魔法神話 レイ&アフーム ~もしもリリなの世界にハジケた奴らと邪神が絡んできたら~   作:ショーン=フレッチャー

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前回のあらすじ。
 トマトっておいしいよね。
 え、トマト嫌いだって?
 貴様はトマト地獄行きじゃー!



第3話 引っ越し音頭はいいのかい?

 アースラに回収されたなのはは真っ先に管理局本局医務局に送られた。

 レイ以外は全員シャワーを浴びるよう言われた。

 トマト臭かったからだ。

 

「検査の結果、怪我は大したことないそうです。ただ魔導師の魔力の源、リンカーコアが異様な程小さくなってるんです」

送られてきた検査結果をエイミィはリンディに報告する。

「そう、じゃあやっぱり一連の事件と同じ流れね」

「はい、間違いないみたいです。休暇は延期ですかね……流れ的にウチの担当になっちゃいそうですし」

 

 肩を落とし少し残念そうに言うエイミィ。

 

「仕方ないわ。そういうお仕事だもの」

「アハハ」

 

 リンディに言われ愛想笑いをするしか出来ないエイミィだった。

 

「それより、トマト臭いわね」

「レイくんの仕業ですから」

「そのレイくんは?」

「今はホウレンソウの缶詰めになってます」

「何で!?」

 

 

 

 

 

「こんなトマトまみれの再会で申し訳ない」

「全くよ、レイ、アンタは反省しなさい。ああ、フェイトとアリシアよね? 私はアリサ・バニングスよ。それでこっちが」

「月村すずかです」

「アリシア・テスタロッサだよ~。それで妹の」

「フェイト・テスタロッサです」

「うむ、顔合わせは済んだか。もうちょいしたらなのはのところに行くかの」

「それはいいんだけど、アンタはいつになったら缶詰から戻るのよ」

「……誰か開けて」

「「「「「イヤ」」」」」

「ユーノ? 開けてくれへん?」

「レイ、僕は珍しく怒っているよ。なんで鯖缶じゃないんだい?」

「「「「「そこ!?」」」」」

「鯖は塩気が多いかと思って」

「「「「「何その理由!?」」」」」

「なら許す!」

「「「「「許すんだ!?」」」」」

「……君たちは一体何をしているんだ」

「あ、クロノ、今レイを人間の姿に戻すところなんだけど、やってみる?」

「誰がやるか」

「なら妾がやろう!」

 

 そういうとアフームは缶切りを取り出す。

 

「げっへっへ、今すぐその姿を露にしてくれるわ」

「あの、優しくしてな……」

「オラーーー!」

「イヤーーー! 汚されるーーー!」

「クロノ! 君は何か思うことはないのかい!? 今この場で犯罪が行われているんだぞ!」

「いや、缶を開けているだけだろう……」

「それもそうだね」

「ユーノ、アンタすっかりハジケに染まって……」

 

 ホウレンソウ缶が開けられる。その瞬間、煙がもうもうと出てくる。

 

「何だこれは!」

「開放してくれてありがとう。私はホウレンソウ缶の精霊」

「「「アラジンと魔法のランプ!?」」」

「「「何この展開!?」」」

「歯に詰まったゴマを取ってくれー!」

「「「「「「願いショボッ!」」」」」」

「私は別に誰かの願いをかなえることはない」

「「「「「「しないの!?」」」」」」

「それよりなのはのところへ行かへんのか?」

「「「「「「行きまーす」」」」」」

 

 

 

 

 

 医務室の戸を開けるやいなやクロノは医師から話があるという事で出て行ってしまった。

 今、場は静寂に支配されていた。そんな中言葉を発したのはなのはだった。

 

「あの……ごめんね、折角の再会がこんなで……怪我大丈夫?」

「こんなの全然……それよりなのはが」

「私も全然平気、皆のおかげだよ」

 

 そう言って立ち上がろうとするなのは、だがどうにも足がふらついてしまう。

 そんななのはを支えたのはフェイトだった。

 

「ごめん、まだちょっとフラフラ……」

 

 支えてもらったなのははフェイトの顔をジッと見つめる。

 

「助けてくれてありがとう、フェイトちゃん。それからまた会えてすごくうれしいよ」

「うん。私もなのはに会えてうれしい」

 

 そう言って抱きしめ合う二人。

 その光景を微笑みながら見ていると横からアフームが言った。

 

「何かこっちは蚊帳の外なんじゃが」

「直接ぶつかり合ったあの二人にしかない世界があるんやろ」

「ハイ二人ともイチャイチャしない」

「「べ、別にそんなことしてないもん!」」

「語るに落ちたわ」

「語らなくてもすでに落ちてたけどね、二人だけの世界に」

「上手い! アフームさん、ユーノさんに座布団1枚」

「すまない、ようやく話が終わった」

 

 クロノの到着でようやく収拾がついたのであった。

 そしてなのはの回復を待ってから一行はデバイスルームへと向かう。

 全員のデバイスの破損が激しいのでチェックしているのだ。

 到着したデバイスルームではプレシアが作業を行っていた。

 

「あら、お帰りなさい、そして久しぶりと初めましてかしら。フェイトとアリシアの母のプレシアよ」

 

 顔合わせと自己紹介がすんで、デバイスの話に移る。

 

「破損状況は?」

「正直あまり良くないわね……」

 

 プレシアが言うには自動修復をかけてはいるが部品交換等が必要なレベルの破損なのだそうだ。

 以前ジュエルシードを巡る戦いの時も破損はしたがそれ以上のダメージという事なのだろう。

 さらにアルフがふと気になった事を口に出す。

 

「あの連中の魔法、何か変じゃなかった?」

「確かに……なのは達とも俺の魔法とも違かった、いやなのは達の魔法に近いがどこか違うと言った方が正確か」

「あれは、多分ベルカ式だ」

「「「「「「ベルカ式?」」」」」」

 

 ユーノの説明によるとベルカ式とはその昔ミッド式と勢力を二分した魔法体系だそうだ。

 広域や遠距離をある程度度外視して対人戦闘に特化した魔法体系なのだという。

 そして優れた術者は騎士と呼ばれるらしい。さらにプレシアが続ける。

 

「最大の特徴はカートリッジシステムと呼ばれる武装ね。儀式で圧縮した魔力の弾丸をデバイスに組み込んで瞬間的に爆発的な破壊力を得る。危険で物騒な代物よ」

「機構に負荷がかかるわけやしな」

「そう、だからベルカ式のデバイスはアームドデバイスと呼ばれ、頑丈な造りになっているの」

「頑丈やから対人でも有効と、なぜ廃れたんやろ、ああ、戦乱が終わったからか」

「どういうこと?」

 

 なのはの問いにユーノが答える。

 

「戦乱が終わったことで騎士の持つ戦闘力が危険視されたので排除されたのと、需要が無くなったから騎士になる術者がいなくなったというのが今の説。レイよくわかったね」

「こっちにも同じような話があるんでな」

 

 全員がその話を聞きたそうにする中、クロノが横槍を入れる。

 

「おっとフェイト、アリシア、そろそろ面接の時間だ」

「あ、うん」

「面接?」

「2人の保護監察官さ。ついでと言っては何だが君たちも来てくれないか」

「他のはともかく、俺とアフームは魔導士やないんやけど」

「興味があるらしくてね、管理局との交渉担当ならあっておいて損はないと思うが」

「そんなら、同行させてもらいますわ」

 

 クロノの案内に従いなのはたちはその後ろを着いて歩く。

 やがてクロノの足が止まり目の前の扉が開いた。

 

「失礼します」

 

 クロノに続いて全員が部屋に入る。

 

「久しぶりだな。クロノ」

「ご無沙汰しています」

 

 そこにいたのは優しそうな顔をした男性だった。

 彼の名前はギル・グレアム提督、何でもクロノの指導教官だった人物らしい。

 彼に促されるまま、ソファに座り話が始まる。

 話題はテスタロッサ家についてから始まる。

 やがて話題はほかの面々にも及ぶ。

 

「そう言えば君たちは日本出身だったね、懐かしいな」

「おや、日本にいらっしゃったことがおありで?」

 

 レイが質問をする。

 

「いや、私は君たちと同じ地球生まれだ。イギリス人だよ」

「おや、奇遇ですな。僕も半分はウェールズの、ケルトの血が入っとるんです。失礼ですがご出身は?」

「スコットランドさ。あの世界の人間の殆どは魔力を持たないが稀にいるのだよ。私やなのは君のように高い魔力資質を持つ者が。それだけじゃない、レイくんの様に魔術という独自の魔法技術があることも知られ、今管理局内では注目度が高まっている世界なんだ」

「ほう、評価してくれるんはありがたいですな」

「君が管理局との交渉の窓口だね。気を付けなよ。海千山千の手練れでいっぱいだから」

「ご心配なく、魔術師にとって権謀術数は飯の種なもんですから。きっちり仕込まれとりますえ」

 

 話が進む中、グレアムは居住まいを正す。

 

「フェイト君、アリシア君、君達は彼等の友達なんだね?」

「「「はい」」」

「約束してほしい事は一つだけだ、友達や自分を信頼してくれる人間の事は決して裏切ってはいけない。それが出来れば私は君の行動について何も制限しない事を約束するよ、出来るかね?」

「「「はい、必ず」」」

「うむ、良い返事だ」

 

 面接が終わり、全員が一礼して席を立つ。

 最後にクロノがグレアムに報告する。

 

「提督、もうお聞きおよびかもしれませんが、先ほど自分達がロストロギア『闇の書』捜索、捜査担当に決定しました」

「そうか、君がか、私が言えた事ではないが無理はするなよ」

「はい」

 

 

 

 

 

「さて、皆もう聞いてると思うけど私達アースラスタッフは今回、ロストロギア闇の書の捜索及び魔導師襲撃事件の捜査を担当することになりました。ただ、肝心のアースラが暫く使えない都合上、事件発生地の近隣に臨時作戦本部を置くことになります。分割は観測スタッフのアレックスとランディ」

「「はい!」」

「ギャレットをリーダーとした捜査スタッフ一同」

『はい!』

 

 リンディの決定に返事をするアースラの局員達

 

「司令部は私とクロノ執務官、エイミィ執務官補佐、フェイトさんとアリシアさん。以上の3組に別れて駐屯します」

「ちなみに、司令部はなのはさん達の保護を兼ねて、なのはさんのお家のすぐ近所になりまーす」

「「!」」

 

 最後の報告を聞いたなのはとフェイトは互いの顔を見る。

 

「あら、ここ俺んちのあるマンションや」

「本当じゃ、とんだ偶然もあったもんじゃのう」

 

 全員が顔を見合わせた。

 

「それ、本当?」

 

 リンディの質問にレイは頷く。

 

「ええ、間違いなく」

「すごい偶然ね……」

 

 プレシアの呟きに全員が同意するのであった。

 この後、フェイトとアリシアの聖祥小転入が発表されたが、これ以上の驚きはなかったという。




 現在執筆中の第2部第3章は大変なことになります。
 多分皆さんが予想もしなかった展開になるんじゃないかなと思っています。
 それくらいの超展開が延々と続く予定です。
 それに従ってレイとアフームの秘密も明かされていくのですが、皆さんは疑問に思ったことはないのでしょうか?
 何故レイは飛行機事故に巻き込まれたのか?
 何処からアフームはやってきたのか?
 何故この二人は違う苗字なのに同じ屋根の下に住んでいるのか?
 全ての秘密は第2部第3章で明かされます。
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