魔法神話 レイ&アフーム ~もしもリリなの世界にハジケた奴らと邪神が絡んできたら~   作:ショーン=フレッチャー

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 前回のあらすじ
 誘拐されました♡


第3話 AD2003 友達が出来た日

「さて、悪党どもはおねんねで、主犯のナルシストはお兄さんに倒され、これで一件落着ですかな」

「え、ええ、そうね」

 

 レイの言葉に動揺しながらも同意するさくら。

 平然と立っているこの少年がさっきまで行っていたことを考えれば、さもありなんである。

 

「記憶改鋳したからいつでも警察に送れますえ。どないします?」

「ホントにできてるの?」

「これでも魔術の腕はそこそこです故。今両親のチェックを受けていますが、僕の感触では無事に全員完了したと思うんですがねえ」

 

 悪漢共に何やら魔術をかけて回る、金剛=ダイヤモンド夫妻。

 やがて終わったのか、レイ達の方へと戻ってくる。

 

「全員出来ていたぞ、よくできたな、レイ」

「お褒めに預かり恐悦至極」

 

 一同が一応和やかな雰囲気になったとき、氷村の高笑いが響き渡る。

 

「わはははははは! 殺せ! 自動人形共! こいつらを殺せ! 跡形もなく無残に、残酷に殺してやれ!」

 

 その言葉が出た途端、工場の奥からメイド服姿の女性数人が出てくる。

 

「穏便に済ませてやろうと思ったが、もはや許さん! 殺す! 殺してやる! 全員残らずだ!」

「よく回る口です事」

 

レイが冷たく言い放つ。

4人のメイド服姿の女性たちはその手に日本刀を携えている。

 全員が一斉に襲い掛かる。

 人間ではありえないスピードで接近してくるメイドたちに恐怖を覚えたのか、なのは達は目をつぶる。

忍たちは彼女たちをかばわんとする。

恭也は目をかっと見開き対応しようとする。

次の瞬間、大地が爆ぜた。

 

「地雷魔術を仕掛けてみました」

 

 声の主はレイである。

 自動人形たちは足を吹っ飛ばされ動けなくなっている。

 

「な、人間だったらどうする気だ!」

「関係ないもん♪」

 

 恭也の指摘に我関せずといった態度のレイ。

 

「んだとこのド外道がーーー!!!」

 

 氷村の顔にレイの蹴りが入る。

 

「「「「「「お前のことだー!」」」」」」

 

 その一撃で氷村は昏倒する。

 これで一件落着か、と胸をなでおろす一同。

 しかし、レイと恭也のの鋭敏な感覚は何かを捕らえていた。

 

「まだ、おるな、そこの奴、出てこい」

 

レイが声をかける。

現れたのは一体の自動人形だ。

 

「イレインか」

「お兄さん、ご存じで?」

「最強の自動人形といわれている機体だ。まだ氷村が所有していたのか」

「ほう」

 

 レイが鼻を鳴らす。

 

「マスターの命に従い、排除します」

 

 イレインが二刀を構え、突撃する。

 恭也が構える。

 その前にレイが動いていた。

 

「はいドーン!」

「バヘマッ!」

「「「「「「手、デカッ!?」」」」」」

 

レイの右手が突如巨大化して、デコピンでイレインを吹き飛ばす。

 

「何というか、無茶苦茶だな」

 

 恭也が呟く。

 

「それが我々虚空戦士(ハジケリスト)という生き物なのですよ」

 

 レイがそういうと、イレインの方を見る。

 イレインは立ち上がり、レイの方を見やる。

 

「殺す! 殺してやる! そこのガキも! 全員だ!」

「あらま」

「まさか、感情の暴走!? こうなったイレインはだれにも止められないわ!」

 

 さくらが叫ぶ。

 

「成程、これは厄介な」

「君! 感心していないで、逃げるぞ!」

「いやあ、逃げられんでしょう。向こうさん、始末する気満々ですんで」

 

 イレインは左手の得物を鞭に変えている。

 

「一つお聞きしますが、あれをスクラップにしてもかまいませんね?」

 

 レイがさくらに問いかける。

 

「え、ええ、問題はないけど」

「ならよろしい」

 

 そういうとレイの指先に、水の球が現れる。

 

「水符『真夏のウォーターハザード』」

 

 高速で、水の弾幕がレイの背後の魔法円から放たれる。

 イレインは避け切ることが出来ず、直撃してしまう。

 

「がああああああ!」

 

 イレインは腰から真っ二つになってしまう。

 がしゃりと、イレインの体が崩れ落ちる。

 

「正面から突っ込んでくるなんて、あほな人。いや、人やないか」

「そういう問題ではないと思うが。それにしても、良く一撃で倒せたな」

「水圧マシマシの弾幕ですから。硬度は相当なもんですえ」

 

 恭也はそうか、とだけ返事をすると、イレインに近づいていく。

 イレインはバチバチと火花を上げていた。

 

「こうなってはもう動けないな」

「一応直す事も出来るけど、とにかく判断待ちね」

 

 そういうと恭也と忍は氷村を抱える。

 

「こいつは身内で処分を下すわ。当主に反目したんだもの、極刑は免れないわ」

「そうしてくれ。関係のない子まで誘拐したんだ。夜の一族的にはアウトだろう」

「そうですね」

 

 さくらとデビッドが氷村の処分について話している。

 レイはそそくさとアフームの方へと向かう。

 

「お疲れさん、ようやってくれました」

 

 そういうとレイはアフームの頭を撫でる。

 

「むはー、この瞬間のために生きてるのー」

 

「「「何だかオヤジ臭い」」」

 

 3人娘にツッコまれてレイはようやく撫でるのを止める。

 

「あの、あなたは私達が怖くないんですか?」

 

 すずかがレイに問いかける。

 

「怖くないとも、吸血鬼なんて。夜の一族なんて。逆に聞くが、君達は俺が怖くないんか? 簡単に自動人形を破壊できる力を持った俺が」

 

 3人は首を横に振る。

 

「そんなわけないじゃない、アンタは私達を助けてくれた。どうして怖がる必要があるのよ」

「命の恩人だから! 大丈夫なの!」

「私も、色々助けてもらっちゃったし」

 

 アリサ、なのは、すずかがレイに感謝の意を述べる。

 

「そういうこと。俺にとって夜の一族は敵にならんの。俺は一度真祖吸血鬼に会うたことがあるが、あれのプレッシャーとカリスマは半端なかったで。さもありなん、て感じやったな」

「アンタ一体どうゆう人生送ってるのよ」

「魔術師やから、神秘の存在は良くも悪くも隣人なんや」

 

 アリサの苦言を意に介さず、レイは言葉を返す。

 

「皆さん、申し訳ないのだけど、このまま月村邸まで来ていただけないかしら。説明したいことがあります」

 

 忍が声を上げる。

 

「まあ、そうなりますなあ」

「我々はもちろんついていくが」

 

 櫻子とデビッドがいの一番に賛同する。

それに続いて全員が同意を示す。

そして、全員で月村邸へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

「わーい、にゃんこじゃー!」

 

 月村邸についた一行。

 早速アフームが大量の猫に興奮する。

 

「待て! 猫の身体能力は日本刀を持った人間と互角と聞く。すなわちこの状況は!」

 

 レイに言葉にはっとするアフーム。

 

「ここは、死地……!」

「左様、気を抜けば待っているのは死やで……」

「そんなわけないじゃない」

 

 アリサのツッコミが入り、一同は居間で話し合いをする。

 

「何の話でしたかな、確か、部長のヅラ隠蔽事件の話でしたかな」

「違うわ」

 

 レイの発言を切り伏せる忍。

 

「話したいことは夜の一族の掟についてです。私達の秘密を知ったものは、共に歩むか、記憶を失うかのどちらかを選択しなければなりません」

「そんな……」

 

 なのはが悲しそうな声を出す。

 

「我々金剛=ダイヤモンド家は最初から夜の一族の味方だ。秩序ある生活を送るうちは味方であると誓おう」

「「「右に同じく」」」

 

 デビッドの言葉に賛同する、櫻子、レイ、アフーム。

 

「すずかは友達よ。吸血鬼だろうと何だろうと知ったこっちゃないわ」

「アリサちゃん……」

「私だって、すずかちゃんの友達だもん! そんなの関係ないよ!」

「なのはちゃん……」

「アリサが白といったら烏も白だ」

「ケントさん……」

「……一同私達の味方ってことでいいのね。安心したわ。覚悟はしていたけど」

 

 忍が肩をなでおろし、ほっと一息つく。

 

「ええ人たちやないですか。良き縁を結びましたな」

「ええ、勿体無いぐらいだわ」

 

レイの言葉に忍は同意する。

 

「それにしても、誘拐発生から到着までのプロセスが早いですな。どういう訳で?」

 

 レイの質問に恭也が答える。

 

「君たちが誘拐されてすぐに氷村から脅迫状が届いたんだ。忍から連絡が入り、さくらさんと一緒に向かっていた時に、ケントと金剛=ダイヤモンド夫妻に会った」

「僕はアリサが帰りが遅いから探していたところ、金剛=ダイヤモンド夫妻と出会い、一緒にお互いの探し人を探していたんだ。そこに恭也たちが現れて。すずかちゃんが誘拐されたことを知ったんだ。アリサも巻き込まれているんじゃないかって心配になってダウジングを使ったんだ」

「ダウジング?」

 

 アリサがケントの話に疑問を覚える。

 

「ああ、我がバニングス家に伝わる秘術さ。いずれアリサも習うことになるだろうね。おっとこれは秘密にしてもらいたいんだ。ダウジングが使えることをね。話を戻すよ、僕はダウジングを使ってアリサ、すずかちゃん、なのはちゃんの居所をダウジングしたんだ。そしたら3人とも同じところにいることが分かったんだ。金剛=ダイヤモンド夫妻の息子さんたちも同じところにいることが分かって、こうしてみんなで向かったわけさ」

「成程」

 

 レイが納得したように頷く。

 

「それよりも気になることがあります。あなた達、金剛=ダイヤモンド家の皆さんが海鳴に一体何の用事ですか?」

 

さくらが疑問を呈する。

 それに答えたのは櫻子だった。

 

「ふむ、ここで言わぬは不義理かもな。ようござんしょ、私達の目的は来年海鳴で起こるであろう事件の解決のためです」

 

 どよめきが起きる。

 一同に不安が広がる

 

「事件だって!」

 

 ケントが声を上げる。

 

「左様、複数の予言者が同じことを言うてはりました。来年、海鳴という町で常識を覆すような事件が起こると。その事件を解決できるんは額に傷のある子供だけ、すなわちうちの息子という訳なもんで引っ越しのために来たんですよ」

 

「事件とは一体、何が起こるんです?」

 

 忍が櫻子に詰め寄る。

 

「さあ? 常識を覆すとしかわからんもんで。息子だけに任せるんは心配ですけど、これも修行だと思って任せることにしたんですよ」

 

「修業って、大丈夫なんですか? 息子さんって、今いくつ何ですか?」

 

「今年で8歳になります。ついこの間博士号を取得しまして」

 

「「「「「「嘘ぉ!?」」」」」」

 

「マジで」

 

「あの、博士号って何なの?」

 

 なのはが疑問を呈する。

 それにこたえるのは忍だ。

 

「博士号ってのはね、大学院ていう大学の上の学校を卒業したことを言うの」

 

「へえ、それじゃあ、頭いいんだ!」

 

「頭いいどころじゃないわよ! 本物の超天才よ!」

 

「いやあ、照れますなあ」

 

 レイが頭をかく。

 しかしすぐに居住まいを正して全員に向き直る。

 

「本日をもって、海鳴で起こるであろう事件の解決に尽力を尽くすことになりました。レイ=金剛=ダイヤモンドと申します。何分未熟者です故不手際が目立つかもしれませんが、よろしくお願いします」

 

 場がぴりっとした雰囲気になる。

 恭也や忍は何かとんでもないことが起きるのではないかという漠然とした不安が渦巻き始めていた。




 読んでくれる人がいてくれて幸いです。
 もっと読者増えないかなあ。
 どうやったら増えるのかなあ。
 あ、次回から本編入ります。
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