魔法神話 レイ&アフーム ~もしもリリなの世界にハジケた奴らと邪神が絡んできたら~   作:ショーン=フレッチャー

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 前回のあらすじ。
「さて! 続いてはスポーツですね、のコーナーです! アフームさーん!」
「はーい! 今日のスポーツですねはこのようになっていまーす!」
 スポーツ新聞を広げるアフーム。
「「「「「「わかるかーーー!!!」」」」」」


第4話 対立は世の常

 今日の放課後は月村邸でお茶会。

 ということでいつものメンバーでたくさんの猫と共にお茶会を楽しんでいた。

 お茶にはうるさい英国と京都育ちのレイもこの時ばかりは何にも言わずお茶会を楽しんでいた。

 

「いつまでもくよくよしてんじゃないわよ。せっかくのお茶会が台無しになるわ」

 

 大樹の件での失敗が拭えないなのはにアリサが苦言を呈す。

 

「あの時は相談されても誰も動けなかったと思うわ。それでもなのはが失敗だと思うのなら、次はどうするべきかわかるわよね?」

「これでも心配しているんだよ? 私たちじゃ一緒に回収できないけど、その分のサポートはしようって決めたの。だから何か悩みがあるんだったら遠慮なく言ってね」

「なのはは溜め込みやすいからなあ、吐き出せる相手がおるんや。遠慮なく言ってしまえ」

「……うん」

 

 アリサ、すずか、れいの言葉になのははゆっくりと頷く。

 ユーノは猫と戯れながら話を聞いていた。

 

「ユーノ、あんたもよ」

「え?」

 

 突如として話を振られたユーノは虚を突かれた顔をする。

 

「あんたも溜め込みやすそうなんだから、遠慮なく私たちに言っていいのよ」

「私たちもう友達でしょ」

「せや、同じ虚空戦士(ハジケリスト)として、相談はいつでも受け付けたる」

「……うん! ありがとう」

 

 ユーノは初めてできた同年代の友達の言葉に感動していた。

 例えるなら甲子園出場をかけた県予選の決勝でリトルリーグ時代からの親友兼キャッチャーから激励をもらったピッチャーのような心境だった。

 

 

 

 

 

 お茶会の最中、それは突然のことだった。

 ジュエルシードの反応がしたのだ。

 

「空気読まないわね。とっとと回収してきなさい」

「いってらっしゃい」

 

 アリサとすずかに見送られ、4人は森へと入っていく。

 目的地でそれを見つけた時、4人は唖然とした。巨大な子猫がそこにいたからだ。

 

「何じゃ……、コレ」

「多分、子猫の『大きくなりたい』という願いが特に歪むことなく叶ったんじゃないかな」

 

 アフームの疑問にユーノが答える。

 

「それなら回収は楽そうやな。気を引くんは任せとき。巨大猫じゃらしで気引いたる」

 

 そういってレイが取り出したのは竹の先端に楕円球モーニングスターが付いたものだった。

 よくしなるが俗にいう狼牙棒である。

 

「それはどう見ても凶器でしょ!?」

 

 なのはにツッコミを入れられても意に介さず、レイとアフームは狼牙棒を左右に振り巨大ネコの気を引く。

 うまくいったのか猫は興味を示し、前足を伸ばす。その先はレイとアフームだったが。

 

「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!!」」

「二人ともー!」

「ああっ、重っ、でもキモティー!」

「にくきうが、にくきうが、幸せー!」

 

 心配するなのはをよそに肉球を堪能する二人。

 

「いいからとっとと封印するの」

「いいな~」

 

 呆れるなのはと、羨むユーノ。

 封印の準備をするなのは。

 その時だった。背後から一筋の光が巨大猫に向かっていき、着弾、爆発した。

 

「「何事―!?」」

「え!?」

「何だ!?」

 

 全員が光の発射方向を見る。はるか遠く、電柱の上に金髪黒衣の少女が黒い杖を携えている。

 

「バルディッシュ、フォトンランサー、電撃」

『PhotonRancer.FullAutoFire』

 

 さらに数十の魔力弾が猫に押し寄せる。

 悲鳴を上げながら巨大猫はその場に倒れ込んだ

 

「な!魔法の光、そんな……」

「レイジングハート!お願い!」

 

 なのは以外の魔導師の存在に驚くユーノ、なのははレイジングハートを使いすぐに変化し、巨大猫に迫る追撃の雷光を障壁で防ぐ

 

「……! 魔導師」

 

 相手は攻撃をやめて近くの木の上に降り、こちらを見下ろす。

 金髪のツインテールに赤い瞳の少女だ。

 

「同系の魔導師、ロストロギアの探索者か」

「あぅ」

 

 警戒を強めるユーノ、なのはは少し疲れている。

 レイとアフームは肉球から抜け出そうともがいている。

 

「バルディッシュと同型のインテリジェントデバイスが2つ」

「バル、ディッシュ?」

 

 バルディッシュという名前を聞き、なのはは少女の持つ黒と金の杖を見る

 

「ロストロギア、ジュエルシード」

『Scythe Form. Setup』

 

 少女が発した言葉に反応したのか彼女の杖、バルディッシュが変形し金色の鎌が形成される。

 

「申し訳ないけどいただいていきます」

 

 少女の言葉と共に雷纏う一閃が放たれる。なのはは空を飛んで、ユーノはしゃがんでかわす。

 

「なんで、なんで急にこんな?」

「……答えても 多分、意味が無い」

 

 1度離れて互いに距離をとる

 

『DeviceMode』

『ShootingMode』

 

 2人のデバイスが形を変える、互いに砲撃型になった杖を相手に向ける

 

『DivineBuster.StandBy』

『PhotonLancer.GetSet』

 

 魔法を発動準備状態にしてにらみ合う、倒れていた猫が起き上がる。

 それになのはが気を取られ目線を相手から外してしまう。

 それが決定打だった。

 

「ごめんね」

『Fire』

「はっ!」

 

 気づいた時には遅かった、少女の放った砲撃はなのはを吹き飛ばす

 

「なのは!」

 

 黒衣の少女が巨大猫に迫る。それに立ちふさがる1つの影がある。

 

「行かさへんで」

 

 レイである。

 

「くっ、そこをどけ!」

『Photon Lancer. Full Auto Fire』

 

 多数の雷光がレイに迫る。

 

「相殺する! 土精をもって制する、土符『それは無限のライク・ア・ローリングストーン』!」

 

 回転する石が雷光を打ち消す。

 

『Order?』

「ロストロギア、ジュエルシード、シリアル14。封印」

『Yes. Sir』

 

 杖を上に上げると光の柱が伸び空に穴が開く。

 その穴から光の槍が猫に降り注ぎ光に包まれる。

 

「貰たぁー!」

 

 レイがジュエルシードに手を伸ばすも、ジュエルシードは黒い杖に吸い込まれていった。

 そこに残されていたのは子猫だけだった。

 黒衣の少女達はレイたちを一瞥すると去っていった。

 

「おのれ、おのれぇぇぇぇぇー!」

 

 レイの慟哭が響く。この日彼らは敗北した。たった1人にである。

 

「この恨み、晴らさで置くべきか……」

「彼女たち、何の目的でジュエルシードを……」

 

 ユーノの疑問は青空に吸い込まれていった。




 狼牙棒と言ったら、水滸伝の秦明が有名ですね。
 それはそうと、ハジケた文章というものはなかなか難しい。
 ギャグを考えるのも大変だ。

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