ダンガンロンパ~Excute~ 希望と絶望のラビリンス 作:MOGIぴー
「動機だと?」
時君が低い声で訊いた。
「あっはっは、動機があればみーんな殺し合ってくれるでしょ???」
「何を馬鹿なことを抜かしてやがるんだ。動機も何もな、俺たちは初対面なんだぞ。動機なんてあるはずがない」
と入江君が噛み付くように吠える。
「入江君~~、君ってやつはほんと鈍感だクマねぇ」
「何だと」
「誰も人に対する動機だなんて言ってないクマよ~」
「じゃあ、どういうことなの?」
桜谷さんの顔は一層険しい。
「この学園を出たがるような動機、ってことだよ。うぷぷぷぷぷ」
相変わらず能天気な声は俺の神経を刺激する。
しばらく沈黙が続いた。ただ、壇上であのぬいぐるみはずっとダンスをしている。
「分かってくれたかなぁ?ってことで、これが動機だよぉ、しっかりうっかりぽっかりちゃっかり受け取ってくれクマよ、白熱なコロシアイ、楽しみにしてるクマよ~」
そう言って姿を消した。
「相変わらず逃げ足だけは早いのね」
オリヴィアさんが呟く。
「あの段ボールじゃないか?」
二階堂君は壁際にある段ボールを指さした。
人間は入らないが、かなりの量の物が収納できそうな段ボールである。
俺たちはその段ボールに近づいていった。
全員で段ボールの中を覗き込んだ。
「DVD???」
琴津さんが言った。
そこには人数分のDVDが納められていた。それぞれに生徒名が書かれたシールが貼られている。
「一体、これの何が動機だって言うんだ?」
光金君はDVDを手に取ってそれを眺めた。
「これってもしかして、視聴覚室で見れるのでは…?」
福巡さんがあまり表情を変えずに言った。
~~視聴覚室~~
視聴覚室はだいぶ広かった。
中央の奥に巨大なスクリーンがあり、それを囲うように円形に、そして階段状に机が並んでいる。そして一つの机に2つずつ、椅子が配置されている。
そしてそれぞれの席に一つずつ、パソコンが置かれていた。
「なるほど、これで見られるわけね」
開木さんはそう言うと、近くの席に着席した。
俺もそれに倣って上のほうの席に座った。
他のみんなもそれぞればらばらに席に着いた。
机に置かれれているヘッドホンを装着し、DVDをパソコンに挿入した。
一体、このDVDに何が記録されているのか。
突然パソコンの画面は、砂嵐に襲われた。
ザーッという音が耳から入り、脳みそまで響く。
数秒後、砂嵐は突然やんだ。
画面には既に砂嵐は無く、複数の人間が映っていた。
これは…。父さん、母さん、ばあちゃん、妹のコハク、兄さん…。
そして映っている場所は、俺の家のリビングだった。
一体なんなんだこれは…。
「やあ徹。元気にしてるかい?」
父さんが笑顔でこちらに向かってしゃべる。
「どう?学園生活慣れてきた?」
母さんも笑っている。ばあちゃんもコハクも兄さんも…。
なぜか笑みがこぼれた。笑顔を見てると、なんだか、幸せな気分だ。
久しぶりに見た顔に安心したのかもしれない。
ザー
再び砂嵐が画面を覆った。
そしてすぐにその砂嵐は消えた。
な、なんだこれは…。
リビングがずたずたになっている…。
カーテンは引き裂かれ、ソファは破壊されている。
そしてあの5人はリビングのいたるところで倒れていた。
血を流して。
一体これはなんなんだ!?
父さん…!?母さん…!?おい、何があったんだよ!
心の中で叫ぶ。当然、画面の中の彼らには聞こえない。
すると、ヘッドホンからあの忌まわしき声が流れてきた…。
「うぷぷぷぷぷ、あっはっはっはっは―――」
それでDVDは終わっていた。
理解した。
なぜこれが動機になるのか、理解することはそう難しいことではなかった。
自分の中に何か熱いものがこみ上げてくる。
憎しみ…という表現が正しいのだろうか…。
俺はゆっくりとヘッドホンを外した。
絶望感を味わった気分だ。いや、現に味わっている…。
そして、もちろんこんな気持ちになっている人は俺だけではなかった。
「ふ、ふざけやがって!」
入江君はヘッドホンを机に叩きつけた。
ヘッドホンは力なくバウンドし、床に着地した。
「余の信者を…」
「か、母さん…」
「いやあああぁぁぁぁ」
視聴覚室内は悲鳴が飛び交っていた。
みんな同じようなものを見せられたのだろう、顔が青かった。
「あああああああああ」
百鬼君は頭を抱えて叫んでいる。
――――これで誰かが殺人を考える、なんてことないだろうな――――。
ども、忙しくて禿げそうなMOGIぴーです。
都合でしばらく更新ができませんでした。申し訳ないです。
ということでとりま、モノクマは動機を生徒たちに与えたようです。
さぁ、これで準備は整いました。
そろそろ、犠牲者が出てしまうかもしれませんね。
ということでまた次回。