魔法神話 レイ&アフーム ~もしもリリなの世界にハジケた奴らと邪神が絡んできたら~   作:ショーン=フレッチャー

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 前回のあらすじ。
 トマトの臭いがこびりついて離れない。


第4話 新戦力、刮目せよ!

 八神家の朝は早い、八神はやては目覚めると傍らで寝ているヴィータを起こさないよう車椅子に乗り込む。

 リビングではシグナムとザフィーラがソファで寝落ちしたのか、寝息を立てている。

 キッチンではエストが朝食の準備を始めようとしている。

 

「仕方ないな」

 

 はやてはシグナムとザフィーラに毛布を掛けると、エストの方へ向かう。

 

「おはよう、エスト」

「おはようございます、姉君」

「あすかは?」

「マスターはいつも通り型稽古です」

「真面目やなあ」

 

 庭ではアームドデバイスの魔力剣バッシュと実体剣ダッカスを手に素振りをするあすかがいた。

 

「ほな、朝ご飯の準備しよか」

「はい」

 

 やがて、準備の音でシグナムとザフィーラが目覚める。

 

「ごめんな。起こした?」

「あ、いえ」

「はいシグナム。ホットミルク。温まるよ」

「ありがとう、ございます」

「ザフィーラにもあるよ。ほら、おいで」

 

 はやてから差し出されたカップを受け取るシグナム。

 すると扉が開きエプロンを片手にシャマルが入ってくる

 

「すいません!寝坊しました!」

「おはようシャマル」

「おはよう! あぁもう、ごめんなさいはやてちゃん」

「ええよそんなん」

「おはよ」

 

 シャマルがエプロンを付けてキッチンに入ると騒がしくなって起きたのかヴィータもリビングに入ってくる

 

「うわぁ、めっちゃ眠そうやな」

 

 瞼を擦りながら答えるヴィータに微笑むはやて。

 そんな光景を見ながらシグナムは手に持ったカップに視線を落とす

 

「……暖かい、な」

 

 

 

 

 

 その日、レイだけが管理局に呼ばれていた。

 本局に着くやいなやデバイスルームへと通される。

 そこにはリンディとプレシア、それともう一人女性がいる。

 

「来てくれたわね、紹介するわ。彼女は管理局のデバイスマイスター、マリエル・アテンザよ」

 

 リンディが女性、マリエル・アテンザをレイに紹介する。

 

「よろしくお願いします!」

「こちらこそよろしゅうお願いします。さて、僕を呼んだ理由は?」

「まずは、本件、便宜上闇の書事件と呼ばせてもらうけど、地球との協力体制をきっちり構築しておきたいの。前回はそれで色々あったしね」

「色々ありましたなあ」

 

 レイとリンディは遠い目をする。

 

「それで、細かいところを色々と詰めておきたいのよ」

「成程、それは構わないんですけどなぜここで?」

「もう一つの用事の話よ、先の戦闘でみんなのデバイスが破損したでしょう。その時にデバイスが要求したパーツがあるのよ」

「それは?」

 

 答えたのはマリエルだった。

 

「CVK-792、俗にいうカートリッジシステムです」

「カートリッジシステムってあの、アームドデバイスの」

「そうです」

「インテリジェントに組んで大丈夫なんですか?」

「一応前例はあるんですが、使用するのが子供ですから、データがなくて」

「でも組み込むんでしょう?」

「それはもちろん!」

 

 マリエルは自信満々に答える。

 

「まあ、相手と同じ土俵に立つために同じ武器を求めるんは間違っとらんのですけど、体への負担が重そうですわ。僕としては反対なんですがねえ。まあ、必要そうなんでお願いしますけど、何で僕にその話を?」

「あなたはサンシャインホープとムーンライトドリームの製作者でしょう。制作して日が浅いし一応あなたの許可が欲しかったのよ」

 

 プレシアの答えにレイは納得する。

 

「成程、なんなら、ホールドアップを僕が受け持ってもええですよ」

「それは助かります!」

 

 マリエルが大声を上げる。

 

「5個もデバイスがあるんですよ! それをプレシアさんと二人で全部ホールドアップするのは骨が折れますって!」

「ははあん、そういうことですか。まあ、ええでしょう。僕も勉強になりますし。受け持ちますよ。ホールドアップ」

「ありがとうございます! こんな素敵なデバイスを作れる人、一度会ってみたかったんです!」

「ほう、評価してくれるんは有難いですわ」

「変形機構といい、各武装の特徴といい、使用者のことを考えた造り! 加えて浪漫の詰まったデザイン! よくわかっている人だなって思っていたんですよ!」

「恐縮です。処女作でこんな評価されるとは」

「処女作! これはこの後の作品がどうなるか気になります!」

「マリエル、この辺にしときなさい。それじゃあ、細かい話は部品が届くまでかしら」

 

 リンディがマリエルを諫める。

 

「そうですな、受け持つんは?」

「私がなのはちゃんのレイジングハート、プレシアさんがフェイトちゃんのバルディッシュと、アリシアちゃんのグレイブを」

「僕がサンシャインホープとムーンライトドリームを担当すると。わかりました」

「レイくんは初めてだろうし、私と一緒にやりましょう」

「マリエルはん、ありがとうございます」

「それじゃあ、政治の話と行きましょうか」

「ほな、そういうことで」

 

 そういうとレイとリンディは退出する。

 この後まとめられた合意内容が最初の管理局と地球の条約となるのである。

 

 

 

 

 

「さて、皆さん、今日からこのクラスに転校生が来ます」

 

 3年2組はどよめきに包まれる。

 

「入ってきてください」

 

 入ってきたのは金髪紅眼の美少女だった。

 

「アリシア・テスタロッサです。仲良くしてね」

 

 クラスがわっと湧き出す。

 

「あ、レイだ」

 

 アリシアがレイに気付く。

 

「おお、こっちのクラスはアリシアやったか」

「うん、フェイトは1組」

「さよか、1組はほかの面子がそろってるで」

「そっか、じゃあお姉ちゃん安心だね、フェイトがクラスになじめそうで」

「ねえ、テスタロッサさんとレイくんはどういう関係なの?」

 

 クラスの女子が聞いてくる。

 

「アリシアでいいよ、1組に妹がいるから。レイとの関係か~。お母さんの同僚で、命の恩人かな?」

((((((レイって何者なんだろう……))))))

 

 ますますレイの正体がわからなくなる3年2組であった。

 

 

 

 

 

「それじゃあ、はやてちゃんの病院の付き添いお願いねシグナム」

「あぁ、ヴィータとザフィーラはもう?」

「ええ」

 

 そう言いながら箱を手に取り開けるシャマル、中にはカートリッジの弾丸が入っている。

 エストと共にカートリッジに魔力をこめていくのだ。

 

「カートリッジか」

「ええ、昼間のうちに作り置きしておかなきゃ」

「すまんな、お前達に任せっきりで」

「バックアップが私達の役目よ。気にしないで」

「姉君のこと、よろしくお願いしますね」

 

 

 

 

 

「うーん、やっぱり余り成果は出てないかなー」

 

 海鳴大学病院、診察室の一室で少し困った顔をする担当医師の石田と話を聞くはやてとシグナム。

 

「でも、今のところ副作用も出てないしもう少しこの治療を続けましょうか」

「はい、えっと、お任せします」

「お任せって、自分の事なんだからもうちょっと真面目に取り組もうよ」

「あ、いやその…私、先生を信じてますから」

 

 はやての言葉に目を丸くする石田。

 その後石田は、はやてには部屋から出てもらいシグナムと2人で話を始めた。

 

「はやてちゃん、日常生活はどうです?」

「足の麻痺以外は健康そのものです」

「そうなんですよね。お辛いと思いますが私達も全力を尽くしています」

 

 ため息を漏らしながらも話を続ける石田。

 

「これから段々、入院を含めた辛い治療になるかもしれません」

「はい、本人と相談してみます」

 

 そう答えるシグナムの顔は何故か石田に対して申し訳なさそうであった。

 

 

 

 

 

 放課後、なのはたちと別れ帰路につくフェイト、アリシア、レイ、アフーム。

 

「あの人たちって本当に悪人なのかな」

 

 アリシアが呟く。

 

「悪の定義にもよるな。法を犯した者が悪ならば、連中は悪や。せやけど、本質的に悪という訳でもないようにも思える」

「どうして?」

「殺しという効率のええ方法をとらんからや。それに襲撃の際に、罪悪感を感じているかのような振る舞いをした。本質的には善人やけど、悪として行動しなければならない。そのジレンマに苦しんでいるようにも思える」

「よく見ていたね」

「トマト缶は視野が広いんや」

「どうして、闇の書なんてものがあるんだろう」

「どうした。急に」

「闇の書がなければ、こんな事件が起こらないのに」

「人の欲望は尽きぬ、闇の書がなくとも別の悲劇が生まれよう」

 

 アフームがぼやく。

 

「俺たちに出来ることは、対症療法でしかない。それでも全力を尽くすんや。うまくいくと思わなければ、何事も為せんよ」

「うん、いいこと言ってるつもりかもしれないけどさ、何で2人共そんなド派手なの?」

 

 レイとアフームは宝塚のトップスター的な格好であった。

 

「「格好良くない?」」

「「すんごい不自然」」

 

 

 

 

 

 とある次元世界、岩肌の大地には時折空から雷が落ちる。

 突如、巨大な亀のような怪物がうめき声を上げ大地に倒れる。

 その怪物の剣山のような甲羅の上にはヴィータが息を荒らげていた。

 すると怪物からリンカーコアが現れる

 

「闇の書、蒐集」

 

 ザフィーラが持っていた闇の書が魔力を取り込む。

 

「今ので3ページか……」

「くっそー、でっけえ図体してる割にリンカーコアの質は低いんだよな。まぁ、魔導師相手よりは気楽だし効率もいいし」

 

 そう言いながら自身のデバイスにカートリッジを装填し終えるヴィータ。

 

「次行くよザフィーラ」

「ヴィータ、休まなくて大丈夫か?」

「平気だよ、私だって騎士だ。この程度の戦闘で疲れるほどやわじゃないよ」

 

 そう言い歩き出すヴィータの後ろをザフィーラは黙ってついて行くのだった。

 

 

 

 

 

「無事、完治!」

「デバイスも完全修復じゃ!」

 

 管理局本局の医務局で先程まで検査を受けていたなのはは元気よく完治を報告した。

 アフームがデバイスを全員に配る。

 先程までレイが仕上げていたのだ。

 そして全員でアースラまで戻る。

 

「そっか、良かったー今は何処?」

「2番目の中継ポートです。あと十分ぐらいで戻れると思います」

「そう、じゃあ戻ったらレイジングハート達の説明を…っ!」

 

 突然画面向こうからアラーム音が鳴る。

 

「ああ、こりゃまずい! 至近距離にて緊急事態!」

『都市部上空にて捜索指定の対象2名を捕捉しました。現在、結界内部で対峙中です』

「相手は強敵よ。交戦は避けて外部から結界の強化と維持を!」

「ハッ!」

 

 状況報告をする局員に相手を足止めするように命令するリンディ

 

「現場には執務官を向かわせます!」

 

 

 

 

 

 結界に閉じ込められたヴィータとザフィーラは周囲を10数人の武装隊に囲まれる。 

 

「管理局か、」

「でも、チャラいよこいつら。返り討ちだ!」

 

 そう言いグラーフアイゼンを構えるヴィータ。

 だが、局員達は2人から離れる。

 

「上だ!」

 

 困惑するヴィータだがザフィーラに言われ上空を見上げると無数の魔力刃とそれを操るクロノがいた

 

「スティンガーブレード・エクスキューションシフト!」

 

 掲げたデバイスを振り下ろし100を超える魔力刃が2人に襲いかかる

 それに対しザフィーラが手を前にかざし障壁を展開する。

 魔力刃は障壁とぶつかり無数の爆発を生み煙に包まれる

 

「はぁ、はぁ、少しは…通ったか?」

 

 僅かだが手応えを感じるクロノ、少しずつ煙が晴れる。

 クロノの予想通り攻撃は障壁を貫きザフィーラの腕には3本の魔力刃が突き刺さっていた。

 

「ザフィーラ!」

「気にするな、この程度でどうにかなる程軟じゃ、ない!」

 

 ザフィーラは腕に力を入れ刺さった魔力刃を砕く

 

「上等!」

 

 ヴィータは上空のクロノを睨みつける。

 クロノも自身のデバイスS2Uを構える

 

『武装局員、配置終了! オッケー? クロノくん!』

「了解!」

 

 通信越しにエイミィが武装隊の状況を報告する

 

『それと今、現場に助っ人を呼んだよ!』

 

 

 

 

 

 結界内部のビルの屋上。そこには8人の少年少女がいる。

 

「あいつら!」

 

 気づいたヴィータが声を上げる。

 

「ようやく来たか!」

 

 クロノが見上げる。

 

「レイジングハート!」

「バルディッシュ!」

「グレイブ!」

「サンシャインホープ!」

「ムーンライトドリーム!」

「「「「「セットアップ!」」」」」

『『『『『Set up』』』』』

 

 細部の変わったバリアジャケット、追加されたカートリッジシステム。

 その変化に気付いたヴィータが声を上げる。

 

「あいつらのデバイス、アレってまさか」

 

 戦いの火蓋がが再び切って落とされる。




 2月も終わりですね。
 かと言って特に何かあるわけでもないのですが。
 着々と読者が増えていて私は嬉しい限りです。
 もっと増えないかなー。
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