魔法神話 レイ&アフーム ~もしもリリなの世界にハジケた奴らと邪神が絡んできたら~   作:ショーン=フレッチャー

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 前回のあらすじ
 謎の喋るフェレットから貰った魔法の力。
 かんぴょう巻き。
 しかもいきなりの親バレって、原作と違うじゃん!



第2話 あなたの隣の非日常

 初めての変身から翌日の放課後、高町家、バニングス家、月村家、が海鳴市内の高級マンションの高層階にある金剛=ダイアモンド家に集合していた。

これから始まるのは昨日の件についての説明だろう。

誰もが神妙な顔で説明が始まるのを待っていた。

やがて、ドアが開き、金剛=ダイアモンド親子と一人の少年が入ってくる。

その少年ははちみつの様な黄金色の髪を持ち、翡翠のような緑色の目をしていた。

 

「皆さんお集まりいただきありがとうございます。ではこれから地域の電気を見守り隊の会合を始めるとしましょか」

「「「「「「違う違う」」」」」」

「冗談はここまでにして、これから海鳴で起こるであろう事件について話し合うとしましょか」

 

 レイが口を開く。

 

「司会進行は私が行いますがよろしいですね? では、始めさせていただきます。最初に紹介します。本件の最重要参考人、ユーノ・スクライア君です」

 

 金髪の少年、ユーノが頭を下げる。

 

「ユーノ君、ここまでに至るまでのあらましを」

「わかりました。改めまして、スクライア族のユーノです。遺跡発掘を生業としています。ここに至るまで、僕は次元航行船であるジュエルシードの運搬をしていました」

「ちょっと待った! わからない単語が多すぎる! 一つ一つ説明が欲しいんだが」

 

 史郎が話を遮る。

 

「わかりました。まず前提条件としてこの世界には魔法があります」

「といっても家で使こうとる魔術とは全然違います。それは先ほど確認済みです。高度に発達した科学が魔法という形で現れた、と思ってください」

「魔法のおかげで光速を越えた移動ができるようになりました。それが出来る船に僕は乗っていたんです。それでジュエルシードというのはロストロギアという旧時代の遺物です。何らかのエネルギー源であるとは思われると思われますが、よくわかっていません。僕はそれを今回の依頼主に運んでいたんです。その最中、船が事故に遭いました。その時、ジュエルシードが船外に放り出されてしまったんです。思わず僕はそれをつかみに行き、船外に放り出されてしまいました。それで、気付いたらこの街にいたんです」

「それからどうなったの?」

 

 忍が質問する。

 

「しばらくこの街でジュエルシード探索をしようと思いましたが、身体も魔力も十分とは言えませんでした。そのため小動物の姿になって回復に努めつつ、現地の魔導士に救援を求めていました。」

「じゃあ、あのフェレットさんは!」

「そう、僕です。ですが誤算がありました。この世界が魔法の無い世界だったということです」

「さらに誤算があって、救援を求めた結果、反応したのが小学生5人やったということです」

「なのは達か、それにお前も」

「そうです」

 

恭也の回答にレイは頷く。

 

「以上が本件のあらましです。ほんでもって、ここからが本題です。ユーノ君の所有していたデバイスのレイジングハート、あぁ魔法発動のための補助装置、杖のようなもの思ってください、それがですな、なのはをマスター登録してしまいまして。現状ではなのはの方がユーノ君よりもマスター優先度が高いことになってしまいまして。要するになのはやないとジュエルシードを回収できんという訳でして」

「「「「「「えっ」」」」」」

 

 全員が驚く中、なおレイは話を続ける。

 

「現状、ジュエルシードを回収するのにレイジングハートの使用は不可欠。それがなのはをマスターとして認識しとる。これが問題なんですわ。えぇ、こら問題です。この事件、俺とアフームとユーノ君だけで解決しよ思うたら、なのは、いやアリサにすずかも巻き込みかねんのですわ、どないしましょ」

「どういうことだ? 巻き込みかねないというのは」

 

 ケントがレイに問いかける。

 

「すずかとアリサがユーノの念話を拾ったということは、2人にも魔法の素質があるちゅうことです。つまり、レイジングハートのマスターになる可能性がある、という訳なんですわ」

 

 全員が頭を抱える。

 

沈黙を破ったのはジュエルシードを感知したユーノだった。

 

「ジュエルシードが発動した!」

「何やと! 急いで向かうで、レイジングハートの状態は!」

「うん、ゴメン、セットアップできない」

「ハァ? こないな時になにを」

「Solley, but my muster is Nanoha Takamathi. Please take her me」

「ジョーダンはよしこちゃん! この場になのはを連れていけるか!」

「But……」

「私なら、出来るんだよね……」

「なのは?」

 

 なのはは小さくつぶやく。美由紀がそれに気づく。

 

「私、ユーノ君を手伝う! じゃないとユーノ君困るでしょ!」

「確かに困るけど、それでも君は巻き込めない! ああ、どうしたらいいんだ!」

「早ようせい! レイジングハート! マスターはユーノ・スクライアや! とっとと登録しなおしぃ!」

「But……」

 

 会議は踊り始め、全く進むことはなかった。だが、史郎の一喝が入ると一気に静まり返った。

 

「レイくん! うちの娘は誰に似たのか非常に頑固だ。だからこうなっては意地でもやるだろう。レイくん、うちの娘を傷物にしないでくれよ?」

 

 殺気を露にした史郎がレイに迫る。すでに何人かが怯えている。

 

「レイ、同じ妹を持つ身だ、あとは分かるな?」

 

 恭也も同じようにレイに殺気を飛ばす。レイは丹田に力を籠めると言い放つ。

 

「無論、嫁入り前の娘さんに酷いことが出来ますかいな。ご安心を『兄貴の誓い』に則り、この約定、違わぬものとしましょう」

 

「ねえゴメン、『兄貴の誓い』って何?」

 

 アリサのツッコミに構うことなくレイは続ける。

 

「レイの兄貴、それは何よりも重いぞ」

「ケントの兄貴、同じ兄貴として妹そばで守ってやれぬ恭也の兄貴の無念、如何程か!」

「っ! そうか、済まない恭也の兄貴」

「いいんだ、我ら三兄貴生まれし日違えど」

「「「……妹を思う志は同じ」」」

((((((ねえなにこの三国志的なノリ、ついていけないんだけど))))))

 

 かくしてレイ、アフーム、ユーノ、なのはによるジュエルシード回収チームが結成

された。

 

 

 

 ジュエルシード発動の現場は神社だった。

 発動体は熊ほどもあろうかという大きさの狼に似た姿をしている。

 その近くには気絶した中年女性がいる。

レイは中年女性を抱きかかえ、神社の方へと運んでいく。

 

「この人は俺が守る! その間に封印を!」

「原生生物を取り込んでる。気をつけて!昨日のよりも手強くなってる!」

 

ユーノの注意を聞き、なのはは唾をのむ。

 

「なのは!早く!」

「え、何を?」

「昨日の服と杖を、早く着替えるんだ!」

「え、ど、どうするやって変身するの?」

「我は使命をから始まる、起動パスワードを!」

「え〜〜!あんな長いの覚えてないよ〜」

 

発動体はなのはに向かって襲いかかる。

 

「なのは逃げるんだ!」

 

するとなのはの手が光を放つ

 

「レイジングハート?」

『Stand by Ready. Set up』

 

レイジングハートが宝石状態から杖に変化する

 

「パスワードなしで起動させた……。あ、なのは! バリアジャケットも!」

「う、うん」

『Barrier Jacket』

 

光に包まれるとなのはの姿が昨夜と同じ白い服になる。

 

『Protection』

 

桜色の壁と化け物がぶつかり激しい音が鳴る

 

『Condition:All green』

 

化け物が壁に弾かれ倒れる

 

「あの衝撃をノーダメージで……、やっぱりあの子はすごい才能を持ってる」

「まさかここまでの才能があるとはのう、びっくりじゃ」

「思ったよりいたくない……。えと、封印ていうのをすればいいんだよね。レイジングハートお願い」

『All right. Sealing Mode. Set up』

 

昨日と同じように光の帯が巻き付き化け物の顔に数字が浮かび上がる

 

『Stand by ready』

「リリカルマジカル、ジュエルシード、シリアルXVI、封印!」

 

化け物が光に包まれ消える。

残ったのはジュエルシードと恐らく取り込まれていた子犬が眠っていた。

ジュエルシードがレイジングハートの中に吸い込まれる

 

「ふぅ、これでいいのかな?」

「うん、これ以上ないくらいに」

「完璧じゃったな。そうじゃろう、レイ?」

「うむ。まさかここまでスムーズにいくとは思わなんだ。これなら頼りにしてもよさそうやな。発動体の強さもおおよそ分かった。収穫は大きいで。ああ、ご苦労様でした」

「ご苦労様でした、なの」

「妾の出番は無しか。まあ、何もないのが一番じゃがな」

 

 その後、レイの口八丁で中年女性の記憶を改鋳したあと、意気揚々と引き上げるのであった。

 

「うーむ」

「どないした、アフーム」

「今回はハジケが足りんかったのではないか?」

「言うな!」




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