだよ」
【超高校級のハッカー】 時幽一。
たしか、学園掲示板にはこう書かれていた。
「いろいろなハッカーに対し、自身が独学で身につけた高度なテクニックで、対抗し撃退する」
彼はそのハッキング能力で、いろんなハッカーから情報やプログラムなどを守ってきたという。日本ハッカー界からも一目置かれるほど。ただ、セキュリティソフトが嫌いなんだとか…。
「ハッキングしてほしいものがあったら、俺に任せろ?」
穏やかな口調で、その口調には何かゆとりがある。
「おう、俺か。俺は超高校級の養蜂家の、二階堂響八だ」
【超高校級の養蜂家】 二階堂響八。
たしか、学園掲示板にはこう書かれていた。
「彼の育てた蜂は人を襲わない。そして、そこで採れるはちみつはまさに絶品である」
蜂が人を襲わないというのはすごいことだ。本人は蜂に刺されたことが一度もないという。
「今日もこのかばんの中に俺の蜂ちゃんを連れてきてるぜ」
「蜂ぃ!?」
桜谷さんが上ずった声を発する。
「ふむ、我輩の封印を解く時が来たようだな。我輩の名は、闇野木炎呪。うっ、左手が疼いてやがるぜ」
【超高校級の中二病】 闇野木炎呪。
たしか、学園掲示板にはこう書かれていた。
「地球に結界を張って、宇宙人の攻撃を阻止した」
異様に嘘くさいが、まぁ中二病だからな。そういう呪術の力があるらしい。ないだろうけどね。
「我輩の力こそがこの地球を完成させているといっても過言ではない」
過言だな。そう思った俺は正常なはずだ。
「よくわからないけど、たぶんわたくしよね…?」
目をつむっている女子が口を開く。
「福巡円、超高校級の盲目と呼ばれていますの」
【超高校級の盲目】 福巡円。
たしか、学園掲示板にはこう書かれていた。
「生まれつき盲目でありながら、他人の補助なしで行動できる。また嗅覚と聴覚に優れている」
障害を持つ人は何かに長けているということはよくあることだと俺は思うが、彼女は犬には劣るがかなりのの嗅覚と聴覚を持っているらしい。
「…今誰かいびきかいてましたよね」
「あ、バレた?」
二階堂君が「あはは」と高らかに笑う。
「うちもうちも~。うちは琴津植華だよ、華道部なんだ~」
【超高校級の華道部】 琴津植華。
たしか、学園掲示板にはこう書かれていた。
「日本華道コンテストで10回以上の優勝経験がある」
つまり、華道のプロということだ。部じゃなくて家でもいいのではないかと俺は思うけど。
「えへへー、私のことはぁ、うえかちゃんって呼んでねっ」
能天気で行動がおどおどしているように見える。
「次はアタシね、超高校級のゴルフ選手、オリヴィア・バーンスタインでーす」
【超高校級のゴルフ選手】 オリヴィア・バーンスタイン
たしか、学園掲示板にはこう書かれていた。
「世界中のゴルフ大会で優勝経験あり。男性から絶大な人気を誇る」
たしかに、格好がそうだった。あまり詳しく言わないが。とにかく、彼女はゴルフが上手いってことである。
「アタシをずっと見てたらダメよ?」
魅惑的な一言である。
「あぁ…私ね…。開木瞳美って言うわ。解剖医ってのをやらせてもらってるけど」
【超高校級の解剖医】 開木瞳美
たしか、学園掲示板にはこう書かれていた。
「学生でありながら、驚異の技術を持ち、正確な解剖結果を導き出し、真相の解明に貢献した」
死体慣れしているのである…。背筋が凍った。
「あ、気にくわないことしたら、この注射器で刺しますからね」
発言にいちいち恐怖を植え付ける。表情の変化がほぼ無いのも不気味だ。
「おぉし、オラは超高校級の占星術師の、巫天文だ。占い師とは違うからな!」
【超高校級の占星術師】 巫天文。
たしか、学園掲示板にはこう書かれていた。
「人間や社会について占う能力は、他とは比べ物にならない」
占うということ自体、俺にはよくわからないが、才能はあるらしい。
「てことで、誰か占ってほしい奴、いるか~?」
この状況で挙手する人がもちろんいるはずもなく、
「じゃあ次は自分だな」
と、巫君の隣の男子が言った。
「超高校級の金運…だっけな、光金リョーマだ」
【超高校級の金運】 光金リョーマ
たしか、学園掲示板にはこう書かれていた。
「道を歩けば、紙幣が落ちている。宝くじを買えば必ず当たる」
まさに金運の持ち主だ。その運を俺にも分けてほしいものだ。
「まぁ金運しか無いから、よろしく」
どうやら金運以外は無いらしい。それにしても、抑揚の無い声だ。
「じゃあ次はあたいね。あたいは石麗宝、超高校級のラーメン職人だ」
【超高校級のラーメン職人】 石麗宝。
たしか、学園掲示板にはこう書かれていた。
「日本ラーメン協会の副会長を務める」
ラーメンの腕前はたしかということか。日本生まれ日本育ちなので、中国語は全くわからないという。
「ラーメンのことならあたいに訊いてくれよ」
そんな場面が果たしてやってくるだろうか。
「ははは、やっと俺の番かい。百鬼勇夜、百に鬼って書いてなぎりって読むんだ。重量挙げが得意だ」
【超高校級の重量挙げ】 百鬼勇夜。
たしか、学園掲示板にはこう書かれていた。
「重量挙げ大会は数えきれないほどの数優勝、車の下敷きになった人の救助活動もした」
力自慢だ。ネズミとハムスターが苦手というのは、実に面白い。
「…言うことねぇから次行ってどうぞ~」
声は完璧におじさんである。言わないけどね。
「余は東雲聖里、みなは余を超高校級の聖職者と呼ぶ」
【超高校級の聖職者】 東雲聖里。
たしか、学園掲示板にはこう書かれていた。
「東の雲という宗教の創始者」
教祖みたいな類なのか…?
「余を崇めれば、必ずや、新しい道は切り開かれるはずだ…」
ちなみに、彼女にはキレやすい人格がある。
「最後は君だよ」
入江君に指さされた俺は、口を開いた。
「俺は両角徹、まぁ超高校級の一般人としてスカウトされた感じかな」
「い、一般人としてか…?」
光金君が目を丸くする。
「今年のスカウトに、くじで一人決める制度は無かったようだな」
時君がマフラーを首に巻き直す。
「とりあえず、さっきモノクマが言ってた、電子生徒手帳ってのを確認しない?」
桜谷さんがみんなに言う。
俺はポケットを探った。ん、かたいもの…?
取り出してみると、何やら薄い端末だった。
これが…電子生徒手帳…。
運動苦手なMOGIぴーです。
終わり方が雑になったのは、ちょっと1話が長すぎたからです。ということで生徒名簿は後々、投稿する予定です。では、また次回。