魔法神話 レイ&アフーム ~もしもリリなの世界にハジケた奴らと邪神が絡んできたら~ 作:ショーン=フレッチャー
なのはVSフェイト! いよいよ開幕! したりしなかったり!
「「「「「「どっちだよ!?」」」」」」
「さあ始まりました世紀の魔法少女同士の対決。実況は私レイ=金剛=ダイアモンドと」
「解説のユーノ・スクライアでお送りします」
全員で結界を張った後、レイとユーノは実況解説をしていた。
アフームはラウンドガールとして待機している。
「アンタたちっていつもこうなのかい?」
「いつも、かどうかは分からんが、楽しいぞ?」
アルフの質問にアフームが答える。
一方アースラでも始まった2人の戦いをモニター越しにクロノとエイミィが見ていた
「始まったみたいだね…」
「あぁ、エイミィ。準備の方は問題ないか?」
エイミィの言葉に頷きつつ確認をするクロノ
「うん。あの子の帰還先の追跡準備は出来てるよ。それと次元魔法による別次元からの攻撃の追跡も大方準備完了」
サムズアップをしながら笑顔で答えるエイミィ。
だがその顔は直ぐに真面目な顔に変わる
「でも、あのことなのはちゃん達に伝えなくて良かったの?プレシア・テスタロッサの家族とあの事故のこと」
「勝ってくれるに越したことはない、それに今はなのはを苦しませたくない」
エイミィの質問にクロノは少しその顔に影を落としながら答えた。
「杖同士の鍔ぜり合い、接近戦から始まる戦い」
『Photon Lancer』
「ここでフェイトが仕掛ける。解説のユーノさん」
「はい、フェイトとしては得意の速攻戦術でなのはを沈めたいところ。先制を取って有利な状況に持ち込みたいところでしょうね。しかしなのはも負けてませんよ」
『Divine Shooter』
「ファイア!」
「シュート!」
「なのはも攻撃を返す! いや、この子本当に魔法に触れて1月ちょいなのでしょうか!」
「昨日、戦術を練りましたからね。対フェイト戦に限って言えば相当の対策がとれるはずです」
「なのはがランサーをかわす。なのはの弾は追尾弾だ。フェイトこれをシールドで防ぐ!」
「お手本のような流れですね。お互いタイミングを探り合っています」
「シュート!」
「今度はなのはから仕掛けた!」
『Scythe Form』
「しかしフェイトこれを鎌で切り裂くのか。1つ、2つ、3つ! 最後は避けた。さあこのままインファイトか!」
「なのははインファイトが苦手ですからね。いい手です」
『Round Shield』
「なのは楯で防ぐを選んだ!」
「定石道理ですね。フェイトがこれを貫けるかどうか」
「ここでさっきの1発がフェイトを襲う! フェイト痛恨のミス!」
「避けるべきではなかったですね。この一発が流れをどう変えるか」
「ああっと! フェイトがなのはを見失う! これは痛い!」
「ここからどう出るでしょうか」
『Frash Move』
「せえぇぇぇぇぇぇい!!!」
「なのはまさかのインファイトー!」
「これは意外だ! 砲撃でいくと思ったのに!」
「何という魔力の大爆発。2人とも大丈夫か!」
「これは分からなくなってきたなぁ~」
『Scythe Slash』
「フェイト仕掛けた! だがなのはも紙一重で避ける!」
「今のでダメージが少ないのは痛いですね」
「おおっと、今度はフェイトが仕掛けてきたぞ」
『Fire』
「危ない危ない危ないぞなのは! ギリギリのところで防ぎ切った!」
「流れがフェイトの方に向いてきましたね」
(初めて会ったときは、魔力が強いだけの素人だったのに)
フェイトは内心焦っていた。
なのはの成長スピードを見誤っていたのだ。
しかし誰が想像できるだろう、魔法と出会って2月にも満たない少女がここまで戦えるようになるとは。
(速くて、強い。迷ってたら、やられる!)
「おおっとここでフェイトが巨大な魔方陣を展開だ」
「ここで決める気ですね」
『Phalanx Shift』
「間違いないこれは大技だー!」
「ライトニングバインド」
「おっとなのははバインドで動けない」
「なのはがこれを堪え切れるかが勝負ですね」
「アンタら呑気に解説していていいのかい!? フェイトは本気だ!」
「神聖なる決闘の邪魔をするものは神であろうと許されぬ」
「決闘の行末を見守ることこそ実況解説の役目」
「……一応ありがとう、手を出さないでくれて。全力全開の一騎打ちだから。私とフェイトちゃんの勝負だから!」
(でも、フェイトのそれは本当にまずいんだよ!)
「平気!」
なのはは強気でフェイトに立ち向かう。
「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル」
「来るぞ大技がー!!!」
「まだ実況してんのかい!!!」
「フォトンランサー・ファランクスシフト! 打ち砕け、ファイヤ!!!」
「決まったーーーーーー!!!!!!」
30近い魔力球から魔力弾が打ち出され、その全てがなのはに殺到する。
なのはの姿は爆発の煙で見えなくなる。
「なのは!」
「フェイト!」
「どうなった、これは!」
フェイトは左手に魔力を集中させる。
油断なく止めを刺す構えだ。
やがて煙が晴れる。
そこにはしっかりとなのはが立っていた。
「高町なのはが生きていたー!」
「まさか、耐えきるなんて」
「いった~、打ち終わるとバインドも解けちゃうんだね、今度はこっちの……」
『Divine』
「反撃来るか!」
「番だよ!」
『Buster』
「キター! なのはのターンだ! フェイトも魔力弾を投げるが、無駄無駄無駄! シールドで防ぐしかない!」
「フェイトは消耗してますからね。耐えきれるかどうか」
(直撃!でも、耐えきる。あの子だって…耐えたんだから!)
「耐えられるかフェイト! 手袋とマントはもうだめだ~!」
やがてなのはの砲撃が止まる。
(フェイト?)
「耐えた~! だが息も絶え絶えだぞ!」
「いや、すごいですね。よく耐えた」
「しかしなのはの攻撃は終わらない」
「受けてみてディバインバスターのバリエーション!」
『Starlight Breaker』
「来たぞ高町なのはの必殺技!」
「フェイトがこれにどう出るか」
「バインド!?」
「が、動けない! 現実は無情!」
「これが私の全力全開! スターライト、ブレイカーーー!!!!!!」
「きまったぁぁぁぁぁぁ!!!」
「な、なんつーバカ魔力!」
「うわあ、フェイトちゃん生きてるかな?」
アースラのクロノとエイミィもフェイトの安否を心配する。
撃ち終わったなのはは肩で息をしている。
飛行魔法も切れかけている。
一方のフェイトは気絶したまま海へと落ちていく。
「フェイトちゃん!」
なのははフェイトを追いかけて海へと飛び込もうとする。
その前に海がせりあがり、フェイトが海中から現れる。
「水符『ウォーターベッドの恋人』。この勝負、高町なのはの勝利!」
アフームがフェイトを助けていた。なのはは安心したのかため息をつく。
「ん……」
「あ、気づいた? ごめんね……大丈夫?」
「……うん」
「私の……勝ちだよね」
「……そう、みたいだね」
『Put Out』
バルディッシュからジュエルシードが排出される。
これで決着、というところで邪魔が入る。
紫電が天から降ってきた。
「いかん!」
アフームが楯になるように割って入る。
「んほおおおおおお!!!!!!」
紫電がアフームに直撃して、服が破け、素肌が露わになる。
その素肌には縄が巻き付いていた。
「「「「「「何巻いてんの!?」」」」」」
「下着代わりの縄が無事で何よりじゃ」
「「「「「「下着の代わりなの!?」」」」」」
そんなやり取りをしている間にジュエルシードが消えていた。
「エイミィ! 追跡は!?」
「もちろん! しっぽ、掴んだよ!」
アースラでは予定通り次元間の追跡を成功させる。
「よし、すぐに艦長に座標を」
「割り出し完了!送信!」
驚くほどのスピードでプレシアの居場所を割り出し司令部に送る。
それを受け取ったリンディはすぐに指示を出す。
「武装局員、転送ポットから出動!任務はプレシア・テスタロッサの身柄確保です!」
「「「「「「了解!」」」」」」
20人近い局員がプレシアの居る時の庭園に転移する。
その頃プレシアは喀血していた。
「くっ、やはり次元魔法はもう体が持たない。それに今のでここも見つかった」
口を手で抑えながらプレシアは横のモニターを見る。
そこには気を失ったフェイトを抱えるなのはとフェイトの様子を見るアルフ、撤収作業を進めるレイとユーノ、見悶えるアフームが映し出されていた。
「フェイト、あの子じゃやダメだわ。そろそろ潮時かもね」
プレシアはそんな言葉をこぼすのだった。
「お疲れ様」
リンディが労いの言葉をかける。
「それから、フェイトさん。初めまして」
リンディに声をかけられるがフェイトは手に持っている、ひびの入った待機状態のバルディッシュを見つめている。
(母親が逮捕されるところを見せるのは忍びないわ。なのはさん彼女をどこか別の部屋に)
(あっ、はい)
念話でリンディに頼まれ、なのははフェイトを連れて行こうとする
「フェイトちゃん良かったら私の部屋に…」
「総員、目標を発見!」
1人の局員の声に反応するフェイト。
モニターには大勢の局員と椅子に座るプレシアが映されていた。
「プレシア・テスタロッサ。時空管理法違反、及び管理局艦船への攻撃容疑で貴方を逮捕します!」
「武装を解除してこちらへ」
局員の通告を無視するプレシア、数人の局員が奥の部屋に調査をしに入っていく。
「2班は向こうを我々は奥の部屋を捜索する」
「こっちに何かあるぞ!」
局員達がある扉に気づき扉を開ける。
「な!? こ、これは……」
中に入った局員達は驚きの声を上げるモニターから見ていたなのは達も驚く。
フェイトは声すら出ていない。
そこには大きな円筒形の装置の中に浮かぶ金髪の髪の少女。
その姿はフェイトと瓜二つの顔をしていた。
「私のアリシアに触らないで!!!」
いつの間にか現れたプレシアによって1人の局員が吹き飛ばされる。
「撃て!」
隊長らしき男の声に従い数人の局員がプレシアに攻撃を行う。
だがそれはプレシアには届かず打ち消される
「煩いわね……」
そう言いながら左手を前に出すプレシア。
次の瞬間部屋にいる局員だけでなく突入した全局員に雷が降り注ぐ
「いけない!エイミィ、局員達の送還を!」
「りょ、了解です!」
リンディは倒れた局員達を直ぐにアースラに転移させる
「アリ……シア?」
フェイトは先程プレシアの言ったアリシアと言う名前を呟いている。
「もうダメね、時間が無いわ。たった9個のロストロギアではアルハザードに辿り着けるか分からないけど…」
愛おしそうな目でアリシアと呼ばれた少女が入っている装置に触れる。
するとプレシアは首を回しモニター越しにこちらを見る
「もういいわ、終わりにする」
プレシアの声が司令室に響く
「この子を亡くしてからの暗鬱な時間を、この子の身代わりの人形を娘扱いするのも。聞いてるかしら? あなたの事よフェイト」
フェイトがビクリと体を震わせる。
「せっかくアリシアの記憶をあげたのにそっくりなのは見た目だけ。役たたずでちっとも使えない、私のお人形」
重くなる空気の中でエイミィが口を開いた。
「最初の魔力炉の事故の時にね、プレシアは実の娘、アリシア・テスタロッサを亡くしているの。彼女が最後に行っていた研究は使い魔とは異なる…使い魔を超える人造生命の生成」
エイミィの説明に驚くなのは達、そして話は続く
「そして死者蘇生の秘術。…フェイトって名前は当時彼女の研究に付けられた開発コードなの」
「あら、よく調べたわねそうよその通り。」
エイミィの説明を聞いてプレシアが言葉をつなぐ。
「だけどダメね、ちっとも上手く行かなかった。作り物の命は所詮作り物…失ったものの代わりにはならないわ。アリシアはもっと優しく笑ってくれたわ。アリシアは時々わがままも言ったけど私の言うことをとても良く聞いてくれた」
「やめて……」
「アリシアはいつでも私に優しかった」
ガラスの筒を撫でながらプレシアは言葉を続ける。
「フェイト、やっぱり貴方はアリシアの偽物よ。せっかくあげたアリシアの記憶も貴方じゃダメだった」
「やめて、やめてよ!」
なのはの声が大きくなる。だがプレシアは止まらない
「アリシアを蘇らせるまでの間に私が慰みに使うだけのお人形。だから貴方はもういらないわ。どこえなりとも消えなさい!!!」
フェイトの目には涙が溜まっていく。
「お願い!もうやめて!!!」
フェイトの頭には優しい頃の母の記憶と自分に鞭を叩く記憶が巡り巡っていた。
「いい事を教えて上げるわフェイト。貴方を作り出してからずっとね、私は貴方が、大嫌いだったのよ!!!」
フェイトの手からバルディッシュが零れ落ち、フェイトも力が出ずに座り込む。
「フェイトちゃん!」
「フェイト……」
なのはとユーノがフェイトに駆け寄る
「アハハハハハハ!!!」
「言いたいことはそれだけか?」
レイの声が艦内に響く。
「さっきから聞いていれば随分と身勝手な言い訳、ご苦労さん。さて、あんたも物理学を学んでいるならわかるやろ。同種の元素を配合した2つの物質の相違性とエントロピーを」
プレシアが息をのむ。
「どんなに同じ材料を持ってきたとしても、全く同じもんを作れることはない。どんなに同じ材料を持ってきたとしても、一度崩れ去ったもんがすっかり元通りになることはない。あんたはそれをわかっているはずやろ? 俺が分かるんや、物理学者であるあんたに分らんはずがない」
「煩い」
「そもそも、死者蘇生なんという禁術、不確定が過ぎる。そんなおとぎ話にすがらねば生きていけんのか?」
「煩い!」
「アンタの行動には矛盾が多すぎる。一体何を隠しとるんやろなぁ」
「煩い! 煩い! 煩い! もういいわ! 始めるとしましょう」
「た、大変です!これを見てください!」
エイミィがモニターを切り替えると、複数のモニターに時の庭園の各所が映し出される。
すると地面から無数の機械兵器が現れる。・
「これは…」
「時の庭園より傀儡兵の反応確認!60、80!さらに増加します!」
「プレシア・テスタロッサ、貴方は一体何をするつもりなの?」
リンディの問いにプレシアが答える。
「私達は旅立つのよ!失われた都、アルハザードへ!!!」
9個のジュエルシードがプレシアの周りに現れる。
「この力で旅立って、取り戻すのよ。全てを!!!」
ジュエルシードが光を放つ。
「次元振です!規模は…中規模以上!」
「ジュエルシード9個発動!次元震、更に強くなります!」
「転送可能な距離を維持したまま影響の少ない区域に移動を!」
アラームが鳴り響く中、挙げられた報告に対して命令を出すリンディ。
そんな中プレシアの笑いが司令室に響く。
その顔は狂気に染まっている。
「私とアリシアはアルハザードで全ての過去を取り戻す!」
「過去は過ぎ去るのみ、現在はただ在るのみ、未来は向かってくるのみ。待っておれ、プレシア・テスタロッサ。俺が貴様に現実というものを叩き込んでやろう」
レイの口角が不気味に吊り上がった。
この回は非常に頑張りました。
特に実況解説の部分。
次回より第12話を全5話でお送りします。
え、意味が分からない?
つべこべ言わず読めや!