魔法神話 レイ&アフーム ~もしもリリなの世界にハジケた奴らと邪神が絡んできたら~ 作:ショーン=フレッチャー
洛西高校ディフェンス部、敗北。
「フェイトちゃん!」
「私たちもいるよ!」
「アリシアちゃん! アルフさん!」
思わぬ増援に喜色満面のなのは。
さらに遅れてもう2人。
「何これ、どういう状況よ」
「ええと、フェイトちゃんとアリシアちゃんかな、あの2人」
アリサとすずかである。
「ちょっと待てよ、これはいくら何でも増えすぎじゃねえか?」
ヴィータは苦笑する。
だがその顔に悲壮感はない。
すでに一点突破で離脱する算段は出来ている。
だがしかし、アルフの方が早かった。
瞬く間にバインドで四肢を縛られる。
「終わりだね、名前と出身世界、何より……目的を教えて貰うよ」
バルディッシュをヴィータに向けるフェイト。
その時であった。突如として現れた桃髪の剣士によってフェイトは弾き飛ばされた。
「シグナム?」
さらにアルフの方にも迫る影が一つ。
影の正体はレイを襲った大男、その大男はアルフに蹴りを入れて吹き飛ばす。
さらにシグナムと呼ばれた剣士は己の剣を高々と掲げる。
「レヴァンテイン、カードリッジロード」
『Explosion』
その音声と共に剣の一部がスライド。
剣は炎を纏い、シグナムはその剣を持ち構えを取る。
「紫電一閃!」
一瞬で詰められる距離。
避けきれないと判断したフェイトはバルディッシュで防ごうとするが、シグナムの剣はいとも容易くバルディッシュを両断した。
そしてそこに容赦なく放たれる第二撃。
『Defensor』
咄嗟にバルディッシュが魔力による防御壁を張ってくれたがフェイトの体はその衝撃に押し負け近くにビルに叩きつけられる。
慌ててフェイトを助けに向かおうとするアルフ。
だがその前には先ほど現れた大男が立ちふさがっているためとてもじゃないが援護にはいけない。
そこに橙色の12の光輪が襲い掛かる。
放ったのは黒い格好で覆面をつけたなのはたちと同世代の少年。
傍らには橙色の服を着た少女がいる。
「相手は相当の手練れのようだね。みんな気を付けて! 僕はなのはを診ているから!」
そういうと、ユーノは結界を張る。
「回復と防御の結界魔法。そこから出ないように」
「ユーノ君はどうするの?」
「フェイトの治療に行く。なあに、僕だってパワーアップしているんだ」
ユーノがファイティングポーズをとる。
その背中はすでに漢のものであった
「どうしたヴィータ、油断でもしたか?」
フェイトを吹き飛ばした後、シグナムはバインドで動けないヴィータの元に行き現状を聞いていた。
「うるせえよ、こっから逆転するとこだったんだ」
「そうか、それは邪魔をしたな。済まなかった」
シグナムは軽く謝ると手を前に出し魔力を込める。
するとアルフがかけたバインドはヒビが入り砕け散った。
「だが余り無茶はするな。お前が怪我でもしたら我らが主も心配する」
「わーってるよ」
主を引き合いに出されヴィータは少し不満そうに顔を横に向ける。
「それから落し物だ」
「うぅ?」
しかし何かを頭に乗せられ見上げるヴィータ。
それは先程なのはによって壊された帽子とうさぎのぬいぐるみだった。
「破損は直しておいたぞ」
「……ありがとう、シグナム」
綺麗に直った帽子を触りながらお礼を言うヴィータ。
するとシグナムは視線を周りに配る。
下ではアルフがザフィーラと激しい打ち合いを行っている。
黒い剣士と橙色の少女がアリサとすずかと戦っている。
「あすかとエストもなかなかやるな」
「流石は黒騎士だな」
「状況は5対5」
「いや、もう1人ヒョロそうなガキもいた。5対6だ」
シグナムの言葉を訂正するヴィータ
「そうか、だが一人増えた所で我らベルカの騎士に」
「負けはねぇ!!!」
シグナムの言葉にヴィータが大声を上げると、2人は降下する。
その中、ヴィータは背中を探ると驚きの声をあげる
「闇の書がない!?」
その頃、フェイトはアリシアの介抱を受けながら、ユーノの治療を受けていた。
「ありがとうユーノ」
「バルディッシュも」
そう言いながらユーノは近くに転がっている、二つに分かれたバルディッシュの上部分を見みつめる
「大丈夫。本体は無事」
『Recovery』
そう言いながらバルディッシュを拾い上げるフェイト。
バルディッシュは光に包まれ折られた部分が元に戻る
「ユーノ、この結界内から全員同時に外に転送出来る?」
「うん、アルフと協力出来れば何とか」
アリシアの提案は未知の敵との戦いは長引けばどうなるかは分からない、そのためにここは撤退する、というものだった。
「私達が前に出るからその間にやってみてくれる?」
「分かった」
「アルフもいい?」
(ちょいとキツイけど何とかするよ。みんなもいるしね)
「それじゃあ、頑張ろう」
「「うん」」
やがて戦いは膠着状態に陥った。ヴィータ対アリシア、シグナム対フェイト、ザフィーラ対アルフとユーノ、黒騎士あすかとエスト対アリサとすずかという構図だったのだが、いつの間にか双方に分かれ、陣を構成していた。
戦いの中でヴィータとアリシアが、シグナムとフェイトが名前を交換したりしたのだが、ここまで数があると戦いというより合戦のような有様になっていった。
お互い肩で息をしながら、様子を窺っている。そこへ1つの影が均衡を崩すかのように現れる。
サーチライトが突然焚かれ、花火が上がる。
ビルの屋上にステージが設けられ、そこに1つの影がある。
「Lades & Gentleman! Who am I? 我こそは超時空プリンセス! アフーム=Z=シルバーなり!」
((((((無駄に凝った演出だー!!!))))))
「助けに来たぞ! みんな!」
アフームがポーズを決めながら登場する。
「あれ、レイは?」
アリシアの一言でアフームの顔が曇る。
「レイは、先程の戦いで敗北し、魔力を奪われてしもうた。その結果、こんな姿になってしもうたのじゃー!」
そういうとアフームはトマトの水煮缶を取り出す。
パッケージにはレイの姿が印刷されている。
「「「「「「嘘でしょ(だろ)!?!?!?」」」」」」
「嘘やないで」
「「「「「「喋った!?」」」」」」
トマト缶からレイの声がする。
「おのれ大男め、俺から魔力を奪った挙句、トマト缶に姿を変えるとは!」
「いや、それに俺は関係ないだろう!」
ザフィーラが叫ぶ。
「問答無用! 俺の怒りを喰らうがいい!」
そういうとトマト缶がひとりでに開き、赤い光が漏れる。
「赤茄子『トマティーナ流星群』!」
赤い光が天へとほとばしり、天からトマトの弾幕が降ってくる。
敵も味方も関係なく。
「「「「「「きゃああああああ!!!」」」」」」
「地獄絵図だ!!!」
ザフィーラの叫びはまさにその通りであった。
「全員トマト臭くなってしまえー!」
「なんて迷惑な技だ!」
(さて、時間は作ったで、なのは)
(うん……、みんな、私が結界を破壊するからその隙に転送を!)
「なのは!」
「大丈夫なの!?」
(大丈夫、スターライトブレイカーで撃ち抜くから!)
なのはの前に魔法陣が現れる。
「レイジングハート!カウントを!」
『OK』
なのはの周りに魔力が集まる
『count 9 8 7 6 5 4 3』
シグナム達も高まる魔力に気づくがトマトの雨によってなのはに近づくことが出来ない
『3 3 3』
「レイジングハート大丈夫!?」
壊れたラジオのように同じ数字を言い続けるレイジングハートをなのはが心配する
『No problem』
普段よりもノイズ混じりの声で応えるレイジングハート
『count 3』
再びカウントダウンを始め、なのはがレイジングハートを振り上げる
『2 1』
「ッハ!!?」
すると突然なのはの動きが止まる
「なのは?」
スターライトブレイカーが放たれないことに疑問を持ったフェイトがなのはを見て固まる。
「あっ、あぁ……はっ」
「「「「「「なっ…!!!」」」」」」
なのはの胸から人間の腕が生えていた。
「しまった、外しちゃった」
なのは達から少し離れたビルの屋上、そこに謎の穴に手を入れていた金髪緑衣の女性がそう言葉を発する。
女性が謎の穴から手を過ごしだけ引くとなのはの胸から生える腕が引っ込み、もう一度押し込むとなのはの体から光の玉、リンカーコアが表れる
「なのはーーー!、」
トマトの雨の中フェイトが慌てて駆け寄ろうとするがシグナムが立ちはだかる。
「リンカーコア、捕獲。蒐集開始!」
女性がそう言うと持っていた本が光ると真っ白なページに文字が表れ、更に次のページも文字が埋まっていく。
するとなのはの体から出た光の玉が小さくなる。
だがなのははその状態でも魔法を放とうとする。
『count 0』
「スターライト、ブレイカーーー!!!」
放たれた巨大な魔力砲。
それは一直線に真上の障壁に向かい貫く。
障壁は粉々に砕け散った。
「障壁消失!! 映像来ます!」
アースラでも障壁が破られたことにより今何が起こっているか、現場の映像が映り、その詳細な情報が届く。
「な、なにこれ!?どうゆう状況?」
「これは、こいつら」
映り始めた映像を見てエイミィは戸惑う。
それもそうだ。トマトまみれなのだから。
だがクロノはモニターに映るシグナム達を見て何か思い出す物があった
最後に力を振り絞ったなのはは手からレイジングハートを落とし倒れる
(結界が解かれた!離れるぞ!)
結界が消えたのを感じたシグナムが仲間達に撤退を命ずる
(心得た)
(シャマルごめん、助かった)
(うん。一旦散っていつもの場所でまた集合)
女性、シャマルは念話を終えると個人転送を使い、シグナム達もそれに続き転送を開始する
「あぁ、逃げる! ロック急いで! 転送の足跡を…」
「やってますが……」
エイミィは別の次元に飛ぶ6人を追跡しようとするが上手くいかない
「ッ!アレは!!」
そんな中、1つのモニターに映った1冊の本にクロノは声を上げる。
「ダメです、ロックが外れました…」
「ああ!もう!……ごめんクロノ君。しくじった、クロノ君?」
追跡が失敗し横にいるクロノに謝るエイミィ。
だが何も言わないことを不思議に思いエイミィはクロノを見る。
「第1級捜索指定遺失物。ロストロギア、闇の書」
クロノの拳には力が入り僅かに震えていた。
「クロノ君、知ってるの?」
「ああ、知ってる。少しばかり嫌な因縁があるんだ」
うちの主人公、レイくんはチート主人公なのでしょうか?
どうも、負けシーンが目立つからそうは見えなくて。
最近のトレンドは苦労しない主人公らしいけど、うちのレイくんは苦労することになるからなあ。
特に第2部第3章では有り得ないくらいの苦労をしょい込むことになるんです。
それこそ、人生設計が狂ってしまうような目に遭います。
それ以降も政治やらなんやらで苦労することになるのですが。
いいよなあ、他の主人公は強いだけで楽できるんだから。