魔法神話 レイ&アフーム ~もしもリリなの世界にハジケた奴らと邪神が絡んできたら~   作:ショーン=フレッチャー

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新参者故、不手際があるでしょうが、温かい目で見守ってください。



プロローグ
第1話 AD2001 はじめまして、そして、さよなら


照り付ける8月の太陽の下、一人の少女がブランコをこいでいる。

彼女だけ冬の曇り空の下にいるような表情だ。それもそのはず、彼女の家は大変なことになっているのだ。

父が仕事で大けがを負い、意識不明の重体。母と兄姉は間もなく開店予定の喫茶店の開店に向け大忙しなのである。

少女は邪魔をしないよう一人で公園にいる。そのため他に友達のいない少女はこうして一人でいるしかないのだ。

 ふと、隣からギターの音が聞こえてくる。

隣には銀髪銀眼で和装ともケルト風とも言い難い格好の同年代の少年がいた。

彼は歌っている。

 聞いたことの無い歌だった。

だけどいい歌であることは少女にはわかった。

歌い終わると少女は静かに拍手した。

なんとなく、そうしたくなったからだ。

 

「おおきに」

 

 少年は静かに京ことばのイントネーションで答える。

 

「こ、こちらこそなの」

 

 少女が返答する。その声は少したどたどしい。

根がコミュ障なのだろうか。

 

「一つ聞きたいことがあるんやけど、ええかぁ?」

「な、なに?」

「高町なのはっちゅう子を探しとるんやけど、あんた知らんかぁ?」

「わ、私がなのはなの」

「そら良かったぁ、すぐに見つかって」

「?」

「ああ、こっちの話や。俺はお宅のお父さんの知り合いの息子さんでなぁ、お見舞いに来たんやけど、どうもそれどころではなくてなぁ」

「何があったの?」

「幼い末娘ほっぽり出して何しとん、とダディとお母ちゃんがお宅にガチの説教かましとるところなんですわ。そんで俺は件の末娘を探しに来たんやけど」

「?」

「あー、要するになのはちゃんをお家に呼んで来いっちゅう話や」

「わかったの、でも私がいてもじゃまじゃない?」

「邪魔なもんですか、むしろ主役やで。さ、行きましょか」

「え?」

「え、やない。生憎俺は土地勘が無くてな、方向は分かれど道が分からん。悪いんやけど『翠屋』まで案内してくれへんか?」

「わ、わかったの」

「名前を言うてなかったなぁ、俺はレイ=金剛=ダイアモンド。レイと呼んでくれんか」

「私は高町なのはなの、レイくん」

「気安く呼ぶな」

「!?」

 

 

 

 

 

 かくして、少年と少女は翠屋へと向かう。

翠屋では英国紳士と京女に正座させられた母と兄姉がいた。

その様子にぎょっとするなのは。

 

「お説教は終わりで?」

 

 レイが英国紳士と京女に問いかける。

 英国紳士、レイの父であるデビッドが口を開く。

 

「ああ、今丁度な。限のいいところで来てくれた」

「さよか」

 

 レイは後ろに隠れているなのはをそっと前に促す。

 なのははおっかなびっくり前に出る。

 なのはの母、桃子がなのはの顔をじっと見る。

 

「なのは……、ごめんなさい……!」

 

 桃子は席を切ったように泣き始め、なのはに抱き着いた。

 なのはもそれにつられて泣き始める。

 なのはの姉、美由希も涙を隠しきれていない。

 兄の恭也はようやっと目が潤んでいる。

 

「全く、面倒臭い一家や」

 

 京美人、レイの母である櫻子が独り言ちる。

 

「でも、ええ一家やないですか」

 

 レイが言葉を返す。

 確かに今、高町家は家族としてしっかりと結びついているように見えた。

 それを見ながら、金剛=ダイヤモンド家の3人は静かに頷くのだった。

 

 

 

 

 

 それから半年後、高町家では普通の日常が繰り広げられていた。

喫茶店のマスターとなった父、パティシエの母、高校生の兄、もうすぐ中学生になる姉、そしてもうすぐ小学生になるなのは。

そこには普通の日常があった。

 

「ただいま入ってきました速報です。ブリティッシュエアウェイズ機墜落事件の情報が入ってきました。繰り返します、ブリティッシュエアウェイズハイジャック事件の情報が入ってきました。この墜落で飛行機に乗っていた日本人はレイ=金剛=ダイアモンド君6歳、レイ=金剛=ダイアモンド君6歳が搭乗しているとの情報が入ってきました。安否に関してはまだわかっていません。繰り返します……」




 いきなり安否不明になる主人公。
 次回、出番はあるのでしょうか?
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